中国版のAmazon?「アリババ」の今さら聞けない話

 2019.08.26  株式会社システムインテグレータ

ECの成功例として世界的に有名になったIT企業「アリババ(阿里巴巴集団)」。
日本では楽天やAmazonのユーザー数が多いため、消費者としてアリババのECサイトを使う機会は多くないかもしれませんが、「名前を聞いたことがある」という方は多いでしょう。
ECに関わる方であれば、知っておくべき(学ぶべき)存在です。

今回はアリババがどんな企業なのか、世界的に成功している理由はなんなのか、について掘り下げます。

ECを成功させるために海外の事例を知りたい方は、参考にしてみてください。

中国EC事業のパイオニア「アリババ」とは?

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まずはアリババがどんな会社なのか、その輪郭と創業者ジャック・マーの人物像について見ていきましょう。

会社について

アリババは1999年に中国で創業され、今や中国のEC市場で最も大きな存在感を持つ会社です。

複数の事業を展開しており、それぞれが中国で大きなシェアを持っています。

アリババが展開している主なサービス

  • BtoB ECサイト「アリババドットコム」
  • BtoC ECサイト「天猫 Tmall」
  • 越境ECサイト「天猫国際 Tmall Global」
  • CtoC ECサイト「タオバオマーケットプレイス」
  • 決済サービス「アリペイ」
  • クラウドコンピューティング「アリババクラウドコンピューティング」

BtoB ECサイト「アリババドットコム(Alibaba.com)」から事業をスタートさせたアリババは、その後BtoCのショッピングサイト「Tmall」や、CtoCのショッピングサイト「タオバオ」も展開しています。

さらにECサイト上で使える決済サービス「Alipay(アリペイ)」も開発するなど、事業領域は徐々にECの粋を超えてきています。

Alipayは今や、中国のキャッシュレス化を支えているサービスの一つ。
単に支払いができるだけでなく、公共料金の支払いや金融商品を変えるなど、中国では国民の生活に欠かせない仕組みとなっています。

そんな今注目を浴びているアリババの凄さを物語るのが、中国で11月11日の「独身の日」に行った巨大セールでしょう。
中国で「光棍節(こうこんせつ)」とも呼ばれる11月11日は、日付に1が並んでいる点が「独身を連想させる」ということで、「独身の日」として2010年頃から徐々に広まり定着していきました。
ここに目を付けたアリババが、2009年に中国でECサイトの大規模な販売促進イベントを仕掛けると、これが見事に大当たり。
2017年には1日だけで約2.8兆円もの売上を記録するなど、目が離せない大注目のイベントとなっています。

ちなみに、日本の通販事業で有名な楽天の年間の流通額(2016年)は4兆円ほど。
アリババはその半分以上の額を、たった1日で売り上げたことになります。
中国版のAmazonともいわれるアリババですが、中国では本家Amazonよりも利用されているECサービスです。

創業者ジャック・マーについて

そんなアリババの創業者がジャック・マー。

中国本土の起業家として初めて雑誌「フォーブス」に掲載された、世界でも指折りの経営者です。
ソフトバンクグループの取締役にも名を連ねており、日本にも馴染みの深い人物といえます。

アリババのような世界的に有名なサービスを作った経営者なのだから、ビジネスマンとしてさぞかし輝かしい経歴を持っているのだろう――と思うかもしれません。

しかしマーは受験に何度も失敗した上、大学卒業後は英語の教師となりました。
それから自分の可能性を試すために起業するも、34歳でアリババを作るまで40回もの挑戦と失敗を繰り返したという苦労人です。

そのような経験を持つ彼だからこそ、これだけ会社を大きくした今でも失敗を恐れないのかもしれません。
今でもアリババはさまざまなアイディアをすぐ形にし、うまく行かなければ廃止するというアプローチを繰り返しています。
現在残っているのは、数多くの挑戦の中からうまくいった一握りのサービスにすぎません。

ジャック・マー本人も「もし本を出すとしたら『アリババの1001個のミス』を書きたい。人生で最も重宝しているのが、失敗だから」という言葉を残しています。

アリババが運営する3つのECサイトの特徴

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アリババの運営するECサービスについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

