近年、Pinterestをマーケティング施策として利用することが注目されています。Pinterestを企業が活用することで、ブランドや商品の認知度向上が期待できます。EC事業者にとって有用な機能も多数あるため、EC事業者は必見です。
本記事では、初心者でもわかるPinterestの概要・使い方や、企業が利用するメリットや活用事例、そして始め方について紹介いたします。
こんな方におすすめ
- Pinterest、知ってはいるけど企業アカウントって作った方がいいの?
- ECサイトの集客に悩んでいる
- 購買意欲の高い訪問者をもっと増やしたい!
Pinterstとは
Pinterestとは、画像や動画など、ビジュアルから日常のアイデアを見つけるためのサービスです。過去の出来事を共有するInstagramや現在の出来事を共有するTwitterとは違い、Pinterestでは、欲しい商品を探したり、未来の計画を立てる時に使用されます。
ユーザーは、Pinterest上にある画像を保存し、自分専用のボードを作成・共有することができます。自分専用のカタログを作成できるイメージです。
Pinterestのユーザー数は世界で4億5000万人(2023年2月時点)、日本国内では870万人で、前年に比べて1.6倍増加しました(2020年12月時点)。また、検索数は2.5倍増加していて、今後の成長が期待されています。海外では企業アカウントが多く存在しますが、日本の企業アカウントは決して多くありません。ユーザー数が増えている&企業アカウントが少ない現在アカウントを開設するのは、競合企業と差別化を図れて絶好のタイミングなんです!
また、Pinterestは近年EC事業者に便利なショッピング機能を積極的に強化しています。
2022年6月から、「Pinterestカタログ」という機能が実装されました。Pinterestカタログについては後述しますが、自社ECサイトへの導線を作れる機能で、新規顧客獲得に悩んでいるEC事業者にとても役立ちます。
また、同じ時期に「ピンタレストアド」も開始しました。こちらも後ほど詳しくご紹介しますが、多くのユーザーに最適なタイミングで適切な広告を配信できるようになりました。
参照:https://japan.cnet.com/article/35169052/
ECマーケティングの概要については以下ブログで詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
ECマーケティングとは?戦略・手法など売上向上の必須知識を解説
基本的な使い方
ユーザーは、ホーム画面や検索画面から、自分の好きな画像(ピン)を探します。ユーザーの行動をアルゴリズムが分析し、興味関心に合わせて画像を表示するため、使えば使うほど精度が上がります。
気に入ったピンは、自分のボードに保存することができます。また、ボードは「ピアス」「時計」のように、カテゴリごとに作成できます。非公開にして自分だけで楽しむこともできますし、公開することもできるので、自分と趣味嗜好が似ている他のユーザーのボードを見て新たな発見をすることもできます。
なぜEC事業者はPinterestを活用するべきか、メリット3つ
メリット1.ECサイトへの集客が見込める
Pinterstのユーザーは購買意欲が高く、欲しい商品を求めて利用しています。実際に、ユーザーの84%が、まだ購入を決めていない商品やサービスについて検討するためにPinterestを使っているというデータがあります。
ピンには、外部サイトのリンクを紐づける機能があります。ですので、ピンを見たユーザーはワンクリックでECサイトへ訪問することができ、導線作りに役立ちます。よって、購買意欲の高いユーザーからの集客を見込めます。
メリット2.フォロワーが少なくても多くの人に投稿を見てもらえる
InstagramやTwitterはフォローをしていないとホームフィードに投稿が表示されないため、フォロワーの獲得に注力する必要があります。しかしPinterestは、ユーザーの好みをアルゴリズムが学習して興味関心に合わせてピンを表示するため、フォローしていないアカウントの投稿も積極的にホームフィードに表示されます。フォロワー数が少なくても投稿を見られるチャンスがあるため、フォロワー数にとらわれずアカウント運営ができ、コンテンツ作りに集中することができます。
