バックオフィスとは?重要性やよくある課題、効率化の方法を解説

 2022.09.15  株式会社システムインテグレータ

昨今、働き方改革やコロナ禍の影響でリモートワークなどデジタル業務の選択肢が増える中、企業のバックオフィス部門はいまだアナログ業務が多い傾向にあります。バックオフィス部門は直接的な利益につながりにくく、デジタルへの投資や人材の割り当てが薄くなりやすいためです。

しかし、企業の後方支援であるバックオフィスの効率が上がれば、営業をはじめとするフロントオフィスもより力を発揮しやすくなるでしょう。自社の成長を促すのであれば、バックオフィスの環境改善は有効な手段です。

この記事では、バックオフィスの役割や重要性を解説します。併せて、業務効率化におすすめの方法も紹介しますので是非参考にしてください。 

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バックオフィスとは

バックオフィスとは?重要性やよくある課題、効率化の方法を解説

バックオフィスとは、経理・人事・一般事務などの企業内で、組織の後方支援をする部署や業務のことです。また、「間接部門」「事務部門」「管理部門」と言い換えられる場合もあります。

バックオフィスは、直接企業の利益を生むものではないため、顧客や協力会社と直接関わる営業やマーケティングなどのフロントオフィスとは対極の存在です。しかし、全ての従業員が日々の業務を円滑に続けられるよう、多岐にわたる業務を担当しサポートする重要な役割を持っています。そのため、バックオフィスの機能を強化すればフロントオフィスの活性化にもつながり、企業全体の生産性の向上が期待できるのです。 

主な職種と役割

バックオフィスに該当する職種と主な役割は以下の通りです。ただし、業種や企業の規模によって社内に設置されない場合もある点に注意しましょう。 

部署

仕事内容(一例)

経理

  • 企業の資金(利益)の流れを管理する職種、実績を基にした会計の部署
  • 伝票作成や管理、現金出納、売掛(買掛)管理、資産管理
  • 決算書類や財務諸表作成

財務

  • 経理が作成した決算書類に基づき財務戦略の立案、未来に向けた会計の部署
  • 財務計画から資金調達の実施
  • 企業の余剰資金の運用(投資やM&Aなど)

人事

  • 人材によって企業(組織)の活性化を図る部署
  • 従業員の採用活動から教育、評価、人事異動や配属先決定
  • キャリアコンサルタント(国家資格)保有者もいる

労務

  • 従業員(労働者)が安心して継続的に働き続けるための部署
  • 企業の規定に基づき従業員の給与や交通費の計算、社会保険・入退職手続き
  • 対人関係を含め労働上のトラブル相談窓口を担うこともある

総務

  • 企業内で他の部署が対応しきれない多様な仕事を支える部署
  • 企業の規模によっては人事や経理、来客(対外客)対応を行うこともある
  • 企業内の備品や施設管理、社内イベントの企画実施、協力会社との契約管理

法務

  • 各種契約業務やコンプライアンス管理を担う部署
  • 社内の法律に関する相談窓口として社員の疑問や相談へアドバイスの提供
  • 売買契約や業務委託契約などの各種契約業務
  • 株式や子会社、対外的な紛争やクレームに関連する業務

情報システム

  • 社内外向けの基幹システムの運用や管理、セキュリティ対策を担う部署
  • 従業員のPCセットアップやヘルプ対応、IT関連の資産管理
  • 企業によっては専従のエンジニアが在籍していないこともある
  • DX化推進の要であり、業務効率化対策に携わる中心部署でもある

一般事務

  • 企業規定書式などを利用した各種書類作成、データ入力
  • 企業内で使用した各種書類、伝票の仕分けやファイリング
  • 郵便物の発送や到着物の管理
  • メールや電話を含めた来客対応
  • 経理や人事、労務など他の部署の補助業務

 バックオフィスのサポートなしでは企業の運営が円滑に進みません。つまり、企業内ではいずれの業務も必要不可欠なのです。 

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バックオフィス業務の重要性

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企業の業務は「生産機能」「販売機能」「事務・会計機能」に分けられます。外部や消費者目線では、製品を作りサービス開発を行う生産機能や、需要に応じた販売機能の業務内容・成果が分かりやすいでしょう。しかし、生産機能や販売機能は、事務や会計機能というバックオフィスの日々の下支えがあって成立しています。

例えば、営業担当が顧客に商品を販売する場合、売上げや税の管理・売買契約書のチェックが必要です。加えて、営業担当が労働した分の給与計算も必要となるでしょう。直接利益に関わらずとも、生産機能や販売機能が滞りなく機能するために、バックオフィスの業務が重要なのです。 

