ECサイト構築を徹底解説 | 費用相場・方法・制作手順から会社の選び方まで

 2020.11.18  株式会社システムインテグレータ

ECサイトはユーザにとっても事業者にとっても身近な存在となってきました。それに連れて事業者が運営するECサイトの数はもちろん、ECサイトを構築するサービスも多様化し、今では数えきれないほど多くの選択肢があります。

選択肢が増えたということはより自社にマッチする選択肢が増えたとも言えます。ですが、いざECサイトを新しく構築しよう、今使っているサイトよりも良いものにリニューアルしようと思っても、実際にはどれが自社にとって最適な選択肢なのか判断することは困難です。これは選択肢が増え、また細分化されてきているからです。

そこで本記事では、初心者からEC事業のプロの方まで広く役立つECサイト構築の検討ポイントについて詳しく解説していきます。

ECサイト構築基本ガイド

ECサイトを構築するには?

ECサイトを構築するには、大きく2つの方法があります。

  1. モール型ECサイトに出展する
  2. 自社ECサイトを構築する

これらはショッピングモール内に出店するのか、独自に出店するのかの違いに似ています。モール型ECサイトに出店する場合も、単に商品だけ登録するという方法もあり、その場合出店というよりは出品に近く、よりお手軽になります。

自社ECサイトは多くの場合、ゼロから開発するのではなく、提供・販売されているサービスを利用して構築されます。このサービスにはどんな種類のものがあるのか、それぞれどんな特徴があるかは次章「ECサイト構築方法 6つの方法」で詳しくご紹介しますが、基本的には自社にマッチするサービスを利用して構築していくと考えていいでしょう。

また自社とマッチするかどうかの判断は、発生するコストにも大きく左右されます。「ECサイト構築に必要な費用と期間」の章では、構築方法別での参考費用感と料金体系について詳しくご紹介しています。

自社にマッチするECサイトを選択できたとしても、構築するベンダーと良好な関係を築けなければプロジェクトを成功させることはできません。ベンダーに丸投げではECサイト構築はうまくいきません。依頼主側も構築の手順や必要なことを理解し、ベンダーと一体となりプロジェクトを推進していく必要があります。「ECサイト 作り方の手順」の章では、そうしたECサイト構築プロジェクトの工程について詳しく解説しています。

そしてECサイトを構築する目的のほとんどは「デジタル技術を活用して売上を伸ばす」ことです。単にECサイトを構築するだけではこの目的は達成できません。「ECを運営する上での必要業務」の章では、構築後ECビジネスを運営する上でどのような業務が発生するかについて詳しくご紹介しています。

本記事ではECサイト構築に必要な知識をできるだけ網羅的かつ体系的に整理しています。

  1. ECサイトの構築方法の種類を理解する
  2. 種類ごとのコストと期間を理解する
  3. ECサイト構築プロジェクトの工程を理解する
  4. ECビジネス運営に必要な業務を理解する

これらのステップを通じ、自社に適した選択肢を選ぶために必要な考え方を少しでもお伝えできればと思います。

それでは早速詳しい内容に入っていきましょう。

ECサイト構築方法 6つの方法

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自社にマッチするECサイト構築方法を選択するには、まず自社が求めるものを整理することが大切です。構築の目的が明確でないと何を基準に判断していいかわからず、単純に表面的な金額だけで比較することになってしまうからです。ですが、世の中に存在しないかもしれない理想のシステムを求めてもあまり意味はありません。そもそも大まかにどんな選択肢が存在しているのかという前提となる知識があると、検討が遠回りになることを避けられます。

ここではECサイト構築の代表的な5つの手法についてご紹介してきます。
それぞれの詳しい構築方法はこちらの記事でもご紹介しておりますので、合わせてご覧ください。
ECサイトの5つのプラットフォームを徹底比較!自社に合う構築方法は?

モール型ECサイトに出店する

モール型ECサイトとは、Amazonや楽天市場といったプラットフォーマーが運営する複数のECショップが並ぶショッピングモール型のサイトです。

用意されている機能を利用してすぐに出店することができるので、他の構築方法と比べて素早く立ち上げることができます。また、これらのモール型サイトはすでに有名で、多くのユーザに利用されており、またプロモーションにも力を入れているため、ゼロから集客する必要がないというメリットがあります。

こうしたメリットがある反面、自由度が低かったり、販売に必要な手数料の率が高かったり、サイト内の競合との競争が激しい場合、サイト内での広告も出稿しなくてはならないなどの懸念点もあります。

