昨今、さまざまな業界の企業が、ECサイトを構築して商品の販売を行っていますな業界の企業が、ECサイトを構築して商品の販売を行っています。
また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、ECサイトが急増。これは、本記事で取り上げる化粧品業界も例外ではありません。消費者は必然的にオンラインショッピングを利用して化粧品を購入することになったわけです。このような背景もあり、化粧品業界のEC化が進みつつあります。
本記事では化粧品ECサイトの構築ポイントを網羅的にご説明します。これからは化粧品関係のECサイトの開発を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。
化粧品業界のECサイト化率とは?
経済産業省が2020年7月に発表した「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築に係る国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)(※)」によると、化粧品と医薬品のカテゴリーにおいてBtoC-ECの市場規模は、6611億円(2019年)となっています。
また、2019年のEC化率は6.0%で、2018年よりも微増という結果。さまざまな分野の物販においてEC化率が進んでいるといっても、化粧品業界のEC化率は比較的遅れをとっているといえるのです。
同報告書を参考にすると、事務用品・文房具のカテゴリーのEC化率は40%程度、書籍・映像・音楽ソフトのEC化率は30%台となっており、化粧品業界のEC化遅れが顕著となっています。
市場規模は決して小さくないわけですが、EC化率が低いのには、いくつか要因が考えられます。次章で、その理由を見ていきましょう。
(※)参考:令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築に係る国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)
化粧品業界のECサイト化率が遅れる理由
ここからは、化粧品業界のECサイト化が遅れている理由をご説明します。化粧品業界では、以下の4つの理由からECサイト化率が伸び悩んでいると考えられます。
店頭の利便性が高い
化粧品を購入する場合、住まいの近くにあるドラッグストアや、ショッピングモールなどの実店舗を利用するユーザーが多いでしょう。
特にドラッグストアは全国各地に非常に多くの店舗が存在します。日本チェーンドラッグストア協会が発表した、2021年版の「日本のドラッグストア実態調査(※)」によると、全国には20,631店舗が展開されていることが分かっています。
この店舗数が示すように、多くの方がドラッグストアを身近に感じていることでしょう。基本的に、ドラッグストアでは「プチプラ」と呼ばれる低価格帯の化粧品の取り扱いがあり、数百円から化粧品を購入できるとあって、幅広い年齢層に支持されています。
なかにはメーカー直販のECサイトでは取り扱いがなく、ドラッグストアや専門店での店頭販売をメインにしている化粧品も存在するほどです。低価格帯の化粧品は送料などの追加費用を考えると、ECサイトを利用するよりも実店舗での販売が向いているでしょう。
また、実際に試用したりスタッフのアドバイスを聞いたりしてから購入したいというニーズも強く、店頭のほうが利便性が高いといえます。
(※)日本のドラッグストア実態調査|一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会
販売チャネルが多い
化粧品や医薬品の業界は前述したドラッグストアをはじめとして百貨店や訪問販売、カタログ販売、テレビ通販など販売チャネルは多岐にわたります。多数の販売チャネルもEC化率を遅らせている要因といえます。
しかしながら、インターネットが普及している時代において、化粧品もECサイトの利用がしやすいと感じるでしょう。それでもうまくいかないのは、前述したような実店舗の利便性によるものが大きいと考えられます。
また、インターネット通販では「初回実質無料」など、入り口のハードルを下げて、ユーザーが気づかないうちに定期購入になっていたというトラブルも過去におきました。
そのような事案から、ECサイトで化粧品を購入することに抵抗をもつユーザーも一定数存在します。
レッドオーシャン市場
