家具・インテリアEC業界の動向と大手企業の取り組みをご紹介

 2022.10.14  河田 優美

皆さんは家具などのインテリアを購入するとき、どのような方法で購入することが多いですか?

ひと昔は家具を購入する際には、ホームセンターやインテリアショップに足を運んで直接購入することがほとんどでしたが、昨今では、ECの普及に伴いECサイト上で家具やインテリアを購入する機会が増えてきています。

 

令和3年「電子商取引の調査」の報告書によると、生活雑貨・家具・インテリアの2020年のEC市場規模は21,322億円、EC化率が26.03%に対して、2021年のEC市場規模は2兆2,752億円で、EC化率28.25%と2.22ポイント上昇しています。

引用:https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

 

つまり、現在家具・インテリアの事業を行っている事業者の4分の1はECをビジネス取り入れており、現在進行形でEC化が進んでいるということが言えるでしょう。

 

そこで今回は、そんな成長が進む家具・インテリア業界の全体動向と業界のリーディングトップ企業のEC活用事例についてご紹介していきたいと思います。

 

本記事を読むことで、インテリア業界の理解や、

メリット・デメリットなどを理解することができますので、ぜひ最後までご一読ください。

インテリアEC業界の動向について

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インテリア業界(生活雑貨、家具を含む)の2021年のBtoC-EC市場規模は、22,752億円と年々EC化率が増加しています。

増加の背景としては、コロナ禍による在宅ワークの普及から「椅子」や「デスク」などのインテリア商品の購入が増えたことが拡大の要員の一つとして考えられるでしょう。

 

またインテリア商品の場合、商品スペースを多く必要とするため、ラインナップを豊富にすることが難しいという現実があります。

一方で、ECであれば様々な商品ラインナップを掲載することができ、消費者のニーズに合った商品を提供することができます。

 

近年では拡張現実(AR)を活用して、インテリア商品を自宅に設置した際のイメージを確認することができるECも増えてきています。

そのため、購入前に実物に触れられなくても、消費者は理想に近い商品を手に入れることが可能になっています。

 

EC施策3つのポイントについて

ここでは、インテリアECを成功させる上で、重要なポイントについて解説していきます。

今後インテリアのECの売り上げを向上させていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

商品やECサイトの見やすさ

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まず、インテリアのECサイトでは視認性が高いUI(ユーザーインターフェース)であることが重要です。

視認性を高めることで、消費者が目的の商品にたどり着きやすくなり、商品の購入に至る可能性もグッと高まります。

 

また、サイト全体も色彩を統一したり、イメージカラーを設定したりすることで、ユーザーが「商品を探す」「商品を購入する」という行動を行いやすくなり、EC上でもストレスなく購入体験をすることができます。

 

実際にインテリア業界でトップシェアを誇るニトリでは、様々な色を使うのではなく

「白ベースに緑の差し色のシンプルなデザイン」のECサイトとなっていて、顧客のUIを意識した作りになっていることがわかります。

 

商品ラインナップの豊富さ

続いて、商品のラインナップの多さです。

商品が豊富にあることで、消費者が自身のニーズにあった商品を見つけやすくなるため、購入に繋がりやすくなります。

 

インテリア商品の場合、スペースの問題で店舗に設置できる商品には限りがでてしまいます。

ただ、一方でECの場合は、倉庫などで商品を管理することが一般的で、商品ラインナップに制限がないため、消費者の欲しい商品を提供しやすいという側面があります。

 

 

そして、ラインナップを増やした際に重要視したいのは「検索性の高さ」。

商品が増えすぎると、消費者が目的の商品にたどり着きづらくなってしまうので、

ナビゲーションバー、カテゴリ、検索キーワード、品番、ランキングな様々な軸で商品を探すことができるようにしておくといいでしょう。

 

企業のブランディング

3つ目は、ブランディングです。

ECサイトにもブランドイメージを反映することで、「この企業の製品だから安心」という信頼感を持ってもらうことができます。

 

例えば、ニトリであれば「お、ねだん以上。」というキャッチフレーズで、

お手頃価格にかかわらず、高品質というメッセージを発信しています。

 

ニトリは、高価格帯ではなく中〜低価格帯の商品を軸にビジネス展開をしており、

家具・インテリアの買い替え需要を取り込んでいる企業です。

そのため、「安くて、買い替えやすいし品質もいい」というイメージを想起させることができるのです。

 

ECサイト上でも店舗同様にシンプルな白を基調とし、親しみやすい緑を差し色にいれた「ニトリ感」を出すことで、「安くて高品質である」という演出をすることができます。

 

大手インテリア企業のEC事例

以下では、大手インテリア企業のECの取り組みについて具体的にご紹介していきます。

今後、インテリアECで多様な取り組みを行いたい事業様はぜひご参考にされてみてください。

 