こうした特性から、複雑な検討が必要ない、利益率の高い自社商品を素早く、コストをかけずに販売したいという場合は、モール型ECサイトと相性が良いと言えます。

モール型ECサイトについては以下の記事でも詳しく解説しています。
モール型ECサイトとは?店舗型との違いを解説

ASPを利用する

ASPとはApplication Service Providerの略で、インターネット経由で提供されるサービスおよび事業者を指して使われる言葉です。広義では、先ほどご紹介したモール型ECサイトもASPの一種ですが、ここでは「自社独自のECサイトを構築することができるインターネット経由で提供されるサービス」についてご説明していきます。

このASPは他の自社ECサイトを構築する選択肢と比較し、安価であるという特徴があります。ASPはECサイトに必要なカート機能を提供するものであることがから「カートサービス(システム)」とも呼ばれます。無料から利用できるサービスも増えており、気軽に立ち上げられるため、多くの独自サイトがASPを活用して構築されています。

自社でサーバを用意する必要もなく、システム構築に関する専門知識は不要なため、ECビジネスの立ち上げと相性の良い選択肢です。

その反面、用意されている機能の範囲でしか利用できず、カスタマイズができないため、独自性を出したい場合や他のシステムとの連携などを行いたい場合はASPでは物足りなくなってくるでしょう。

ASPのカートサービスについては以下の記事でも詳しくご紹介しております。
「ASPカート」とは?メリットや自社に合うカートの選び方を解説!

クラウド型EC(SaaS)を利用する

クラウド型ECは、SaaS(クラウドサービス)として提供されるECサイト構築機能です。SaaSとは、Software as a Serviceの略で、サービスとして提供されるソフトウェアです。ソフトウェアを購入し独自にインストールするのではなく、サービスとして利用するという形態を指します。ASPもサービスとして利用するものとなるので、SaaSとASPは概念的にほぼ同じと言えます。

一般的な言葉の定義としては、

  • ASP:サービスを提供する事業者そのもの、および提供されるサービスを指す
  • SaaS:サービスとして提供されるソフトウェアそのものを指す

といった違いがあるのですが、ECサイト構築の文脈におけるASPとクラウド型(SaaS)の違いは、

  • ASP:まったくカスタマイズができないサービス
  • SaaS:ある程度はカスタマイズができるサービス

ということができます。ニュアンスの問題ではあるのですが、本記事ではこちらを前提にご説明を進めていきます。

こうした文脈で使い分けられ始めたのは、ASPと後述するパッケージ型のあとにSaaSが登場したという流れがあり、パッケージ型の特徴を持ちつつクラウド上のサービス化され提供され始めたものがSaaSとして市場に登場したという背景があるからです。

ですので、クラウド型ECは、おおまかにはASPよりも高機能で拡張性があるもの、というように理解してよいでしょう。

高機能で拡張性がある反面、費用はASPと比べると高い傾向があります。ですが、サーバを用意する必要もなく、システムの運用も保守もお任せできるというASPと同様のメリットもあります。

ですので、完璧にオリジナルまでは不要だが、ASPだとなかなかやりたいことが実現できない、くらいのある程度以上成長したEC事業者あるいは、ビジネス要件が複雑で独自の機能が必要な事業者に適している選択肢と言えるでしょう。

ECサイト構築パッケージを利用する

ECサイト構築パッケージはECサイトに必要な機能がパッケージ化されたシステムです。他のパッケージソフトウェアと同様、ゼロから作成する必要がないため、素早くシステム(ECサイト)を構築できます。

ECサイト構築黎明期の90年代後半から2000年代前半くらいまでは、後述するスクラッチ開発(ゼロからプログラミングして作る)かパッケージの2択だったので、「素早くECサイトを構築できる」というのは十分特徴だったのですが、ここまでご紹介した通り今では、ASPであっても、クラウド型ECであっても素早く立ち上げることができるため、パッケージ型を説明する特徴としては適していません。

ECサイト構築パッケージの最大の特徴は、用意された機能を自由にカスタマイズすることができることです。ECサイト構築パッケージを用いたシステムは通常自社独自の環境に構築されます。ASPやSaaSと異なり、完全に独立した自社オリジナルシステムとすることができるので、制限なく自由に機能を拡張、追加することができます。

またその機能追加は自社独自で実施することができるので、ビジネス環境の変化に素早く対応することができます。ASPやSaaSと異なり、プラットフォーマーのアップデートを待つ必要がないからです。