化粧品業界は他業界に比べてデジタルマーケティングの難しさがあり、EC化率の伸びに影響しています。その理由は化粧品業界がすでにレッドオーシャン市場になっているからです。
化粧品業界には国内大手の資生堂やコーセー、P&G、ロレアルなどの外資系、通販系のドクターシーラボなどがしのぎを削っています。さらに、富士フィルムといった異業種からの参入もあり、基本的に資本力のある企業がひしめき合っています。
そのため、広告費が高騰しており効果的にECサイトによるコンバージョンを獲得することが難しくなっているわけです。なお、業界動向「SEARCH.COM」の「化粧品業界売上げランキング 2019年(国内)」では、資生堂が1位で2位のコーセー以下を圧倒しています。
「健康アップデート」の影響
化粧品業界のデジタルマーケティングの難しさは、2018年8月の「健康アップデート」も影響しています。健康アップデートとは検索エンジン(Google)のアルゴリズムの修正です。Googleの公式ブログでは「医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります」と紹介されています。
従来の化粧品関係のアフィリエイトサイトは、口コミをまとめた作りであり、なかには偽の情報を載せたメディアも登場し、社会問題になりました。こうした社会問題を背景に、Googleがこのアップデートにより対策を実行しました。
このアップデートの実施後は化粧品公式サイトや楽天市場、Amazonなどのサイトが上位表示を占めました。
一方でアフィリエイトサイトや口コミサイトは検索ランキングで順位を下げています。2019年にも3月と6月にアップデートが実施され、化粧品関係のアフィリエイトサイトは検索結果の上位から姿を消しました。
現在も、化粧品を含む健康分野のサイトは、信用性が認められなければ、上位表示は難しいといった状況です。
化粧品のECサイトを構築するメリット
前項では、化粧品業界のEC化率が伸び悩んでいる理由をお伝えしました。化粧品のECサイトで継続的な売上を維持するには難しさもあります。
しかしながら、ECサイトで化粧品を販売することにはさまざまなメリットがあります。
機会損失の防止
ECサイトを構築することで、機会損失を防止できるというメリットがあります。
自宅でも会社でもインターネットを使うことから、通勤途中でも買い物ができます。また、商圏に限定がないため、日本全国の人々を対象に販売ができます。
外国語に対応したECサイトを構築すれば、世界中の人々をターゲットにして運用することも可能です。加えて実店舗のように営業時間があるわけでもないため、ユーザーは時間と場所を問わずに好みの化粧品が購入できるわけです。
また、ECサイトならば実店舗のように莫大な固定費や人件費をかける必要がないため、商品価格を安くすることもできます。「安くて、いい商品が欲しいけれど近くに実店舗がない」というユーザーからも商品を購入してもらえるでしょう。
感染リスクの防止
2020年3月から日本では新型コロナウイルスの感染拡大が始まりました。多くの業界が大幅に売上げを落とすなかで、急成長したのがECサイト市場です。株式会社ナウキャストと株式会社JBCが公開した「国内業種別消費動向データ」では、2020年3月下旬におけるECサイト市場は前年比6.1%の伸びを見せました。
百貨店が-16.1%、外食は-17.9%と店頭販売関係の売上げが大きく落ち込んでいるところをみると、ECサイト市場の需要が伺えます。
この背景は容易に想像がつくもので、新型コロナウイルスの感染リスクを防止するものです。外出を控えてオンラインショッピングを活用する人が大幅に増えた、言うなればショッピングの場が実店舗からECサイトへの変化を意味しています。
デジタルシフトの多様性
ECサイトの構築はデジタルシフトの多様化につながります。デジタルシフトとは、経営やマーケティング、開発、人材採用などあらゆる企業の活動でデジタル化を進めることです。
また、デジタルシフトを進めることでさまざまなマーケティングが実施できます。ECサイトを構築することもデジタルシフトに含まれますが、オンライン接客やオンラインによるメイクレッスンなど、新たな形で顧客との接点をもつことが可能です。
オンラインでのメイクレッスンはコロナ禍においても進んでおり、Zoomなどのビデオ通話システムを活用したメイク教室も展開されています。YouTubeで動画コンテンツを配信することも自社商品のアピールになるでしょう。
化粧品のECサイトに必要な機能は?
