「欲しい商品がすぐに見つかるEC」を実現するレコメンド機能

 2019.09.10  株式会社システムインテグレータ

ECサイトの売上を上げるには、「ユーザーを増やすこと」と同時に「コンバージョン率を上げること」と「ユーザー1人あたりの売上(客単価)を上げること」が重要です。
これまで一つの商品しか買っていなかったユーザーに、追加でもう一つ購入してもらうことができれば、売上アップにつながるでしょう。

また、客単価アップではECサイトを訪れる頻度を高めてもらうことも意識したいところ。
そのために効率的なのが「レコメンド」機能です。

成功しているECサイトは「レコメンド」が秀逸です。
今回は、レコメンド機能とはどういうものなのか、またレコメンドにどのような種類があるのかをご紹介します。

ECサイトの売上を伸ばしたい方は、ぜひ最後までお読みください。

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購入を促す「レコメンド」とは

「欲しい商品がすぐに見つかるEC」を実現するレコメンド機能 1

レコメンドは、日本語で「おすすめ」のことです。
実店舗で商品を買った際、「こちらはいかがですか?」とスタッフに声を掛けられたことがあると思いますが、それと同じです。

「レコメンド」をする狙いは主に2つあります。
一つはEC側が買ってほしい商品(新商品など)をすすめたい場合。
もう一つは、購入履歴や閲覧履歴からユーザーが買ってくれそうな商品をすすめたい場合です。
ユーザーが買ってくれそうな商品をプッシュすると、「買ってくれる確率」が上がります。

また、ユーザーとしても自分が欲しい商品をすすめてくれるサイトは信頼したくなります。
「あのサイトに行けば欲しい商品が見つかる」と思ってもらえれば、訪問頻度も上がるでしょう。

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知っておきたいレコメンドの種類

「欲しい商品がすぐに見つかるEC」を実現するレコメンド機能 2

ECサイトのレコメンド機能には、いくつかのバリエーションがあります。
どのようなアプローチがあるのか見ていきましょう。

人が選ぶ

もっとも簡単なのが、ECの運営者が手作業でおすすめする商品を選ぶ方法です。
ただし人の手で行うので細かい設定は難しく、一人ひとりのユーザーに対してというよりもサイト訪問者全体に対しておすすめする形になります。

自分の売りたい商品をおすすめできるので、新発売の商品や季節に合った限定商品、もしくは在庫を減らしたい商品など、さまざまな意図で選べます。

アルゴリズムで選ぶ

「レコメンドエンジン」と呼ばれるレコメンドするための仕組みを使って、その仕組に組み込まれているアルゴリズムで選ぶ方法もあります。
アルゴリズムにはさまざまな種類があるので、代表的なものをご紹介します。

協調フィルタリング

「協調フィルタリング」というアルゴリズムでは、ユーザーと同じような閲覧・購入行動をする他のユーザーが閲覧もしくは購入している商品をおすすめします。
普段目にすることも多い、「この商品を買った(見た)人はこんな商品も買って(見て)います」という表現で推奨されるものがこれにあたります。

アイテムベースレコメンド

「アイテムベースレコメンド」は、閲覧した商品と類似した商品、もしくは関連した商品を紹介する方法です。
例えばPCを閲覧したら、他のPCやマウスをすすめるのがこのやり方。
ユーザーの行動履歴が必要ないシンプルな方法ともいえるでしょう。
こちらの場合は「関連アイテム」などの表現が使われます。

ハイブリッド型

上記の2つのアルゴリズムを組み合わせた「ハイブリッド型」というシステムもあります。
例えば新規ユーザーには「アイテムベースレコメンド」、リピーターには「協調フィルタリング」でレコメンドするなど、臨機応変な対応が可能になります。

アルゴリズムを利用する場合でも、チューニングは人が行わなければなりません。
手間がかかる分、細かい調整ができるため、うまくチューニングすればレコメンドから買ってもらえる確率を上げられます。

AI(人工知能)が選ぶ

AI(人工知能)がレコメンドする方法です。

アルゴリズムは精度を上げるためにチューニングが必要であるのに対し、AIを活用する場合AIが学習することによる精度向上が期待できる点が大きな違いになります。
AIがこれまでのユーザーの閲覧・購買データから学習してレコメンドするため、データが溜まれば溜まるほど精度の高いレコメンドができるようになることが期待出来ます。

実は、AIには「機械学習」と「ディープラーニング」という2つの方法があります。
厳密にいえばディープラーニングは機械学習の一部ですが、ここでは別のものとしてご紹介します。

例えば、AIに犬と猫の画像を判別させるとします。
機械学習では、犬と猫の特徴をコンピューターに認識させて学習させます。
犬と猫の特徴を洗い出してコンピューターに認識させるのは、人間の作業です。

これがディープラーニングでは、機械学習で人間が行っていたこともコンピューターが行ってくれます。
元になる画像データをコンピューターに与えれば、自ら特徴を分析して答えを出せるようになるのです。

レコメンド機能に関しても、人の作業が必要な機械学習と、自ら学習していくディープラーニングを使ったシステムの2種類があることを覚えておきましょう。

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自社のECサイトにレコメンド機能を実装する方法

「欲しい商品がすぐに見つかるEC」を実現するレコメンド機能 3

ここからは、レコメンド機能を実装する方法について見ていきたいと思います。

ECシステムに付帯するレコメンド機能を使う

現在のECシステムには、あらかじめレコメンド機能が付いているのが一般的です。
ECシステムの料金内で利用できるので、コストを抑えることができます。

ただし、ECシステムに入っているレコメンド機能はあまり精度が高くありません。
人が指定したアイテムをすすめたり、同じカテゴリにある商品をすすめたりする程度だと考えていいでしょう。
「とりあえずレコメンド機能を実装したい」という場合は、最もハードルが低い方法です。

レコメンドASPを使う

ECシステムとは別に、レコメンド専用のサービスを導入するのもいいでしょう。
別途費用は発生しますが、専門ツールなので高度なレコメンドが可能です。

ECシステムを提供している会社が、ECシステムに標準装備しているレコメンド機能とは別に専用のレコメンドシステムを提供しているケースもあります。
同じ会社が提供しているシステムなら相性もいいので、使っているECシステムの会社がレコメンドエンジンを提供していないか確認してみてください。

機械学習のエンジンを使う

機械学習を使ったレコメンドエンジンを導入するのも一つの手です。
例えばAWSが提供する「Amazon Personalize」などがあります。
日本でも2019年6月に一般提供が開始されています。

本来であれば、AIのレコメンド機能の実装は、優秀なエンジニアを集めて、莫大なコストと時間をかけて初めて実現できます。
しかし、Amazon Personalizeを上手に活用することで、低コストでAIのレコメンドシステムを導入することが可能です。
すでに国内でもAmazon Personalizeの使い方を説明できる方が現れているので、使い方を調べながら実装することもできるでしょう。

料金も月々の最低料金や前払いではなく「レコメンドサービスを利用した分の課金」となるため、スタートのハードルは低いといえます。

まとめ

誰しも「自分が欲しい商品がすぐに見つかるEC」を使いたいもの。
レコメンド機能を利用すれば、単純にユーザーに商品と接する機会を増やすだけでなく、ユーザーの満足度を高めることにもつながります。

「売上を上げたい」という目的を実現するためだけでなく、よりユーザーに満足した購買体験をしてもらうためにも、レコメンド機能は重要な役割を果たします。
ECサイトのファン・リピーターを増やしてブランディングしようと考えている方は、ぜひレコメンド専用のASPやAIを使ったレコメンドシステムを導入してみましょう。

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