フルフィルメントとは?その基本を解説

 2019.09.11  株式会社システムインテグレータ

最近のEC・通販業界でよく耳にする“フルフィルメント(Fulfillment)”。日本語に直訳すると履行や遂行という意味の言葉ですが、EC・通販業界では「お客様が商品を注文してから手元に届くまでに発生する業務」、つまり出荷に関する業務を指しています。

フルフィルメントが注目されている理由は、商品注文からお客様の手元に商品を届けるまでの業務全般をアウトソーシングする、フルフィルメントサービスが拡大しているからです。2018年からいくつかの調査会社がフルフィルメント市場に関する調査を発表していることからも、これらのサービスは市場として立ち上がり、規模が拡大していることが伺えます。

本稿を読まれている方の中にも、フルフィルメントサービスについて調べている方も多いのではないでしょうか?本稿では、EC運営者の皆さんがフルフィルメントサービスを具体的に検討できるように、フルフィルメントの基本を解説していきます。

fulfillment

フルフィルメントとは?

フルフィルメントとは「お客様が商品を注文してから手元に届くまでに発生する業務」全般のことです。細分化すると発注、問い合わせ、梱包、発送、配送、仕入れ、納品、検品、在庫管理、返品処理、クレーム対応、コールセンター、入金管理、代金回収、返金処理などの業務に分類されます。

ECサイトのデザイン設計や商品企画、マーケティング活動などは該当せず、あくまで商品注文からお客様の手元に届くまでにフォーカスしています。これらの業務の一部または全部を代行するのがフルフィルメントサービスであり、事業者によって三者三様のサービスを提供しています。

たとえばAmazon.comでは、FBA(Fulfillment By Amazon)というフルフィルメントサービスを提供しており、月額4,900円(税抜)+販売手数料でサービスを利用でき、Amazon.comの物流拠点(フルフィルメントセンター)に商品を預けることで、Amazon.comが商品の保管から注文処理、配送、返品に関するカスタマーサービスまで代行します。

参考:FBAホームページ

 

フルフィルメントサービスのメリット

では、フルフィルメントサービスを利用してECサイト運営者は、どのようなメリットを享受できるでしょうか?

メリット1.販売戦略や商品企画、マーケティング活動に集中できる

発注、問い合わせ、梱包、発送、配送、仕入れ、納品、検品、在庫管理、返品処理、クレーム対応、コールセンター、入金管理、代金回収、返金処理、これらのフルフィルメントはすべて欠かせない業務ですが、ECサイト運営者として注力すべき業務は販売戦略や商品企画、マーケティング活動など、売上に直結するようなものです。

フルフィルメントサービスを利用すれば、これらの業務の一部または全部を代行によって効率化できるため、今まで以上に戦略的業務に集中できるようになります。

 

メリット2.フルフィルメントに対するストレスが軽減する

ECサイトの利益率を向上するためにフルフィルメントの効率化はとても大切です。クレーム対応や返金処理等、お客様からの要望へ迅速に応えることは、顧客満足度の向上につながり巡り巡ってECサイトの利益になります。

しかしながら、フルフィルメントの効率化による利益率向上というアプローチは、施策効果が目に見えにくいのが難点です。だからこそ多くのECサイト運営者は、フルフィルメントに対して大なり小なりのストレスを感じます。

業務上のストレスは労働生産性に直結するものなので、ECサイト運営に悪い影響が出てしまうでしょう。フルフィルメントサービスによってそのストレスが軽減されれば、労働生産性が向上し、ECサイト運営をより効率的に行えます。

 

メリット3.フルフィルメント処理のスピードアップ

フルフィルメントサービスを提供しているのは物流などのプロフェッショナルばかりです。中にはしっかりとしたノウハウを持たない事業者もあるため注意が必要ですが、適切に事業者を選べばフルフィルメント処理のスピードが飛躍します。より素早いお客様対応を実現すれば、顧客満足度が上がる可能性も向上するでしょう。

昨今ではECサイト同士の差別化が難しくなっており、細かい部分での差別化によって競合他社と競争する必要のある時代です。フルフィルメントサービスを利用すれば、決済方法の多様化などにも簡単に実現できるため、お客様ごとのニーズに対応でき、売上向上も望めます。

 

メリット4.プロモーションやマーケティングの支援になる

一部のフルフィルメントサービスでは、お客様がそのECサイトを利用した際に、配送料や手数料等が無料になる得点を受けられる場合があります。たとえばAmazon.comのFBAでは、お急ぎ便対応や国内通常配送料無料、ギフトラッピング・ギフトメッセージの追加費用なしなど、お客様の目に留まりやすいサービスを提供しています。

これらがプロモーションやマーケティングの助けになり、より多くのお客様の目に留まりやすくなります。

 

フルフィルメントサービスのデメリット

上記のように、フルフィルメントサービスを利用することでECサイト運営者が得られるメリットは、非常にインパクトが大きいものです。それでは、フルフィルメントサービスにはデメリットがあるのでしょうか?

デメリット1.サービス利用のための費用がかかる

当然のことながら、フルフィルメントサービスを利用すると費用がかかります。場合によっては、現状としてフルフィルメントにかかっているコスト以上の費用が発生することもあります。そこで、「果たしてこの費用を投じてフルフィルメントサービスを利用する価値はあるか?」と言った投資対効果を確認して検討することが大切です。

 

デメリット2.お客様との接点が減り、意見を反映しにくい

フルフィルメントサービスの多くは商品発送などを委託しますが、中にはクレーム処理などの対応業務も委託できるものも存在します。その場合、ECサイトとお客様との接点が減り、コミュニケーションが取れなくなるためお客様の声を聞き取るのが難しくなります。

 

デメリット3.商品の状態確認等ができない

フルフィルメントサービスでは商品は自社保管ではないため、商品がどういう状態で保管され発送されているのか?不良や欠品はないか?などを目視することが困難です。すべて事業者に任せるしかないため、商品の不良率が増えているとしても特別な対応はできないでしょう。一定品質以上のサービスを提供する事業者の選択が大切です。

 

このように、フルフィルメントサービスにもデメリットも存在します。サービスを契約する場合にはメリット・デメリットを理解した上で検討することが重要です。

この機会に、自社ECサイトのフルフィルメントを洗い出し、課題を発見し、必要に応じて外部のフルフィルメントサービスを活用することを検討してみてはいかがでしょうか。

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