製造業の工程管理とは? 製造業の工程・プロジェクト管理を実践しよう!(Vol.45)

 2018.12.10  株式会社システムインテグレータ

製造業の工程管理と、プロジェクト管理の違いとは?

製造業の工程管理とは一般的にはメンバーの作業や、実際にモノを作っていくための「進捗」を管理していくイメージが強いと思います。もちろんそのためには生産する機械を使うための予定や、大きなモノを作るためには場所を確保する作業もあります。組織では横断して進捗を見ていくことがほとんどで、開発部門(新製品開発)、設計部門、生産部門、品質部門などの組織も多く絡んできますが、いずれにしても製造業の工程管理とは、「進捗」を中心に管理していくことには変わりありません。

一方、プロジェクト管理とはどのようなイメージでしょうか?製造業ではプロジェクト管理という言葉はあまり使われません。IT業界、エンジニアリング業界などでよく使われる言葉ですが、一般的には成果物を作成するための期限と予算、資源(リソース)が決まっていることをプロジェクトと呼びます。そのプロジェクトの「進捗」「コスト」を中心に管理し、そのために必要なリソース(主に人員)や品質を管理していくことがプロジェクト管理だと言われています。つまり工程管理は「進捗」が中心、プロジェクト管理は「進捗」と「コスト」+「リソース」や「品質」を統合して管理していく点が、違いと言えるでしょう。

製造業の工程管理のやり方とは?

製造業がモノを作っていくための材料費等のコストの管理は、ほとんどの企業が生産管理システムでできています。受注して製番が採番された後、部品在庫を確認し、足りない部品は手配・発注・仕入を行い、製造指示から製造実績になっていくまでの管理は生産管理システムで行っています。モノの工程管理をシステムで行う場合は生産スケジューラという工程管理専用のシステムを導入し、生産管理システムと連携させます。

個別受注生産型と繰り返し量産型の製造のスタイルによって工程管理のやり方は違います。繰り返し量産型のパターンでご説明すると、生産計画を立て、能力所要量(資源:人や機械がどれぐらい必要か計算する)を計算し、現在生産が進んでいる状況から人や機械の負荷状況を計算、負荷調整を行います。その後、資源ガントチャート(人や機械のスケジュール)でスケジュールを立て、生産管理システムと連携しながら、工程管理=進捗管理をしていくという流れです。しかしモノの工程管理、つまり進捗の管理は、ほとんどの企業がExcelで行っています。

プロジェクト管理手法入門ガイド
プロジェクト管理ツール 比較ガイド

製造業の個別受注生産型と開発部門(新製品開発)の工程管理を、プロジェクト管理として捉えてみてはどうだろう?

製造業の繰り返し量産型の企業は先述した通り、完成品ができるまでの部品がたくさん存在し、構造や階層も深く、所要量計算を行う必要があるため、生産スケジューラで工程管理を行うことがベストと言えます。しかし個別受注生産型は一定の完成品を作るわけではありませんので、工程管理に生産スケジューラはなかなかフィットしません。また開発部門(新製品開発)も、量産に入るまでの試作品を何度も作ることが主な仕事ですから、量産後に強い生産スケジューラで工程管理をすることは難しいと言えます。そこで「個別受注生産型」「開発部門(新製品開発)」を進捗管理に加え、資源管理(メンバーの工数、人員や機械のリソース)と品質管理を中心に「工程・プロジェクト管理」としてマネジメントしていく考え方ではどうでしょうか?製造業の工程管理を「工程・プロジェクト管理」として、普及させようとしているのが弊社であり、弊社のプロジェクト管理ツール:OBPMライト版製造業になります。

製造業向け工程・プロジェクト管理ツール:OBPMとは?

