越境ECを成功させるためのポイントを解説

 2017.08.31  株式会社システムインテグレータ

人口減少による国内需要の縮小にともない、国内向けにビジネスを行う企業を取り巻く環境は、ますます厳しくなりつつあります。一方でECビジネスの参入障壁は低く競争相手が増えている現状も踏まえると、今まで以上に新たな顧客の獲得の重要性が高まっていると言えます。

そのための一つの解決策が販路拡大による売上への貢献です。

多くの企業では、販路拡大を目的に北米やEU、アジア諸外国などへの店舗/事業所展開やシナジー効果を求めた事業合弁、M&Aを加速させています。それと並行して、最近特に多くの企業がインターネットというボーダレスな世界を活用したECサイトの展開、いわゆる「越境EC」を検討・実践しているのです。 

越境ECとは、国際的な電子商取引を指すもので、日本企業が中国・米国などの市場規模や成長率の著しい国や地域に向けて、ECサイトを通じた自社商品を販売すること、またはそのシステムを指します。 

日本国外に目を向けると市場規模や経済成長率などの観点から多くの企業が期待を寄せるのもうなずけます。

しかし、実情としては、越境ECに失敗している日本企業も少なくありません。需要があるにも関わらず、失敗する理由とは何なのでしょうか?

今回は、越境ECを成功させるためのポイントを解説します。

市場規模から見る越境ECのターゲット

越境ECへ取り組む上で最初に考えるべきポイントが、ターゲット市場を決めることです。そのために、越境EC市場のデータを見ていきましょう。 

世界規模の決済サービスを提供するペイパルが発表した「越境ECグローバル調査2016」によると、各国の越境EC市場規模は次の方になっています。

越境EC市場規模トップ5(円換算)

1位中国 7兆1,000億円

2位米国 4兆8,000億円

3位インド 9,000億円

4位フランス 9,000億円

5位イギリス 9,000億円

EC消費者意識調査

数年前、国内で中国人による“爆買”が話題になりましたが、EC市場においても人口の多い中国が圧倒的な規模を見せています。

次に、越境ECを利用した中国からの購入先ランキングを見てみましょう。中国消費者がどの国から商品を購⼊しているのか?についての国別のリストです。 

中国からの購入先トップ5

1位日本 13%

2位韓国 13%

3位アメリカ 9%

4位フランス 4%

5位オーストラリア 4%

やはり、日本が上位にランクインしています。先ほどの越境EC市場規模から、日本企業における中国の越境EC市場規模を単純計算してみれば、市場規模は9,230億円となります。

国土交通省観光庁の調査によると、2016年国内での中国人による旅行消費額は1兆4,754億円となり、そのうち38.1%が買物代となっています。 

出典:国土交通省、訪日外国人消費動向調査 平成28年年間値(確報)

こうしたデータをもとに考えると、やはり日本企業の越境ECターゲットとして最も有力なのが中国でしょう。米国も越境EC市場としては中国に次いで大きいのですが、米国消費者の越境EC利用先として、日本は5位となっています。

中国以外の市場でとなると、2016年の越境EC市場成長率が最も高かったインドなどが狙い目なのかもしれません。

参考資料:ペイパル プレスリリース「ペイパルによる越境 EC グローバル調査 2016

しかし、これらのデータだけを確認して、どこの国をターゲットにするかを決めるのは時期尚早と言えるでしょう。実際には、グローバルレベルでの自社製品やサービスの強み、競合各社の状況などを理解した上で確定させます。 

中国向け越境ECを成功させるポイント

今後も越境EC事業を立ち上げようという日本企業の多くが、まず中国をターゲットにするのではないかと思います。従って、ここでも中国向け越境ECサイトを立ち上げることを前提に、成功のポイントについて解説していきます。 

ポイント1. ECサイト構築と集客

中国向け越境ECサイトを構築する方法として最もポピュラーなのが、国内サーバでECサイトを構築し、それを中国市場で公開するというものです。中国国内でサーバを立てECサイトを構築するとなると、中国工進部(日本の経済産業省にあたる政府機関)の認可が必要になるので、手間・コスト面から考えて、現実的とは言えません。

国内サーバでECサイトを構築すれば認可を受ける必要はないので、この方法で越境ECサイトを立ち上げる企業が多いでしょう。

ただし問題は“集客”です。

日本国内でお馴染みの検索エンジンといえばGoogleやYahoo!ですが、これらの検索エンジンは中国で規制されています。加えて中国の検索エンジン市場はBaidu(百度)が97%のシェアを独占しているので、慣れ親しんだSEO対策はまったく通用しません。当然ですがGoogle Adwordsなどのリスティング広告は使えません。 

打開策としては、Baidu(百度)リスティング広告やディスプレイ広告に出稿することになります。Baidu(百度)には日本法人もあるので確認すると良いでしょう。

また、Tmall(天猫)かJD.comといったECモールに出店することも検討する必要があります。中国では商品検索を行う際、検索エンジンではなくECモール内の検索機能を利用する人の方が多いという声もあり、これらのECモールに出店することも重要です。

ポイント2. 問い合わせ対応

中国ではスーパーコピーなどの偽物商品が多く流通していることから、中国人は品質に対してかなり敏感です。日本国内では正規店から購入しているという安心感もあり、爆買いする光景がよく見られますが、ECサイトではそうした光景はむしろ稀です。

このため中国人向けに問い合わせ対応を整備する必要があります。また、中国のECは、チャットでのコミュニケーションが主流なことで有名です。時にはチャットを介して値引き交渉されることなどもあり、それに対応することで販売に貢献することも多々あります。このような文化の違いを吸収することも重要なのでしょう。 

ポイント3. ECサイト決済システム

中国ではクレジットカードが普及していません。第三者による不正利用や不正送金が多く、これを懸念してクレジットカードを持つ消費者が少ないのです。

では、どういった決済を行っているかというと、最も普及しているのが「支付宝(アリペイ)」です。アリペイはメルカリの決済システムのような方式を取っていて、消費者が商品を受け取ってから料金が支払われる仕組みになっています。 アリペイか、ペイパルか、あるいはその他の決済システムを利用するか、成功の命運をわけるポイントです。

ポイント4. 物流コスト

最後は物流ですが、中国の物流事情は複雑で、故に原価が高くなってしまう可能性があります。加えて中国のEC事情では送料無料が当たり前なので、必然的に物流コストが高くなってしまうのです。

しかし、中国EC市場では最初の物流コストを犠牲にしてもファンを付けることで、将来収益拡大が狙えるので、慎重に検討しなければなりません。 [RELATED_POSTS]

 

まとめ

越境ECの重要性は今後も益々高まることが予想されます。2015年「独身の日」である11月11日にアリババが仕掛けたスーパーセールでは、たった1日で1.8兆円という売上げを記録しています。このように中国市場は魅力的な市場と言って良いでしょう。

しかし、対象国の言語で翻訳しておけば、日本国内と同じ体制で良いというわけではありません。それぞれの文化や趣味嗜好を理解することが成功への近道と言えるのです。その点をしっかりと考慮した上で、慎重に事業計画を立てていきましょう。

越境ECをご検討のお客様はシステムインテグレータにお問い合わせいただければ幸いです。

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