ですがその反面、構築に時間やコストがかかります。当初「素早くECサイト構築できる」という特徴があったのですが、今ではむしろ時間がかかる選択肢となっています。

時間と費用をかけても投資対効果を出せるような規模になっているECビジネス、あるいは規模を大きく成長させるために必要な機能拡張を自由に行いたいという事業者と相性が良いのがECサイト構築パッケージです。

ECサイト構築パッケージについてはこちらの記事で詳しく解説しております。
ECサイトの構築で便利な「パッケージ」を徹底比較

OSS(オープンソースソフトウェア)を利用する

OSSとはOpen Source Softwareの略で、無償で公開されているソフトウェアです。ECサイト構築パッケージは通常有償ですが、OSSはその無償版です。

OSSのメリットは、なんと言ってもコストです。数百万円かかるECサイト構築パッケージのライセンス費用を支払う必要なく、利用することができます。

ですがECサイト構築パッケージはメーカーによるサポートや保守があるのに対し、OSSはありません。OSSによっては、有償サポートを行う第三者の企業が存在したり、質問することができる掲示板が存在したりしますが、基本的に利用に関しては自己責任と言えます。

OSSを活用して自社のエンジニアでECサイトを構築する方法と、システム開発会社にOSSを活用してもらって構築する方法の2パターンがありますが、いずれにせよOSSの本体部分について責任を持ってもらうことはできないので、OSSで構築する場合は特にセキュリティに注意する必要があります。

OSS自体はアップデートを続けてセキュリティ対策を行っていても、旧バージョンで構築したものをアップデートしないまま利用していると、個人情報流出などの重大な事故につながってしまう可能性があります。

OSSを採用する際は、そうしたリスクが存在しているということを注意しましょう。

スクラッチ開発で構築する

スクラッチ開発とは、すでに用意された部品を組み合わせ作るのではなく、木材から削り出す(Scratch)ようにオーダーメイドでシステムを構築する開発手法です。要は、ゼロから設計、プログラミングを行い、独自のシステムを開発する方法です。

他の選択肢と異なり、コストや納期や技術的な問題やリソースを除くと、一切の制限がなく自由度が高いことがスクラッチ開発の特徴です。他の選択肢ではそもそも作りたいシステムが作れず、またそれらをベースとするメリットがない場合にスクラッチ開発が選ばれます。世の中にないものを作る場合はスクラッチ開発しか選択肢がないからです。

独自のビジネスとその競争優位性は、スクラッチ開発で開発された、世の中で自社にしか存在しないゼロから開発されたシステムでないと支えられないか、というならばそんなことはありませんが、「成長に向け、自社でコントロールができないビジネス上の制約条件をできるだけ減らしておきたい」ということは十分にあり得ます。しかしそれを支えるには社内の専門家とリソースが必要となります。

投資対効果が見合うビジネスかつ、そうした社内リソースが潤沢であればスクラッチ開発によるECサイト構築が適していると言えるでしょう。

スクラッチ開発によるECサイト構築については以下の記事でも詳しく解説しています。
そのスクラッチ開発、本当に必要?ECサイト構築前の重要確認事項

構築方法別のまとめ

本章の最後に、ここまでご説明してきた構築方法別の特徴を改めてまとめます。
こうした構築方法の違いを理解することで、まるっきり自社に当てはまらない選択肢を検討から外すことができるため、検討に関わるメンバー全員の共通認識とできると良いでしょう。

モール型ECサイト

  1. プラットフォームに商品を乗せるだけでスタートできるので早くて楽
  2. 専門知識も不要でスタート可能
  3. 手数料やサイト内の広告がネック

ASP

  1. 無料、あるいは安価に利用できるので、素早くスタートできる
  2. セキュリティやサーバなどの専門知識不要で始められる
  3. カスタマイズができず、自由度が低いのがネック

クラウド型EC(SaaS)

  1. セキュリティやサーバなどの専門知識がなくても運用はできる
  2. ある程度はカスタマイズできるが、完全に自由というわけではない
  3. ASPと比べると利用料は高額だが、初期費用はパッケージ型よりも安価な場合が多い

ECサイト構築パッケージ

  1. ある程度のシステム開発やセキュリティ、サーバに関する知識があった方がよい
  2. 独自の環境になるのでクラウド型と比べるとカスタマイズの制約は少なく、自由度が高い
  3. 開発規模によるが、初期開発に費用と時間がかかる場合が多い

OSS(オープンソースソフトウェア)

  1. ライセンス費用が発生しない
  2. 有償のECサイト構築パッケージと比べサポートや保守が不足している
  3. 結果として、自社やOSSを利用するシステム開発会社に高いレベルの知識と技術力が求められる

