EC業界にとってのSNS
こんにちは。
システムインテグレータの佐藤です。
突然ですが皆さん、何のSNSをどれくらい使っていますか?
LINEをSNSに含めるとLINEが一番多い気がしますが、LINEはどちらかというとチャットアプリという分け方とするならば、私はなんだかんだfacebookを見ることが多い気がします。
今やおじさん臭いイメージすら出始めているfacebookではありますが、割とビジネス系のつながりのアップデート情報が出ているのがfacebookなので、未だについつい見てしまうんですよね。
「流行に追いつかなくては!」という使命感に駆られ、いわゆるSNSに分類されるもののアカウントは一通り持っていますが、使うというよりどのように使われているのかを見る、という感じになっています。
結構そういう方多いのではないでしょうか。
EC業界でいうと、SNSは顧客とのコミュニケーションチャネルとしての役割と、精度の高いターゲティングが出来る広告ツールとしての役割を持っていると言えます。
ここに来てソーシャルコマースというワードがまた注目を浴びそうなので、今回ソーシャルコマースとはなんぞやというお話をしたいと思います。
ソーシャルコマースとは
この記事を執筆している現在、一般的にソーシャルコマースがどのように認知されているかというと、
ECのマーケティングとしてSNSを使うこと
と認知されていると思います。
普通、ですよね。
もちろんこんな普通のことを書きたいわけではなく、このソーシャルコマースの認識がこれまでと変わっていきそうだというのが今回のテーマです。
SNSの定義が曖昧な中で、「ソーシャルとは?」みたいなことを考え始めるとなんでもソーシャルじゃないかという話になるので、きっとソーシャルコマースが表すことはこれからも少しずつ変容していくのではと思いますが、2018年8月以降ソーシャルコマースが意味することは、
「SNS等でシェアするだけでなく、チームで一緒に買うことで安く買えるECサイト」
に変わっていくと、ここに大胆予測します。
と言いますのも、みなさまご存知の通り、先日中国のソーシャルコマースプラットフォームPinduoduoがNasdaqでIPOしたことが話題になりました。
なんと16億米ドルという巨額の IPOになったそうで、Pinduoduoは2015年にスタートしたサービスなので、すごいスピードでの成長ですよね。
3年で16億ドル規模のIPOというのもびっくりなのですが、実は今年すでに30億ドルの投資を受け、評価額が150億ドルに達していたという、本当にとんでもないスピードで成長しているプラットフォームなのです。
彼らはソーシャルコマースプラットフォームで、やっていることが、
「SNS等でシェアするだけでなく、チームで一緒に買うことで安く買えるECサイト」
なので、今後ソーシャルコマースが意味することが単なるSNSを活用したマーケティングのことではなくなってくるというのが、私の大胆予想の根拠であります。
Pinduoduoのビジネス
チームで一緒に買う、すなわち共同購入型ECと読み替えると、みなさんご存知Grouponなどがパッと思いあたるかと思います。
Grouponは主にレストランだったりエステだったり、旅行だったりサービス分野に強いイメージがありますが、Pinduoduoは消耗品だったり、アパレルだったり、いわゆる普通のECなのです。
(https://www.pinduoduo.com/super.html)
扱っている商品(サービス)の違いがどう影響するのか、SNSで拡散することベースに考えてみましょう。
レストランのコースが安く食べられるクーポンがあったとします。
その場合、すごくざっくりの顧客の行動としては、
一緒に行きたい友人を誘ってOKだったら購入して、目標に達するのを待って、達成したらそのクーポンを使って食事に行って、友達と割り勘
みたいなイメージになるかと思います。
SNSでシェアするとしたら、食事に行ったことを後からシェアするという流れですよね。
なんとか目標枚数に到達させるために、
「安くなるからみんなこのレストランのクーポンを買って!(一緒には行かないけど)」
というシェアはなんとなくしづらいですよね。
せいぜい「お得だから申し込んじゃった。楽しみ!」的なシェアですよね。
友人夫婦や友人家族に行って良かったらオススメするみたいなことはあっても、目標に到達させる目的でのシェアはなかなか生まれづらいと思われます。
一方商品だった場合、もう少し気軽になります。
例えば今Pinduoduoのページを開くと、泥パックのような商品が表示されています。
59円のこの商品が目標に達すると12.9円で買えるそうです。
これであれば、「安いからみんな一緒に買ってみようよ!」と言いやすいですよね。
「安い商品シェアしてくれてありがとう」というポジティブなリアクションも集まりやすいでしょう。
個人的な意見ではありますが、SNSで拡散するパワーという点においてPinduoduoのモデルはよく出来ていると思います。
もちろん、サービスよりも商品の方が一度に大量の注文を受け付けるという点もPinduoduoの強みです。
1万個の商品を安く売ることは想像出来ても、レストランのクーポン1万人分はなかなか難しいですよね。
ソーシャルコマースは既存の流通経路を飛ばして、メーカーが消費者から直接大量発注を受けることが出来る仕組みとも言えます。
既存の流通経路が持つパワーが強いとなかなか実現が難しいですが、いわゆる卸売の役割の一部をこのソーシャルコマースの仕組みが代わりに果たしているとも言えます。 [RELATED_POSTS]
まとめ
いかがでしたでしょうか。
我が国においてこういった形のソーシャルコマースが普及するかどうかは、既存のサプライチェーンを考えると難しいのかなと思いますが、アジアではかなり普及するものと思われます。
もちろんアフリカでも成功するモデルになるでしょう。
となると、最初の方で「ソーシャルコマースの意味合いが変わる」とこの記事を書き出しましたが、我が国においては今まで通り「SNSを使ったマーケティング」のままだったりするのかもしれませんが、それはご愛嬌ということで。
それではまた。
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