商品レビューとは?ECサイトへの導入効果を徹底解説

 2022.09.15  株式会社システムインテグレータ

競争の激しいEC業界において自社ECサイトの優位性を発揮するには、販売やリピートに結び付けるためのさまざまな施策を実施する必要があります。そのために導入すべき重要な機能のひとつが、商品レビュー機能です。
当記事では、商品レビューの概要・重要性から、ECサイトに商品レビューを導入する効果、効率的にレビューを集めるポイント、ネガティブレビューへの対処法までを解説しています。

ECサイトにおける商品レビューの有用性・効果性について知りたい方や、これから商品レビューを導入したい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

ECサイト構築基本ガイド

商品レビューとは

商品レビューとは?ECサイトへの導入効果を徹底解説 1

商品レビューとは、ECサイトで販売されている商品に対して投稿される意見・感想・点数評価などのことです。ECサイトで購入したユーザーからの投稿を受け付け、サイト上に設けられたレビュー欄に蓄積されていきます。

楽天・Yahoo!ショッピング・Amazonといったモール型ECサイトにはデフォルトで商品レビュー機能が備わっており、パッケージECやCMSで作成されたECサイトにおいても、レビュー機能を実装することで商品レビューを導入することができます。

商品レビューは現代のECサイトのスタンダードとも呼べる機能となっており、自社ECサイトを運営する事業者も導入するケースが増えてきています。

商品レビューの重要性

ECサイトにおいて商品レビューが重要視されている理由は、多くのユーザーが商品検討時・商品購入時にレビューを参考にする傾向にあるためです。

総務省が公開している情報通信白書平成28年版では、全年代の約8割のユーザーがレビューを参考にしており、レビューを読んで商品購入を行った経験がある方は約9割近くであるという調査結果が出ています。年齢が若いほど商品レビューを参考にする傾向にあります。

商品レビューとは?ECサイトへの導入効果を徹底解説 2

出典:総務省「平成28年版情報通信白書」

商品レビューはECサイトのユーザーに大きな影響を与えているということが分かります。つまり、活用方法次第ではECサイト運営において大きなメリットをもたらすことができるということです。

商品レビューを導入することで得られる具体的な効果・メリットについて、続けて以下にご紹介していきます。

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ECサイトに商品レビューを導入する効果

商品レビューとは?ECサイトへの導入効果を徹底解説 3

商品レビューを導入するECサイトが増えているのは、数多くの効果が得られるためです。商品レビューを導入しているECサイトとそうではないECサイトでは、パフォーマンスに大きな差が出ると言っても過言ではありません。

ここでは、ECサイトに商品レビューを導入する効果について解説します。

売り上げの向上

ECサイトは商品を直接手に取ることができないのが大きなデメリットです。ユーザーは買い物で失敗したくない心理を持っているため、多くのユーザーは商品購入の判断材料として商品レビューの確認を行う傾向にあります。

商品レビューを掲載しているサイトと掲載していないサイトでは、前者の方がコンバージョン率が高くなる傾向にあるため、レビューを充実させておくことで売上の向上に繋げることができます。

上質なレビューを集めれば、競合に対しても優位性を発揮できるため、ECサイトで売上向上を狙うのであれば、商品レビューは必ず導入しておくべきでしょう。

サイトの信頼性が向上

商品レビューは、商品販売ページに掲載している自社本位の情報ではなく、実際に商品を購入した顧客が投稿を行う第三者情報です。

ポジティブなコメントもネガティブなコメントも包み隠さず掲載することで、ユーザーに対するサイトの信頼性を向上させることができます。また、掲載されたレビューに丁寧な返信対応を行ったり、ネガティブなコメントに対しても真摯な対応を行うことで、ユーザーに対して良いイメージを与えることも可能です。

近年ではネットユーザーのITリテラシーは向上しつつあるため、自社が提供する情報だけでは十分な信頼性を得ることは難しくなっています。ECサイトの信頼性を高めたいのであれば、第三者による信頼性を担保できる商品レビューは積極的に活用していくべきでしょう。

