2024年7月2日に「SI Object Browser for Oracle 24.1(以下、最新バージョン)」をリリースいたしました。最新バージョンでは、Oracle23aiの新機能対応をはじめ、いくつかの機能改善を行いましたので、画面入りで詳しくご紹介いたします。
スキーマ権限に対応
Oracle Database 23ai新機能である、「スキーマ権限」に対応しました。スキーマ権限とは、特定のスキーマが持つ全てのテーブルなどのオブジェクトの権限をまとめて付与する機能です。従来はテーブルなどの「オブジェクト単位」にしか権限を振ることができませんでしたが、23aiからは「スキーマ単位」での付与も可能となりました。複数テーブルの権限付与が簡単になる他、将来、テーブルが増えた場合なども権限を再設定する必要がなくなるというメリットがあります。
最新バージョンでOracle23aiに接続時は、ユーザー画面に「権限」タブが追加されますので、権限の種類と、付与先のユーザーを指定することでスキーマ権限が設定できます。
画面1.ユーザー画面(権限タブ)
また、ユーザー一覧から複数ユーザーを選択して右クリック→権限を設定することで、選択したスキーマのスキーマ権限をまとめて付与することもできて便利です!
画面2.ユーザー一覧画面
読み取り専用ユーザーに対応
また、Oracle23aiの新機能である「読み取り専用ユーザー」にも対応しました。読み取り専用ユーザーとはその名の通り、テーブルなどの参照のみ可能なユーザーのことです。Oracle23aiに接続時はユーザー画面の定義情報タブに「読み取り専用ユーザー」が追加されますので、ONにすることで、他の権限に限らず読み取り専用のユーザーとなります。
画面3.ユーザー画面(定義情報タブ)
BOOLEAN型に対応
その他、Oracle23aiのBOOLEAN型にも対応しました。BOOLEAN型とは1(True)か0(False)、NULLのいずれかの値を持つデータ型です。従来はストアドプログラムでのみ利用可能でしたが、Oracle23aiからはテーブルのデータ型でも利用できるようになりました。最新バージョンではOracle23aiの定義情報タブで「BOOLEAN」が選択できる他、データの表示・編集も可能です。(データタブ上は「1」か「0」で表示されます。)
最近開いたオブジェクト表示機能の追加
また、Oracle23ai新機能以外の機能として、過去に開いたことのあるオブジェクトを簡単に再表示できる機能も追加しました。「ファイル」メニュー>「最近開いたオブジェクト」より直近で開いたオブジェクトが最大10個まで表示されますので、ここから開きたいオブジェクトを選択することで即座に再表示が可能です!
画面4.メインメニュー(「ファイル」メニュー)
プロキシサーバー経由での生成AI連携機能を実行可能に
プロキシサーバー経由での生成AI機能の実行を可能にいたしました。生成AI連携機能とは、SI Object Browserがシームレスに生成AIを呼び出してSQLの自動整形やSQLの自動生成等ができる機能です。(生成AI連携機能の詳細はについてはこちらをご覧ください。)
生成AI機能では外部にリクエストを送信しますが、自社のセキュリティ設定により、SI Object BrowserをインストールしたPCからプロキシサーバー経由でしか外部インターネットに接続できない環境では利用できないかたちとなっていました。最新バージョンではでプロキシサーバーの設定を行うことで、このような環境でも生成連携機能が実行できるように改善いたしました。オプション画面の「詳細設定2」タブにある「AI実行時のプロキシサーバー設定」でプロキシサーバーの設定が可能となっています。
画面5.オプション画面(「詳細設定2」タブ)
デフォルトは「Windowsインターネットオプションを使用」となっています。これはブラウザなどでも利用されるプロキシサーバー設定を利用するものとなります。具体的には、Windowsのコントロールパネル→インターネットオプション→接続タブ→LANの設定で設定を利用します。(もし、LANの設定で何も設定がされていない場合は、「使用しない」と同じ動作となります。 ) また、もし1からプロキシサーバーを設定したい場合は、「手動で設定」を選択します。プロキシサーバーのサーバー、ポートの他、ユーザー認証が必要の場合はあわせてユーザー、パスワードを設定できます。このいずれかの設定を行うことでプロキシサーバー経由での生成AI連携機能が実行可能です。
以上が24.1の新機能でした。なお、Oracle23aiは現状オラクルのクラウドサービスOCI(Oracle Cloud Infrastructure)のみで提供されているバージョンとなりますが、今後LinuxやWindows版もリリースされる予定です。その他、最新バージョンではOCIのサービスであるAutonomous Databaseの「Data warehouse」にも正式対応いたしました。OCIでご利用の方はもちろん、既存機能の改善も行いましたのでその他の方も最新バージョンをご利用いただければと思います。
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