越境ECサイト構築の検討ポイントとは?

 2019.02.05  佐藤 嘉彦

こんにちは。
システムインテグレータの佐藤です。

皆さんは海外のECサイトからモノを買ったことはありますか?
私は、本当に時々ですが、日本では見たことのないブランドの商品を求めて、海外のECサイトを徘徊して買うことがあります。
しかし、欲しくても日本への配送に対応してくれないケース、まだまだ少なくありません。
逆の視点で、日本国内のECサイトがどれだけ国外への配送に対応しているかと考えてみると、普段使うECサイトの多くでは見たところ日本国内への配送のみの対応というケースが多いように感じます。

今回はいざ越境ECサイトを構築してビジネスを展開するぞ、となった際の検討ポイントについてご紹介出来ればと思います。 

こちらの記事で中国向けの越境ECのポイントをご紹介しておりますので、合わせてご覧ください。

越境ECの規模

まず、構築する際の最初のポイントとしては、どれくらい売れそうなのか、ですよね。
その際に大きな指標となるのが、「今どれくらい売れているのか」、つまり市場規模です。
この記事執筆時(2019年2月5日)では、中国人観光客のインバウンド需要が下火になってきた、みたいな話題をよく目にしますが、実際海外のお客様が日本の商品どれくらい買っているのか、市場規模がどれくらいかみなさんご存知でしょうか。

まず見ていきたいのが、世界のBtoC EC市場です。
経済産業省がまとめた「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、2017年で2.3兆米ドル、1米ドル110円で換算すると、約253兆円となります。
こちらの推計は、「物販系」「サービス(非デジタル)系」「デジタル系」それぞれの分野での越境取引を推計範囲とした推計となっています。
同資料によると、日本国内のBtoC EC市場規模は2017年で16兆5,054 億円でしたので、国内の約15倍以上。
まだ見ぬ巨大な市場が広がっているように感じます。

 世界のBtoC電子商取引市場規模
(出所:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

それでは次に我が国からどれくらい買ってもらっているか、日本の越境EC市場を見てきましょう。

こちらも同じ経済産業省がまとめた同資料からの数字となりますが、2017年は推計で約2兆円だったそうです。
ただし、これは対アメリカ、対中国に限った数字ですので、実際にはこちらよりはもう少し大きい規模と考えてよいでしょう。
でも世界のEC市場規模253兆円に対して、と考えるとまだまだ小さい感じが正直否めませんよね。
先程も出た数字ですが、日本国内におけるBtoC EC市場は2017年で16兆5,054 億円という市場規模でしたので、まだ国内の市場規模の方が国内の越境EC市場より大きいと言えます。

越境EC市場規模(2017年)
(出所:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

そうなると気になってくるのが、国内向けと越境、どちらが成長市場かという点です。

ECサイト構築パッケージ・サービス比較表

以下の表は総務省の同資料でまとめられている表ですが、2017年から2021年にかけて市場規模は約2兆円から2倍の約4兆円に成長することが予測されています。

越境ECポテンシャル推計値(2017年時算出)
(出所:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

では国内向けのEC市場はどうかというと、2016年と2017年で比べてみると成長率は9.1%(同資料より)。
いまのところ日本国内のEC市場が急拡大する材料は思い当たらないことからすると、成長率に関しては越境ECの方が高いと考えて良いでしょう。

越境EC市場と国内EC市場を比較すると、まだ越境EC市場は国内の8分の1以下であるものの、2021年には2017年の倍の規模になると見込まれているので、成長率だけで言えば新規参入の魅力がある市場に見えます。

しかしながら、成長率が高いからと言って無策でスタートしてはうまく行くわけがありません。
競争に勝ち、海外のお客様に支持されるためには考えねばならないことが山積みです。
普段のニュースでは、中国を始めとするアジア各国のEC市場の活況を目にするので、我々もいざゆかんという気持ちになるのですが、まずは冷静になることが越境ECサイト構築検討の最初のポイントと言っていいかもしれませんね。 [RELATED_POSTS]

