最近、SI Object Browserを検討しているというユーザーから「他のツールとの違いは何か?」と聞かれることが多くなりました。そこで、今回は他ツールと比べてのメリットをまとめてみました。
データベース標準ツールと比較してのメリット
SI Object Browserとはデータベースを「GUI」で操作するために開発したツールです。もともとは1997年にOracle Database対応版(以下、Oracle版)が初めてのリリースでしたが、当時、Oracle Databaseの世界ではコマンドラインツール「SQL*Plus」が主流の時代で、SQL文を使ってしかデータベースの操作を行うことはできませんでした。
GUIで操作できるツールとしては「Oracle Enterprise Manager」もありましたが、機能が多いことで操作が難しかったり、PCのスペックが高くないと動作が重くなるなどの理由で使いこなせるユーザーも少ないのが実情でした。SI Object BrowserはGUIかつシンプルな操作でテーブルの閲覧やメンテナンスができることからデータベースエンジニアに広まり、現在では累計43万ライセンス、19000社の実績を持つツールとなりました。これらの標準ツールと比べれば、「GUIで操作できる」「操作が簡単で動作が軽い」ということが大きなメリットと言えるでしょう。
また、Object Browserでは複数テーブルを結合したデータをみれるなどようにSQLを書いてSQLを実行する画面もついています。ここでも、SQL入力中にテーブル名や列名の候補を出すコードアシスタントや、また、SQLをGUIで組み立てるSQLビルダという機能も搭載されています。 画面1.Object BrowserのSQLビルダ画面 |
フリーツールと比較してのメリット
しかし、SI Object Browserと同様に軽い動作でGUIでテーブルが閲覧できるフリーソフトも登場しました。では、これらのフリーツールと比べてSI Object Browserのメリットは何かと言うと、「細かいところまで手が届く」というところでしょう。
テーブル関連の機能で言えば、Object Browserではテーブルのデータの閲覧に加え、検索グリッドによる絞り込みが可能です。画面2はSI Object Browserのテーブル画面です。その中の赤枠が検索グリッド欄です。ここから、完全一致やLIKE(部分一致)などの様々な絞り込み条件をテーブル列ごとに設定して検索できるようになっています。
また、左側にもツールボタンが並んでおり、ここから編集のON/OFF切り替えや、行列を入れ替えての表示・Excel・CSV出力、検索グリッド欄で検索条件をSQL(SELECT文)として保存する機能などを使うことができます。
画面2.SI Object Browserのテーブル画面(データタブ)
また、画面3はテーブルの定義情報タブです。SI Object Browserではタブを切り替えることでテーブルの定義も変更できます。フリーツールでもテーブルの定義情報を確認できるフリーソフトもありますが、SI Object Browserでは変更もできる点が優れています。データ型や列を追加などを行うと、ALTER TABLE文を自動で発行して反映することができます。(変更内容によってはDROP TABLE⇒CREATE TABLE文で再作成が必要な場合もありますが、この場合もバックアップテーブルを作成の上、データを復旧するため、データが消えずに定義変更できます。)
画面3.SI Object Browserのテーブル画面(定義情報タブ)
また、画面4は「領域情報」タブですが、表領域の変更やINITRANS/PCTFREE等のテーブルパラメータの設定変更や一時テーブル、外部表、パーティショニングの設定変更も細かな設定変更が可能となっています。
画面4.テーブル>表領域タブの画面
このようにテーブル機能ひとつを取っても多く機能差がありますが、その他にも以下のように様々なメリットがあります。
サポートしているデータベースオブジェクトが多い
フリーツールでもデータベースに接続して、テーブル、ビュー、インデックスなどのデータベースオブジェクトの情報を閲覧することはできますが、外部と連携したシステムやパフォーマンスのよいシステムを構築するには、データベースリンク、マテリアライズドビュー、リフレッシュグループなどのデータベースオブジェクトも扱う必要があります。Object Browserはこれらのデータベースオブジェクトもサポートしています。画面5はObject Browser for Oracleのオブジェクトツリーになります。赤枠の通り、多くのデータベースオブジェクトをサポートしています。
画面5.Object Browserのサポートしているデータベースオブジェクト
データベースユーティリティもGUIで実行できる
データベースにはユーティリティと呼ばれるコマンドラインベースのツールが数多く提供されていますが、SI Object BrowserではこれらもGUIで呼び出すことができます。
Oracle版でいえばエクスポート/インポート(ExpDp/ImpDp)やレコードを高速にインポートするSQL*Loader、セッショントレース「TKPROF」、「StatsPak」によるパフォーマンスレポート機能をサポートしています。
画面6.Object Browserのエクスポート(ExpDp)画面<
DBA(データベース管理者)向けの機能も充実している
SI Object Browserは開発者向けのツールですが、それでも、「ユーザーを追加したり権限を変更したい」「デッドロックのもととなるセッションを切断したい」など、管理系の機能を使いたい場合が出てきます。これらの管理系機能をサポートしており、ユーザーの追加や・権限変更や表領域の追加、ロック情報の確認したいセッションの切断操作などが可能です。
機能名 | 説明 |
---|---|
データベース情報 | メモリー容量などのデータベースパラメータの表示・変更などができる |
ユーザ情報 | スキーマの作成・パスワード変更やリソース・ロールの割り当てができる |
ロック情報 | ロックの発生しているテーブルやロック元のプロセス・SQLなどの確認ができる |
セッション情報 | 接続中のセッションを一覧表示。トレースや強制切断もできる |
表領域情報 | 表領域やデータファイル・ログファイルの作成ができる |
ジョブ情報 | 定期的にSQLやストアドプログラムを自動実行するためのジョブの作成や実行ができる |
パフォーマンス情報 | データベースのパフォーマンス関連のパラメータの閲覧や自動記録ができる |
表.管理機能一覧
その他にもオリジナル機能として、SI Object Browserは差異を調べる「オブジェクト比較」やインデックスアドバイザやボトルネックのあるSQLを調べる「SQLキャッチ」、間違って消した場合も元に戻すことができるフラッシュバック機能など、開発完了後の運用や保守フェーズでも活用できる製品となっています。これらの機能は本ブログでもご紹介していますのぜひご覧ください。
以上が他ツールと比較してのSI Object Browserメリットでした。SI Object Browserは有償のツールとなりますが、選定の際は投資対効果で判断いただきたいと思っています。SI Object Browserは今回ご紹介した機能により30%以上の生産性向上ができると考えています。仮に1億円の案件があり開発工程が40%、生産性が30%アップしたとすると1億円×40%×30%=1200万円の削減効果があります。大規模案件であるほど効果は高いと思います。30日評価のトライアル版がありますので、実際に標準ツールやフリーツールと比較して、決めていただけたらと思います。
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