国内トップのインテリア企業のニトリ

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ニトリは、株式会社ニトリが運営する家具・インテリア用品の最大手の小売チェーンです。

国内では708店舗(20222月時点)、台湾や中国などの海外を合わせると801店舗にのぼります。

 

ニトリの20222月期のEC国内通販売上は、710億円にのぼり前年比0.8%増という結果だった。コロナ禍による店舗の売上減少があったなか、ECの強化により通販事業は増収となりました。

ニトリはOMO戦略に重点的に取り組んでいる企業で、「ニトリアプリ」や「Web接客」、「オムニチャネル」など、顧客がデジタルやリアルの垣根を超えてサービスを利用できるという点も魅力の1つになっています。

 

またニトリは「内製化」にも力を入れており、2022年4月に新会社となる株式会社ニトリデジタルベースを設立し、顧客の流動性の高い多様なニーズに対応しています。

 

老若男女に愛される無印良品

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シンプルなデザインで、幅広い世代から人気の高い無印良品。

運営会社「株式会社良品企画」の2020年2月期EC売り上げは、2223,700万円と毎年堅調に成長をしています。

EC化率は6.8%とやや低めなので、今後のEC売り上げ増加が期待できるといえるでしょう。

 

無印良品では、20219月から「ネット注文店舗受け取りサービス」をスタートし、新たにインテリアや家具など、店舗では取り扱いづらい大型商品を500点追加しました。

 

これまで、店舗で受け取れる商品は小物に限られていたが、大型商品の受け取りが可能になったことで、注文が増加。

また、大型の商品は商品単価も高いため、20228月のEC売り上げは、昨年比4倍に伸長しました。

 

店舗でしか買えないを無くす、豊富なラインナップを取りそろえるという、インテリア業界で売り上げを伸ばすセオリーを実直に行い、堅実に売り上げを伸ばしている企業であるといえます。

 

特徴的な世界感を持つIKEA

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イケアはスウェーデン発祥の家具量販店です。

日本では、イケア・ジャパン株式会社がECサイト「IKEAオンラインストア」を運営しています。

 

毎月数百万点以上の新商品を追加しており、低価格でお洒落なインテリア商品を購入できる点が特に評価されています。

店舗は各ブースごとに世界観があり、見ていて飽きない所がポイントでしょう。

 

オフライン以外にも、オンラインでのマーケティングには特に力を入れており、オンラインでは分からないことをスタッフに聞くことができない分、

「Instagram」や「Youtube」などデジタルタッチポイントを増やすことで顧客のECでの購入に対する不安を払拭しています。

 

なお、Instagramでは202210月時点で10.4万人のフォロワーがおり、イケアのインテリアコーディネートを参考にしている顧客が多いことがうかがえます。

 

他にもイケアはアプリ機能も充実していて、「IKEA Scan & Pay」という機能を利用すると、購入したい商品をバーコードでスキャンしておくことで、会計で優先レジが使えるようになっています。

オフラインとオンラインを融合した取り組みにより、年々右肩上がりに成長している企業のひとつです。

 

インテリアのカスタマイズが柔軟なサンワカンパニー

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サンワカンパニーは建材や建築資材などの住宅設備機器を中心にオンライン販売を展開しています。

 

2001年にEC販売を導入した際は、建築資材をECで販売すること自体が特異であったことから、売上は10億円ほどでした。

ただ、同社の独自の商品力やビジネス設計、デジタルマーケティング戦略により2021年9月には売上は112億円突破し、同社の主力事業になっています。

 

なお、サンワカンパニーのECサイトは「SI Web Shopping」で構築しており、BtoBBtoCの導線連携を実現することでより多くの顧客層を取り込んでいることもポイントの1つです。

また、SI Web Shoppingをベースに自社で「内製化」を行っているため、流動性の高い顧客ニーズに合わせてシステム改修を都度行っています。

 

同社では取り扱う商品点数が多いことや、組み合わせ製品のバリエーションが複雑であるという課題がありましたが、

PIM(商品情報管理)と組み合わせることで、お客様がストレスなく欲しい商品と組み合わせ可能な商品を選べるようになりました。

 

インテリアECならSI Web Shopping

今回はインテリア業界のEC動向や、大手企業の取り組みについてご紹介しました。

コロナ禍の巣ごもり需要も後押しをして、インテリア業界のEC化率は年々拡大しているため、ECにより力をいれてみると企業にとってもビジネス拡大につながるかもしれません。

 

また、都度変化する顧客のニーズ素早く対応するために「内製化」を行い、顧客のニーズに合わせたデジタル戦略を行う大手企業も多くなってきています。

 

SI Web Shoppingでは「内製化体制プロジェクト」を実施しており、EC事業者様が自社で内製化できるようにサポートをするプログラムをご提供しています。

 

そのため、「内製化」や「インテリアEC」などの構築のご要望がありましたら、ぜひとも「SI Web Shopping」にお問い合わせくださいませ。


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