フルスクラッチ開発

  1. 自社でコントロールできない制約が少ない
  2. 初期開発にコストと期間がかなりかかるが、外部の制約が少ないため、ビジネス変化に合わせた改修を行うことができる
  3. 自社内にシステム開発の専門家と十分なリソースが必要

ECサイト構築に必要な費用と期間

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前章では6つのECサイト構築方法とその特徴についてご説明しました。自社のビジネス要件に最も適した構築方法を選択することを担当者求められるのですが、それは予算内(および期間内)に収まるという大きな前提条件の中のお話です。

予算も期間もいくらでもかけてもよい、というECサイト構築プロジェクトは基本的にありません。それはECサイト構築は、変化する市場に対応し自社ビジネスを成長させるための手段だからです。回収が見込めないほど投資もありえないですし、出来上がってユーザに体験してもらうのはいつでもいいということもありえないのです。

そしてコストと期間は基本的に比例する関係にあります。単純に開発の規模が大きくなればなるほど、コストは膨らみ、必要な期間も延びていくからです。

ここからは、前章でご紹介した構築方法別に、費用と期間の相場についてご紹介してきます。
費用の相場についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
ECサイトの構築にかかる費用の相場はいくら?

モール型ECサイトの費用と期間の相場

費用の相場

  • 月額利用料:100円~100,000円
  • 販売手数料:売上の2%~15%

期間の相場

  • 1ヶ月~2ヶ月(申し込みからオープンまで)

モール型ECサイトに商品を出品(出店)する場合、そのモールとの契約が必要となります。商品点数や利用するサービスによって、システムの月額利用用が決まります。また契約のプランや商品のカテゴリにより販売手数料率が定められており、月額利用料と合わせてこちらの金額は発生します。

その他、サイト内の広告サービスやフルフィルメントサービスなどが用意されており、それらを利用するとさらにコストが発生します。また、店舗型のモールサイトの場合、デザインを独自に設定することができます。そのサイトデザインを外注して作成する場合は、その費用も別途発生します。

ASPの費用と期間の相場

費用の相場

  • 初期費用:10万円~300万円
  • 月額利用料:10,000円~100,000円
  • カード決済手数料:売上の0.5%~3%前後

期間の相場

  • 1ヶ月~3ヶ月(申し込みからオープンまで)

ASPは商品点数や利用する機能により料金プランが分かれていることが一般的です。その点についてはモール型ECサイトと同様なのですが、販売手数料がないことが異なる点です。その代わり決済方法によって、決済手数料が発生します。これは実店舗と同様、カード会社や決済代行会社に対して支払うものです。

初期費用に幅があるのは、デザインをどこまで独自のものにするかで、大きく変わるためです。デザイン制作についてはASP側で別メニューで提供しているサービスを利用することもあれば、別のデザイン会社に依頼する場合もあります。標準的なテンプレートを利用する分には利用料金内で対応可能ですが、別途デザインを作成する場合はコストが発生することを考慮しましょう。

クラウド型EC(SaaS)の費用と期間の相場

費用の相場

  • 初期費用:300万円~3,000万円(カスタマイズ費用含む)
  • 月額利用料:500,000円~5,000,000円

期間の相場

  • 3ヶ月~6ヶ月(申し込みからオープンまで)

クラウド型ECもあまりカスタマイズをしなければASP並のスピード感でオープンすることが出来ますが、全くカスタマイズをしないのであればクラウド型ECを選ぶことはあまりないので、基本的にはASPより期間がかかると考えて良いでしょう。

クラウドECからはカード決済の手数料等は決済代行業者との直接契約になるケースが多いので、費用相場の表記からは外すのですが、別途発生します。規模が大きくなるに連れ、商品にもよるのですが、決済手数料の料率は交渉して下げられる可能性があるので、ASPに備え付けのものよりは安価に利用できるかもしれません。

初期費用についてはカスタマイズをどれくらい行うかによって大きく変わります。クラウドECを選ぶ場合、ECサイト構築パッケージやフルスクラッチを選ぶ場合と比べるとそこまでの規模のカスタマイズでないことがほとんどですので、システム開発があっても半年前後でオープンすることができます。

ECサイト構築パッケージの費用と期間の相場

費用の相場

  • 初期費用(ライセンス):200万円~500万円
  • 初期費用(カスタマイズ):1,500万円~1億円
  • 月額保守費用:300,000円~1,000,000円
  • サーバ利用料:200,000円~1,000,000円
  • サーバ監視:200,000円~500,000円

期間の相場

  • 6ヶ月~18ヶ月(契約からオープンまで)