越境ECサイト構築の検討ポイント

ここまで市場規模を見てきましたが、ここからはそんなに楽観的なビジネスではないにせよ参入するぞ、という事業者様向けの検討ポイントをご紹介して行きたいと思います。

1.どのような場所で売るか(プレイス)

ひとくちに越境ECと言っても、実はいろいろな方式があるのをご存知でしょうか。

ここまでの越境EC市場規模の推計範囲に含まれる方式をベースに見ていきましょう。
以下の表が、総務省の同資料にある越境ECの事業モデルです。

越境ECの事業モデル
(出所:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

我々にご相談頂くことが多いのは「(1)国内自社サイト<BtoC>」のモデルです。
自社のECサイトを外国語および海外への配送に対応させたいという場合に検討するモデルですね。

越境ECといっても販売方法の選択肢は、ご覧の通り1つだけではありません。
以下にご紹介する他の検討ポイントを踏まえて、どのような場所で売るのが自社にふさわしいのかをしっかり検討する必要があります。

2.どのような商品を売るか(プロダクト)

次なる検討のポイントは、どのような商品を販売するかです。

日本で売れ筋の商品がそのまま海外でもウケるケースもあるでしょうが、そんなに甘いものではないと考えるべきでしょう。
となると、海外で売れる商品は何かをリサーチする必要があります。

と言っても、日本国内であってもどの商品が売れるのかなんて正確に予測することは困難なので、越境ECはさらに困難と言っていいでしょう。
「日本の商品は高品質」と思われている、とすると、安全や安心などを含めて品質を押していきたいところになりますが、日本人が自慢したい日本と、海外の人が自慢して欲しい日本は、マッチしていないということも少なくありません。
ちょっと極端な例え話ですが、我々からすると「エジプトと言えばピラミッド」でも、エジプトの方からすると自慢したいのはピラミッドでないのかもしれない、というイメージです。

もちろん慧眼をお持ちで、これが海外で売れるのだ、という判断が出来る方もいらっしゃるのでしょうが、単に日本と同じものを並べたら同じように売れるとは限りませんので、何を売るかの検討はしっかりと行う必要があります。 

場合によっては、国内で販売している商品とは別の商品を販売することも検討しなくてはなりません。
グローバル消費財メーカーの立場で考えると、その国向けにパッケージを変える、ということはごく当たり前にやらなくてはならないことの一つでしょう。

実際自社がそこまで踏み込むことが出来るかは、越境ECにかける本気度によると思いますが、海外向けに商品を売るということはそんなにお気軽なことではなさそうです。 

3.どのように知ってもらうか(プロモーション)

どのような商品がウケるかのリサーチが必要というお話をしましたが、同じようにどのような広告がウケるかも国によって様々です。

単に日本語を外国語に翻訳しただけのサイトや広告では、海外のお客様は購買意欲をそそられないかもしれません。
これは国内に越境ECが可能な自社サイトを構築した場合も、海外に現地ECサイトを構築した場合も同様ですし、どうような売り方を選んだにせよ知っていただかないことには話になりません。
また、どのような内容でコミュニケーションを取るか以外にも、広告を掲載すべき媒体も国によって違うでしょう。

日本国内で現地のプロモーションに詳しい広告代理店とお付き合い出来れば良いですが、それが難しい場合、現地の広告代理店を頼りにすることになります。
もうそこまで行くと、越境ECで売上拡大、というより現地法人を立ち上げて現地で本腰入れてビジネスという感じに近いイメージになってきますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
単に海外向けのチャネルを構築しただけでは、よほどの強運に恵まれない限り、ビジネスの成功は難しいと言えます。

今回はシステムよりはお話はあまり出てきませんでしたが、国内で越境ECサイトを作ろうとなると、システム面においても検討しなくてはならないことがたくさんあります。
そちらは別の機会にまたご紹介差し上げたいと思います。

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