アリババの代表的なECサイトは大きく3つあります。

Alibaba.com

アリババが最初に始めたサービスで、国際貿易にも利用されるBtoB ECです。

「製品を売りたい企業と製品を仕入れたい企業のマッチングサービス」とも紹介されます。

サイト上で商品を見つけたバイヤーは、サプライヤー企業にサイト内でメッセージを送り、取引の交渉を行います。

交渉が成立すれば製品の売買は完了です。
中間業者を挟む必要がないため、売る側にも買う側にも大きなメリットがあります。

240あまりの国家と地域から約1,500万以上のユーザー登録がしているサービスです。

Tmall.com(天猫)

BtoC ECサイトである「天猫」は、2008年に開設され今や中国最大級の流通総額を誇るオンラインショッピングモールです。
天猫に出店するには中国に法人を構えることが条件で、中国の現地企業か中国にも法人を置く海外企業のみが出店しています。
企業からすれば“爆買い”で知られる中国の国民をターゲットにするのに不可欠なサービスといえるでしょう。

また、天猫と同じプラットフォーム上で「天猫国際」というサービスも展開しています。
天猫は中国にある法人しか出店できませんが、「天猫国際」では海外法人の出店も可能です。
天猫の取引額は48兆円を超えており、中国のBtoC EC における売上の実に57%以上のシェアを占めています。

taobao.com(淘宝网/タオバオ)

アリババはCtoCでも淘宝网(タオバオ)というサービスを提供しています。
2003年に開始したサービスで、会員数は5億人を突破。
2014年には年間流通額が14兆円を超え、中国CtoCサービスのシェア90%を超える巨大な事業になっています。

もともとはCtoCサービスなため、質の低い商品が横行している時代もありました。
しかし今は天猫の商品(企業が出品している商品)も並んでおり、質の高い商品も選べるようになっています。

なぜ今、アリババが注目されるのか?

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アリババが今注目を集めている理由についても見ていきましょう。

「独身の日」の売上規模

中国では11月11日を「独身の日」「W11」と称し、大規模なECセールやイベントが行われます。
先述したようにアリババでは、その1日だけで楽天の年間流通額の半分以上を生み出します。

2009年にスタートし、成功し続けているW11のセール・イベント。
毎年どれだけの売上を記録したのか、その結果を世界中が注目しています。

10年目となる2018年には注文件数が初の10億件を超え、売上は3兆円を超えました。
これほど大きな経済効果を生み出せることが、アリババが注目される理由の一つとなっています。

ジャック・マーが語る「new retail」の正体

アリババが注目を浴びるもう一つの理由が、ジャック・マーが2016年に提唱した「new retail(ニューリテール)」戦略です。
ニューリテールが世界の小売業界に与えた影響は大きく、現在中国で起きているニューリテールブームは、今後世界でも起きると予想されています。

では、ニューリテールとはどんなものなのでしょうか。

マーは、10~20年後に訪れる新しいリテール(小売)のコンセプトを指してこう呼んでいます。

最新のテクノロジーとデータを活用し、オンラインとオフラインを融合させながらより優れた購買経験を顧客に届けることだといいます。
例えば、ECの普及によって人々はオンライン上で便利に買い物ができるようになりましたが、実際に商品を手にとって試せないなどの制限もあります。
それらの課題を解決するのがニューリテールです。

実際にアリババが展開するブランド体験ストアでは、タオバオアプリでQRコード認証して入店し、商品を選んでゲートを通過するだけで、Alipayが自動で決済してくれる――といった買い方ができます。
そして何を買ったのかというデータがあるため、以降はオンラインで注文が可能。
また、店舗で商品を選んでオンラインから自宅にデリバリーしてもらうこともできます。

これらは一例ですが、これまで明確に分かれていたオンラインとオフラインが融合し、新しい購買体験が生み出される予定です。

どんなテクノロジーによってどんなサービスが提供されるのか、「new retail(ニューリテール)」に注目しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本ではあまり馴染みのないアリババですが、世界における影響力はとても大きいといえます。
アリババの構想は今や中国の小売業界を変えつつあり、その動きは世界にも広がっていくことでしょう。

日本もその例外ではありません。
日本でも近い将来、アリババが提唱する「new retail(ニューリテール)」が実現される可能性も高いのです。

今後もアリババの動きに注目しておきたいところですね。

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