【2021年最新版】EC化率を徹底解説!世界から見た日本のEC業界は?

 2021.07.05  株式会社システムインテグレータ

ECが登場したばかりの頃は、インターネットで商品を売買することなど流行らないという意見もありましたが、現代社会ではECは身近な存在となり、私たちの生活に当たり前のように溶け込んでいます。

ECに興味・関心がある方は、国内ではどの程度普及しているか気になったことがあるのではないでしょうか。その数字を示すのが「EC化率」と呼ばれる指標です。

当記事では、国内・海外のEC化率から、国内・海外のEC化率の比較、国内の業種別EC化率までを解説します。

EC化率を把握することで、EC業界の現状や今後の展望などの業界事情も見えてくるため、ぜひ参考にして下さい。

EC市場についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
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EC化率の定義

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EC化率とは、全商取引のうちEC市場で取引される割合を示す指標のことです。つまり、対面販売・店舗販売・電話・FAX・ECなどのすべてを含めた商取引のうち、ECがどの程度の割合を占めているかを示すものとなります。

経済産業省によると、以下のように定義されています。

EC化率とは、全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合を指します。EC化率の算出対象は、BtoC-ECにおいては物販系分野とし、BtoB-ECにおいては業種分類上「その他」以外とされた業種としています。

引用:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省

EC化率を把握することで、EC化率が高い分野であればEC活用の必要性が高く、EC化率が低い分野であればEC化による優位性を発揮できる等、市場分析やビジネス戦略の検討に役立てることができます。

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世界のEC化率は?

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それでは、世の中の実際のEC化率はどのようになっているのでしょうか?

ここでは、日本国内のEC化率と世界のEC化率について、比較を交えながらそれぞれ解説します。EC化率はEC業界の事情を知るために重要な指標となるため、ぜひ参考にして下さい。

世界のEC化率 (BtoC)

世界のEC化率(BtoC)

出典:電子商取引に関する市場調査(令和元年度)|経済産業省

経済産業省の市場調査によると、世界全体のBtoC市場を合算したEC化率は2019年で14.1%となっています。対し、日本のBtoC市場のEC化率は6.76%で、世界全体から見ると日本のEC化率は低い水準であることがわかります。

市場規模については、2020年時点で4.21兆USドル(日本円換算にして約440兆円)となっていますが、日本の同時期のBtoCの市場が約19.3兆円と発表されているので、世界全体では日本の約22倍以上もの巨大なマーケットが形成されていることとなります。

続いて、EC大国といわれるアメリカ・中国のEC化率について見ていきましょう。

アメリカのEC化率(BtoC)

アメリカのEC化率(BtoC)

出典:電子商取引に関する市場調査(令和元年度)|経済産業省

アメリカのEC化率は2020年時点で14.5%と、世界全体のEC化率をやや上回る数字となっています。また、市場規模は日本円換算で約74兆円と、日本の約4倍に迫る規模です。

日本と比較すると、アメリカはEC化率・市場規模ともに大きくリードしています。

アメリカのEC化率ならびに市場規模は順調に伸びてきており、今後も成長が続くでしょう。

中国のEC化率(BtoC)

中国のEC化率(BtoC)

出典:電子商取引に関する市場調査(令和元年度)|経済産業省

中国はEC化率・市場規模ともに毎年急速な拡大を見せており、2020年時点でのEC化率は44.0%・市場規模は世界のEC市場の半分以上を占める約253兆円という驚異的な数字を達成しています。

中国のEC化率は日本とは比較にならないほど進んでおり、市場規模も約12倍を軽く上回っています。

現在も著しい拡大傾向は継続しており、2021年でBtoCのEC化率は50%を超えることが予測されています。中国は今や、世界のECを牽引しているEC先進国と言っても過言では無いでしょう。

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<BtoB・BtoC別>国内企業のEC化率

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前章では、日本と世界のEC化率について、比較を交えてご紹介しました。ここでは、日本国内のEC化率について一歩踏み込んで理解するために、「BtoB」「BtoC」に分けてそれぞれ解説します。

