外観検査装置とは?メリットや検査の特徴は?導入事例やおすすめ製品も紹介

 2024.10.24  株式会社システムインテグレータ

品質とは、「製品に本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たしている程度」を指します。設計通りに作られ、仕様通りに機能し、外観のキズや内部の異物混入など不具合を起こしていないかということです。

この品質を守るために、製造業では「外観検査」を実施していますが、検査員負担が大きいため、近年導入が拡大しているのが外観検査装置を活用した外観検査の自動化です。

本稿では、そんな外観検査装置とはどのようなものなのか、どんな欠陥を認識できるのかをわかりやすく解説していきます。

 

外観検査とは

外観検査装置でどのような欠陥を認識できるのか~メリットや活用例を紹介

外観検査とは、製品や部品の外観を検査することです。代表的な検査方法には「目視検査」があり、目視検査では検査員が外観にキズなどの異常がないか、製品内部に異物が混入していないかなどを目視でチェックします。

目視検査は特別な設備を用意する必要がなく、熟練した技術者であれば高い精度で異常を発見できるというメリットがある一方で、検査員の負担が大きくなってしまったり、人による判断のため検査精度にばらつきが出てしまったりといったデメリットもあります。

そういったデメリットを解消するために使われているのが外観検査装置です。生産ラインに外観検査装置を設置して、人ではなくコンピューターが製品の外観に異常がないかをチェックします。

外観検査自動化システムを構築することで、検査員に割いていた人件費を削減できるだけでなく、より均一な精度で異常を判定し、不良品が後工程に流れるのを防ぐことができます。

では、そもそも外観検査の目的が何なのかを解説します。

外観検査を行う目的

外観検査を行う目的は、主に2つあります。

  • 不良品を市場へ流出させない
  • 不具合の原因を見つけて改善する

不良品を市場へ流出させてしまうと、顧客からのクレームにつながり、自社の信頼を大きく損なってしまう恐れがあります。また、自動車や食品、医薬品など、製品によっては大きな事故や被害につながる可能性もあります。外観検査を行うことで、不良品が市場へ流出するリスクを抑えているのです。

また、外観検査は品質の改善にもつながります。不具合のある製品データから原因を分析・特定して設計や設備を見直すことで、不具合を根本的から改善し、品質の向上と均一化を図ることもできるからです。

外観検査の項目

外観検査には、以下のような項目があります。

  • 食品パッケージの穴や異物
  • 金属や樹脂部品のキズや汚れ
  • 布に付着した汚れや縫製不良
  • 樹脂やゴムの成型時に発生する欠けやバリ
  • 塗装面の変色や色ムラ

外観検査は、定められた仕様書や製品規格書に則って行われます。

規格を満たすかどうか判定が難しい製品については、良品か不良品かの判断基準となる「限度見本」と比較します。色や形、キズの許容範囲などが明記された製品見本となるため、限度見本と比較することで客観的に不良品・良品の判断が可能です。

関連記事:限度見本とは?必要性や作成方法、運用のポイントを徹底解説

外観検査の流れ

外観検査は、人間の五感のうち「視覚」を使って行われます。

その際に重要なのが「見る・観る・視る・診る・看る」という5つの「みる」です。

  • 見る:製品・部品の合否判定を行う
  • 観る:製造工程を確認する
  • 視る:不良の発生や流出する原因を分析する
  • 診る:製造工程や組織の問題を診断する
  • 看る:製造工程や設計を改善する

不良品をゼロにするためには、「製品の良否の見極め」「不良の原因から問題を改善する」などを実行して、上記のサイクルを回すことが重要です。

従来の外観検査の課題

従来の外観検査とは、検査員による目視検査のことです。

人が目視で行うので、専門的な設備の導入も不要なことから、イニシャルコストはかかりません。しかし、従来の外観検査には以下のような課題があります。

  • 人手不足
  • 検査品質のバラつき

製造現場の多くは少子高齢化によって人手が少ないことに悩まされていますが、検査工程には多くの人員を配置しなければなりません。また、不良品が多発すると見逃し防止のために増員する必要があり、生産工程から人員を割く必要があります。生産工程の人員が不足することで品質はさらに悪化するという悪循環が起こりがちです。

また、人が行うことで検査品質にもバラツキが生じます。その日の体調や精神状態でも検査精度は変化しますし、熟練の検査員と経験の浅い検査員では検出できる能力も違います。検査品質を一定にするには研修や認定制度を導入する必要がありますが、時間やコストに余裕がないと難しいのが現状です。

