外観検査装置とは?どのような欠陥を認識できるのか。

 2020.01.21  株式会社システムインテグレータ

品質とは、「製品に本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たしている程度」を指します。設計通りに作られ、仕様通りに機能し、外観のキズや内部の異物混入など不具合を起こしていないかということです。

この品質を守るために、製造業では「外観検査」を実施しています。検査員が目視で外観にキズなどの異常が無いか、製品内部に異物が混入していないかなどをチェックする検査工程です。

そうしたマニュアル形式の外観検査に代わり、近年導入が拡大しているのが「外観検査の自動化」です。生産ラインに外観検査装置を設置して、人ではなくコンピューターが製品の外観に異常が無いかをチェックします。

外観検査自動化システムを構築することで、検査員に割いていた人件費を削減できるだけでなく、より精度の高いチェックによって不良品が後工程に流れるのを防ぐことができます。熟練の検査員であっても、何らかの原因によって不良品を流してしまう可能性はありますから、人によって起こるリスクというのは大きなものです。

本稿では、そんな外観検査装置とはどのようなものなのか?どんな欠陥を認識できるのか?を分かりやすく解説していきます。

外観検査装置とは?

「外観検査装置」と聞くと大規模な機械を想像されるかもしれませんが、この装置の中核はハードウェアではなくソフトウェアです。要するに、コンピューターに搭載する頭脳によって処理性能が大きく異なります。

外観検査に関するお役立ち資料

以前までは、サイズや温度、加圧をチェックするセンサーを取り付けて、その情報をコンピューターが処理して閾値を超えないかどうかで良/不良の判定をしていました。しかし最近では形態が大きく変わり、AI(人工知能)を搭載した外観検査装置が主流になりつつあります。

AIを搭載した外観検査装置に前述したようなセンサーは不要です。生産ラインを流れる製品の1つ1つを撮影し、その画像データをもとに良/不良を判定します。いわゆる「画像認識技術」を用いたAIです。

こうしたAIは、画像データに写っているモノを識別して、異常が無いかをチェックします。異常を検知した場合は即座に通知し、問題のあるものを特定します。

<外観検査装置の処理一例>
ai-and-machine-learning-for-visual-inspection-1
※株式会社システムインテグレータ、ディープラーニング異常検知システム「AISIA-AD」参考

ハードウェアの構成

外観検査装置の中核はコンピューターに搭載されたAIですが、ハードウェアも重要なことには変わりありません。高性能なAIならばどんなハードウェアでも構わないかといえば当然違いますし、検査する製品に合わせてハードウェア構成を慎重に検討しないと、外観検査の自動化が上手くいないことがあります。

<外観検査装置の一例>
points-and-equipment-for-automating-visual-inspection-1

この外観検査装置は、ラインを流れるワッシャーとスポンジを検査するためのものであり、カメラ/レンズ/リングライトに加えてコンピューターと接続するためのUSBで構成されています。細かく言えば、外観検査装置を設置するための土台もハードウェアに含まれるので、それぞれが検査に合致したものでなくてはいけません。ちなみにこの外観検査装置は、下図のように動画ベースで検査を実施しています。

points-and-equipment-for-automating-visual-inspection-2

どのような欠陥を認識できるのか?

外観検査装置を導入するにあたり、気になるのは「どのような欠陥を認識できるのか?」です。企業によっては「うちの製品は特殊だから、外観検査装置での検査は難しいんじゃないか?」と不安を抱える方々も多いでしょう。しかし、最近ではAIの急速な発展によりAIを使った外観検査装置が急速に発展してきています。そこで、以下に外観検査装置で認識できる欠陥の一例を一覧にしてご紹介します。

金属製品 <ベアリング等>
サビ、腐食、キズ(線形)、へこみ、打痕など
<ボルト、ネジ等>
バリ、割れ、クラック、変形、寸法ズレ、異品種混入、未加工品混入など
<溶接部分>
アンダーフィル、アンダーカット、割れ、気泡、ピット
食品 <容器>
焦げ、焼け、破れ、汚れ、へこみ、キズ、異物、印刷ミスなど
<パッケージ>
賞味期限やシリアルナンバー等の印字ズレ、印字間違い、フタの割れ、キズ、汚れ、異品種混入など
<ボトル>
異物混入、気泡、ピンホール、キズ、汚れ、印字ミスなど
医療品 <医療品容器>
キズ、汚れ、封緘シール、液面高さ、内容量、ラベルずれ/破れ、印字ミスなど
電子部品 <プリント基板>
断線、ショート、クレイジング、イーズリング、眉間剥離、電子部品の位置ズレなど
<半導体パッケージ>
モールド不良による膨らみ/変形、ピン端子の曲がり/変形、表面のキズ/クラック/汚れ/バリ、ボイド変形、ワイヤ変形、印字ズレなど
<はんだ>
ボイド、ピンホール、はんだボール、ブリッジはんだ、はんだ不足など
<コネクタ>
ピンやリードの曲がり/欠陥、ピッチ幅の位置ズレなど
<シリコンウェハ>
変形、反り、割れ、欠け、キズ、クラック、打痕、異物など
<液晶>
変形、反り、割れ、欠けなど
樹脂部品 <樹脂成形品>
キズ、スジ、銀条、ジェッティング、フローマーク、ウェルドマーク、気泡など
<ボトルキャップ>
変形、パージ剤の残り、焼け、汚れ
成形部品 <シート・フィルム>
ピンホール、ゲル、気泡、異物、汚れ、スジ、シワ、キズ、フィッシュアイなど
<ガラス>
キズ、汚れ、異物、気泡、割れ、クラック

ここに挙げた欠陥は外観検査装置が認識できるほんの一例です。画像認識技術を使って検知可能な欠陥ならば、どんなものでもAIが認識してくれます。そのため「うちの製品は特殊だから」といって最初からあきらめるのではなく、まずは外観検査装置を提供しているソフトウェア会社に相談してみることをおすすめします。

外観検査装置を選ぶポイント

検査精度の高い外観検査装置を導入するには、ソフトウェアとハードウェア、2つの側面から自社製品の検査にマッチしたものを選ぶことが大切です。特に重要なのは、やはりソフトウェア面です。AIの性能によって検知精度は大きく変わるため、より高性能なAIを搭載したソフトウェアを提供している会社に依頼するのが良いと言えるでしょう。

外観検査装置の導入で留意していただきたいのが、AIが正常/異常を学ぶための学習プロセスです。一口にAIといっても様々なタイプがあり、学習プロセスも違います。特定の学習プロセスしか採用していないAIの場合は、限られた範囲でしか欠陥を認識できない場合がありますのでおすすめできません。やはり、複数の学習プロセスと学習方法を持ち様々な角度から欠陥を認識できるAIを搭載したソフトウェアが良いでしょう。

この機会にぜひ、外観検査装置の導入を検討されてはいかがでしょうか?

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