ECビジネスを取り巻くトレンドは、日々変化の連続です。昨年注目の販促のためのマーケティング技術が登場したかと思えば、今年にはまた新しい技術が登場します。多様化、複雑化する購買行動に対応するために企業は常にアンテナを張り、必要な技術を素早く取り入れ、マーケティング施策を展開していくことが大切です。
そこで今回は、ECサイトで最近流行りの販促機能10選をご紹介します。
ECサイトで最近流行りの販促機能 10選
1.チャットボット
チャットボットとは、人間と自然言語でのコミュニケーションを行うプログラムです。AI(人工知能)を活用することで、自然に近い会話を楽しむことができます。昨年はFacebookとLINEという2大ソーシャルメディアから、チャットボット開発用APIが公開され話題となりました。以降続々と、多くの企業がチャットボットの導入に取り組んでいます。
ECサイトにチャットボットを導入すれば、ユーザー対応の作業効率化とサービスの均質化が実現します。ただし、コミュニケーション精度を上げるためには工夫も必要ですので慎重に導入するようにしましょう。
チャットボットに関する詳しい情報は「ecサイトでチャットボットは必要か?チャット最前線をレポート」をご覧ください。
2.送料無料までのレコメンド
商品を購入するユーザーに対し、その他のおすすめ商品をレコメンドする機能はすでに一般化されています。しかし、「送料無料までのレコメンド」となると、まだ導入していない企業も多いようです。多くのECサイトでは「〇〇円以上で送料無料」といったキャンペーンを実施しています。
その金額が5,000円以上だとすると、4,000円や4,500円といった買物をしようとしているユーザーに対し、「あと〇〇円で送料無料になります」という表示と共に商品表示するのは効果の高い販促です。
趣味嗜好に合った商品をレコメンドするよりも、客単価向上に貢献できるかもしれません。
3.オムニチャネル化
オムニチャネル化とは、ECサイトや実店舗といった様々な販売チャネルを統合し、新しい購買体験を提供するための取り組みです。近年では、このオムニチャネル化に対応した機能を持つ、ECサイト構築パッケージが増えています。弊社のSI Web Shoppingもその一つです。
企業のオムニチャネル化は顧客に対してのサービスレベルの向上を実現します。いつでも、どこでも、好きな方法で商品にアクセス出来るサービスを提供することで、顧客満足度は向上し、ロイヤリティが高まり、顧客LTV向上にもつながることが期待されます。
4.ID決済
日本国内のEC市場における、主流オンライン決済といえばクレジットカード決済です。しかし、クレジットカード情報の搾取や不正送金といったサイバー事件の多発から、クレジットカード情報を入力したくないというユーザーが一定数存在することも事実です。
特に、ユーザーが初めて訪れたECサイトでは信頼がまだないので、決済で躊躇するといったことが少なくありません。
こうした時の対策として有効な方法が「ID決済」です。
ID決済とは楽天市場やAmazonなどの大手ECモールに登録したIDを入力することで決済できるサービスです。ユーザーはクレジットカード情報を入力する必要がないので、初めてのECサイトでも安心して購入することができます。
まだ公開したてのECサイトなど、ユーザーからの信頼が低い場合には、導入することを検討しても良いかもしれません。
5.Apple PayとAndroid Pay
ID決済のように、現在注目されているオンライン決済の方法がApple PayとAndroid Payです。これらのオンライン決済は、従来のおサイフケータイのように、非接触IDを活用することで店頭やECサイトでの決済を可能にしています。
ID決済同様に安心感のあるオンライン決済が可能なので、今後ECサイト決済で受け入れられていくでしょう。
Apple Payユーザーが現在世界で8,600万人、Android Payは2,400万人と順調に増えているので、国内のECサイトはもちろん、越境ECにおいても主流オンライン決済手法となる可能性があります。
6.PCI DSSへの準拠
経済産業省が策定した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策強化に向けた実行計画」によると、EC加盟店は2018年3月までに以下いずれかの対応が求められます。
- PCI DSSへの準拠
- クレジットカード番号の非保持化
PCI DSSとは世界的なクレジットカードセキュリティ基準です。上記で経済産業省が策定した計画の中では以下のようなことが謳われています。
2018年3月末までに、特にカード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進するとともに、カード会社(イシュアー・アクワイアラー)及びPSPについてはPCI DSS準拠を求めることとする。
PCI DSS準拠となるとそれなりのコストが発生します。また、クレジットカード番号の非保持化は、実装は簡単ですが、コンバージョン率が下がってしまうリスクあります。
従って、PCI DSSへの準拠や、クレジットカード番号の非保持化を容易にする機能やサービスが注目されだしています。
7.位置情報活用
位置情報を活用することで、ユーザーがどこにいて、何をしようとしているのかという行動データが読み取れます。これを活用したオムニチャネル戦略や販促が注目され出しています。最近ではビーコンを活用したユーザーの位置情報取得により、ユーザーが来店した店舗や今いる位置によって、配布するクーポンをパーソナライズするといった施策もあります。
8.インタラクティブメール
インタラクティブメールとはメール本文からURLをクリックさせる手法ではなく、メール内で購入する商品のサイズを選んでカートに入れるなど行動を完結させるメールです。消費者に促す行動が減ることでコンバージョン率を高めることが可能になるため米国ではすでにメールマーケティングのトレンドになっていますが、日本国内ではまだ浸透していない機能です。
インタラクティブメールによってメール内で様々なアクションを誘発できるだけでなく、離脱を防ぐことが可能になるためマーケティングの幅がかなり広がりました。
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9.HTML5 ビデオ
iOS10がHTML5ビデオのサポートを再開したことにより、メール内で動画再生する技術が可能になりました。具体的なECマーケティングの取り組みはまだ少ないですが、今後、動画コンテンツを活用したECプロモーションの中心になっていくことは間違いありません。
10.マーケティングオートメーション
最近に限った流行りではありませんが、2017年も昨年に続いてマーケティングオートメーションなどの機能が注目されています。ユーザーが起こした行動によって配信するメールを変え、メールマガジンによるナーチャリング(顧客育成)を実践するなど、ECサイトにおけるマーケティングオートメーションは今後も重要性を増していくでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はECサイトで最近流行りの販促機能 10選をご紹介させていただきました。ECサイトの販促技術は日進月歩で進化しているので、今後も新しいサービスやトレンドが登場することは間違いありません。ECサイト事業者の方は、これらの最新トレンドを意識しながら、自社のECサイトに組み入れていくことが重要です。今後も新たなトレンドが出てきた際には、このブログで紹介していきたいと思います。
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