返品の防止

商品レビューは、販売促進だけでなく返品を防止する効果も期待することができます。

自社が作成した商品ページのみを閲覧して購入を判断したユーザーは、手元に届いた商品がイメージと違うと返品を行うケースも多くあります。

一方で、ポジティブなレビュー・ネガティブなレビューの両方を商品購入の判断に活用したユーザーは、商品の評価に納得して購入に至っている割合が高いため、返品を行う可能性も低くなります。

ユーザーの購入判断の納得度を高められることは、ECサイトを運営するうえで非常に大きなメリットとなります。

商品・サービスの改善

商品レビューを導入すれば、自社が提供している商品・サービスに対するダイレクトな意見・感想も多数投稿されるようになります。このようなユーザーの生のコメントは、商品・サービスに対する期待感の現れでもあるため、問題点の把握や改善に役立てることができます。

顧客が求めている商品・サービスを提供するための貴重な情報を集められることは、商品レビューを導入する大きなメリットと言えるでしょう。

SEO対策としても効果的

検索エンジンは良質なコンテンツをユーザーに届けるため、さまざまな評価基準を設けています。商品レビュー機能の導入によって良質なレビューを多数集めることは、SEO効果も期待できます。主に次のようなメリットを得ることができます。

  • ユーザーのレビューによって、事業者側の負担なくサイト内にコンテンツが生成される
  • 商品レビューはユーザーからの生の意見・感想であるため、独自のコンテンツとして差別化に繋がる
  • 定期的に商品レビューが投稿されることで、コンテンツの更新頻度を高く保てる
  • 他のSEO対策と比べてコストパフォーマンスに優れている

ECサイトのユーザーに対しても検索エンジンに対しても効果的なのであれば、商品レビューを活用しない手は無いでしょう。

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商品レビューを集めるポイント

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商品レビューの恩恵を受けるためには、機能を導入するだけでなく実際にユーザーからのレビューをたくさん集める必要があります。しかし、具体的にどうすれば商品レビューを集められるのでしょうか。

ここでは、商品レビューを集めるためのポイントについて解説します。

メールによるリクエスト

多くのレビューを集めるためには、ECサイト側からユーザーに対して積極的にアプローチしていくことが重要となります。

そのための代表的な施策が、商品を購入してくれたユーザーに対してフォローメールの送付を行い、レビューの投稿をお願いすることです。SNSを運営しているのであれば、SNS上でレビューを募ることも効果的な手段となります。

ECサイト側から積極的にアプローチを行うことで、レビューに無関心なユーザーやレビューを意識していなかったユーザーに対しても、行動を促すことができます。

レビュー投稿のアプローチに反応したユーザーが投稿を行いやすいように、投稿フォームは使いやすいUIを設計しておくことも重要なポイントです。

インセンティブの提供

商品レビューの投稿には、ユーザーはある程度の手間と時間を割かなければならないため、メール等でアプローチを行っても思うようにレビューを投稿して貰えない場合があります。そのような場合には、レビュー投稿に対してクーポンやポイントといったインセンティブを提供する施策が効果的です。

ただし、露骨に行うとインセンティブ目的の定型的なレビューや簡易的なレビューで埋め尽くされてしまい、質の良いレビューを集められない可能性があります。

そのため、期間限定でインセンティブを提供したり、レビュー投稿イベント・キャンペーンを織り交ぜるなど、不自然なレビュー欄とならないような工夫を行うことが重要となります。

個別のヒアリングを実施

質の高いレビューの収集にこだわる場合には、もう一歩踏み込んだ工夫を行うことがポイントです。

おすすめとなる方法のひとつが、商品を購入したユーザーに対してヒアリングを行い、その内容をレビューコンテンツとして公開するという方法です。

実際の商品の購入者・使用者に対して取材を行い、詳しい意見・感想を言葉にしてもらうことで、説得力のある効果的なレビューを掲載することができます。

協力者は一般的なレビューよりも多くの手間と時間を割いてもらうこととなるため、魅力的な特典を用意して協力者を募ることがポイントです。

ネガティブな商品レビューへの対処法とは

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商品レビューを導入すると、残念ながらネガティブなレビューが投稿されることもあります。対応を誤るとリスクに繋がる恐れがあるため、適切な対処法についても知っておくことが重要。

