EC市場とは

 2018.08.16  佐藤 嘉彦

EC市場とは

こんにちは。
システムインテグレータの佐藤です。

昨年くらいから「BtoB ECはBtoC ECよりもずっと大きい市場規模だ!」というメッセージを目にする機会が増えたような気がしませんか。

実際に経産省が出している報告書ですと、2017年のBtoC ECの市場規模は16兆5,054 億円であるのに対し、BtoB ECの市場規模は317兆2,110億円と約19倍もの市場規模となっています。

この数字を見たところで、実感としてわかる、という方はいらっしゃらないと思いますが、どのような方法の計算でこのような市場規模の算出になっているかを見てみて、初めて納得感が得られる類の数字かと思います。

そこで今回は、経済産業省がEC市場をどのように定義しているかについてご紹介していきたいと思います。

 

ECの定義とは

経済産業省が出している、「我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」を見てみると、OECD(経済協力開発機構)の定義を引用しつつ、以下の図表のように定義しています。

ecの定義

(引用元:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備)

いろいろ書いてはいますが、一言でいうと、「受発注がコンピュータネットワークシステム上で行われること」がECの定義となっています。

その中でも広義と狭義で分けていて、もう少し噛み砕いた図表がこちらとなります。

ecの定義2

(引用元:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備)

商取引のプロセスの中でも受発注の取引がECと定義されています。
まあ、当たり前と言えば当たり前ですが。
ですので、市場規模を表す金額は、この受発注の取引金額を指しているということになります。

 

EC市場の参入範囲

EC市場の規模とは、コンピュータネットワークシステム上での取引金額のことであるということをここまでに解説してきましたが、ここからはどの範囲の取引金額を市場規模に含めているかについてまとめていきたいと思います。

BtoC EC市場とは、読んで文字の通り、企業と消費者間のEC取引の市場を指しているので、わかりやすいですが、BtoBとなると少し複雑です。

経産省の資料では、参入範囲について以下のような図表で表現されています。

EC市場規模の参入範囲

ECサイト構築パッケージ選定 7つのポイント

(引用元:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備)

パッと見ただけではわかりづらいですよね。
理解しやすくするために私なりの解釈を入れると、買った額が取引金額なので、

BtoCは消費者がECで買った額

BtoBは企業がECで買った額

という整理になり、BtoBの場合商流が多段階になるので、それぞれの企業が買った額が市場規模に参入され大きくなっているということになります。

例えば部品メーカーが100円で製造業に部品を売って、製造業がその部品で作った製品を400円で卸に売って、卸が小売店に500円に売って、小売店が消費者に600円で売った、というような取引の場合、

BtoC ECでは600円

BtoB ECでは1000円(100円+400円+500円)

という計算になっているというわけです。

もちろん、この例より長い流通プロセス、例えば複数の仲卸が入るケースもあるので、小売業者から消費者が買った金額よりも、ずっと大きい取引規模になっていることもあります。

ですから、BtoBはその流通構造からBtoCと比較し統計上市場規模が大きいということが出来ます。
同じ商品であれば、消費者向けの販売価格が普通一番高いはずですからね。

 

BtoC EC市場

こちらの記事でもご紹介したことがありますが、我が国におけるBtoC ECの市場規模は2017年時点で16兆5,054 億円となっています。

こちらの内訳を見てみると、

ec-market-size-field

(引用元:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備)

となっており、いわゆるEC化率に関わっているのが物販系分野の市場規模となります。

ここでは細かく見てはいきませんが、最低限押さえて置くべきポイントは、スマホ経由での市場規模です。

スマホ市場規模

(引用元:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備)

図表の通り、2017年時点で35.0%がスマホ経由の取引となっており、今年はもっと伸びていくでしょう。

外にいるときはもちろん家の中にいるときも、スマホやタブレットが身近にあることが当たり前になりましたからね。

今はまだスマホファーストという言い方をしたりしますが、当たり前になりすぎてもはやそんな言い方すらしなくなるようになるのも時間の問題なのでしょう。

 

BtoB EC市場

一方BtoB ECの市場規模はというと、2017年時点で317兆2,110億円となっています。

規模が大きいというところに着目されていますが、成長率でいうと2017年では前年比9.0%増と、BtoC ECの9.1%増とほぼ同じ水準で成長しており、規模が大きい分魅力的に見えます。

では、業種別のEC化率はどうかというと、以下の通りです。

btob_ec_size

(引用元:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備)

最もEC化率が高いのが輸送用機械で61.1%、最もEC化率が低いのは建設・不動産業となっています。
金融系を除いてどの業界もEC化率は増えています。
昨年から進む各企業のRPAの導入や、働き方改革の機運の高まりから考えると今後もEC化率は増えていく傾向にあるのでしょう。

さてここで、ECとはなにかをもう一度思い出してみてください。

ECの定義は、「受発注がコンピュータネットワークシステム上で行われること」でしたよね。

ECと聞くと一般的にはAmazonや楽天のようなECサイトを思い浮かべるのですが、BtoB ECではEDIと呼ばれるデータ交換の仕組みを使って受発注の情報をやり取りすることがかなり多いです。
BtoB EC市場は、普段我々がやっているようなネットショッピングのようにサイトでモノを買う市場のみを指しているわけではないというところがポイントとなります。
ですからこの情報だけを持ってして、「BtoB ECが盛り上がっているらしいから、うちもECサイト作ろう!」というのはちょっと飛躍があると言えます。

とは言え、デジタルトランスフォーメーションやBtoBのデジタルマーケティングの文脈でBtoB ECサイトの構築を進める企業が増えていることは事実です。
単に受発注業務の効率化を超えて、取引先とのデジタルなタッチポイントとそこで提供出来るサービスの最適化を考えたとき、まるで小売業がオムニチャネルに取り組むようなイメージで、BtoBビジネスの企業もシステムの整備を行う必要があるからです。
働き方改革、デジタルトランスフォーメーションの流れで今後もBtoB EC市場規模は拡大していくと思われます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

特にBtoB ECの市場規模が大きいのは知っていたけど、多段階商流が通算されていることや、ECサイトではなくEDIでの取引も含まれることを踏まえて理解しているという方は意外に少なかったのではないでしょうか。

せっかくあるテクノロジーを使わない手はないので、無駄な作業をなくして豊かに暮らしていけるようになるといいですよね。

それではまた。

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