外観検査の詳細については、こちらの記事でもご紹介しています。
関連記事:外観検査とは?目的や発見可能な不良など徹底解説 

外観検査装置とは

外観検査装置でどのような欠陥を認識できるのか~メリットや活用例を紹介-1

外観検査装置とは、自動で製品の外観を検査できる装置のことです。

カメラ、赤外線などのセンサー、画像処理技術などによって、人が行う目視検査に近い検査を行うことができます。人の目に相当するのがカメラやセンサー、脳に相当するのが画像処理装置やソフトウェアです。

人による目視検査の場合、基準書や限度見本に基づいて判定しますが、外観検査装置では数値化されたデータに基づいた判定が行われます。

従来の検査装置では、サイズや温度、加圧をチェックするセンサーから得た情報をコンピューターが処理して、しきい値を超えないかどうかで良否判定をしていました。

しかし、最近では形態が大きく変わり、AI(人工知能)を搭載したより高度な外観検査が普及しつつあります。

それでは、外観検査装置のメリットとデメリットを見ていきましょう。

外観検査装置のメリット

外観検査装置のメリットは、以下のとおりです。

  1. 人手不足の解消
  2. 検査品質の均一化
  3. 細かな不良の判別
  4. 全数検査の実施
  5. コスト削減

上から順番に説明していきます。

人手不足の解消

外観検査装置があれば、人手不足の解消につながります。

従来の検査方法である目視検査では、多くの検査員が必要です。しかし、募集をかけても人材が集まらないこともあり、現場の中で負担することがほとんどでした。

一方、外観検査を自動化すれば、検査員が不要となります。検査員にかかるランニングコストがかからないうえ、検査員を生産工程に配置することで品質を維持・向上することができます。

検査品質の均一化

検査品質のバラつきも、外観検査装置によって解消されます。

従来の人による目視検査の場合は、検査員の経験や習熟度、体調や精神状態が品質を左右してしまうこともありました。人による感覚に依存するので、たとえ限度見本を作成しても判定のバラつきをなくすことはできません。

一方、外観検査装置なら機械が検査を行うので、経験や体調が検査に影響を与えることはなく、見逃しやオーバーキル(良品を誤って不良品と判定してしまうこと)といった問題も回避できます。

細かな不良の判別

外観検査装置なら、細かい不具合の判別も可能です。

従来の外観検査は、精度を高めるために視力の高い検査員を集めたり拡大鏡や顕微鏡を用いたりする必要がありました。実際、近年になって著しく精密化が進むプリント基板のような電子機器では2倍から4倍、カメラのレンズでは最大300倍に拡大しないと検査ができません。

一方、外観検査装置には高画質な画像センサーや高度な画像認識システムが搭載されているので、肉眼では見えないほど細かい不具合でも瞬時に検出できます。

全数検査の実施

外観検査装置があれば、全数検査の実施も容易になります。人間と同等以上の精度の検査を、大量の対象に対して短時間で実施できます。

ネジやナットといった生産量が多くコストも安い部品の検査では、人による目視検査を行うと時間もコストもかかってしまいます。解決策として抜き取り検査が行われていましたが、全数検査に比べて不良品を流出してしまうリスクがありました。

外観検査装置なら検査時間も短く精度も高いので、経済性の悪い「生産量が多く安価な部品の検査」にも対応できます。

コスト削減

外観検査装置の導入は、コスト削減にもつながります。

外観検査装置の導入にはコストが発生しますが、その分検査員の人件費を節約し、検査室の環境を整えるために投下していたコストを削減できます。

つまり、イニシャルコストは発生しますが継続的に発生していたランニングコストを削減できるため、長期的に見ると全体コストの削減が見込めるのです。 

外観検査装置のデメリット

外観検査装置のデメリットは、以下のとおりです。

  1. コストが発生する
  2. 導入に手間がかかる

下記から順番に見ていきましょう。

コストが発生する

外観検査装置の導入は、イニシャルコストが発生します。

具体的な内訳は、以下のとおりです。

  • 評価
  • 実証・検証
  • ライセンス
  • 開発
  • 導入ハード機器
  • サポート

トータル費用は依頼する会社や内容によって異なりますが、イニシャルコストが企業の負担になることは間違いありません。

とはいえ、前述のとおりランニングコストも含めて考えるとコスト削減に繋がる場合もあります。検査にまつわる環境整備や人件費、今後の人材不足や後継者不足といった問題も考慮しながら検討することが重要です。