ここでは、化粧品のECサイトに必要な3つの機能をご紹介します。
レビュー機能
ユーザーレビューはECサイトにおいて必須の機能です。前述したように虚偽のレビューや口コミを掲載してはいけませんが、しっかりと利用したユーザーの生の声は新規顧客やリピーターの獲得に有効です。
特に化粧品は実際に使用したユーザーの感想をもとに購入する人が多く、レビューは重要なコンテンツです。よって、ECサイトを構築する際にレビュー専用のサービスを導入したり、カスタマイズしたりして対応してください。レビューへの取り組みは今後も注目されていくでしょう。
定期購入機能
化粧品は消耗品であり、ユーザーは定期的に購入することになります。それを前提として用意するのが定期購入機能です。ユーザーは定期購入を選択することで、化粧品の残量を気にする必要がなくなります。
また、自社においてもストック収入になるため、定期購入者が多いほど売上が安定します。優良なユーザーを確保する意味でも定期購入機能は導入必須といえるでしょう。
ただし、どの顧客もすぐに定期購入を決めるわけではありません。ユーザーに定期購入を促すには、初回割引や単品商品の同時購入割引、定期購入者限定クーポンの配布、ポイント制度などをうまく実施してみてください。
ちなみに定期購入者(リピーター)を獲得するよりも新規顧客を獲得するほうが5倍のコストがかかるといわれています。コストを抑えて安定的な売上を確保するためにも、定期購入には力を入れたいところです。
オンライン接客機能
化粧品は実体験をもとに購入するユーザーが多いですが、美容部員によるカウンセリングやレクチャーによって購入するケースもあります。そのため店頭購入のニーズが高いわけですが、オンライン接客も有効です。
前述したようなビデオ通話システムとチャットを併用して店頭と同様の接客により、提案に成功した事例もあります。特にコロナ禍ではオンライン接客を希望するユーザーが増えることも予想されます。
ECサイトを構築する際はオンライン接客機能も追加しましょう。
化粧品のECサイトを構築するときのポイント
化粧品のECサイトを構築するときは、これから解説する2つのポイントに留意してください。
単なる販売チャネルにしない
実店舗では、いかに多くの棚に並べられているかが売上に直結します。そのためドラッグストアなどの小売店を活用するわけですが、一方でそういったどこでも手に入る商品となってしまうと、自社で売るには価格で訴求せざるをえなくなってしまいます。実際、クーポンをばら撒かないとなかなか販売に結びつかないという課題をお持ちを化粧品ECサイトは少なくありません。
ですが、ECサイトを単なる「買う場所」を超えた意味のある場所にすることができれば、そこで買う意味をお客様に感じていただき、価格競争にならずに販売することもできます。
先述したオンライン接客はそれを実現する一つのアプローチです。いつでもどこでも、気軽に相談しながら買えるのであれば、仮に探し回ればもっと安く手に入ったとしても、そんなことをせずに買っていただくことができます。
また相談の内容や購入いただいた化粧品、スキンケア商品などお客様の情報をデータベースに蓄積することで、もっとお客様に寄り添った接客をデジタル上でも実現することができます。
ECサイトを単に商品を販売するだけのチャネルにせずに、コミュニケーションを通じファンになっていただくためのチャネルとするという考え方が重要です。
海外へのアプローチも検討する
前述のとおり、外国語に対応したECサイトを構築すれば、海外へのアプローチも可能です。化粧品はブランドで買われる傾向が強い商品ですので、「本物」であることを証明できる自社ECサイトと相性が良いです。
ですが、その際には
- 外国への発送にも対応している
- 外国語に翻訳されている
以上の仕掛けを用意することを忘れてはなりません。化粧品は嗜好品でもあるので、お客様の嗜好に沿った形で訴求しなくてはなりません。それには単なる多言語対応や海外発送だけでは不十分です。
理想としては1つのシステムでありながら、国別にまったく別のECサイトを構築するレベルで見せ方を変えることです。オペレーションのレベルまで国別となり、現地で行うならばまったく別のシステムでそれぞれ構築する方が立ち上がりは早いですが、その先のグローバルレベルの戦略を考えたとき、グローバルのオペレーション基盤との連携や統合を考えないとならないため、ある程度以上は共通のシステムで運用できるのが望ましいと言えます。
化粧品のECサイト構築なら「SI Web Shopping」
化粧品のECサイトの構築を検討しているならば、弊社の「SI Web Shopping」をご活用ください。SI Web Shoppingは1996年に誕生した日本初のECサイト構築パッケージです。これまで1100サイトで導入された実績がありますサイトの構築を検討しているならば、弊社の「SI Web Shopping」をご活用ください。SI Web Shoppingは1996年に誕生した日本初のECサイト構築パッケージです。これまで1100サイトで導入された実績があります。
豊富な実績からノウハウが蓄積されていますので、導入企業の売上げアップに最適なECサイトの提案も致します。SI Web Shoppingはさまざまな特徴や優位性があります。
高いカスタマイズ性は多くのEC事業者様から支持をいただいており、オムニチャネルの実現に欠かせない統合された顧客基盤や商品・在庫情報、各種マーケティングツールとの柔軟な連携を実現します。
ほかにもソースとデータベース構造の公開により、拡張性とメンテナンス性を保証しております。導入企業様だけではなく、導入企業様の指定開発者による追加開発やメンテナンスもできます。
この機会にSI Web Shoppingを活用したECサイトの構築をご検討ください。
まとめ
この記事では化粧品業界のEC市場、ECサイト構築について解説しました。新型コロナウイルスの影響もあり、EC化の進みが遅かった化粧品業界においてもオンライン接客やオンラインカウンセリングなど、オンライン化は加速していくでしょう。
なお、弊社ではSI Web Shoppingをはじめとして各種有益な資料もご用意しています。ECサイトの構築やECパッケージ選定のポイントなど、ECサイト構築の際の参考になる資料をご覧いただければ幸いです。
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