近年、SNSが消費者の購買活動に与える影響が大きくなってきました。株式会社マクロミルの調査によると、買い物時、SNSの情報に影響を受けると回答した人は47%と、約半数のユーザーがSNSを参考にしています。
また、アライドアーキテクツ株式会社の調査によると、「Instagramの情報を参考にECサイトで買い物をしたことがある」と回答をした人は60%と、多くの人が買い物をする時にInstagramを参考にしていることがわかります。
参考:ミレニアル世代のお金に関する調査
参考:SNS利用に関する調査アンケートへご協力のお願い
ECサイトの売上を上げる施策として、Instagramは重要なツールになってきています。
そこで今回は、Instagramをどのように活用してECサイトの売上を伸ばすか、そのやり方と事例についてご紹介します。
こんな方におすすめ
- ECサイトの訪問者数を増やしたい
- SNSを頑張った方がいいのは分かるんだけど、やり方がよくわからない
- Instagramを開設したものの、いまいち有効活用できていない
EC事業者が活用するべきInstagramの機能3選
購買活動に大きく影響を与えるInstagramですが、上手に使いこなすことでECサイトへの集客ができます。
ここからは、EC事業者が活用するべき機能について、3つ紹介していきます。
1.ショッピング機能
ショッピング機能という、集客をサポートする機能があります。
ショッピング機能とは、投稿に商品タグというのをつけることで、価格と製品情報を表示し、商品をクリックするとECサイトに遷移させる機能です。InstagramからECサイトへの導線を作ることで、ユーザーは投稿を見て、欲しい!と思ったらすぐ商品を購入できるようになります。
ショッピング機能は無料で始めることができますが、利用するのには審査が必要です。
審査に通過するための条件はこちら。
- FacebookおよびInstagramのポリシーに準拠していて、販売できる物理的な商品がある
- ECサイトのドメインを持っていて、そのサイトから直接商品が買える
- 所在地がInstagramショッピングを利用できる地域
- Instagramがビジネスアカウントまたはクリエイターアカウントであり、Facebookとリンクしている
また、ショッピング機能の詳しい始め方については以下の記事で解説しています。
Instagramの「ショッピング機能(Shop Now)」を利用するには?手順を詳しく解説
2.まとめ機能
「まとめ機能」とは、複数の投稿をまとめて一つのコンテンツとして投稿できる機能です。カタログのようなイメージで、商品のカテゴリごと、ブランドごと、季節ごとなど、複数のまとめを作成することができます。
例えば、コスメブランドのTHREEでは、「2023 SPRING COLLECTION」や「2022 HOLIDAY COLLECTION」など、季節ごとのおすすめ商品をまとめとして投稿しています。
他にも、日用品のブランドであれば、商品のおすすめの使い方やワンポイントを説明するのにも使えます。
一連で見たい情報をまとめたり、投稿に情報を付け足すことができるので、ユーザーにとってストレスなく情報収集ができるでしょう。
3.エフェクト機能
Instagramには、「ストーリー」といって写真や動画を撮影・投稿する機能があります。ストーリーの機能の中に「エフェクト」という、カメラのフィルターのようなものがあります。エフェクトを使うと、カメラが自分の顔を認識して、メイクをしたり、ヘアカラーを変えたり、ピアスを試着できたりと、拡張現実を楽しむことができます。
エフェクトは個人が簡単に作ることができ、様々なクリエイターが施行を凝らしたエフェクトを作成しています。自社製品をエフェクトにすることで、みんなに着用イメージを持ってもらうチャンスを作ることができます。これにより、ECサイト最大の欠点である「実際に試すことができない」というデメリットを補うことができます。
ARの技術を使ったバーチャルメイクの専用ツールもありますが、自社ECサイトに組み込むにはコストがかかります。一方、Instagramのエフェクトは無料で作成できます。また、Instagramを使っているユーザーなら誰でも使うことができ、面白いエフェクトであれば拡散力もあるため、商品の認知度を高める効果も期待できます。自社ECサイトにツールを導入するのと比較して、費用をかけずに、より多くのユーザーに使ってもらえるという利点があるでしょう。
Instagramを活用するメリット2個
メリット1.サイト流入が見込める
先ほどご紹介したショッピング機能は、InstagramからECサイトへワンクリックでアクセスできる機能です。Facebookの公式発表によると、日本はショッピング機能の利用が世界で最もアクティブな国のひとつであり、多くの利用者がショッピング機能に対応した投稿をタップし、商品詳細ページを訪れていることがわかっています。
Instagramの独自のアルゴリズムで、ユーザーの関心度の高そうな投稿が優先的に表示されるため、直接ブランドや商品を知られていなくても、サイトに訪問してもらえる可能性を秘めています。
参考:【2023年版】Instagramユーザー実態が分かる!調査データまとめ
メリット2.コストがかからない
ショッピング機能もまとめ機能も、無料で利用することができるため、気軽に始めることができます。サイト流入が増えれば、広告費を削減することもでき、利益を増大させることもできるでしょう。
Instagramの活用事例2つ
日本企業のアカウント数は1万社を超えると言われており、ただInstagramを運用しているだけではユーザーの興味を惹きつけられません。そこでここからは、Instagramを活用した、リッチな顧客体験を実現しているアカウントの事例を紹介していきます。
事例1 化粧品会社「Anastasia Beverly Hills」
アイブロウケアで注目を浴び、ハリウッドセレブが愛用していることで絶大な人気を得た化粧品会社の「Anastasia Beverly Hills」は、メイクの方法やポイントを紹介している動画にショッピング機能を紐づけています。商品を直接的にPRするのではなく、有用なコンテンツの中に自社商品のPRも組み込むことで、自然と商品への関心を持たせています。
また、ストーリーのエフェクト機能も活用しています。リップやアイシャドウのエフェクトがあり、自分に合うカラーを画面上で試着して確かめることができます。
商品の写真を見るだけでは自分に合うカラーを選ぶのは難しく、買うのを躊躇してしまいがちですが、試着体験ができることで、リアル店舗に近い購買体験をできるようにしています。
事例2 アパレル 「Lounge Underwaer」
世界中の女性に力を与え、楽だけどセクシーという新しい美の価値観を創り出すことをミッションに女性用下着を中心に販売している「Lounge Underwaer」では、まとめ機能を活用しています。季節ごとのルックブックや、バレンタインなどイベントごとにまとめを作成しています。
他にも、世界中の女性に力を与えるというミッションに沿ったコンテンツもまとめ機能で載せています。
例えば、「夏に向けて、身体に自信を持つための7つのヒント」というまとめでは、「1.好きなものを着る権利があるよ」、や「2.SNS上の他人と自分を比較しないで」など、テーマに合った画像と文書で一つのコンテンツを生成しています。
このように、Instagramでもメッセージ性のあるコンテンツを作成し企業カラーを出すことでブランディングをすることができます。また、商品自体に興味はなくても、コンテンツに興味があるフォロワーを増やした結果、ブランドのファンを増やすことにも繋がります。
今すぐInstagramを活用しよう
SNSの情報が消費者の購買活動に大きな影響を与えており、特にInstagramはECサイトの売上を上げる重要なツールになっています。Instagramを活用するメリットとして、コストを抑えてサイト流入を増加させることが挙げられます。
EC事業者が活用するべき機能として、ショッピング機能とまとめ機能、エフェクトについて、事例を交えて紹介しました。
コンテンツを作成するのは少々手間がかかりますが、地道に投稿を続けることでレバレッジが効き、利益を増大させることができるでしょう!
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