検査装置とは?構成やメーカー、メリットや導入のポイントを解説

 2022.12.08  株式会社システムインテグレータ

製造現場では、製品の検査を行って品質を担保しています。検査は作業員が目視で行うことがありますが、検査品質を高めるために装置を使った検査を検討する企業も増えています。

この記事では、検査装置を利用するメリットや種類、導入ポイントを解説します。検査装置の導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

検査装置とは?

検査装置とは、製品や部品に異常がないか検査するための装置です。従来は人間の目視によって製品の状態を判断して良否を見極めていました。検査装置は、照明装置、カメラ、画像処理装置、搬送処理装置によって構成されており、人間が行っていた工程をカメラやコンピュータの画像処理などで行います。

検査装置に正常値を設定しておき、検査結果がその範囲内で収まっていれば良品、範囲外になったらNGとして異常がある箇所を検知します。

検査の方法には、位置や状態を視覚的に検査するものや、流量や圧力などの計量値を測定するものなどがあります。製品の状態を数値化し、正常値の範囲を設定できれば、ほとんどの品質検査で検査装置を導入できるでしょう。

近年では、人間が匂いを嗅いだり触ったりして良否判定を行う官能検査ができる装置も普及しています。匂いや味も数値化できる装置、振動の違いにより人間が聴覚や触覚を使って行うような検査ができる装置など、その幅も広がってきています。

さまざまな優れた特徴を持つ検査装置の普及で、より正確な検査が行える現場は今後も増えていくでしょう。

検査装置の導入におけるメーカーとの関わり

検査装置の導入には、検査装置に必要な機器を扱うメーカーや検査装置を扱うメーカーと直接関わるケース、そしてコンサルタントを介して導入を進めるケースがあります。

ケース①検査機器メーカー

検査機器メーカーと直接関わるケースでは、検査装置に必要なカメラや画像処理装置といった既存の検査機器をメーカーから購入し、製造者が自ら機器の設置やソフトウェアの調整などを行って運用の準備をします。 

ケース②検査装置メーカー

ハードウェアとソフトウェアをあわせて検査装置として製造・販売する検査装置メーカーと関わるケースでは、製造者の求める仕様・要件をもとにメーカーが検査装置を開発・製造し、完成した検査装置の設置・調整を行います。 

ケース③コンサルタント

コンサルタントを介して導入するケースでは、製造者からコンサルタントに検査装置の仕様・要件の作成を依頼し、それをもとに注文を受けたメーカーが検査装置の開発・製造・設置を行います。

検査装置の構成・メーカー

検査装置は、主に目の役割を果たす装置、判断するための装置、判断の結果に基づき搬送を制御するための装置から成り立っています。
具体的な以下の装置によって構成されています。

照明装置

真っ暗な環境や、明るすぎて反射が激しい環境や、明るさがコロコロ変わる環境ではうまく判断することができません。
目の役割を果たすカメラが、しっかりと撮像できるよう整備された照明が必要です。
照明装置は、主に照明機器と電源装置などで構成されています。

照明装置は専門のメーカーから提供されます。
メーカー例:株式会社佐藤工業所、クロマテクノロジ ジャパン合同会社、協和株式会社など

カメラ装置

適切な明るさの環境でも目の役割を果たすカメラの性能が十分でないと、うまく検査することができません。
カメラ装置はCCD撮像機、レンズ、シャッターなどの機器で構成されており、一体になって提供されているものから、それぞれに特化して提供している専門メーカーもあります。一般的なカメラの他、X線検出器、レーザー検出器などの装置も含まれます。

メーカー例:株式会社キーエンス、ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社、コアテック株式会社など

画像処理装置

キレイな画像があっても、判断する能力が不十分であればやはり検査はうまくいきません。
画像処理装置は撮像された画像をもとに判定し、検査を実施するためのコンピュータです。画像処理装置は、カメラから送られた画像データをいきなり判定するのではなく、傾きなどを補正する前処理(画像処理)を実施します。
処理された画像をもとに判定を行い、判定結果をもとにその後どう制御するかの出力処理を行うソフトウェアが画像処理装置には組み込まれています。

画像処理装置も専門のメーカーがあります。
メーカー例:オムロン株式会社、株式会社安川電機、キヤノンITソリューションズ株式会社など

搬送制御装置

OKかNGかわかっただけでは、製造ラインはうまく回りません。
判定結果をもとに、その後の工程に適切に流していく必要があります。
搬送制御装置は画像処理装置から送られてくる判定出力で、判定結果に基づき製造ラインを制御します。

メーカー例:ジェイ・エフ・シー・エス株式会社、株式会社トライテクス、アイテック株式会社など

検査装置のメーカーごとの違いとは?

