ドロップシッピングとは?ネットショップとの違いを解説

 2019.07.31  株式会社システムインテグレータ

ネットショップを運営している方であれば“ドロップシッピング”という言葉は聞いた事があるでしょう。ドロップシッピングとは、噛み砕いて言えば「無在庫でネットショップを開業するようなもの」です。本稿では、このドロップシッピングについてその意味や基礎、ネットショップとの違いについて解説します。以下のような方に本稿はおすすめです。

  • CtoC(消費者から消費者への)ビジネスを始めたい
  • 小売店での売り上げが落ち打開策を探している
  • ネットショップ運営をもっと効率的に行いたい

ドロップシッピングとは?ネットショップとの違いを解説 1

ECサイト構築基本ガイド

ドロップシッピング(Drop-shipping)とは?

ドロップシッピングとは、わざわざ在庫を仕入れなくてもネットショップに商品を掲載し、商品が売れたらメーカーや卸業者から消費者へと商品を直接発送するというビジネス形態です。

一般的に、実店舗における販売では商品引渡と料金受領のタイミングが同時なので、在庫を抱える必要があります。

しかしEコマースでは商品引渡と料金受領のタイミングが異なるため、極論を言ってしまえば在庫を持つ必要性はありません。

概ねEコマースにおいて在庫を持つ理由は下記のようになります。

  • 商品に対する保証を独自に行いたい
  • 商品の検品等を独自に行いたい
  • 仕入れ値を確定させたい
  • 受注後は即発送で対応したい
  • 確実に売れる在庫数を確保したい

これら上記に当てはまらず、在庫を持たないことの方がメリットに感じる方は、ドロップシッピングがおすすめかもしれません。

小売業のためのスマホアプリ活用ガイド
レコメンド活用のポイント

ネットショップとの違い

広義ではドロップシッピングもネットショップを活用したビジネスの1つですが、ここでは通常のネットショップとの違いを解説します。両者の大きな違いはやはり「在庫を抱えているか否か」です。

ネットショップでは事業者が販売したい商品をメーカーや卸業者から仕入れ、それをネットショッピングに商品として並べて、商品が売れた後に商品発送を行います。発注、仕入れ、検品、在庫管理、受注管理、決済、ピッキング、発送など多くの業務が発生します。

一方ドロップシッピングは、在庫は持たず、販売したい商品だけをサイトに掲載し、商品が売れたらメーカーや卸業者に連絡を入れて商品を発送するよう指示します。商品発送ルートとしてはメーカーや卸業者から消費者へ直送するケースと、いったん事業者を挟んで検品等を行ってから消費者に発送するケースがあります。

ECサイト構築パッケージ選定 7つのポイント
SI Web Shopping 導入事例集

アフィリエイトとの違い

もう1つ、ドロップシッピングと混同しがちなものが “アフィリエイト”です。アフィリエイトも同じ無在庫ビジネスですが、違いはネットショップのように商品を並べて販売するのではなく、あくまでブログやホームページで商品を紹介し、そこのリンクを張ってリンク経由で成約が取れると報酬が獲得できるという仕組みです。

成約の定義は商品によってさまざまであり、商品を購入したら報酬が発生するものや、資料請求されたら報酬が発生するもの、中にはリンクがクリックされるだけで報酬が発生されるものもあります。

ドロップシッピングでは最初から商品を販売する目的でネットショップのように商品を並べますが、アフィリエイトではブログ等で商品に関する記事を掲載し、そこにリンクを張り付けていきます。

ドロップシッピングASPについて

ドロップシッピングを開始するにあたり、方法はいくつかあります。1つはメーカーや卸業者と直接話を付けて商品をサイトに掲載し販売していく方法です。仕入れルートを持つ小売店などは、メーカーや卸業者と付き合いがあることから、ドロップシッピングについて折り合いがつけば新しいネットビジネスをスタートできるでしょう。メーカーや卸業者としても顧客ごとに商品を発送する方が、手間が少なくて済みます。