導入に手間がかかる

外観検査装置を導入したからといって、すぐに万全の状態で稼働できるとは限りません。

例えば、製品が複雑な形状をしている場合は、AIと人で検査範囲を分担するなどルールの設定が必要です。誤検出も発生しうるので、良品や不良品のサンプルを増やして追加で学習させる場合もあるでしょう。

このように導入後に設定や調整を行う手間がかかることも、検査装置導入の注意点です。 

外観検査装置の構成と原理

外観検査装置は、人による目視検査を再現したものです。

人が外観検査を行うときは「目」で見て「頭」で考えて良否判定の判断を行います。外観検査装置において人の目に相当するのは「カメラや画像センサー」であり、頭に相当するのが「画像処理装置+ソフトウェア」です。

しかし、外観検査装置を導入しただけでは、すぐに人と同じレベルで検査ができるとは限りません。主な理由は、以下のとおりです。

  • 誤検出によってオーバーキルなどの問題が発生する
  • 設定や調整が難しく専門的な知識が必要
  • 製品の裏側の不具合が検出できないなど、想定外の問題がある

上記のような問題のほとんどは「センサーやカメラの位置が悪い」「しきい値が正しく入力されておらず、画像ソフトが不具合を検出できない」などの原因で発生します。

解消するには、ハードウェアの位置設定や学習を繰り返すなどの対応が必要です。

外観検査装置におけるAIの活用

前項でご説明した構成のうち、ソフトウェアの判断部分でAIを活用すれば、これまで難しかった判断も可能になります。

AI(人工知能)とは、人間の知能を人工的に再現した技術のことです。「経験」から学習して新しい情報に順応することで、人間と同じように仕事をこなすことができます。

外観検査装置の中核はハードウェアではなくソフトウェアであり、コンピューターに搭載する頭脳によって処理性能が大きく異なります。

従来の外観検査装置は、サイズや温度、加圧をチェックするセンサーを取り付けて、事前にしきい値を設定する必要がありました。そして検知した情報をコンピューターが処理して、しきい値を超えているかどうかで良否判定を行います。

一方、現在のAI技術を活用した外観検査装置は、撮影した画像データをもとにすべての製品の良否判定を行うので、センサーや難しい設定は不要です。AIは、製品の画像データをもとに学習し、異常がある製品は即座に特定・通知します。

より詳しい内容については、以下の記事でご紹介しています。
関連記事:AI外観検査とは?画像処理の仕組みや事例・メリット、導入費用相場まで徹底解説

外観検査装置が認識できる欠陥

外観検査装置でどのような欠陥を認識できるのか~メリットや活用例を紹介-2

外観検査装置を導入するにあたり、気になるのは「どのような欠陥を認識できるのか」です。企業によっては「うちの製品は特殊だから、外観検査装置での検査は難しいんじゃないか」と不安を抱える方々も多いでしょう。しかし、最近ではAIの急速な発展により、AIを使った外観検査装置が急速に発展してきています。そこで、以下に外観検査装置で認識できる欠陥の例を一覧にしてご紹介します。

金属製品 <ベアリング等>
サビ、腐食、キズ(線形)、へこみ、打痕など
<ボルト、ネジ等>
バリ、割れ、クラック、変形、寸法ズレ、異品種混入、未加工品混入など
<溶接部分>
アンダーフィル、アンダーカット、割れ、気泡、ピット
食品 <容器>
焦げ、焼け、破れ、汚れ、へこみ、キズ、異物、印刷ミスなど
<パッケージ>
賞味期限やシリアルナンバー等の印字ズレ、印字間違い、フタの割れ、キズ、汚れ、異品種混入など
<ボトル>
異物混入、気泡、ピンホール、キズ、汚れ、印字ミスなど
医療品 <医療品容器>
キズ、汚れ、封緘シール、液面高さ、内容量、ラベルずれ/破れ、印字ミスなど
電子部品 <プリント基板>
断線、ショート、クレイジング、イーズリング、眉間剥離、電子部品の位置ズレなど
<半導体パッケージ>
モールド不良による膨らみ/変形、ピン端子の曲がり/変形、表面のキズ/クラック/汚れ/バリ、ボイド変形、ワイヤ変形、印字ズレなど
<はんだ>
ボイド、ピンホール、はんだボール、ブリッジはんだ、はんだ不足など
<コネクタ>
ピンやリードの曲がり/欠陥、ピッチ幅の位置ズレなど
<シリコンウェハ>
変形、反り、割れ、欠け、キズ、クラック、打痕、異物など
<液晶>
変形、反り、割れ、欠けなど
樹脂部品 <樹脂成形品>
キズ、スジ、銀条、ジェッティング、フローマーク、ウェルドマーク、気泡など
<ボトルキャップ>
変形、パージ剤の残り、焼け、汚れ
成形部品 <シート・フィルム>
ピンホール、ゲル、気泡、異物、汚れ、スジ、シワ、キズ、フィッシュアイなど
<ガラス>
キズ、汚れ、異物、気泡、割れ、クラック

