シュリンクの破れや不良が起きる原因と検査の方法とは

 2022.01.14  株式会社システムインテグレータ

世の中にはさまざまな形状の容器があります。素材だけでも「金属」「ビン・缶」「木」「ガラス」「プラスチック」「紙」「ポリエチレン」など多種多様です。そして、それらの容器を包むラベルもまたさまざまな種類があり、それぞれの容器にあったラベルが貼られます。

今回はラベルのなかでも特にシュリンク包装について、その概要や不良が起きてしまう原因、そして不良品の検査方法をお伝えします。

シュリンクとは

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冒頭でも触れたように、容器を包むラベルにはさまざまな種類があります。もっとも多く見かけるのはシール状の粘着ラベルでしょう。ラベルの裏側に粘着剤が塗工してあり、容器の素材によって強度や種類も変えられるため、木製、プラスチック製、ポリエチレン製などさまざまな容器に利用されています。

今回、詳しく紹介するシュリンクも多くの容器に使われているラベルです。シュリンクとは「縮む」といった意味を持つ言葉です。その名のとおりフィルムに熱を加えて収縮させ、容器に密着させるタイプのラベルです。一般的にはシュリンク包装と呼ばれていて、シュリンク包装を行う工程、つまりフィルムに熱を加える工程をシュリンクと呼びます。

シュリンク包装は、ペットボトルやプラスチック製の容器で特殊な形状をしているものに多く使われています。容器にぴったりと密着するため、容器のデザインを損なうことがなく、表示面積を大きく使えることから遮光性が高い点が特徴です。また、表示面積の大きさから、注意書きの多い医薬品にも多く利用されています。

ちなみにラベルにはほかにも、容器に貼る直前に粘着剤を塗工することで粘着剤の劣化防止やラベルを保管しやすくする効果のある、「グルーラベル」。ガラス瓶やペットボトル、コンビニエンスストアのお弁当などによく使われる、帯のように横長で容器に巻き付ける「ラップアラウンド(胴巻きラベル)」などがあります。

シュリンク包装の破れ・不良とは

シュリンク包装の破れ・不良とは、シュリンク包装の一部もしくは大部分が破れてしまっている状態を表すものです。

シュリンク包装が破れてしまっても、内容物自体に問題がなければ、訳あり商品としてシュリンク包装の破れを明かしたうえで割安価格での販売も可能でしょう。しかし、デザイン性の高い容器の場合、シュリンク包装自体もデザインの一部となっているケースがほとんどです。また医薬品で注意書きが記載されている部分が破れてしまっていれば、どれほど割引したとしても商品として販売することはできません。そのため、シュリンク包装が破れてしまうとそのままの状態で出荷するのは難しく、不良品としてラベルの貼り替えが必要になるでしょう。

また、破れ以外でシュリンク包装が不良品となってしまうケースとして、小さな穴が開いた状態を指すピンホールが挙げられます。それだけではそれほど目立たちませんが、出荷の際に何かにその部分が引っかかってしまえば破れにつながり、不良品となってしまいます。出荷の時点では気づかずに取引先やエンドユーザーの手に渡った時点で破れている可能性もあり、むしろ出荷段階で気づける破れよりもやっかいな不良といえるでしょう。

ピンホールの検査については以下の記事で詳しく解説しています。
ピンホール検査とは?その仕組みと活用シーンを解説

シュリンク包装の破れ・不良が起きる原因

では、シュリンク包装の破れやピンホールはなぜ起きてしまうのでしょうか。ここではその原因について説明します。

シュリンク包装の破れが起きてしまう最大の原因は、シュリンクを行う過程で起こる小さなゴミや埃の混入です。混入部分が外からの衝撃によりこすれたり擦れたりすることで破れにつながります。