検査装置には外観検査装置やラベル検査装置、基板検査装置などさまざまな種類があり、同じ種類の検査装置であれば基本的に構成する機器は同じです。しかし、カメラの解像度や照明の形や方式、画像処理の手法、検出する不良の種類などはメーカーごとにそれぞれ異なります。

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たとえば上記の図は基板検査装置の構成を表したものです。機器の構成だけを見ても、使っている照明の種類やカメラの位置が異なるのがわかります。これに加えて画像処理方法や検出方法もそれぞれメーカーによって違います。

確かな導入効果を得るためには、どのような検査環境でどの対象物の何を検出したいのかを明確にして、条件に合った検査装置を慎重に選定する必要があります。

製造現場における検査とは

製造現場における検査とは

製造現場における検査とは、製品の品質が基準を満たしているかを確認する工程です。製造現場の検査は「品質検査」と呼ぶことが一般的です。品質検査のほかに工程管理や品質改善も含めて、製造工程の質を管理する「品質管理」と呼ばれます。

品質検査を導入することにより、不良品や欠陥商品を発見でき、一般に出回ることを防げます。これにより製品の品質が担保され、顧客からの信頼につながります。結果として企業や商品のブランドを守ることになります。

ただし、品質検査を目視で行う場合は、検査を担当する人員確保が必要となります。検査の経験がない人材であれば教育する必要もあり、何かとリソースを割くことになります。品質検査に人員やコストをとられると、生産ラインに充てる人員が減るといった影響も考えられます。

そのため、検査装置を使って検査工程を効率化する現場が増えています。後述では、検査装置を使った品質検査についてご説明しますので、参考にしてください。

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検査を行う目的

製造現場で検査を行う目的は、製品の品質維持・向上とコストの削減です。前項でも説明したように、品質検査によって不良品・欠陥商品が市場に出ることを防ぎ品質を担保できるため、顧客からの信頼が増します。一方で品質検査により発覚した不備の原因を究明し改善につなげることで、低価格で高品質な製品の開発を実現できるようになります。近年は、ヒューマンエラーの防止や検査コストの削減のため、検査装置を使った品質検査を導入する企業が増えています。

 

検査装置を導入するメリット

検査装置を導入するメリット

ここからは検査装置を導入するメリットについてご説明します。

検査品質が向上する

検査装置を使った検査では、装置が取得したデータをもとに自動で判定が行われます。人間の目視による検査は、作業者の経験や技術、その日の体調、集中力などさまざまな要因で検査品質にばらつきが生じることがありますが、検査装置を使うことで検査の品質が安定、向上していきます。

また、目視では気づかないような細かい欠陥も見つけることができるため、検査品質の向上が期待できます。検査品質の向上は、クライアントからの信頼の獲得にも大きく貢献する重要なポイントです。

人的コストを削減できる

人間の目視によって検査を行う場合、人員配置やスケジュールを組む必要があります。検査装置を導入すれば検査の人員を減らすことができ、人的コストを削減できます。

また、人員に頼った品質検査は、急な欠員が発生した場合の採用・教育コストなどがかかります。検査装置を導入すると、そのような悩みから解放されるでしょう。

検査装置は導入時に初期コストがかかりますが、導入後のコストは下がるため、全体的なコストの削減につながります。

全数検査ができる

品質検査には、対象物から一部のサンプルを取り出して検査する抜き取り検査と、全製品や部品を検査する全数検査があります。抜き取り検査は検査の手間を減らすことができますが、全製品の品質を担保できません。しかし、全数検査であれば、対象物に対する検査品質を担保できます。

膨大な数の製品をすべて人手で検査することはまず不可能ですが、検査装置を使えば全数検査にも対応できます。

目視検査を続けるメリット・デメリット

検査装置を採用することで検査を効率化することができますが、従来の目視検査を続けるメリットもあります。しかし、目視検査を続けることのデメリットが大きくなってきている背景もあります。

メリット

目視検査のメリットは、検査装置などの設備が不要でイニシャルコストがかからない点です。検査員を確保できればすぐに検査を実施することができます。また、熟練度の高い検査員であれば、複雑で高度な判断が必要な場合にも素早く柔軟に対応することができます。

デメリット

デメリットとしては、人材の確保が難しくなっていることが挙げられます。人材を確保しても熟練の検査員になるまで教育や経験が必要になり、ある程度習熟しても体調や環境によって検査精度にバラつきが生じる点も課題となっています。

製造現場で用いられる主な検査装置と検査内容

製造現場で用いられる主な検査装置と検査内容

ここでは、製造現場で使われている主な検査装置とそれぞれの検査内容をご紹介します。ご紹介する検査装置は以下の6種類です。各検査装置の特徴をみていきましょう。

外観検査装置

外観検査装置は、製品の外観を自動で検査できる装置です。カメラ、赤外線センサー、画像処理技術などにより、人間が目視で行う検査に近い検査ができます。

作業員が目視で検査をする際の人の目に相当するのがセンサーやカメラです。そこから画像データを取得し、数値化されたデータに基づいて結果を判定します。検知されるものは対象物の表面の傷や汚れ、変形などです。

製品が複雑な形状をしている場合は、AIと人で検査範囲を分担することも必要になります。その際は、誤検知も考えられるため、良品と不良品のサンプルを増やして追加で学習させる必要があります。

