カスタマーサクセスの3つのステップ(その1):成功の定義とは(Vol.2)

 2020.05.22  株式会社システムインテグレータ

ゴールの定義(目標の設定)・・・どこを目指していくか

さて、あなたがプロジェクト管理を社内に徹底させる推進者だとして1つ質問をします。あなたは、組織をどういう状態にしたいのでしょうか。毎年、「プロジェクト管理の徹底」というお題目を唱えるだけのどこかの社長と違い、それを実践する立場であるからには、具体的にどういう状態にしたいかを明確にしておく必要があります。

そのためにまず行わなければならないのは、ゴールの定義です。この場合のゴールは1種類とは限りません。あなたが全社PMOや経営者の立場であれば、会社全体のゴールとなりますが、部門におけるプロジェクト管理推進者や部門長の立場であれば部門のゴール、チームのリーダーや前向きなイチメンバーであれば、チームのゴールになります。
ゴールの定義としてどの様なものが考えられるか挙げてみましょう。ゴールの定義、それに対する現状、および目指す目標を表形式にすると分かり易いです。試しに社員数200名くらいのソフトウェア会社を想定してサンプルを作ってみました。よろしければ、みなさんも自分たちの組織に合わせて作ってみてください。

ゴール設定 現状 1年後 2年後 3年後
赤字プロジェクト数の削減
(300万円以上の赤字)
20件/年間 10件/年間 6件/年間 2件/年間
失敗プロジェクトの削減
(失敗の定義: )
40件/年間 20件/年間 12件/年間 4件/年間
平均粗利率の向上 10% 20% 25% 30%
粗利額の向上 4億円 5億円 5.5億円 6億円
平均残業時間の削減 50時間 45時間 40時間 30時間
長時間労働者の削減
(月平均80時間以上)
20人 10人 6人 2人
離職率の低減 12% 10% 8% 5%
メンタルヘルス対象者の削減 10人 6人 4人 2人
社員満足度の向上
アンケート評点(1~5点)
3.0 3.5 3.7 4.0

プロジェクト管理に関するお役立ち資料

プロセスの目標を定義・・・ゴールを達成するための目標設定

プロジェクト管理のデファクトスタンダードPMBOKの長所は、QCD(品質、コスト、納期)というゴールだけでなく、スコープやコミュニケーションなどのプロセスも管理対象にしている点です。ボーリングもピン(ゴール)でなくスパッツ(プレセス)を目標に投球しますし、現代の管理会計でも売上や利益などのKGI(ゴール)を達成するためにKPI(プロセス)の目標設定して企業努力します。

同じように組織のプロジェクト管理力についても、上記で定めたゴールを達成するために必要なプロセスの目標を定義してください。ただし、プロセスはゴールほど結果が明確に見えてこないので、目標を定義しただけではなく、その進捗状況を定期的に監視することが重要です。そのためには、各チームがルール通りに実施しているかをチェックするフォロー担当を決めて、一定サイクル(例えば毎週)でチェックし、結果でアラート(警告)を出す運用ルールも設定する必要があります。

参考までに当社の例をご紹介します。
①プロジェクト管理のルールを設定
(例、300万円以上のPJは進捗報告は毎週行うなど50項目程度のルールを定義)
②チェック担当(全社は全社PMO、部門は部門PMOの2重チェック)
③チェックサイクル(毎週定期的に)
④アラート(プロジェクトリーダーに確認した上で、部門長、経営層へ報告)

こちらもサンプルを作ってみましたので、みなさんも自分たちの組織に合わせて作ってみてください。

プロセスの設定 現状 1か月後 3か月後 1年後

ガントチャートの登録
(300万円以上のプロジェクト)

登録率10% 50% 70% 100%
工程レビュー(マイルストーン)の実施
(500万円以上のプロジェクト)
実施率5% 10% 30% 100%
進捗報告の定期化(週1の報告)
(300万円以上のプロジェクト)
実施率10% 50% 70% 100%
工数入力の徹底
毎日(3日以内)入力
登録率40% 80% 80% 100%
リソースヒストグラムの設定
(300万円以上のプロジェクト)
登録率10% 50% 70% 100%
プロジェクト報告の登録
(500万円以上のプロジェクト)
登録率5% 10% 30% 100%
品質管理(BTS)の利用
(300万円以上のプロジェクト)
利用率20% 30% 50% 70%

成功の定義・・・本当の成功とは何か

ところで「プロジェクトの成功」とは何でしょうか。通常は先ほど述べたプロジェクトのゴール、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)が計画通りに守られることが成功の条件とされます。

では、QCDが計画通りだったら本当に成功と言えるのでしょうか。そう改めて問われると少し自信がなくなってしまいますね。実は、単にプロジェクトが計画通りに完了した時点では成功に到達したとは言えません。本当のところは、プロジェクトが完了し、システムが稼働してからが勝負です。

プロジェクトで創り出されたシステムを使うお客様は、いわばそこからがスタートと言えます。そのシステムにお客様がどれくらい満足していただけるか、このシステムによりどれくらいお客様のビジネスに貢献できるのか、などシステムの効果が発揮できて初めて成功と言えるのです。

こうしたカスタマーエクスペリエンス(CX)の成功、カスタマーサクセス(CS)の向上こそが、本当の成功であす。そして、それを実感できるかがプロジェクトメンバーにとっての真の成功になるのです。

当社も以前はQCDというゴールを目標にプロジェクトを遂行していました。しかし、最近は、上記のような本当の成功に重点を置くこととし、よろ能動的にサポートを行う部隊としてカスタマーサクセスチームを発足させております。

お客様のビジネスの成功と自社のビジネスの成功の両方の成功を持ってプロジェクト管理の成功と言えるのです。みなさんが社内のプロジェクト管理力を強化しようとする際に、ぜひ、現場部門の方に真の成功を意識してもらえるようにしていただけたらと願っています。

カスタマーサクセスチーム
鈴木 宏明

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