ここでは、ネガティブな商品レビューへの対処法について解説します。

ネガティブな商品レビューは悪ではない

ネガティブな商品レビューが投稿されると、多くの方は自社の商品やサービスに問題があると考えがちです。もちろんクオリティに課題があったり不備があったりすることがネガティブレビューに繋がる場合もありますが、一概にネガティブレビューが悪いものであるとは言い切れません。以下のように、メリットとなる側面もあります。

  • ポジティブレビュー・ネガティブレビューの両方が存在する方がレビューの信憑性が増す
  • 購入時にネガティブレビューも含めて参考にすることで、ユーザーがミスマッチを防げる
  • ある程度認知されているECサイトでないとネガティブレビューも投稿されない

ネガティブな商品レビューが投稿される理由は、ユーザーの期待と提供している商品・サービスの間にギャップがあるためです。投稿されたレビューからヒントを得ることで、今後のビジネスチャンスへ繋げていくこともできます。

「ネガティブレビュー=悪である」という判断をせずに、あくまでユーザーレビューの一種であると考え、適切な対応や今後の改善を行っていくことが重要です。

ネガティブな商品レビューを隠さない

自社のECサイトにネガティブなレビューが投稿されてしまったら、多くの方は隠したり削除したりしたくなるのが本音では無いでしょうか。しかし、ネガティブな商品レビューは、以下のような理由から、隠さずに掲載しておくことが重要です。

  • ポジティブレビューだけでなくネガティブレビューも掲載されていることで、商品レビューの信憑性・信頼性が増す
  • 全ての顧客からポジティブレビューを貰うことは現実的ではないため、一定の割合でネガティブレビューが交じるのは自然な現象

商品レビュー欄がネガティブレビューで埋め尽くされているのは考え物ですが、ネガティブレビューを貰うこと自体を極端に恐れる必要は無いため、包み隠さず堂々と掲載しておきましょう。

大事なのは、ネガティブレビューを隠したり削除したりすることよりも、どのように対処するか・どのように今後に活かすかを考えることです。

ネガティブな商品レビューに返信する

ネガティブな商品レビューが投稿されてしまった場合の効果的な対処法は、レビューに返信を行うことです。返信を行うことでECサイトの信頼性も高まり、またレビューを書いたユーザーに対する満足感を高めることができるため、返信の方法次第ではネガティブレビューをチャンスに変えることができます。

ネガティブな商品レビューに返信する際には、次のようなポイントを押さえておくことが重要です。

  • 丁寧な返信を心掛ける
  • 負の解消に繋がる真摯な対応を行う
  • 実際に改善を行ったらレビュアーに報告を行う
  • クーポン進呈など改善に繋げるレビューに対する感謝を伝える

ネガティブレビューをわざわざ投稿するユーザーは、ECサイトに対して期待感を持っている可能性があります。上記のような対応を行うことで、サイトの信頼性向上やファン獲得に繋げることも可能であるため、ネガティブレビューは必要以上に恐れずに積極的に対応・活用していくことをおすすめします。

まとめ

ECサイトへ商品レビューを導入すれば、売上向上・信頼性向上・SEO効果といった数多くのメリットを得ることができます。商品を購入したユーザーからの生の意見・感想を掲載することで、顧客体験の向上や商品・サービスの改善といった効果も期待することができるでしょう。

商品レビューを導入しているサイトとそうでは無いサイトでは、ECサイトのパフォーマンスに大きな差が出るため、今後ECビジネスの成長・拡大を図りたいのであれば、商品レビューを導入して数多くのレビューを集めていきましょう。

ECサイトには、商品レビュー以外にも実装した方が良い機能がたくさんあります。当社にて分かりやすくまとめた資料を配布していますので、ぜひこちらもご活用下さい。

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