2025年12月、SI Object Browser for Oracleの最新バージョン25をリリースいたしました。
最新バージョンでは、テーブルの差分表示、JSONのデータ編集等の機能の追加を行い、従来よりデータの確認やメンテナンス作業を効率化します。また、SSH接続へも対応することで、Oracle Cloud Infrastructure等のゼロトラスト環境でも安全に利用可能となりました。これらの新機能について画面入りで紹介いたします。
テーブルの差分表示機能
テーブルデータの差分を表示できる機能を追加しました。本機能は前回のSELECT結果と最新のSELECT結果の差異を比較するための機能です。
使い方の例として、「従業員情報のメンテナンス画面」を開発しており、そのテストをする例でご紹介します。まず、SQL実行画面でSELECT文を実行し、最新の従業員データを表示します。
画面1.SQL実行画面(比較前)
この状態でアプリケーション(従業員画面)に戻り、テストを実施しましょう。例えば従業員情報の追加や削除、データ変更等の操作などになります。これらの操作を実施後は、再度SQL実行画面に戻り、「比較」ボタンをクリックします。
画面2.SQL実行画面(比較)
以下のダイアログが表示されますので、比較基準となるキー列を選択します。キー列が同じものがある場合は、同一レコードとみなされ、異なる場合は異なるレコードとして判定されます。既定では主キーが選択されていますが、必要に応じて変更しましょう。複数列の選択も可能です。

画面3.比較表示ダイアログ
OKボタンを押すと、最初にデータを表示した時と、最新の(アプリケーション操作を行った後の)差分情報が表示されます。キー列の情報を元に、追加されたレコードは水色、削除はピンク、データが変更された場合は黄色と黄緑で変更前・変更後のデータがハイライト表示されます。変更されている場合はさらに、値が変更された列がオレンジで表示されます。
画面4. SQL実行(比較後)
また、比較較結果のExcel出力も可能ですのでテスト結果のエビデンスとして保存も可能です。上記はテストの例でご説明したが、その他にもバックアップテーブルや別スキーマにあるテーブルとの差分比較など幅広いシーンで活用できます!
JSONデータの編集
JSONデータを専用のツリー形式で編集する機能を追加しました。テーブルのデータタブでJSONデータをクリックすると以下の専用編集ダイアログが表示できます。ネストされたJSONデータも階層形式で表示・編集が可能です。テキスト表示に切り替えた場合も自動整形されたかたちで表示されますので、安全にデータの確認や編集を行うことができます。

画面5. JSONデータ編集
テーブルデータのINSERT文出力
テーブルやSQL実行画面に表示されたテーブルデータをもとにINSERT文を生成可能にしました。INSERT文出力のアイコンより現在表示しているデータのINSERTスクリプトが生成が可能です。
画面6. INSERT文出力および出力結果
従来のバージョンでも、「スクリプト出力機能」でINSERT文が生成可能でしたが、本機能ではデータを絞り込んだ状態や、複数テーブルを結合したデータをINSERT文として生成できるため、データ移行などの業務がより柔軟に行えるようになります。
構文エラーチェックの強化
また、生成AIを使用したSQLの構文エラーチェック機能にて、修正前、修正後のSQLを差分表示するように改善しました。以下のように差分のある行がハイライト表示されるため、修正箇所を確認した上でSQLの自動訂正を行うことができます。
画面7. 構文エラーチェック結果
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生成AIの連携機能は前回のバージョン24で追加しました。他にもSQL自動整形やSQL自動生成等の機能を追加しています。各機能については以下のバージョン24新機能の記事をご覧ください。 |
SSH対応
また、SSH接続に対応しました。ログイン画面の「SSH」ボタンより、SSHホストやポート、秘密鍵などの接続設定を行うことで、Oracle Cloud Infrastructureの踏み台(Bastion)経由やポートフォワーディングを用いたセキュアな環境へもデータベース接続が可能です。
画面8. ログオン(SSH設定)
以上がSI Object Browser for Oracle 25 の主な新機能でした。その他、オンラインマニュアルの刷新、オブジェクトリストの列幅を自動記憶、インデックスアドバイザのテスト結果を出力可能にするなどの機能改善も行っています。 最新バージョンで追加された比較機能等を使用すれば、従来よりデータの移行や確認、SQL文のチェックやより効率よくできますので、ぜひ最新バージョンをご利用いただければと思います。
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