ここに挙げた欠陥は外観検査装置が認識できるほんの一部です。画像認識技術を使って検知可能な欠陥ならば、どんなものでもAIが認識してくれます。そのため「うちの製品は特殊だから」といって最初からあきらめるのではなく、まずは外観検査装置を提供しているソフトウェア会社に相談してみることをおすすめします。 

カメラや照明選びの重要性

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外観検査装置の導入では、カメラや照明の選定も重要です。画像処理における検査性能を左右するからです。

人による目視検査で例えると「目が悪い(カメラの画質が悪い)」「照明のせいで写りが悪い(見えにくい)」といったように、機械でも検査の環境を整えることは重要なポイントになります。

では、どういったポイントを押さえてカメラや照明を選ぶのか、詳しく説明します。 

外観検査で活用するカメラの選び方

外観検査で活用するカメラは、要件に対して適切なものを選ぶ必要があります。

対象物が動いていてブレたり、画質が荒くてキズや汚れが写らなかったりするようであれば、カメラを使う意味がありません。検査したい対象物を安定させて正確に撮影する必要がありますが、実際の製造現場での撮影に対する要件はさまざまです。

  • 製品が大きい、小さい
  • 表面のキズを確認したい、色味を確認したい、素材の違いを確認したい
  • 対象物が静止している、ベルトコンベアなどに乗って動いている

上記のように、ケースごとに異なるさまざまな要件に対して的確に対応する必要があるのです。

詳しくは、こちらの記事でも解説しています。
関連記事:外観検査で使用するカメラの特徴は?最適なカメラの選び方を解説

外観検査で活用する照明の選び方

外観検査の現場で利用される照明は、近年ではLED照明が主流です。

LEDは電気エネルギーを直接光に変えていることから従来の白熱電球よりも変換効率がよく、ほかの電子部品に比べて構成する部品数も少なく単純であるため大量生産にも向いているのです。

照明の色については、検査の対象物によって選び方が異なります。

  • 細かいキズをみつける:青色の照明
  • 赤色の文字色を検査する:緑色の照明

上記は「補色の関係」と呼ばれていて、外観検査で使うと検査がしやすくなります。

詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事:外観検査で特殊な照明・ライトを使う理由とは? 

外観検査装置を選ぶポイント

外観検査装置でどのような欠陥を認識できるのか~メリットや活用例を紹介-4

以下は、外観検査装置を選ぶ4つのポイントです。

  1. 検査要件
  2. サポートの有無
  3. 導入実績
  4. 検査設定のしやすさ

上から順番に見ていきましょう。

検査要件

ソフトウェアとハードウェアの2つが検査要件に合っていなければ、外観検査装置の性能を活かすことができません。外観検査装置において特に重要なのはソフトウェアであり、AIの性能によって検知精度が大きく変わります。

特定の学習プロセスしか採用しておらず検査要件に合わないAIでは、限られた範囲でしか欠陥を認識できない場合があるので、誤検出が発生する可能性が高くなります。

検査要件に合った学習プロセスと学習方法を選ぶことで、さまざまな角度から製品の欠陥を認識することができるのです。

サポートの有無

サポートがないと、導入後に不具合があっても対応してもらえない可能性があります。

例えば「誤検出や過剰検出の多発」「新規の検査内容に対応できない」などの問題が発生しても、自社で対応しなければならなくなります。

以上の理由から、外観検査装置を選ぶときはサポートの有無を確認しましょう。 

導入実績

導入実績が多い外観検査装置であれば、不具合が発生する可能性が低いことが期待できます。

そもそも導入実績が多いということは「他社での成功事例が多くトラブルも解決しやすい」という傾向があります。

導入実績はメーカーのHPに掲載されていることが多いので、まずは確認してみましょう。

検査設定のしやすさ

外観検査装置の検査設定がしやすいかどうかも重要なポイントです。検査設定が容易でないと、設定作業が属人化する恐れがあります。

外観検査装置はグレーゾーンの判定が難しく、設定次第では目視検査よりもオーバーキルを生み出してしまうこともあります。この課題解決には難しいルール設定が必要なことから、設定作業が専門的な業務になりがちで、属人化してしまうこともありました。