バックオフィスが抱える課題

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バックオフィスがうまく機能しないと、フロントオフィスの生産性も低下し、企業全体の衰退を招きます。では、バックオフィスにはどのような課題が挙げられるのでしょうか。ここでは、3つの課題について解説します。 

人材不足

設立間もない企業や中小企業で特に起こりやすいのが人材不足です。

経営側はバックオフィスの人材を確保するよりも、営業職などフロントオフィスの採用に力を入れる傾向にあります。バックオフィス経験者は即戦力として歓迎されますが、待遇面で大手企業に流れやすく、多くの中小企業では慢性的な人材不足状態が続いている現状があります。

バックオフィス部門では配属される人数が充分ではないため、1名でも欠席や退職しただけで業務が回らなくなり、他の従業員が過重労働となる恐れがあるのです。 

業務の属人化

属人化とは、ある業務が特定の従業員しか対応できない状態になってしまうことを指します。特にバックオフィスの業務内容は、専門的な知識が必要な場合も少なくありません。そのため、業務の属人化が起こりやすいのです。

業務が属人化してしまうと、担当従業員が欠席や退職した場合、一気に業務が滞る事態となります。また、業務の属人化は担当者の大きなプレッシャーとなり、状況次第では深刻な過重労働につながりかねません。加えて、繁忙期と閑散期の業務量に大幅な開きがあるため、即時的な対策が難しいのも課題です。 

アナログ業務が多く効率化できていない

バックオフィスが担う業務は、紙ベース管理であったり印鑑承認が必要であったりと、アナログ業務の割合が多くを占めているため、テレワークなどオフィス以外での業務に移行しにくいのが特徴です。フロントオフィスに比べると、デジタル化など業務改善に向けた予算配分も少ない企業が大半です。そのため、非効率な業務を改善できず、繁忙期には深刻な負担を強いられる場合も少なくありません。

国としても、デジタル化に向けたバックオフィスの課題の解決に向け、2022年に電子帳簿保存法の改正を行いました。法改正により、従来は紙で保存する必要のあった請求書や書類も、電子データによる保存が認められたのです。 

バックオフィスを効率化すべき理由

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企業が成長していくためにも、バックオフィスの効率化は重要です。バックオフィスの課題に対し適切な対応を実施することで、従業員という人材を含めた企業資源を最大限に活用できるでしょう。

ここでは、バックオフィスを効率化すべき5つの理由を解説します。 

生産性の向上につながる

バックオフィスが担う業務の自動化や業務効率化を実現できると、フロントオフィスへのサポートもより迅速かつ的確なものになるでしょう。フロントオフィスのパフォーマンス向上にもつながり、企業の生産性や利益を高めることが可能です。

また、アナログ業務から脱却することで、紙代や印刷関連の固定費を削減できます。削減したコストを使えば、新しい業務システムやツールの導入も可能となり、さらなる生産性向上も期待できるでしょう。 

ミス防止効果がある

バックオフィス業務の性質上、地道な入力作業や目視で書類をチェックする作業も少なくありません。金銭や法律関連など神経を消耗する業務が続くことから、ヒューマンエラーが発生することもあります。

こういったデータ入力や計算・転記、確認作業などは自動化が可能です。一部の業務を自動化することで、トラブルやミスのリスク軽減に加え、アウトプットの正確性も高められます。 

従業員満足度の向上につながる

バックオフィス部門は人材配置も少ない場合が多く、業務の属人化や繁忙期の深刻な業務量の増加などの影響もあり、従業員満足度は十分とはいえません。また、バックオフィス担当者は他の部署と兼任する企業もあり、複数業務を同時に行うことで生産性や効率を大きく低下させるリスクがあります。

このような非効率な労働状況に対し、各種自動化ツールの導入で効率化を図れれば、担当者の負荷の軽減につながるでしょう。加えて働きやすい環境が整えば、従業員満足度の改善も見込めます。 

業務の属人化を防ぐ

属人化している業務に対し「誰でも使用できるツール」を導入することで、特定の担当者への業務の集中を回避できます。これまで担当者が不在の場合に滞ってしまっていた業務も、ツールを使えば複数の従業員で行えるようになるのです。属人化を防ぎ、特定の担当者に依存せず安定して業務を行えるため、労働環境の大幅な改善が期待できるでしょう。 

BCP対策になる

内閣府によると、BCP(事業継続計画)とは「不測の災害時に重要な業務が中断せず、中断した場合も想定復旧時間内の業務再開をすることで、企業を守るための経営戦略」とされています。具体的には、「災害を含めた非常事態発生時に、事業資産の被害を最小限に抑え、業務(事業)を復旧・継続するための対策」です。