それ以外では、容器に硬く尖った形状になっている部分があり、そこがフィルムに押し付けられることで破れやピンホールが発生します。また、出荷輸送中に揺れや振動でシュリンク包装同士がぶつかり合い、擦れた際にフィルムが削れたり、擦れた熱で溶けたりして、破れやピンホールが発生するケースも少なくありません。

シュリンク包装は、熱を加えて容器に密着させるため、粘着剤が不要でデザイン性の高い容器にも対応するラベルです。その半面、強い衝撃や摩擦、擦れのほか、小さなゴミや埃の混入に弱いというデメリットもあります。

シュリンク包装の破れは外観検査で検出

Female, surveillance and inspecting after packaging at modern factory, warehouse

企業として利益を上げるためには、取引先やエンドユーザーとのトラブルを避け、安心して自社製品を使ってもらう必要があります。そこで重要となるのが不良品の検出です。出荷した後に不良品が大量に出たとなっては自社の信用に大きな影響を及ぼしかねないため、出荷前の段階でできる限りの検査を行い、不良品の出荷を防がなければなりません。

シュリンク包装の破れやその要因となるピンホールを出荷前に検出する方法としてよく使われるのが外観検査です。ここでは、外観検査の概要、目的から外観検査が抱える課題と解決策について説明します。

外観検査とは

外観検査とは、製品の品質管理をするうえで欠かせない業務のひとつです。自社製品の品質、外観に傷や汚れ、変形、欠けがないかどうかを主に目視により確認し、良品・不良品の判定を行います。

検査項目は「パンフレットや書籍の印刷ミス・かすれ」「ボルトやネジのサビ・腐食、傷」「ボトルやキャップの変色・汚れ」「プリント基板の断線・ショート、はんだ不足」「食品の内容量違い、異物混入」などさまざまです。

シュリンク包装でも同様に、目視による外観検査でシートやフィルムなどの気泡、シワ、破れなどを検出します。

なお、外観検査には目視以外にも、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などを使って行うものもあり、これらを総称して、「官能検査」と呼びます。

外観検査についてより詳しく知りたいかたは、「外観検査とは?検査の必要性や項目、発見できる不良など徹底解説」をご覧ください。

外観検査を行う目的

目視による確認で製品の良品・不良品の判断を行う外観検査ですが、単純に良品・不良品の振り分けだけが目的ではありません。具体的には次のような目的が挙げられます。

製品品質の保証

取引を行う側にとって良い製造業者の第一条件は、不良品を出さないことです。もちろん100%は難しいものの、できるだけ100%に近い数字を出すことを求めます。この取引先の要求を叶える手段のひとつが外観検査です。

外観検査を行うことで不良品を減らし、取引先が求める基準や仕様を満たした製品、つまり品質が保証された製品の出荷が可能になります。

製品品質の維持

多くの不良品が検出される理由としては、そもそも製造工程に何らかの問題がある、もしくは取引先が求める基準や仕様を把握しきれていない可能性が考えられます。

外観検査を行えばどのような不良が多いかわかるため、製造工程のどこに問題があるのか、基準や仕様が把握できているのか可視化することが可能です。

これにより課題点の解消ができれば、取引先の求める製品品質を維持することができます。

製品品質の向上

外観検査の実施により製造工程の課題が解消されれば、製品品質の維持はもちろん向上にも大きく貢献します。製造工程の無駄な部分や不要な部分がなくなり、効率化が進むことで浮いた時間を有効活用できれば生産性を高め、結果として製品品質の向上につながるでしょう。

従来の人による外観検査の課題

さまざまなメリットを持つ外観検査ですが、課題点も少なくありません。そのなかでも深刻なのは次の3点です。

検査を行う人員の不足

少子高齢化の影響もあって多くの業種で人材不足が慢性化しています。それは製造業においても同様で、人手が少ないなかで外観検査を行うことは、特に中小企業にとっては大きな負担です。