企業を対象としたECと個人を対象としたECで、どの程度の違いがあるかを見ていきましょう。

BtoBのEC化率

BtoBのEC化率

出典:令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業|経済産業省

経済産業省が発表した電子商取引に関する市場調査によると、日本国内のBtoBのEC化率は2019年で31.7%です。以下に解説する日本国内全体のBtoCのEC化率を大きく上回っており、全商取引の約1/3がEC化されていることとなります。

市場規模にして約353兆円という巨大なマーケットを形成しており、この金額はEC大国である中国のBtoCのEC市場をもはるかに凌駕しています。

また、EC化率・市場規模ともに成長を続けており、今後も伸び続けることが予想されます。

ただし、上記のBtoBのEC化率及び市場規模は「EDI(Electronic Data Interchange)」と呼ばれる専用回線を用いた企業間データ交換を含んでいる点に注意が必要です。

EDIはインターネットが台頭するはるか昔から活用されており、現在も尚残されている仕組みであるため、EDIを除いた実際のBtoBのEC化率はやや低くなります。

EDIは旧式のシステムが活用されており、前時代的な処理が行われていることが多くの企業が抱えている課題です。そのため、業務効率化の観点からEDIのEC化に取り組む企業も増えてきています。

BtoCのEC化率

BtoCのEC化率

出典:令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業|経済産業省

経済産業省が発表した電子商取引に関する市場調査によると、BtoCのEC化率は2019年時点で6.76%となっています。市場規模は19兆3609億円と大きいですが、BtoB市場と比べると18倍以上の差があります。

ECサイトからの通信販売で商品を購入したり、デジタルコンテンツを利用したりすることが一般的となった感覚がありますが、実際には全商取引の1割にも満たないことが実状です。

数値化されたデータを見て見ると、日本のBtoCのEC化は想像以上に進んでいないことに驚いた方もいるのではないでしょうか。

上記は全分野を統合したEC化率であるため、実際には分野により偏りが見られます。4割近くEC化が進んでいる分野もあれば、3%未満とEC化が進んでいない分野もあります。

EC化が進んでいる分野・そうではない分野について、続けて以下にご紹介します。

EC化率が高い業種

同じく経済産業省の市場調査を参考に、日本国内のEC化率が高い業種の上位3位までをまとめたものが以下の表です。

業種

市場規模

EC化率

1.事務用品、文房具

2,264億円

41.75%

2.書籍・映像・音楽ソフト

1兆3,015億円

34.18%

3.生活家電・AV機器・PC・周辺機器等

1兆8,239億円

32.75%

出典:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省

上位3業種に共通している特徴が、商品のクオリティが一定であるため商品を手に取って確認する必要が無く、ECとの相性が良いという点です。

特に、1位の事務用品・文房具と2位の書籍・映像・音楽ソフトは商品価格も安価であるため、ECサイトから購入する心理的障壁も少ないことが大きく伸びた理由であると推測されます。

3位の生活家電・AV機器・PC・周辺機器等は上位2業種と比べると商品価格は高額となりますが、国内メーカーの信頼性は高く安心して購入できる点が消費者に受け入れられたことが理由であると考えられます。同業種はEC化率でこそ3位ですが、分野別市場規模ではトップクラスの規模を誇っています。

EC化率が高い業種においては、競合企業との競争力を発揮するためにも、EC化は必須であると言えるでしょう。

EC化率が低い業種

続いて、EC化率が低い業種の上位3位についてご紹介します。  

業種

市場規模

EC化率

1.自動車・自動2輪車・パーツ等

2,396億円

2.88%

2.食品・飲料・酒類

1兆8,233億円

2.89%

3.化粧品・医薬品

6,611億円

6.00%

出典:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省

EC化率が低い業種は市場規模こそ巨大ですが、EC化率はわずか数%と非常に低いことが実状です。

これらの業種がいまいちEC化が進まない理由として「現物を確認したい商材」であるため、ECとの相性が悪いことが考えられます。特に生鮮食品を含む食品分野においてはこの傾向は顕著に表れています。