ECサイト構築パッケージは自由度が高い反面、費用の幅も大きくなります。カスタマイズが少なく、必要なサーバの台数も少なければ初期費用2,000万円、月額費用70万円程度でスタートすることができますが、規模が大きくなるに連れそれぞれの費用は膨らんでいきます。

ECサイト構築パッケージを選ぶ場合、一定以上のカスタマイズを行う前提となるため、期間は短くても半年はかかることがほとんどです。ここでは代表的な項目の費用感についてご紹介していますが、実際にはサーバに導入するウイルス対策ソフトやドメイン取得費用など、ECサイトの稼働に必要なものが細かく存在します。

これらを1ストップで提供してもらうこともできますし、それぞれを別々の業者から調達することもできます。サーバなどは自社のセキュリティ要件をクリアする環境を別に構築している場合、そこを拡張する形で利用することも可能です。こういった選択の豊富さもECサイト構築サービスならではと言えます。

OSS(オープンソース)の費用と期間の相場

費用の相場

  • 初期費用(ライセンス):0万円
  • 初期費用(カスタマイズ):100万円~1,000万円
  • 月額保守費用:100,000円~300,000円
  • サーバ利用料:100,000円~200,000円

期間の相場

  • 3ヶ月~6ヶ月(契約からオープンまで)

ライセンス費用がかからないこと以外は、ECサイト構築パッケージと同様で、サーバやそれに関するセキュリティに関する費用、カスタマイズ費用が発生します。

ですが、OSSでECサイトを構築する場合、費用を抑えたいことがほとんどですので、必要最低限で進めるケースが多いです。ですので、結果としてライセンス費用以外も安い金額で収まります。

ですが、支払うコストが低い反面、内部の見えないコストが発生することも留意しましょう。自社で利用しているOSSのバージョンにセキュリティ上の問題がないかを定期的に確認し、対策する必要があります。こうした内部コストをかけずに安価に立ち上げたい場合は、ASPやクラウド型ECの方が適しているでしょう。

スクラッチ開発の費用と期間の相場

費用の相場

  • 初期費用(開発):7,000万円~2億円
  • 月額保守費用(開発部分):1,000,000円~8,000,000円
    ※別途サーバ等の費用

期間の相場

  • 12ヶ月~24ヶ月(契約からオープンまで)

フルスクラッチでの開発でも規模が小さければ安価に素早く立ち上げることは可能ですが、費用とスピードにこだわるのであれば他の選択肢の方が合理的です。そのためスクラッチで作る場合は、かなりのコストと期間をかけるプロジェクトがほとんどです。

スクラッチ開発の場合、一言で相場というのを表しづらいのですが、数千万円の後半から数億の費用が発生すると考えていいでしょう。

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ECサイト 作り方の手順

ここまでECサイトの構築方法と費用相場についてご紹介してきましたが、ここからは自社に最適な構築方法を選んでからの構築の手順についてご説明していきます。

構築の手順は大きく以下の通りで進んでいきます。

  1. 社内要件定義(ビジネスデザイン設計、機能要件の洗い出し)
  2. 提案依頼
  3. ベンダー決定
  4. システム要件定義
  5. デザイン決定
  6. システム開発(設計~製造~テスト)
  7. 社内テスト・教育
  8. リリース

社内要件定義(ビジネスデザイン設計、機能要件の洗い出し)

ビジネスデザイン設計

ECサイトの新規構築、リニューアルプロジェクトでは、システム会社やインフラベンダー、デザイン会社など外部ステークホルダーとのコミュニケーションが必要となりますが、まずビジネスとしてのグランドデザインが決まっていないことには、コミュニケーションもままなりません。グランドデザインをしっかりと固め、経営層からプロジェクトメンバーまで社内コンセンサスを得る必要があります。

グランドデザインが固まった後に、社内要件定義としてグランドデザインを実現するためにどのようなシステムが必要か、要件を社内で洗い出していきます。ここで決めるポイントは、「どのようにシステムで実現するか」ではなく、「どのような業務・サービスを実現したいか」です。システムでの実現方法は、極論的ですが、システムベンダーの提案を受けて自社に合う方法を採用すればよいと思います。まず、業務要件としてブレの無い内容を定めることが重要です。社内要件定義やデザインの進め方はこちらもご覧ください。

ecサイト構築の検討手順について

機能要件を洗い出す

社内要件定義が終わったら実装機能の洗い出しです。この時点で、一度、ECサイト構築のパッケージベンダーやサービス提供を行う会社と打ち合わせをし、どのような機能があるのか、他社がどのようなことをしているのか?システムとして実現性やコスト感はどの程度かあるのか?などヒアリングするフェーズを挟むこともできます。この時点で情報提供を各ベンダーにフォーマルに依頼する方法としてRFI(Request For Information)があります。

