新しい買い物体験 車内コマースとは
こんにちは。システムインテグレータの佐藤です。
突然ですが、みなさんUberを使われたことはございますか?
国内だとハイヤー配車アプリという感じになっているので、私もモノは試しで使ったことが数度あるくらいで、国内ではしょっちゅう使っている方はまだまだ少ないのではと思います。
似たサービスだと全国タクシーは、ハイヤーではなくタクシーの配車アプリなので、駅前や大きな通りまでタクシーを拾いにいくのが面倒なときはよく使っています。
今回は配車アプリの話がしたいのではなく、これから伸びるだろう車内コマースについてお話したいと思います。
まだまだ耳慣れない車内コマース、そもそも車内コマースという言い方が定着するのかどうかも今はまだわかりませんが、車の中でモノを買うという体験が今後伸びていきそうなので、少し取り上げてみたいと思います。
車内コマースとはいったい何?
まだまだ耳慣れない車内コマースですが、今のところ私個人の見解としては2つの形態に分けられると考えています。
まず一つ目は、
タクシーやUberのような移動をサービスとして利用する中で、文字通り車内に置いてあるものを買うことが出来るという形態
が挙げられます。
もう一つは、
車がインターネットとつながり、車の中で車に組み込まれたUIを使い、ECや支払いが出来る形態
です。
いまいちピンと来ないですよね。
ですが、実はこのうちの一部はすでに始まっている取り組みなのです。
実際のどのようなことが取り組まれているかについてご紹介していきたいと思います。
車内に置いてあるものを変えるCargo
先日米UberがCargoというサービスとの提携を発表しました。
Cargoとは何かというと、まるでオフィスグリコのようにプロテインバーなどの軽食などが詰まったボックスを車内に設置し、売れた金額の一定割合を車のドライバーに還元するというサービスです。
とてもシンプルですよね。
特に移動手段をサービスとしているタクシーやUberの運転手は、乗車料金以外の副収入源が出来るのは嬉しいですよね。
どのように使うのかというと、こちらのページで紹介がされていますが、
1.BOXのQRコードを撮影
2.QRコードから開かれたページで、商品を選択、注文
3.商品を受取る
といった流れで、ECで買って、その場で受け取る、みたいなイメージになります。
であれば、最近の日本のタクシーであればsuica使えるし、普通に買った方が楽ではと思ったりしますが、売上に対してのコミッションを貰うにあたっての運用設計を考えると、これはこれでいいのかもしれませんね。
the bridgeの記事によると、Cargoを設置したドライバーの平均的な追加の収入は130ドル程度だそうで、記事の前後からするとこれは毎月の平均収入と思われます。
そして、Cargoのサイトによると売上の25%がドライバーに還元されるそうなので、平均520ドルが毎月の平均売上という計算になります。
ちなみに日本で登録されているタクシーの台数は、平成28年末で約22万台だそうです。
この台数に上記の平均売上を掛けると、1ドル100円計算として、なんと毎月114億円、年間で1300億円以上の市場という計算となります。
とても大きな市場ですよね。
流石にいきなりこんな規模のビジネスになることは考えづらいですが、国内でも年間で数十億から百億円を超える市場になる予感は十分にあります。
車がインターネットとつながることで生まれる新しい購入体験
みなさん、自動車業界界隈で使われているCASEという言葉、聞かれたことありますか。
そう、CASEといっても、普通のCASEではありません。
ここでいうCASEとは、
Connected(接続)
Autonomous(自立走行)
Shared(共有)
Electric(電気化)
の頭文字を取った、言うならば自動車業界の取り巻くトレンドキーワードの集合体のことです。
メルセデス・ベンツの独ダイムラー社が2016年に中長期戦略にこのCASEを掲げたことで注目されるようになった言葉です。
(画像引用元:https://mb-live.jp/event/motorshow-2017-10-20/)
大容量のバッテリーを積んだ、自動運転のインターネットとつながった電気自動車に乗っていることを想像してください。
例えば、こんな未来が近づいて来ています。
行き先のスーパーを入力すると、自動的に運転で連れていってくれます。
そしてダッシュボードに表示された商品を選び、決済まで完了。
スーパーに着いたら受け取って、また自動運転で買えるだけ。
色々な買い物がドライブスルーのようになってもおかしくない未来ですよね。
そうなってくると、ECの物流の状況も変わってそうなので、商品を取りに行くことこれにより増えるのか減るのか私にはまだわかりませんが、暇だと時間だけでなくお金も消費しがちなので、自動運転と車載されたスマホよりも大きなディスプレイが産み出す市場は大きいと思います。
今いる場所の近くのレストランが表示されて、予約が出来る、なんてこともきっと今より快適に出来るようになるでしょうね。
スマホでやれば出来ますが、車がスマホのようになるというイメージなんでしょうね。
Visaとアクセンチュアは、クルマから決済を行う革命的なコネクティッドカーの試作モデルを開発しているそうで、ここに書いた買物体験は技術的には実現しているので、早く試してみたいですね。 [RELATED_POSTS]
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ECに分類するかどうかも微妙なところになってきていますが、新しい買い物体験はどんどん増えていきそうです。
酔って帰るときにタクシーで冷たいお水を売っていたら、ドライブしているときハンドルを離しながらレストランを探して、予約して、事前決済出来たら、みたいなことを考えるのは楽しいですよね。
車内コマース、今後必ず伸びる市場なだけにこれからも注目してきたいですね。
- カテゴリ:
- EC市場・トレンド