原価管理(3)採算管理【プロジェクト原価管理とは?第4章】

 2017.04.28  株式会社システムインテグレータ

前回までは、個別プロジェクト内での原価管理について説明をしてきました。今回は、プロジェクトや部門別採算を管理する方法を説明していきます。

 

①プロジェクト別採算管理

SI Object Browser PMでは、「プロジェクト別採算登録」機能により、月別、原価分類毎(労務費、委託費、経費等)に採算の予定・実績管理を行います。

第4回【原価管理(3)採算管理】:プロジェクト原価管理連載シリーズ 2図:OBPM プロジェクト別採算登録

月締後の労務費、委託費、経費は自動集計され、毎月の想定利益を計算した上で、売上、原価、利益がこの採算表上で月別に表示されます。毎月の売上金額は、進行基準(原価比例、EVM)と検収基準の両方で表示しています。また、EVMは工程別、タスク別、詳細別にガントチャート上で入力した進捗率を元に計算されます。(EVMの詳細は次回に説明)

締月以降の毎月の予定原価は、要員のリソースヒストグラムから計算されており、前月までの実績と合計することにより、プロジェクト完了時点での予想原価を把握することができます。 また、内訳別実績原価も一覧表示されますので、より厳密な管理も可能としています。

②部門別採算管理

前述のプロジェクト別採算を部署別に一覧表示できる機能が「部門別プロジェクト採算照会」になります。 事前設定された会計年度単位で部門・プロジェクト別の採算状況を一覧表示する機能で、画面の下では当該部門の月別売上、原価、利益の合計値を把握することができますので、部門ライン長にはうってつけの機能となっています。
ライン長は画面左にある「プロジェクト名」をクリックすることにより、前述の個別プロジェクトの採算画面に遷移し、個々のプロジェクトの月別採算予実も容易に管理できます。  また、部門別採算に関しては、「実際の計上方法(進行基準+検収基準)」「進行基準のみ」「検収基準のみ」の 3つの切り口での計算機能や「プロジェクト分類」「契約形態」毎の採算も表示できますので、様々な角度での分析も可能としています。

第4回【原価管理(3)採算管理】:プロジェクト原価管理連載シリーズ 3図:OBPM 部門別プロジェクト採算照会

③プロジェクト一覧

SI Object Browser PMでは、さらなる管理機能を用意しています。社内で稼働しているプロジェクトを部門別、顧客別、契約形態別などで横断的に検索・照会することができ、原価差異だけではなく、進捗遅延率や遅れ日数なども各プロジェクト毎に一覧表示をさせる「プロジェクト一覧」機能です。

第4回【原価管理(3)採算管理】:プロジェクト原価管理連載シリーズ 4図:OBPM プロジェクト一覧

※警告マーク

「プロジェクト一覧」では、進捗遅延やコスト超過に対して、事前に閾値を設定しておき、それを越えた(もしくは足りない)場合、当該プロジェクトに警告マークを表示することができます。
ライン長やPMOメンバーは警告マークが表示されたプロジェクトコードを右クリックすると進捗報告や採算画面に即座に推移し、詳細内容の確認が行えます。

以上、PMのみではなく、経営層、部門長、PMOも利用可能な採算管理機能を説明してきました。次回は、プロジェクトのコストマネジメントの標準技法であるEVMおよびSI Object Browser PMでの利用方法についてを説明することといたします。

株式会社システムインテグレータ 多田


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