また、1位の自動車・自動2輪・パーツ等についても現物を目視で確認できない不安感や商品金額の高さが障壁になっていると推測されます。

化粧品・医薬品はECとの相性は悪くありませんが、全国隅々に点在するドラッグストアで安価に購入できるため、ECを利用すると逆に送料などが高くついてしまう可能性があります。また、化粧品については店頭で実際に試したいという考えも強く、顧客がECを利用するメリットが少ないためEC化を大きく阻害しています。

EC化率が低い業種については、安心や利便性を提供する工夫を行うなど、顧客がECを利用する障壁を取り除くことが今後の成長の鍵となるでしょう。

EC業界の今後

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新型コロナウイルス感染拡大により実店舗型のビジネスが受けた打撃は非常に大きく、飲食・小売業界を中心とした多くの企業がEC業界に参入してきています。

EC業界は元より競争が激しい業界ですが、今後は参入企業増加により更に競争が激化していくことが明白であるため、EC事業者が生き残るにはこのような状況下でどう打ち勝っていくかが重要です。

ここでは、EC業界の現状・今後を踏まえて、EC事業者が生き残るための戦略・施策についてご紹介します。 

SNSをうまく活用する

EC業界では、顧客利便性や顧客満足度を高めるために複数のチャネルを活用するマルチチャネル・オムニチャネルを実践することがトレンドとなっています。

複数チャネル活用において非常に重要となるのが、SNSの活用です。SNSは情報の発信側も受け取り側も手軽に活用できて、情報拡散性に優れていることから、ECサイトとの親和性も非常に高い媒体です。

ECサイトへの起爆動線や双方向コミュニケーションに活用することで、ECサイトの売上拡大・リピート獲得・満足度向上に役立てることができます。

ECサイト単一での運営では、厳しい競争を勝ち抜くことは難しい時代です。競合企業との競争力を高めるためにも差別化に繋げるためにも、SNSの特性・メリットをECサイト運営に活かしましょう。

越境EC化を検討する

国境をまたいだECである越境ECは、言語・法律・配送などさまざまな障壁がありましたが、近年では仕組みや地盤が整いつつあり、盛り上がりを見せている分野です。

また、新型コロナウイルスの感染拡大で海外渡航が制限された影響から、海外から日本の商品・サービスを購入したいという方も増加傾向にあります。

越境ECは競合がまだ少なく、海外に拠点を構えることなく商圏を拡大できるため、いち早く参入できれば競争が激化するEC業界において優位性を発揮するチャンスだといえるでしょう。

越境EC化は容易なことではありませんが、商品・サービスのシェアが見込めるなら取り組む価値は大きいといえます。

DXの実現

ECとはサイト上で商品を販売するだけに留まらず、受発注・顧客対応・配送全て含めて成り立つビジネスです。

デジタルマーケティングにはどこの企業も注力しますが、受発注業務などバックエンドでの業務はデジタル化が進んでいない企業が少なくありません。ビジネスモデル全般を見渡せば、デジタル化を推進してより良くできる部分が何かしらあるものです。

競争の激化するEC業界においては、業務全般のデジタル化を進めて業務効率を高めていくことも重要な戦略となります。

DXを実践して充分な成果に繋げている企業は世界でもわずか5%と言われているため、デジタルマーケティングを含むEC業務全般について効果性・有用性の高いDXを実現できれば、withコロナ時代のEC事業者として大きなアドバンテージとなるでしょう。

EC業界のトレンドや動向については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

【2021年最新版】EC業界のトレンドと今後の動向とは?

まとめ

日本国内のEC化率についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。IT化社会が到来して久しいですが、メディアの情報や実生活から来るイメージよりも、日本のEC化率が低いことに驚いた方も少なくないのではないでしょうか。

日本のEC化率の成長率についても世界と比較するとやや緩やかですが、2020年から今年にかけてはコロナ禍の影響による後押しもあり、やや成長が加速しています。

多くの企業がEC化率を進めている2021年においては、参入企業増加によりあらゆる分野で競争が激化することが予想されます。これからEC化に取り組む企業の方は、当記事でご紹介した業界のトレンドや技術動向を踏まえつつ、ビジネスを推進していきましょう。

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