品質管理体制の構築方法。強化に向けた各企業の取り組みも解説

 2020.11.18  株式会社システムインテグレータ

特にものづくりの現場では品質管理が重要な役割を担います。万が一事故が起こると人の命に関わる事態になりかねないからです。一方で限られたリソースで品質を管理していく必要があり、頭を悩ませている担当者も多いのではないでしょうか。本記事では、品質管理体制を構築するうえで大切なポイントや企業の取り組みなどを紹介します。

なぜ品質管理体制を整える必要があるのか

商品やサービスを提供するうえで、品質管理体制が重要です。特に、製造業では必須といってもよいでしょう。商品のカテゴリによっては、万が一品質に不備があれば、大きな事故につながることもあります。しかし実際のところ、日本の製造業において品質管理体制に関連する問題が多数発覚している現状があります。

品質管理による問題を未然に防ぐには、品質に関わる情報を可視化し、組織の全員がアクセスできる体制を構築することが有効です。情報をオープンにすることで、問題発生の手前の段階でその兆候を検知できる確率が高まります。

この「情報の可視化」は、人手だけに依存していては難しい側面があります。そこで、品質情報を効率的に可視化する「AISIA-AD(アイシアエーディ)」などの外観検査システムの導入も効果的です。画像認識などの技術を活用し、外観から品質の問題の在りかを自動的に検知してくれます。

品質管理体制を整備する方法

次に、品質管理体制を整備する方法についていくつかのポイントを解説します。

管理項目の洗い出し

まずは、そもそもどのような項目を管理する必要があるのか、全体像をクリアにしておくことが大切です。項目の洗い出しにあたっては、品質に影響を与えうる要因を全て洗い出し、また、生産工程の作業プロセスの洗い出しを行います。そのうえで、それぞれについて実行する手段やプロセス、品質基準を達成できているのかを確認していくとよいでしょう。

管理基準の設定

管理すべき項目が明確になれば、あとはそれぞれについて管理基準を定めます。項目の洗い出しだけで終わると運用面が曖昧になってしまうので、できるだけ数値化しつつ、クリアすべき基準もセットで設定します。数値化することで、たとえば担当者が入れ替わっても安定的に品質基準を満たした製品を生産できます。

PDCAサイクルを回す

項目や基準まで設定できると一段落はしますが、ここがスタートラインでもあります。いきなり絶対的な基準を定めたり、抜け漏れのない項目の洗い出しができたりするとは限りません。日々生産活動を行うなかで、PDCAサイクルを回しながら管理体制を改善していくことが大切です。PDCAは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(対策)」からなりますが、項目や基準はあくまで「Plan」にすぎず、Do・Check・Actionまでのプロセスを短いサイクルで回すことで、品質管理の精度が高まります。

品質管理体制強化に向けた各企業の取り組み

品質管理体制強化に向けて各企業が取り組んでいる事例を紹介します。

トヨタ自動車

世界的な自動車メーカー「トヨタ自動車」で行われているのは、生産のモニタリング機能の強化です。モニタリングで収集したさまざまな情報をスピーディーに分析し、その結果をもとに改善を行うことで、自動車製造で重要な安全性の問題を未然に防止します。

さらに中長期的な取り組みとしても、品質の維持や向上を目的とした人材育成拠点「カスタマー・ファースト・トレーニングセンター(CFTC)」を日本、北米、欧州、アジア・オセアニア、中国の5ヶ所に開設。この取り組みによって、場所や時代を越えて高度な品質管理体制を確保しようと努めています。

セブン&アイHLDGS.

流通大手の「セブン&アイHLDGS.」は、農業生産工程管理手法の「JGAP認証」や国際的な食品安全マネジメントシステムの「ISO22000認証」を取得しており、「ISO9001」をベースにした衛生管理を実施しています。食品の安全性を高め、消費者に安心して購入してもらうための取り組みです。

ほかにも、野菜の鮮度を保つことを目的とした「コールドチェーン(低温物流網)」を導入しています。コールドチェーンを活用することで、低温で商品を輸送・加工できます。商品事故を未然に防ぐために、従業員教育にも力を入れています。

富士通

ICTなどの領域で大手の「富士通」ですが、その品質管理体制強化には、製品やサービスに応じた品質マネジメントシステム(QMS:Quality Management System)を活用しています。

それだけでなく、富士通グループでは製品やあらゆる業務のクオリティを向上し続ける改善・革新活動「Qfinity」を長期にわたり実施しています。このように、風土として品質管理に高い意識を持ち、実践している点が企業としての強さにつながっている部分もあるでしょう。

体制の構築だけでなく省人化も重要

上記の事例でも触れたように、品質管理体制を強化する取り組みは体制や仕組みで対応するケースが多いです。これらももちろん有効ですが、近年はさまざまなテクノロジーが発展しており、AIを活用して省人化を進める動きもあります。業務フローの見直しにより無駄な工程を削減し、人員を減らし利益率の向上などにつなげます。

たとえば品質検査では、ディープラーニングによる画像認識を使った最先端の外観検査システム「AISIA-AD」が効果的です。人の目視では手間がかかり、さらに人によるばらつきが生じますが、機械で行えば人手を減らしつつ、精度も一定です。データが蓄積されるほど、機械学習により精度は高まります。画像認識技術などが高度化するなか、機械やAIで対応できる領域が増えており、このような外観検査システムの導入を通じて省人化し業務の無駄を解消できるのです。

体制や仕組みによる対応は、ある程度人員の確保が計算しやすい状況であれば特に有効でしょう。しかし、特に少子高齢化が進み人口減少が見込まれる日本では、より少ない人員で企業全体の生産性を高めていく視点も重要です。その点を踏まえ品質管理体制についても、高度な技術が搭載されたシステムやツールをうまく活用しながら効率よく強化していきましょう。

まとめ

世の中に商品を提供していくうえで、品質管理体制の構築は大切です。一方、企業目線で「コスト」である品質管理に割けるリソースは限られます。人手不足の日本においては、AISIA-ADのように品質管理プロセスを自動化できるツールの導入も増えています。体制整備に加え、これらのツールの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

新規CTA

新規CTA
新規CTA

RELATED POST関連記事


RECENT POST「製造業」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!