では、個人でドロップシッピングをスタートしたい場合はどうでしょうか?メーカーや卸業者が個人との取引に応じてくれるかがまず問題なので、この方法ではハードルが高すぎます。そこでよく利用されているもう1つの方法が“ドロップシッピングASP”です。

これはアフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)と呼ばれる中間業者が入り個人でもドロップシッピングが展開できる仕組みをサービスとして提供しているものです。ドロップシッピングを始めたい個人はASPにアカウントを登録して、そこで掲載可能な商品を自分のサイトに掲載します。商品が売れたら消費者情報は自動的にメーカーや卸業者に送信され、ASPの規定に沿って商品が発送されます。

まだサイトを持っていないという個人も、ASP内でサイトを簡単に作成してネットビジネスを始めることができ、決済システムを導入する必要もないため低コストにドロップシッピングが始められます。ASPを利用することでさまざまな制限はありますが、ドロップシッピングってどんなものか体感してみたいという方におすすめです。

ドロップシッピングのメリットとデメリット

ここまでの内容で「ドロップシッピングって簡単そう!」と思った方も多いでしょう。確かに、ドロップシッピングはEコマースを運営するよりも手間が少なく、アフィリエイトよりも稼げるという利点もあるでしょう。それ以外の利点や欠点について次にご紹介していきます。

ドロップシッピングのメリット

① 商品の仕入れが不要なので、ネットビジネスを始めるリスクが少ない

② 梱包・発送などの業務が不要なので、サイト作成とマーケティングに専念できる

③ 仕入れや在庫にかける労力やコストを省略できる

④ メーカーや卸業者と連携することで即日発送も対応できる

⑤ アフィリエイトと違い自分で価格設定が行えるので、プロモーションに応じて価格を変更できる

⑥ ドロップシッピングASPでは豊富に商品が取り揃えられているため選択肢が多い

⑦ 商品に関する問い合わせ・クレーム・返品対応はすべてASPが行ってくれる

⑧ 記載義務がある「特定商取引法の表記」についてはASPものでもよく、個人情報を掲載する必要がない

 

ドロップシッピングのデメリット

① 通常の小売と違い仕入れを行わないため利益率が低くなるケースが多い

② 手元に商品がない状態で販売するため商品知識が蓄積されない可能性がある

③ 梱包・配送はメーカーや卸業者任せなのでリードタイムが管理しにくくなる

④ 大手ドロップシッピングASPの場合登録者(競合)が多く、価格競争が激しくなる

⑤ 大手ドロップシッピングASPの場合登録者(競合)が多く、売れやすい商品は在庫切れが起きやすくなる

 

以上のように、ドロップシッピングにはメリットもあればデメリットもあります。展開するネットビジネスの形態や取り扱う商品によっては、メリットが大きくなることもあれば、デメリットが大きくなることもあります。その点の見極めをしっかりと行った上で最適なビジネスの形を検討していきましょう。

新しい「EC」の教科書

RECENT POST「EC市場・トレンド」の最新記事


EC市場・トレンド

越境ECとは?市場規模やメリット・デメリット、成功させるためのポイントを徹底解説

EC市場・トレンド

SFAとは?CRM・MAの違いから、機能やメリット、導入のポイントまで徹底解説

EC市場・トレンド

CRMとは?主な機能やメリット、導入のポイントや活用方法まで成功の秘訣を徹底解説

EC市場・トレンド

MA(マーケティングオートメーション)とは?基礎から活用術まで営業マーケティング効率化への道を徹底解説

ドロップシッピングとは?ネットショップとの違いを解説

SI Web Shopping TOPへ

ECサイト構築基本ガイド
ブログ購読のお申込み

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

EC消費者意識調査 検索、購入チャネル・サブスクリプションサービス・レコメンド編
小売業のためのスマホアプリ活用ガイド
ECサイト構築パッケージ・サービス比較表