OMOとは?コンセプトやO2O・オムニチャネルとの違いを解説!

 2020.08.17  株式会社システムインテグレータ

インターネットが身近になった現代にふさわしいマーケティングの手法としてOMOが注目され始め、国内でも徐々に取り組みが進んでいます。この記事ではOMOの基本的な内容と具体的な事例の解説、類似の概念であるO2Oやオムニチャネルとの違いについても触れていきます。

OMOとは

「OMO(Online Merges with Offline)」とはオンラインとオフラインの情報を融合させてマーケティングに生かす手法を指す概念で、オンラインの情報からオフラインの購買行動に誘導するO2O(OtoO、Online to Offline)が進化した形態としてもとらえられています。

OMOという言葉を提唱したのはGoogleチャイナ元CEOの李開復(リ・カイフ)氏です。2017年、李開復氏が英経済誌「エコノミスト」特別号に寄稿したコラムでOMOは使われ、有名になりました。

OMOが生まれた背景には、スマートフォンなどのモバイル端末が人々の生活に浸透したこと、キャッシュレス決済の普及、センサーを搭載したIoTの普及などが挙げられます。

従来はWebサイト閲覧履歴などのオンラインデータと、実店舗での購買履歴などオフラインで収集したデータを連携することは難しく、履歴のデータは別々に管理されていました。

しかしテクノロジーが進歩したことにより、スマホのアプリを経由して収集されたECサイトの閲覧履歴や実店舗訪問を割り出すための位置情報、店舗に置かれたセンサーが読み取る来店情報などをすべて関連付け、同一のユーザーデータに統合できるようになったのです。

こうして企業はユーザーの行動をより詳しく把握できるようになり、そのデータを利用してユーザーに今まで存在しなかったような画期的なサービスの提供ができるようになりました。

モバイル端末の活用が進んでいる中国では、巨大ECサイトを運営するアリババグループ(阿里巴巴集団)の創始者であるジャック・マー(馬雲)氏が、2016年の時点ですでにオンラインとオフラインの情報を組み合わせて小売りに活用するニューリテール(新小売)の構想を提唱していました。中国は小さな個人商店や屋台でもスマホで買い物ができるキャッシュレス大国となっており、OMOが普及するのも当然の流れであったとも言えます。

O2O・オムニチャネルとの違いとは

OMOと類似の言葉としてO2Oとオムニチャネルがありますが、これらはすべて別の意味を持つ概念です。

O2OはWebサイトなどのオンラインからリアル店舗などのオフラインへ、またはその逆にオフラインからオンラインへ誘客するマーケティング手法を指しています。ECサイトでのプレゼントやクーポンなどのインセンティブによって顧客の関心を引き、リアル店舗へ誘導する施策がその代表例です。フリーペーパーにQRコードを印刷してオフラインからオンラインへいったん誘導し、そこからまたリアル店舗へ誘導するO2O2Oのような方法もあります。

オムニチャネルとはあらゆるチャネルという意味の言葉で、オンラインとオフラインを問わず自社のすべての販売チャネルを統合し販売促進につなげる戦略を指します。主にスーパーマーケットのような小売業界で広がっている概念で、在庫を一元化することで顧客がどのチャネルでも同じように商品を購入できるようにするのが主な狙いです。

これらの概念を比較してみると、O2Oは主にインセンティブ付与による誘客施策、オムニチャネルはシームレスな購買体験を提供することによる囲い込み施策であるのに対し、OMOはデータや顧客情報の統合施策である点が大きく異なります。

日本でOMOは浸透していくのか

OMOのマーケティング概念は将来的に日本でも浸透していくのでしょうか。ここ数年でPayPayをはじめとするキャッシュレス決済が普及しつつあるものの、マーケティングの面ではいまだにオンラインとオフラインを統合できているとは言い難いのが現状です。ただ、今後の日本が目指す姿として、2018年の第5期科学技術基本計画でサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させた新しい社会の姿である「Society5.0」が提唱されています。そのため、全体的な流れとしては日本でもOMOが今以上に浸透していくと考えられています。

海外事例を紹介

ここではOMO施策が進んでいる中国と米国の事例を紹介します。

アメリカ「Amazon GO」

世界一の規模を誇るECサイトAmazonは2016年に新世代の実店舗「Amazon GO」の第1号店を米シアトルにオープンし、2020年7月現在はサンフランシスコやニューヨークなどに計26店舗を展開しています。Amazon GOの店舗ではAmazonのECサイトと同一のアカウントで専用アプリを使ってログインして入店すれば、希望の商品をバッグに入れるだけで店内のセンサーによる読み取りが行われ自動で決済できるレジ不要の店舗です。Amazon Goでの購買履歴とECサイトでの購買履歴は一元管理されますので、Amazon GOで購入した商品をもとにユーザーの好みを分析して、Amazonサイト上でレコメンド表示するといったことが可能になるのです。

Amazon Goに関して、日本では「キャッシュレス決済」「無人店舗」という点がクローズアップされることが多いのですが、OMOという視点からもAmazon Goは非常に分かりやすい事例です。

中国「Tencent」

中国版のLINEともいわれる「WeChat(ウィーチャット、微信)」のアプリで有名なTencent(テンセント、騰訊)は、総合ECコマースのアリババや検索エンジンのBaidu(バイドゥ、百度)と並ぶ中国の大手IT企業です。テンセントはWeChatの関連アプリとして、QRコード決済の「WeChatPay(微信支付)」を提供しており、WeChatPayを活用した飲食業界のデジタル化にも力を入れています。

テンセントがAmazon GOと同時期の2018年に開始したのが、鴨肉加工品を販売する大手ファストフードチェーン「周黒鴨(ツォヘイヤー)」で展開しているスマート決済店舗です。

WeChatに含まれるミニプログラムで事前に顔認証の登録を済ませておき、来店時に顔認証のみでキャッシュレス決済を行うことができます。商品にはバーコードやICタグなどはついておらず、台の上に置かれた商品をセンサーとAIで認識して商品の種類と数を識別するしくみになっていて、決済ではスマホすら不要という徹底ぶりです。

WeChatに含まれる顔認証システムのように、中国では「小程序(シャオチェンシュ)」と呼ばれるミニプログラムが普及しており、大手アプリはミニプログラムで便利な機能を提供することでユーザーの囲い込みを図っています。スマホの位置情報を基にして近くの店舗をレコメンドするミニプログラムもあり、OMOを生かした施策として活用されています。

まとめ

オンラインとオフラインの情報を融合するOMOは現代のユーザーの購買行動と非常に相性が良いマーケティング手法です。日本でも近い将来にAmazon GOのような無人店舗が普及していくと考えられています。今後のビジネスでは最新の情報を基に新しい流れを積極的に取り入れていく姿勢が重要になるでしょう。

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