ECビジネスの売上を上げるには
こんにちは。システムインテグレータの佐藤です。
私は普段ECビジネスを展開されている企業様向けにECサイト構築のご提案を差し上げているのですが、ほとんどのEC事業者様は売上アップを目的にECサイトのリプレイスをご検討されています。
裏を返すとほとんどの既存のECシステムに売上アップを妨げる要因があり、それを取り除きたいというお客様がほとんどであるということが出来ます。
今日は寄せられるご相談の中から、現行システムでは売上アップが難しい要因、取り除くべき要因についてご紹介していきたいと思います。
ECビジネスの売上が上がらない要因
当時の開発ドキュメントが残っていない
ECビジネスを立ち上げた当初は、初期投資コストを抑えるために開発ドキュメントを作成するよりも、開発そのものにコストをかけるという方針は、珍しくありません。
ただし、開発ドキュメントが残っていないと、立ち上げたビジネスが成長し、更に売上を拡大するための追加開発をしようとしても、なぜこの仕様になっているのか、変更した際の影響範囲がどうなのかがわからず、なかなか思うようなスピード感で開発が出来ないと問題が発生します。
売上拡大とは別の軸にはなりますが、システムがトラブルを起こした際の調査にも開発ドキュメントがないことが影響します。
開発ドキュメントが残っていないことで、開発生産性が悪い、あるいは追加開発が出来ない、保守性が悪い、などの理由でリプレイスを検討されるというケースです。
わかる人がもういない
人材は流動性があるものなので、人の出入りがあるのは仕方ありません。ただし、みんな辞めてしまったからわかる人がいないというのは、ビジネスを展開する上では避けなくてはならないリスクです。
自社内であればまだしも、開発会社の体制によっては、開発当時の担当が辞めてしまったからもう開発会社にもわからない、となってしまうことも少なくありません。
そうなると売上拡大するために機能改修を行いたいとなっても、上手く進むわけがありません。
自社も開発会社も担当者が辞めてわからなくなってしまったという理由でリプレイスを検討するというケースです。
そもそもカスタマイズが出来ない
これまでの2つの理由は本来売上アップの為のカスタマイズが仕組み上出来るのに、ドキュメントがなかったり、わかる人がいなくなってしまったりという理由でカスタマイズが困難になってしまったケースでした。
しかし、そもそも現在利用しているサービスがカスタマイズ不可というケースもあります。
サービス側で用意されている機能を使うだけで売上が伸びていくのであれば問題ありませんが、大きいECビジネスを展開している企業がカスタマイズ不可のサービスをほとんど利用していないことを考えると、ある程度の規模となるとやはり難しいのかもしれません。
売上を拡大するためのカスタマイズを行いたいのに、仕組み上それが出来ないという理由でリプレイスを検討するケースです。
プログラムがスパゲティ化してしまっている
使っているシステムはカスタマイズが可能だし、開発ドキュメントも残っているし、社内に当時を知る担当も残っている。しかし、それでも売上を上げるためのカスタマイズが難しいケースはあります。それはプログラムコードがスパゲティ化してしまっているケースです。
スパゲティ化したコード、「スパゲティコード」とは、プログラムのソースコードがそれを制作したプログラマ以外にとって解読困難である事を表す俗語です。誰が見てもわかりやすいように書かれていないため、追加開発の生産性を著しく低下させることに繋がります。
一般的には、きちんとしたコーディング規約に則って作れていないことが原因でスパゲティ化した、追加開発を繰り返していくうちに徐々にスパゲティ化していった、といったことがあります。
ECビジネスのトレンドにキャッチアップするには絶え間ない追加開発が必要なので、不要なカスタマイズは行わないという判断は難しく、ある意味では長く使うECシステムの宿命とも言えるかもしれません。
可読性の低いコードが入り組み、開発生産性が落ちてしまうことが理由でシステムのリプレイスを検討するケースです。
ライセンス費用がかかりすぎる
サーバを増やす度、あるいはCPUを増やす度にシステムのライセンス費用が発生してしまうというケースもあります。ECビジネスの拡大に伴い、サーバをスケールアップ、あるいはスケールアウトするというのは避けられない対応です。その度にシステムのライセンスコストが発生してしまうとビジネスの採算性を悪化することになるので、なかなかサーバを増やしアクセスを増やすという施策に積極的になれないこともあります。
ライセンスコストがボトルネックとなり、システムのリプレイスを検討するケースです。
レベニューシェアで利益が出づらい
サーバを増やす度にライセンス費用が発生してしまうケースと同様にレベニューシェアがコストの観点から足かせとなってしまうケースがあります。
売上を上げるために積極的な投資を行いたくても、レベニューシェアであることがビジネスの採算性を悪化させている状態が続いているようだと、なかなか思い切った投資がしづらいものです。
レベニューシェアが投資の足かせとなり、システムのリプレイスを検討するというケースです。
ECサイトのパフォーマンスが出ない
システムの制約上、あるいは仕様上の理由で一定以上のパフォーマンスが出ないとなると、売上を上げるためにサイトへのアクセスを増やすという当たり前の施策が打てません。ここでいうパフォーマンスというのは、画面表示のスピードや、画面遷移のスピードのイメージです。
せっかく大きな投資を行い、大規模なキャンペーンを実施し、広告にコストをかけたにも関わらず、大量のアクセスによりサイトが止まる、あるいはスローダウンしてしまった結果、想定より売上につながらなかったというのは避けないとなりません。
システムの都合上パフォーマンス性能に問題があるという理由でリプレイスを検討するケースです。
セキュリティに大きな問題がある
ECビジネスを継続する上で、顧客情報の漏えいや、悪意のある外部からの攻撃への対策は欠かせません。
利用しているシステムに重大な脆弱性が見つかったにも関わらず、対策が難しい、あるいは大きなコストがかかってしまうとなると、そのシステムを継続して利用する判断は出来なくなります。
セキュリティ上の問題を解決するという理由でリプレイスを検討するケースです。 [RELATED_POSTS]
まとめ
いかがでしたでしょうか。
お客様によって理由は様々なのですが、無駄なお金が流れてしまうことや、積極的な投資を妨げる要因を無くして売上をアップするためにリプレイスを検討されるケースが多くを占めます。
こちらを参考に一度「今のシステムで売上アップを妨げている要因」について考えてみてはいかがでしょうか。
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