なお、外観検査装置に関しては以下の記事でも紹介しています。ぜひご覧ください。
外観検査装置とは?メリットや検査の特徴は?導入事例やおすすめ製品も紹介

X線検査装置

X線検査装置とは、製品内部の異物や欠陥を検査する装置です。非破壊検査機器の一種で、対象物を壊すことなく外見からわからない内部構造を調べることができます。たとえば、飲料の内部に異物が混入してないかどうかなどを調べるときに使います。

なお、X線と聞くと検査装置を使う際に安全かどうか気になる方もいるでしょう。X線は人体に悪影響を及ぼす可能性があるため、検査装置を取り扱う作業者の安全を確保するために定められた各種法規を遵守しなければなりません。検査装置を取り扱う際に免許の取得が必要になる点もその一つです。

シート検査装置

シート検査装置とは、シートやフィルムを検査する装置です。具体的には、コーティングのムラや表面のシワ、ゴミの付着などの検査に使われます。

生活用品や家電、スーパーで購入する食材などにフィルムが使われていますが、そのフィルムに欠陥があると身体や生命に危害を及ぼしかねないさまざまな問題につながります。

シートやフィルムは少しの力でも割けたり破れたりするため、製造工程では細心の注意を払う必要があります。さらに入念な検査を行わなければなりませんが、人が検査を行う場合はその過程で逆にフィルムなどを破損してしまうことも考えられるでしょう。

シート検査装置であれば、それに特化したカメラを使ったセンサーで検査するため、安全で精度の高い検査を実現できます。シートやフィルムの厚さを判定することもあるため、専用の検査装置が用いられます。

印刷検査装置

印刷検査装置は、ラベルやパッケージなどを印刷するときに、汚れや不良がある箇所を判定する装置です。

印刷の現場においても検査は重要な工程であり、抜き取り検査や人間の目視による全数検査をする方法があります。しかし、コストをおさえながら品質コストを保証するのが難しいという課題があります。これを解決するのが印刷検査装置です。

なお、印刷検査装置は画像認識処理の技術を用いています。まず不良箇所がないデータをマスター版として装置に保存します。検査をしたい印刷物を装置でスキャンして読み込んだ後に、マスターデータと照合をして不良箇所を見つける流れです。

マスターデータと照合すると、印刷ミスだけではなく印刷のかすれ、インク垂れ、にじみなども検出されます。紙だけでなくプラスチックやフィルムなどにも対応しているため、幅広い印刷物の検査に導入できます。

ウェーハ検査装置

ウェーハ検査装置は、ウェーハ上のパターン欠陥や異物を検査する装置です。ウェーハとは通常シリコンウエハーを意味します。半導体を構成するために不可欠なものであり、私たちの生活にも深く関わっています。

ウェーハ検査装置では、光線やレーザー光線を当てて欠陥を検出します。シリコンウエハーは数年ごとに巨大化しており、より多くの半導体を作れるようになっています。高純度のウェーハであっても、薄くスライスしたときに表面に異物が付着すると半導体として正常な性能を発揮できません。そこでウェーハ検査装置により表面を検査する必要があるのです。

なお、ウェーハ(ウエハー)に関しては以下の記事もご覧ください。
シリコンウエハーとは?製造プロセスからニーズが高まる理由まで解説

ラベル検査装置

ラベル検査装置は、ビンなどのラベルの異常を検査する装置です。外観検査装置のひとつであり、専用光学系で異常を検出します。

ラベルの不良には、破れや穴あき、めくれ、ずれ、印字のスレ、印字違い、文字欠けなどがあり、これらをラベル検査装置によって検出します。

装置は複数台のカメラで構成されており、正常な印刷物と比較して検査していきます。

検査装置を導入する際のポイント

検査装置を導入する際のポイント

ここからは、検査装置を導入する際のポイントをご紹介します。以下の3点に着目して、検査装置の検討を進めてみてください。

自社の課題を整理

まずは自社の課題を整理しましょう。特に不良品が増えていたりクレームが多くなったりした場合、検査に時間がかかって生産性が伸びない場合などは、検査の精度が低下しているかもしれません。

製品製造や検査に課題が発生する要因はさまざま考えられるので、現場の問題点を調査してみましょう。

現場の作業員の声や、不良検出率のばらつきがないかなどデータをもとに課題の洗い出しを行ってみてください。

要件を整理

自社の課題が明確になったら、検査装置を導入する際の要件整理をします。検査装置を導入する目的、誰の業務を装置に任せるのか、検査の対象は何かを決めていきます。

要件整理については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
AI外観検査システムの導入シナリオ

導入後の保守も重要

検査装置を導入するとさまざまなメリットがありますが、導入後に何もしなくていいわけではありません。検査装置の稼働後は、検査実績に問題がないか、過剰検出や検出ミスがないかなどを日々チェックすることになります。

検査装置を導入した後も保守をないがしろにせず、あくまでも検査をするのは自分たちであるとの認識を持つようにしましょう。

まとめ

製造現場では品質を保つためにさまざまな検査が行われています。業種や業界により必要な検査装置は異なりますが、自社の現場に適した装置を吟味する必要があります。

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