また、上位検索の97%はブランド名や商品名を指定していないもので、例えば「コート レディース ブラック」などと検索されます。そのため、まだあまり知られていない企業でも、ユーザーからの認知度を高める可能性を秘めています。
参照:https://business.pinterest.com/ja/audience/
メリット3.運用の手間が少ない
ECサイトと連携をすると、サイトで掲載している商品が、「プロダクトピン」として自動で作成されます。プロダクトピンは画像と一緒に商品情報(商品名、説明文、価格、在庫状況)が表示されるピンですが、1日に1回データが更新されるため、自動的にサイトの最近情報が反映されます。
EC事業者が活用したい機能3選
続いて、EC事業者が活用するべき機能を3つご紹介します。
機能1.プロダクトピン
プロダクトピンは、通常のピンと異なり、商品情報(商品名、説明文、価格、在庫状況)が表示されます。ECサイトと連携するので、セール価格や在庫状況などがリアルタイムに反映されます。
また、ピンに記載されているURL(赤枠)をクリックすると自社ECの商品ページへ遷移し、そのまま購入することができます。
機能2.ショップタブ
ショップタブは、プロフィールの下に表示され、購入可能な商品のピンの一覧が表示される機能です。Pinterest上で、どんな商品があるか一覧で見ることができます。
機能3.広告
Pinterest上で広告を掲載し、より多くの潜在顧客へリーチさせることができます。広告は通常のピンのように表示され、アルゴリズムに従って商品に関心の高いユーザーのホーム画面や検索結果画面に、最適なタイミングで表示されます。通常のピンとなじむように掲載されるので広告感があまり出ないのが特徴です。
また、ターゲットをユーザーの興味関心や年齢、エリアから設定することができます。ターゲティング設定をしっかり行うことで、より多くのより関心の高いユーザーから商品の認知度を高めることができます。
Pinterestの始め方
ここからは、アカウントの開設方法についてご紹介します。Pinterestには個人アカウントとビジネスアカウントの2種類があります。
個人アカウントは自分の好みのアイデア(ピン)を収集することが目的のアカウントですが、対してビジネスアカウントはブログやECサイトへの集客を目的に利用できるアカウントです。ビジネスアカウントは分析ツールの利用や広告配信が行えるので、集客におけるマーケティングを強化できます。
全5ステップを順を追って説明しますので、一緒にアカウントを開設しましょう!
1.アカウントを登録する
Pinterestにアクセスをすると、右上に「無料登録」(下記画像赤枠)というボタンがあるのでクリックします。
そうすると「Pinteresへようこそ!」という画面が表示されるので、一番下の「無料のビジネスアカウントを作成する」というところをクリックします。
メールアドレス、パスワード、年齢を入力します。
以上で、アカウントの登録ができました。
2.プロフィールを作成する
次に、プロフィールの作成に進みます。プロフィールとは、下記画像の右の画面のことです。
名前(会社名やブランド名)や、アイコンの設定をします。アイコンは、企業アカウントの場合ブランドロゴや定番商品に設定するとユーザーに分かってもらいやすいでしょう。
ウェブサイトがすでにある場合はサイトの登録、国と言語の設定をします。
3.アカウントを設定する
続いて、扱っている商材や業種、Pinterest運用の目的などを設定します。画面の指示に従って設定を進めましょう。後から設定を変更することができます。
4.プロフィールを設定する
アカウントの設定ができたら、プロフィールの設定に移ります。
アカウント設定が完了するとこの画面になっていると思いますので、一番下の「ブランドを紹介する」をクリックします。
プロフィール編集画面に遷移するので、ユーザー名やプロフィール文、住所、電話番号を入力します。
続いて、カバー画像(下記画像赤枠)を設定します。