機能要件ですが、フロントとバックに分けることができます。フロントとバックは表裏一体です。例えば、フロントでカートに商品を入れて決済した場合、バックでは受注管理機能に連動し、決済された受注を管理することになります。前述した業務要件に対して、フロントで実現したいこと、それが紐づいてバック側でどのような機能になるか?をつなげて記載していくことで、抜け漏れの無い機能一覧が出来上がります。

その他、ECサイトの鉄板施策としてメルマガやレコメンド、最近のトレンドではWeb接客などマーケティング機能を盛り込むことも必要です。これらWEB戦略に必要な機能については、こちらのブログでもご紹介をしております。

ecサイトの基本機能

ECサイトを構築する上で必要な機能とは?基本~あると便利な機能までご紹介!

【解説】売上拡大に必要なECサイトの機能

提案依頼

社内で実現したいシステムを決定したら、次はベンダーから提案を受けるための提案依頼書(Request For Proposal)を作成します。

提案依頼書はシステムを導入する(入れ替える目的)や、実現したい要件、求める機能要件・非機能要件をまとめたものです。
この提案依頼書が第三者から見てわかりやすく、抜け漏れなくまとまっているかがプロジェクトの成否を大きくわけます。

ベンダーの決定

提出された提案を評価し、自社にもっとも適した提案をしたベンダーを選定するのですが、このとき大事なのは選定の軸を明確にしておくことです。

Aさんはコスト重視、Bさんは自分が担当する業務範囲の効率化重視、Cさんはセキュリティ重視など、人によって関心ごとは様々です。ですが、検討の軸がバラバラだと、提案を適切に評価することもできなければ、重要事項がブレていることになるので、本当にいい提案を受けることができません。

提案依頼書にて自社が実現したいことをまとめるのと合わせて、どんな軸で誰がどうやって提案内容を評価するかを決めておくとスムーズに選定することができるでしょう。

ECサイト構築ベンダーの選び方

自社にあったシステムが決まった後、実際のどの企業に依頼をするかが今後のECビジネスの成功に大きく関わります。選定条件として「機能」「見積(費用)」「実績」「提案能力」など様々な視点がありますが、重要なポイントは、「プロジェクトマネージャー」です。プロジェクトマネージャーの能力がプロジェクト成功のカギを握っています。ネットビジネスは進歩が速く、常に新しい取り組みにチャレンジしていく必要があります。長期的なビジネスパートナーとして付き合っていけるかどうかが重要となります。

提案時には決して営業からの耳触りの良い話だけで終わらず、プロジェクトマネージャーと面談をしてください。プロジェクトマネージャーの実績や自社のビジネス・課題に対する理解があるのか、同業または類似ビジネスモデルでの構築実績があるかなどを面談の中で見極めてください。

失敗しないECサイト構築会社の選び方

システム要件定義

ベンダーを決定したら具体的に作成するシステムの全体像を明らかにするためのシステム要件定義をスタートします。システム要件定義はベンダー主導で進めていく工程ですが、自社の考えを抜け漏れなく伝える必要があるので、積極的に参加する必要があります。

よく、「社内で要件定義を行い提案依頼書に必要な要件を明記しているから、ベンダーとの要件定義は不要」と誤解されているケースがあります。要件定義の目的は、システムを開発するにあたりどんな機能が必要なのかを明確にすることになるので、依頼する側だけでなく、依頼を受ける側にとっても明確になっている必要があります。

また、社内では細かく詰めて明確にしたつもりでも、システムを開発する側の視点ではまだ明確になっていないという場合もあります。認識にギャップがあるまま進んでしまうとトラブルのもとになるので、提案依頼時に社内で要件定義をしていたとしても、しっかりベンダーとも要件定義をする必要があるのです。

デザイン決定

ECサイト構築の上で、重要なポイントとなるのがデザインです。リアル店舗に置き換えると店づくりとなります。トップページはショーウィンドウであり、商品一覧や詳細は商品棚やレイアウト、カートはレジ回りとなります。デザインは企業のブランディングの重要なポイントとなります。

デザイン制作は、大きく以下のような流れになります。

①調査、分析、プランニング(デザイン要件定義)

