Amazon Auroraとは?基礎情報やAmazon RDSとの違いを徹底解説

 2025.02.10  株式会社システムインテグレータ

AWS(Amazon Web Service)には、データベースサービスであるAmazon RDSとは別のサービスとして、クラウド向けデータベース管理システム「Amazon Aurora」があります。本記事では、Amazon Auroraについて詳しく解説します。

Amazon Auroraとは

Amazon Auroraの概要

Amazon Auroraは、Amazon Web Services (AWS) が提供するリレーショナルデータベースサービスです。MySQLおよびPostgreSQL両方の互換性を持つため、どちらかを利用した事がある人には利用しやすいデータベースエンジンです。

従来の商用データベースの高い性能とオープンソースデータベースのコスト効率を兼ね備え、設計はクラウド環境に最適化されています。

Amazon AuroraとAmazon RDSとの違い

Amazon AuroraとAmazon RDS (Relational Database Service)は、どちらも AWS が提供するリレーショナルデータベースサービスです。この2つの違いを表形式でまとめました。

 

Amazon Aurora

Amazon RDS

データベース
エンジン

独自に最適化されたMySQL互換とPostgreSQL互換のエンジン

以下をサポート
・MySQL
・PostgreSQL
・MariaDB
・Oracle
・SQL Server

パフォーマンス

通常のMySQLの最大5倍、PostgreSQLの最大3倍のスループット

使用するエンジンによる標準的なパフォーマンス

可用性

6つのデータコピーを3つのAZに自動的に複製

2つのAZでの同期レプリケーション

レプリケーション

自動スケーリング、リードレプリカを最大15個までサポート

マニュアルスケーリング、リードレプリカを数個サポート

ストレージ

自動で管理

手動で管理

Amazon Auroraの利用料金

Amazon Auroraの利用料金は、以下の要素をもとに算出されます。

  • インスタンスタイプ
  • ストレージ容量
  • I/Oリクエスト
  • バックアップストレージ容量
  • データ転送料金(同リージョン内は無料)
  • 追加機能(Aurora Global Database、マルチリージョンリードレプリカなど)

料金はリージョンや具体的なサービスオプションによって異なるため、最新の詳細についてはAWSの公式料金ページを確認ください。AWS Pricing Calculatorを使用して、具体的なケースに基づいた料金の見積もりを計算することもできます。

料金 - Amazon Aurora | AWS

Amazon Auroraの特長

Amazon Auroraは、従来のリレーショナルデータベース(RDB)と比べて、以下のような特長があります。

PostgreSQL、MySQLとの互換性

Amazon Auroraは、PostgreSQLとMySQLの両方と高い互換性を持つように設計されています。これにより、既存のアプリケーションやツールをほとんど変更することなく、Auroraへの移行が可能です。

PostgreSQL互換エディションでは、PostgreSQL 12、13、14、15、16との互換性を、MySQL互換エディションではMySQL 5.7、8.0との互換性を提供しています。

Auroraレプリカを最大15個作成可能

Amazon Auroraでは、読み取り専用のレプリカを最大15個まで作成することができ、読み取りワークロードの分散処理が可能です。これらのレプリカは、プライマリインスタンスのデータを非同期でレプリケーションし、ミリ秒単位の低レイテンシーを実現します。レプリカの追加や削除は動的に行うことができ、アプリケーションの負荷に応じて柔軟にスケールアウトが可能です。また、エンドポイント機能により、アプリケーションはレプリカの構成を意識することなく、自動的に適切なインスタンスにルーティングされます。

ストレージのオートスケーリング

Amazon Auroraのストレージは、データ量の増加に応じて自動的に拡張される設計となっています。初期設定では10GBから開始し、必要に応じて10GB単位で最大128TBまで自動的に拡張されます。

このオートスケーリング機能により、事前の容量計画や手動でのストレージ拡張作業が不要となり、運用負荷を大幅に軽減できます。また、実際に使用している容量に対してのみ課金される従量課金制を採用しており、コスト効率の高いストレージ管理が可能です。

Amazon Aurora Serverless

Amazon Aurora Serverlessは、オンデマンドで自動的にスケーリングするデータベースの構成オプションです。アプリケーションの需要に応じて、コンピューティングリソースを自動的に開始、停止、スケーリングする機能を提供します。予測が困難な不規則なワークロードや、開発・テスト環境に適したソリューションです。

まとめ

Amazon Auroraは、高いパフォーマンス、柔軟なスケーラビリティ、および高い互換性により、多くの企業にとって有用なリレーショナルデータベースソリューションです。MySQLおよびPostgreSQLとの高度な互換性により、既存のデータベースシステムからの移行がスムーズなだけでなく、データベース管理の複雑さを軽減しながら、コスト効率と運用効率を向上させられます。さらに、Auroraは最大15個のリードレプリカと自動スケーリング対応のストレージ機能を備えており、データの急増にも柔軟に対応できます。

クラウド環境でのデータベース運用をさらに強化したい方は、Amazon Auroraを選択肢の一つとして検討してみるとよいでしょう。


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