同じECサイトであっても、BtoBとBtoCではその特徴が大きく違います。私たちの生活で当たり前になりつつあるオンラインショッピングといえばBtoCですが、実は市場に関していえば、BtoBのEC市場は291兆円と、BtoCの約20倍もの規模があります。意外と知られていませんが、BtoBの方がEC化率も高く市場規模も巨大なのです。
引用:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました国内BtoC-EC市場が15兆円を突破。中国向け越境EC市場も1兆円を突破
そして、BtoBのEC事業を成功させるためには、BtoBに特化した機能が必要です。BtoCのECサイトでは見られない機能もあるので、ECサイトで初めてBtoB領域に乗り出す際は、ちょっとした戸惑いがあるかもしれません。今回は、そんなBtoB-ECサイトが持つ特有の機能について紹介していきます。
BtoB-ECサイト特有の機能
機能1.マスタ管理の徹底
BtoB-ECサイトでは従来の商取引で行われていた人を介した販売をEコマースに応用する傾向があります。故に企業の従来からあるシステムとの連携に重きをおくケースがBtoC-ECサイトよりも強い傾向にあると言われています。
そのため多くの場合、BtoB-ECサイトの商品管理はERPとの連携によって成り立っています。簡単に言えば、ERPにある商品データ・在庫データと連動させてECサイトの商品表示などに反映します。
例えば大手製造業の部品販売などにおいては数万点という規模の商品を扱うことの多いので、このようにマスタ管理を利用する必要があり、それがBtoB-ECサイトには求められます。
機能2.承認フロー
BtoC-Eコマースでは、決済権限のある自分自身が購入ボタンをクリックすれば購入することが可能です。しかし、企業では1案件あたりの単価が巨大になるケースもあるため個人で意思決定できるケースは多くありません。このようなケースを踏まえてBtoB向けのECサイトでは承認フローが自在に設定できる機能が備わっています。バイヤーに寄り添った機能だからこそ、顧客満足度を高めることができます。
機能3.見積管理
BtoB-ECサイトとBtoC-ECサイトの違いと言えば、見積があるかないかと言っても過言ではありません。企業の購買においては、見積書が不可欠です。バイヤーは見積をもらってから社内稟議を行い発注処理します。BtoC-ECと比較し、商品が高額な場合や、購入する商品や企業のレベルによってディスカウント料率が異なる場合があるので、購入前に見積もりを取得する必要があります。
一般的にバイヤー側には、自動見積と見積依頼という機能があり、バイヤーは必要に応じて企業の担当者に見積依頼を出すことも可能です。基本は自動見積によって見積書が作成されるので、作業効率アップにつながります。
管理者側の機能としては、見積依頼があった際は迅速な見積作成を行う必要があります。BtoB-ECサイトでは見積作成機能が備わっているので、スピーディに納期回答などを行えます。
機能4.受発注管理
受発注管理も、バイヤー側と管理者側に備わっている管理機能です。仮注文時に在庫の引き当てを行いサプライヤーや製造部門、配送部門へ通知し、与信管理システムと連動し与信金額超過していた場合は警告や注文不可とすることができます。もちろん、注文データの受付、チェック、注文確認メールの配信などにより、受発注ミスを無くすような機能も兼ね備えています。
また、BtoC-ECサイトではカード決済やコンビニ決済など個人を対象にした決済手法が一般的ですが、BtoB-ECサイトの場合には「月末締めの翌月末払い」など支払いサイトが異なります。それらを管理可能な売掛管理や請求管理機能などとの連携も必要になってくるでしょう。
機能5.ディスカウント
BtoB-ECサイトでは多くの場合、ディスカウントがあります。ボリュームディスカウントであったり、キャンペーンであたり、パートナーレベルに応じた料率出会ったり、実に様々です。これらのディスカウントを全て手動で管理することは難しく、手間も多くなります。また、バイヤーごとに適用するディスカウントが異なるので、管理はさらに複雑となります。
こうしたディスカウント管理も、BtoB-ECサイト特有の機能です。正しい割引適用額の提示により、信頼感を与えることはもちろんのこと、企業運営を円滑に行うことが可能になります。
機能6.バイヤー管理