どのようなサイトどのようなデザインにしたいのかを決めるうえで、例えば次にあげるような調査を行います。

  • ヒューリスティック調査(デザイン会社による主観的な調査)
  • 競合調査(競合他社とのデザイン面に関する比較)
  • インタビュー(実際にご利用されるお客様にインタビュー)
  • アクセス分析(現状の調査)

このような調査はデザインの方向性を決定づけるために必要な作業ですが、調査や分析には費用と時間がかかります。こうした調査や分析はデザイン会社にまとめて依頼するケースもあれば、別の会社に依頼する場合もあります。

この調査や分析を予算や納期の都合上簡略化してしまうケースは少なくありません。調査や分析をせずに作成されたデザインは、新しくなったという印象を与えることはできるかもしれませんが、目的の機能を十分に果たさないかもしれません。

デザインもシステムも一度作って終わりというものではないので、最初はスモールスタートとして、後から改善を回していくというやり方もアリです。ですが、もしECビジネスをある程度続けていて、何かしらの課題があってECサイトの再構築を検討するのであれば、この改善のタイミングでしっかり課題解決につながるアクションを打つ方が、改善のサイクルを早めることができます。また、軽微な変更であれば随時実施できますが、大規模なサイトデザインの変更は影響範囲が大きいため、おいそれとはできません。

デザインの大きく見直すチャンスであるECサイトの再構築時は、しっかりと分析をした上で進めるとよいでしょう。

②デザイン設計(ワイヤーフレーム)

システムの要件定義では、どのような画面になるのか、画面数や画面遷移は出てきません。基本設計で具体的な機能が確定したときに、画面毎の要素配置、機能と連動したデザインがワイヤーフレームと呼ばれる線画で固まります。

理想的なデザイン設計の進め方としてはシステム要件定義が終了し、システムの基本設計と並行して進めることです。どのような機能が画面上に必要かが決まった後にデザイン設計に入ることで、抜け漏れをなくし、また「デザイン上にだけ存在する機能」を無くすことができます。

デザイン先行で進めていった結果、「デザイン上できるはずだった機能が、システム要件定義の段階でなくなっていた(議論から漏れていた)」といった困ったことになることも、実際は少なくありません。進行上スケジュールが許すのであれば、デザインは必要な機能が決まった後に設計するのが望ましいです。

 ③デザイン制作

実際に着手する前にコーポレートカラーやブランドカラー、フォントなどデザインコンセプトを決定します。デザインコンセプトが決定すると、ワイヤーフレームを基にデザインコンセプトに従って制作が開始されます。このタイミングではまだシステムとしては動作せず、モックと呼ぶ静的なHTMLあるいは単なる画像ファイルで確認することになります。

デザインの修正は何度でも可能と考える方がいらっしゃいますが、実際は見積条件としてデザインの修正回数の想定や、デザイン案の提示数が定まっていることがほとんどです。デザイナーの工数にも納期にも制限があるためです。ですから、デザインのコンセプトや方向性をできるだけ正確にまとめて伝えることが、よりよいデザインを作成してもらうためには重要です。実際にデザインに起こすことはデザイナーの仕事ですが、どんなターゲットにどんな印象を与えたいのか、どんなビジネスをどういう風にしていきたいのかを伝えるのは発注者の仕事です。「今風のいい感じにしておいて」

 ④システム組み込み

デザイン制作が終わり、いよいよシステムに組み込むが始まります。実際に動作する検証環境上で確認し、軽微な修正を行います。デザイン制作とシステム開発をそれぞれ別の会社に依頼するケースも多いのですが、動作するサイトで確認した際に「やっぱり・・・」「ちょっとだけ・・・」と微修正をお願いしたいケースはありますので、デザイン制作会社との契約は、制作物を納品して終わりではなく、そのあとの軽微な修正や納品後フォローをしていただく体制を求めましょう。

デザイン作成についてはこちらの記事もよろしければご覧ください。

ECサイトのデザイン作成・リニューアルの進め方を徹底解説

システム開発(設計~製造~テスト)

要件定義が終わり、作るべきデザインが確定したら、後は依頼したベンダーに作ってもらいます。作るものを決めるまでは積極的に関与する必要がありますが、実際作り始めたらその期間はあまり作業することはありません。

ですが、予定通り作業が進んでいるか、問題はないかを定期的に報告を受ける仕組みを用意しておくとトラブルを未然に防ぐことができるかもしれません。例外はありますが、詳細設計から製造、テストまでは請負契約で発注することがほとんどです。その場合納期までに完成させる責任を負うのはベンダーですので、発注者側が管理する必要は契約上ないのですが、任せっぱなしで納期近くになってトラブルが発覚するよりも、定期的に状況を共有してもらっていたほうが、事前に準備や調整することもできますし、次善策を協議することもできます。