属人化してしまった場合、休暇や退職で技術者が不在になると設定できなくなったり、技術者が装置に一日中張り付いて設定しないといけなかったりと、さまざまな問題につながります。

一方、思いどおりの設定が容易にできる外観検査装置を選ぶことで、設定や属人化の問題は解消されます。 

外観検査装置導入のプロセス

外観検査システム「AISIA-AD」では、基本的に以下3つのステップで導入を進めます。

ステップ①要件を定義する

まずポイントとなるのは、検査を自動化する目的と目標(KPI)、その達成に必要な要件を明確にすることです。達成したい目標を定めることで自動化の実現可能性や検査精度の目安など、自動化の適正を見極めることができます。そのほか、利用可能なテクノロジーや必要なインフラストラクチャなど、必要な要素を定義します。

ステップ②適切なソリューションを選択する

次に、ステップ①で定義した要件に基づいて、適切な検査自動化のソリューションを選択します。例えば、検査対象物を撮像する環境や、適切な判定を行うためのAIモデルを検討し、テストや検証で実現可能性と投資対効果を確認します。

ステップ③プロセスをモデル化してシステムを構築する

ステップ②で行った検証の結果をもとに、実際に自動化を適用するプロセスをモデル化します。このモデルには、データの入出力や処理ロジック、ルールなど検査の詳細を含みます。そして最後に、モデル化したプロセスを実装するためのソフトウェアを構築・導入します。

導入の流れについては以下のページでも詳細を記載していますのでぜひご覧ください。 
https://products.sint.co.jp/aisia-ad/flow

外観検査装置の導入事例

弊社が開発・提供する外観検査システム「AISIA-AD」は検査環境によって異なる条件にあわせてAIモデルを構築し、高精度なAI外観検査を実現します。ここでは事例を2件ご紹介します。 

A社の事例:フィルムシート製造での出荷前検査

課題背景

A社では、新たに増築した工場で大量のシートを迅速かつ高い精度で製造する必要がありました。従来の目視検査では検査のスピードや精度に限界があったため、外観検査装置を導入することになりました。

導入効果

外観検査装置を導入することにより、目視検査の属人的な判定や人的なミスを最小限に抑えることができました。また、製造プロセスの効率性が高まり、大量のシートを迅速かつ高い精度で製造することが可能になりました。 

B社の事例:樹脂部品の加工工程検査

課題背景

B社では、検査工程で品質基準を満たさない製品を検出できずにそのまま出荷してしまい、クレーム対応に追われるといった事態がたびたび起きていました。そこで検査精度を向上させるために外観検査装置の導入を決めました。

導入効果

定点カメラを使用して台座に固定された製品の表面を撮像し、表面に不良物がないかを検出しました。結果として外観不良品を最小限に抑えることができ、また加工作業の時間を削減することもできました。

外観検査ならディープラーニング搭載の「AISIA-AD」がおすすめ

ディープラーニング技術を活用したAI外観検査システムには、「AISIA-AD」がおすすめです。従来型の検査機では難しかった外観検査の自動化を実現できるので、検査員の省人化や技術者の属人化防止などに効果があります。

AISIA-ADは熟練の人たちによる経験や技をAIに学習させたAIモデルを確立しているので、熟練の検査員と同じレベルで検査を行うことができます。

一般的なAI外観検査ソフトウェアは利用するAIモデルが限定されているため、対象のワークや検査場所といった異なる環境に細かく対応できない場合があります。しかし、AISIA-ADではAIモデルを限定しないことから、検査機、カメラ、照明といった機器と組み合わせることで、それぞれの現場固有の条件に合わせて検査を行うことが可能です。

まとめ

外観検査装置の導入は、製造業が抱える問題のなかでも、特に人手不足や検査品質の均一化などに大きな効果を発揮します。従来の目視検査は技術の伝承や精度の維持・向上に課題がありますが、外観検査装置を用いることでそうした課題点も解消されつつあります。

製造業におけるこうした課題に直面していて外観検査の導入をご検討されているのであれば、まずは外観検査装置についてまとめた資料がありますので、ぜひこちらもご覧ください。


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