右上のプロフィールアイコンをクリックすると自分のプロフィール画面に遷移します。先ほど設定したプロフィール画像やプロフィール文が反映されていると思います。
カバー画像の右下にある+ボタンを押すとカバー画像のアップロードができます。
5.ECサイトを認証する
最後に、ECサイトを認証しましょう。認証すると、プロフィールにサイトのURLを表示できるので、サイトアクセス数の増加に繋がります。
ウェブサイトの認証方法は、以下の3つの方法から設定しやすいものを選択できます。
以上のステップで、アカウントを開設することができました。
あとは、商品を魅力的にユーザーにお届けできるようピンを作ったりボードを作ったりしていきましょう。
活用事例を4つご紹介
ここからは、Pinterestを活用している企業アカウントを4つご紹介します。
事例1.ドットエスティ
株式会社アダストリアの運営する「ドットエスティ」は、「グローバルワーク」や「ニコアンド」、「ローリーズファーム」などの人気ブランドを始め30を超えるブランドを展開しているファッションサイトです。Pinterestでは「GROBAL WORK」や「niko and,,,」などブランドごとにボードを作成していて、ブランドごとに洋服をチェックできるようにしています。また、チノパンやドレスの特集もあり、ブランドを横断して気になるスタイルの商品の検索もできるようになっています。
事例2.gucci
ラグジュアリーブランドのグッチは、コンテンツ量が多く、画像が美しく写真集のようです。私生活で憧れのブランド品をお店の外から眺めるなんてことがありますが、まさしくその感覚でついつい投稿をずっと眺めてしまうような構成です。
例えば、「Jackie 1961」というバッグのキャンペーンのボードでは、「ロサンゼルスの日常生活の中で、さまざまなバージョンのJackie 1961を使いこなし、バッグが本来持つ多様性を表現する」というのをテーマに、友達とのランチのシーンやヨガへ通うシーンなどの写真を用いて、バッグの多様性、ブランドの世界観を表現しています。
他にもファッションショーやクリスマスギフトなどのイベント、季節ごとのコレクションなどのボードがあります。
事例3.北欧、暮らしの道具展
「北欧、暮らしの道具展」は、北欧雑貨を販売している会社です。「北欧のライフスタイルに魅かれ、そのスタイルの本質を自分たちらしく表現する」がコンセプトで、ECサイトでは商品の販売のほかにも、スタッフの愛用品紹介や日常生活のヒントになるような記事も掲載しています。
Pinterest上でも、ECサイトと同じように、商品のボードだけではなく、「アイデア」というボードでは収納アイデアをまとめていたり、「ライフスタイル」というボードでは商品ではなく人物を中心とした投稿が多くあり、「北欧のライフスタイル」を感じ取ることができます。PinterestとECサイトとで同じ世界観を表現していて、ユーザーのタッチポイントが違っていても、一貫したブランド体験ができます。
事例4.山崎実業
山崎実業は、デザイン性と利便性が高いことで人気なインテリア雑貨メーカーです。
「洗面」「トイレ」「キッチン」など、使うシーンごとにボードが作成されていて、ユーザーは自分の興味のある空間ごとに商品を探すことができます。
また、ピンの一部は動画なので、使い方のイメージがつきやすく、購入意欲を掻き立てます。また、「デッドスペースだと思っていたけどこの空間を収納スペースにできるんだ!」など、新しい発見をする投稿も多く、買い物予定がないユーザーも楽しんで閲覧できます。このようなアイデアを与えてくれる投稿は、すぐ買い物する予定はないユーザーからのアクセスを増やし、再訪につなげ、結果ブランドのファンにするという流れを作り、潜在顧客を増やすことも期待できます。
今すぐPinterestを活用してECサイトの売上を伸ばそう
Pinterestは、今後買いたい商品やアイデアを探す時に使用するSNSで、購買意欲の高い潜在顧客が多く存在します。Pinterestに画像を投稿し関心の高いユーザーに投稿を発見してもらい、ECサイトへの流入を増やすことで売上拡大に繋げましょう。
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