もちろんあまり細かく報告を求めても双方の生産性が落ちてしまうだけなので、それはそれで問題です。契約上の立て付けはもちろん重要なのですが、プロジェクトを成功させるために必要なことはなにか、という観点でベンダーと良好な関係を築けるようコミュニケーション方法を確立するとよいでしょう。

社内テスト・教育

実際のシステムが納品されたら、想定通り業務が実行できるかのテストを行います。新しく制作したシステムの画面が問題なく動作するかという確認だけでなく、連携するシステム含めて一連の業務が回るかをテストします。

最初からバグのないシステムはありません。ベンダー側ももちろん動作テストを行った上で納品するのですが、受け入れる自社としてもしっかり問題ないか確認しましょう。システムを入れ替えた後に業務上必要な機能が動作しないとなると一大事ですので、この段階で業務上想定される処理を一通りテストしておきましょう。

このテストは自社が主体的に行なうのですが、新しいシステムですので、ベンダーにも協力してもらいながら進めるとよいでしょう。このテストを行なう自社メンバーは、実業務を担当する主要なメンバーと、その管理者で行なうのが理想的です。システムのリリース前にユーザ向けのレクチャーを行なう機会を設けるのですが、テストを行ったユーザの方が理解度が高く、実業務との差を理解した上で伝えることができるからです。

リリース

テストを行い、動作に問題がないことが確認できたら、いよいよリリース(サイトオープン)です。許容できない問題がないことを確認してからリリースするのですが、新システムの立ち上げは何かと想定していないトラブルが起きがちです。なにかあっても対応できるよう、ベンダー側も自社側も体制を厚くしてサイトオープンに備えましょう。

新しく出来上がったサイトは多くのお客様に訪問してもらいたいものです。ですが、リリース直後は様子を見ながら対応し、いよいよ問題がないことがわかったら大々的に告知をする、という方法をおすすめします。

 

新規CTA
新規CTA

ECを運営する上での必要業務

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ECサイトを構築するだけでは当然ビジネスとしてはスタートできません。マーチャンダイジング、マーケティング、受発注管理、発送管理など様々な業務が発生します。それらのポイントを解説します。

①マーチャンダイジング

ECサイトを運営する業務の中で最も上流工程の業務です。ECサイトで販売する商品の企画、ECサイトの構築、商品の仕入れがマーチャンダイジング業務の内容です。ECサイトで販売する商品を「どんな商品を・いつ・誰に・どれくらいの量を売る」といった販売計画を立てて企画を立てます。

 ②マーケティング

マーケティングの基本は集客。サイトターゲットによって集客対象の媒体は異なりますが、「GoogleやYahoo!などの検索エンジンからの自然検索による流入」「TwitterやFacebookなどのSNS」「実店舗からの集客」「各種広告媒体からの集客」などが挙げられます。コストパフォーマンスでは自然検索からの流入が圧倒的に良いわけですが、市場認知、SEO評価には時間を要する場合もあり、SNSによる発信や広告媒体出稿から集客にドライブをかけることも並行して対策をする必要あります。 

③受発注管理

在庫管理、商品の受発注、そしてカスタマーサポート担当する業務です。受発注管理業務はECサイトのバックエンド業務の中でも中心的な役割となります。単純に受注を受けて流すだけではなく、受注傾向や在庫状況をマーケティングにフィードバックし次の仕入計画の立案やセールの企画につなげます。また、カスタマーサポートはサイトのファン作りにとって重要な業務であり「またここで買おう」「友達にも教えてあげよう」とサイトに対するロイヤリティを高めるためにも重要な業務になります。

④発送管理

発送は自社倉庫からの発送もしくは3PLでの外部委託倉庫からの発送となります。配送そのものはヤマト運輸や佐川急便などの大手配送業者に委託することが多いですが、最近では、大手配送業者と組み合わせ、地域限定や時間限定の小規模配送業者を利用することで都内当日配送のようなサービスや配送コスト全体のコストダウンを図るケースも多くあります。

ECサイトの運営に関わるポイントはこちらの記事もご覧ください。

【ECサイトの基礎知識】運営に欠かせないアレコレを解説!

まとめ

いかがでしたでしょうか。ECビジネスを始める、ECサイトを構築する場合に様々な検討ポイントがありますが、今回はその中でも重要な7つのポイントをご紹介させていただきました。これからECを始める、ECビジネスを改めて見直す方にとって参考になれば幸いです。

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