想定するリスク(非常事態)には自然災害や感染症・事故や人的災害・サイバー攻撃などが含まれ、BCPは行動面の対策計画だけでなく、実際に運用する場合のマネジメントの意味合いもあります。非常事態発生時には「安否確認」「救助避難」「設備や情報保全」などを図り、企業が存続できるよう事態の早期復旧に向けた対策が必要です。また、BCP対策はバックオフィスの該当分野であることが多いため、効率的に動ける体制を整えておくと良いでしょう。 

バックオフィス業務を効率化する方法

バックオフィスとは?重要性やよくある課題、効率化の方法を解説-4

バックオフィス業務を効率化するには、さまざまなツールの活用がおすすめです。ただし、企業の方向性次第では合わないものもあるため「ペーパーレス」「自動化」「外部委託(アウトソーシング)」などに着目して、自社に合った方法を検討しましょう。ここでは、バックオフィスの効率化に有効な方法を4つ紹介します。 

ITツールの活用

ITツールを活用することで、環境を問わずクラウド上でさまざまな業務を進めることが可能になります。具体的には、以下のようなツールが挙げられます。 

  • 情報系システム
  • 基幹システム
  • 社内チャットボット 

ITツールは、勤怠管理や請求書作成、契約・帳簿・給与計算・人事採用など、さまざまな場面で活用できます。導入すればテレワークや在宅勤務も可能になるため、企業の生産性の向上にもつながるでしょう。ITツールを活用すればバックオフィスだけでなくフロントオフィスの効率化も促進できるため、結果的に全社的な労働環境の改善が見込めます。 

ERPの活用

ERPは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略称で、企業が保有する「人」「物」「金銭」「情報」といった資源を、一つのシステムでまとめることを目的としています。具体的には、以下の要素を管理します。 

それぞれ単体で管理するのではなく、一つにまとめることで情報の活用効率が改善し、コスト削減につながるのです。さまざまな職種に対応できるよう、多様なERPソリューションがあるので、自社の業務内容や方向性に合ったERPの選定を行いましょう。 

アウトソーシングの活用

専門的な業務内容に特化したアウトソーシング(外部委託)を請け負う会社も存在しています。経理や人事、総務の事務作業は、アウトソーシングに依頼することが可能です。バックオフィスで扱う業務内容は、専門的なスキルが求められるものも少なくありません。自社内で即時に人員を配置することが難しい場合は、アウトソーシングを活用してみましょう。 

こちらでは、アウトソーシングについて詳しく解説しています。併せてご覧ください。
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業務マニュアルの整備

これまでの担当者が退職する場合や異動する場合、誰でもすぐ同様の業務ができるように業務マニュアルを整備しておくと良いでしょう。新しく担当となった従業員への教育研修にも、業務マニュアルを整備していることは有益です。

マニュアルは指導する側と学ぶ側の双方の負担軽減に役立つ上、業務の属人化を防止し、業務の効率化につながります。特に、年末調整など一定の時期ごとに訪れる定型業務は手順を忘れやすいので、マニュアル化しておくことがおすすめです。

なお、マニュアルを整備する際はマニュアルの運用担当者を決め、各業務のプロセスを可視化しましょう。可視化したものをもとに各種マニュアル作成ツールを導入し、実際に使用しながら少しずつ対応範囲を広げていくと効率的です。 

バックオフィス業務改善ならシステムインテグレータ

多くの企業で人手不足が大きな課題となっていますが、バックオフィス業務にはいまだに属人化した作業やアナログ業務が残っており、企業の成長と発展を阻む大きな壁となっています。
バックオフィスの業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止だけでなく企業全体の生産性向上にもつながります。
当社はERPをはじめとする情報システムの豊富な導入実績をもとに、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な改善策を提案します。業務の洗い出しや問題点の整理など、導入前の課題整理からお手伝いさせていただきます。
バックオフィス業務にお悩みをお持ちの方は、お気軽に株式会社システムインテグレータまでご連絡ください。

まとめ

バックオフィスとは、経理・人事・一般事務など企業の後方支援をする部署や業務のことを指し、企業活動において必要不可欠な存在です。企業にとって重要な役割を担うバックオフィス業務を効率化することで、全社的な生産性の向上や業務の属人化を防ぐなどのメリットが得られます。

まずは自社のバックオフィス業務の課題を明確にし、最適なツールを選ぶことから始めましょう。特に、ERPの導入はバックオフィス全体の業務効率化を可能にします。ERPについて詳しく解説した資料もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

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