外観検査を行える人員を育てる教育コスト

外観検査はそもそも正規品を正しく理解していないとできない検査です。また製品によって不良が起こりやすい場所や傾向があり、それらをしっかりと把握するには相応の経験や知識が求められます。そのため外観検査は誰でもできるものではなく、人員を育てる教育コストがかかるのも大きな課題です。

取引先の求める品質・精度が高くなっている

製品にもよりますが、エンドユーザーが安く良い物を求める傾向が強まっていることもあり、取引先が求める品質・精度はこれまで以上に高くなっています。その結果、外観検査の基準も高くなり、目視だけで不良を検出するのが難しくなっているケースも少なくありません。

外観検査装置による自動化のメリット

外観検査が抱えるいくつかの課題を解決し、製品品質の保証・維持・向上を実現する方法としておすすめなのが、外観検査装置の導入による自動化です。具体的には次のようなメリットが挙げられます。

人手不足問題の解消

外観検査が自動化されれば、これまでのように検査に人手を割く必要がなくなるため、少ない人員でも業務が滞ることなくスムーズに検査を行え、業務効率化。生産性を向上できます。

外観検査の属人化防止

外観検査を行うには経験と知識が求められるため、人手を使った外観検査を継続するには、どうしても一定のスキルを持った人員に頼らざるをえません。しかしそうした人員が転職や退職によっていなくなってしまうと、外観検査の品質が維持できなくなるリスクが発生するでしょう。外観検査装置の導入は、そうしたリスクを防止し、誰でも容易に外観検査を行うことを可能にします。

採用・育成コストの削減

人の目視による外観検査を継続していくには、熟練工以外にも外観検査を行える人員を増やさなくてはなりません。そのためには当然、新たな人員の採用や育成のコストがかかります。そもそも人材不足で新たな採用が難しくなっている状況において、検査実施のために早急な育成まで必要となれば、相当なコストがかかってしまうでしょう。外観検査装置の導入は、そうしたコストの削減にも大きく貢献します。

外観検査装置の詳しい内容について知りたいかたは、「外観検査装置とは?キズや異物を検知する仕組みや導入メリットを解説」「【外観検査の自動化が進む!】自動化を進めるうえでのポイントとは?」をご覧ください。
また「AI外観検査完全ガイド | 導入手順から費用相場まで徹底解説」では外観検査装置導入時の費用相場についても解説しています。

シュリンク包装の破れ・不良の外観検査における課題

外観検査にはいくつかの課題があると説明しましたが、シュリンク包装は特に人手による外観検査だけでは不良の見極めが難しいといわれています。もちろん大きな破れであえば目視でもすぐに気づけますが、難しいのは目視だけでは検出が難しいピンホールです。

そしてピンホールの検出をさらに難しくするのが容器の形状です。シュリンクなら、グルーラベルやラップアラウンドでは難しい特殊な形状でも包装できます。しかし一方で、影に隠れてしまう部分や折り込まれた部分など、ピンホールの検出が難しい箇所が増えることになります。

さらに、ペットボトルにシュリンクした場合、透明であったり光沢があったり円形であったりと、画像検査でも検出が難しくなる傾向があるといえます。

製造内容に合わせた外観検査装置の導入が必要

ひと口に外観検査装置といっても、その種類は豊富でさまざまな製品の形状に適した検査装置があります。導入を進める際には、検査対象に合わせてチューニングを施した装置の導入が必須となるため、専門家に相談のうえ検討するとよいでしょう。

まとめ

シュリンク包装は、その破れ方や光の反射によって外観検査が難しいところがあります。これはシュリンク包装に限った話ではなく、外観検査ではそれぞれの製品に合った検査方法や検査環境が必要です。

それらすべてを手作業で行うとなれば、人員の確保から、検査を行えるようになるまでの育成など多くの時間と手間を要してしまいます。そうした意味では、初期費用はかかるものの外観検査装置の導入で自動化を進めたほうが、長期的にコスト削減につながる可能性が高いといえるでしょう。

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外観検査自動化プロジェクトの進め方

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