IT・システム開発業界で200社に迫る導入実績があるプロジェクト管理ツール:OBPMが、製造業向けに機能強化し、OBPMライト版製造業向けをリリースしました。1年間で数十社の製造業向けの導入実績がありますが、製造業向け工程・プロジェクト管理の実践パターンはズバリ2種類、先ほど述べました「個別受注生産型」「開発型」になります。

製造業向け工程・プロジェクト管理の実践パターン1

個別受注生産型 → 「進捗管理「工数予実・リソース管理」を実現したい

事例として生産設備の機械メーカーが多く、機械を個別受注し、製番が採番されたら設計→製作→設置までを工程・プロジェクト管理としてみていきたいというご要望が主な特徴です。製番別に標準テンプレートのガントチャートを作成し、進捗管理を設計部門・製作部門・フィールド部門で行っていきます。製番別・作業別にメンバーの計画工数をふっていき、メンバーには工数入力と進捗率入力をしてもらいます。そうするとメンバーの空き状況や負荷がわかるので、生産するモノは間に合うが、人が空いているかどうかわからず受注できなかった課題を解決できます。もちろんリソース負荷の平準化にも役立てることができます。

製造業の工程管理とは? 製造業の工程・プロジェクト管理を実践しよう!(Vol.45) 1

製造業向け工程・プロジェクト管理の実践パターン2

「開発部門(新製品開発)」 → 「進捗管理」「マイルストーン:品質管理」を実現したい

開発部門は新製品を作るために、企画→構想→試作設計を繰り返していきます。そして品質部門とは設計レビューや試作レビューを何度も行うマイルストーンという作業があります。その後、量産に移っていく場合は生産準備作業や量産レビューを行います。このようにして新製品が出来上がっていきますが、これらの工程の進捗管理や品質管理(マイルストーン)をしっかりと組織で行い、計画通りに新製品の進捗が進んでいるかどうかを、品質も合わせて見ていくことができます。

製造業の工程管理とは? 製造業の工程・プロジェクト管理を実践しよう!(Vol.45) 2

製造業の工程・プロジェクト管理の標準化・基準づくりとは?

製造業の皆様が工程・プロジェクト管理でぜひやりたい!とよく言われるテーマのひとつに「標準化・基準づくり」があります。これはベテランや熟練者の技術者が持っているスキルや経験を、組織に標準化したいが、現場ではなかなか共有や展開がうまくいっていないことが理由でしょう。その経験・スキルを継承するためにいろんな改善に取り組みますが、結果的に「ねじりハチマキの一人親方」、つまり属人的なやり方から、組織に共有や展開ができません。

上記のイメージ図の工程やタスクを「個別受注生産型」「開発部門(新製品開発)」では標準化・基準づくりのベースとして活用していますが、OBPMライト版製造業向けではこの機能を「ドメイン」と呼んでいます。製品や製番(機械)によって複数作ることができる標準化テンプレートですので、「今回の新製品や製番ではこのドメインを使う」と選んでいただければ、若手でも熟練者に近いレベルから計画を立て、工程・プロジェクト管理を実践していくことができます。このような標準テンプレートを整理し、作成する作業から、弊社は導入時にお手伝いしております。

製造業の工程管理を工程・プロジェクト管理として実践するために

みなさま、いかがでしたか? 「工程管理」と弊社が提唱する「工程・プロジェクト管理」の違いがおわかりいただけたでしょうか? 工程管理とは、繰返し量産型であれば生産スケジューラのような相応しいシステムがあり、個別生産型や製品開発の進捗だけを見ていきたい工程管理であれば、Excelで十分かもしれません。しかし弊社が提唱する工程・プロジェクト管理では「個別受注生産型」「開発部門(新製品開発)」の進捗管理だけでなく、資源管理(メンバーの工数、人員リソースや機械リソース)と品質管理も実践していきます。

この工程・プロジェクト管理の考え方は、製造業のみなさまによく言われる表現で「製品や製番(機械)の進捗を‘人’中心で見ていくやり方ですね」と言われます。つまり材料費等のコストだけを見ていくのではなく、人間がやる作業を工程・タスクに標準化し、計画と実績を見ていくマネジメント方法であるという意味です。このような製造業に‘人’中心で見ていく考え方を取り入れてみてはどうでしょうか?

統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」を製造業向けにご紹介する資料もご用意していますので、こちらもぜひご覧ください。

OBPM ライト版 製造業向け基本ガイドブック

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