バイヤー(代理店など)ごとに情報を管理することも必要不可欠になります。それぞれのバイヤーごとに割引料率や支払いサイト条件、締め日、支払い方法、最大購入金額などを管理し、マーケティングシステムと連携して、個別の販促活動に繋げることも可能です。このようにBtoB-ECサイトにおいて取引先ごとの管理を行うためのバイヤー管理は必要不可欠なものなのです。
BtoB-ECサイト構築パッケージは、オールインワン製品がおすすめ
BtoB-ECサイト特有の機能について紹介しましたが、すべてのECサイト構築パッケージ製品がこうした機能を備えているわけではありません。一般的に、ECサイト構築パッケージというと、BtoC向けの機能しか備えていない場合もあります品がこうした機能を備えているわけではありません。一般的に、ECサイト構築パッケージというと、BtoC向けの機能しか備えていない場合もあります。
必要な機能を備えていないパッケージ製品を選んでしまうと、結局は別のシステムや外部サービスとの連携が強いられ、大きなカスタマイズが発生してしまいます。そのようなケースを避けるためにもBtoB-ECサイトに特化した “オールインワン”のBtoB-ECサイト構築パッケージが有効です。これらの製品群には、BtoB-ECサイトに必要な機能を備えているため、BtoBビジネスにおける様々な要望に応えることができます。
BtoB-ECサイト構築パッケージ選定ポイントをおさらい
最後に、BtoB-ECサイト構築パッケージを選ぶ際のポイントを紹介します。
ポイント1.ライセンス形態はECサイトの成長を阻害しないか
サーバ台数ベースのライセンスでは、ライセンス費用がECサイト成長の妨げになります。サイトライセンス(1サイト1ライセンス)タイプを選びましょう。
ポイント2.要件変更に対応できるフレームワークは備わっているか
完全なパッケージ製品はソースコードがブラックボックス化して、カスタマイズのたびに開発依頼とコストが発生します。フレームワークに対応している製品を選びましょう。
ポイント3.将来のトランザクション増加への耐久はあるか
ECサイトを運営していけばトラフィックは増加していきます。将来のトランザクション増加を見越して、それに耐えうる製品を選びましょう。
ポイント4.スピード感のあるECサイト構築・運用は可能か
ECサイト構築や、カスタマイズにかかる時間は“コスト”そのものです。スピード感ある構築・運用ができる製品を選びましょう。
ポイント5.高いセキュリティは確保しているか
会員情報を取り扱うECサイトは、サイバー攻撃の格好の的です。高いセキュリティを確保した製品を選びましょう。
ポイント6.外部システムやサービスなど多様な連携先を持っているか
ECサイトが成長することで、ERPとの連携や外部サービスの利用が増える可能性があります。多様な連携先を重視しましょう。
ポイント7.UX(顧客体験)を意識した画面や機能を提供できるか
UXはビジネスを成功させるための重要な要素です。ユーザーにとって最適が画面・機能を提供できる製品を選びましょう。
ポイント8. BtoBビジネス特有の機能は実装されているか
BtoBビジネスに必要な機能が備わっているかは重要な要素です。自社のビジネスモデルに照らし合わせて機能面で対応可能かを見極めましょう。 [RELATED_POSTS]
まとめ
BtoB-ECサイトを運営していくためには、ここで紹介したような特有機能が必要不可欠な存在であると言えます。しかしすべての製品が、こうした機能を備えているわけではありません。コーディングでカバーできるもの、そもそもカスタマイズできないものなど製品ごとにマチマチです。BtoB向けのECサイトを構築する場合には、今回ご紹介したような部分にも着目して慎重に製品選定を行うようにしてくださいサイトを運営していくためには、ここで紹介したような特有機能が必要不可欠な存在であると言えます。しかしすべての製品が、こうした機能を備えているわけではありません。コーディングでカバーできるもの、そもそもカスタマイズできないものなど製品ごとにマチマチです。BtoB向けのECサイトを構築する場合には、今回ご紹介したような部分にも着目して慎重に製品選定を行うようにしてください。
#弊社ではBtoB ECサイトに最適化されたBtoB ECサイト構築パッケージを提供しております。
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