データベースのよくあるトラブルの原因・対策

 2025.01.08  株式会社システムインテグレータ

本記事では、データベースを活用するうえで知っておきたいトラブルシューティングについて解説します。

ぜひ参考にしてください。

接続と認証の問題

データベースに接続できない、意図したデータにアクセスできないといった問題は、データベース利用において最も一般的なトラブルの一つです。この種のトラブルは、以下のような原因が考えられます。

原因(1) ネットワーク接続の断絶

ネットワークケーブルの断線、ルーターの設定ミス、ファイアウォールの設定など、物理的な接続やネットワーク設定に問題があるケースです。特にLinuxサーバーでは、SELinuxやiptables、firewalldなどの設定を確認しましょう。

原因(2) データベースサーバーの障害

データベースサーバーに障害が発生し、データベースそのものが停止しているケースです。この場合はそのデータベースに接続しようとする全クライアントに影響があります。

原因(3) 認証情報の誤り

ユーザー名、パスワード、または権限に誤りがあるケースです。データベースによっては、パスワードの有効期限が設定されている場合もあります。データベース管理者に確認しましょう。

これらの問題を解決するためには、まず、エラーメッセージを詳細に確認し、問題の切り分けを行います。また、接続先のデータベースサーバー、ポート番号、認証情報などが正しいか再確認することが有効です。

パフォーマンス低下の問題

データベースのパフォーマンス低下は、クエリの実行時間が遅くなったり、システム全体のスループットが低下したりといった問題を引き起こします。パフォーマンス問題の原因としては、以下のようなものが考えられます。

原因(1) インデックスの欠如または誤ったインデックス

頻繁に検索されるカラムにインデックスが設定されていない、またはインデックスの種類が適切でないため、クエリの実行時間が遅くなることがあります。

原因(2) クエリの最適化不足

データベースエンジンが最適な実行計画を立てられない場合、パフォーマンスが低下します。実行計画が変わる理由としては、以下が考えられます。

  1. 統計情報が古い
  2. データ量の急激な変化による統計情報との乖離
  3. データベースのバージョンアップ

原因(3) ハードウェアリソースの不足

CPU、メモリ、ディスクI/Oなどのハードウェアリソースが不足している場合、処理が遅くなることがあります。

パフォーマンス問題を解決するために、データベースの監視ツールを使用して、ボトルネックとなっている部分を特定し、対策を実施することなどが有効です。

データベースの監視、パフォーマンス監視については、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

https://products.sint.co.jp/siob/blog/database-monitoring

データ品質と整合性の問題

制約を適切に設定していないと、データ品質と整合性に問題が発生する場合があります。具体的には以下のようなケースがあります。

原因(1) データの重複

同じデータを複数回登録してしまうことで、データの整合性が失われることがあります。これを防ぐためには、一意制約を設定します。

原因(2) データの矛盾

異なるテーブルに登録されているデータが矛盾している場合、データの信頼性が損なわれます。例えば、商品テーブルにない商品データが在庫テーブルにデータとして存在すると、矛盾した状態となります。このような矛盾を防ぐためには、外部制約を設定します。

他にも、データの入力規則を設けたり、データ変更履歴を記録したりすることで、データの品質を維持することができます。

インフラとハードウェアの障害

データベースは、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのインフラ上に構築されています。これらのインフラに障害が発生すると、データベースの可用性が低下したり、データが失われたりする可能性があります。

原因(1) ハードウェア故障

サーバーのハードディスク故障、メモリ不足、電源障害など、ハードウェアに問題が発生した場合、データベースが利用できなくなります。

原因(2) ネットワーク障害

ネットワークケーブルの断線、ネットワークインタフェースカードの故障など、ネットワークに問題が発生した場合、データベースへのアクセスが遮断されます。

原因(3) オペレーティングシステムの障害

オペレーティングシステムのクラッシュやアップデートの失敗など、OSに問題が発生した場合、データベースも影響を受けることがあります。

インフラとハードウェアの障害を予防するためには、定期的なバックアップ、監視、メンテナンスが重要です。

バックアップとリカバリの失敗

データベースのバックアップは、データの損失を防ぐために不可欠です。しかし、バックアップだけでなくリカバリも失敗するケースがあります。詳しく解説します。

原因(1) バックアップファイルの破損、不足

バックアップファイルおよび更新ログ(ジャーナルファイル、アーカイブログ)など、復旧するために必要なファイルが破損している場合、復元できません。

原因(2) バックアップの頻度が低い

バックアップの頻度が低い場合、最新の状態に復旧するために大量の更新ログが必要になります。また、適用しデータを復旧するのに時間がかかります。

バックアップとリカバリの失敗を防止するためには、定期的なバックアップの実施、バックアップファイルの検証、リカバリテストの実行が重要です。また、バックアップ戦略を策定し、迅速に対応できるよう手順を整備しておきましょう。

データベースのバックアップについては、以下の記事も参考にしてみてください。

https://products.sint.co.jp/siob/blog/databasebackup

まとめ

本記事では、データベース利用時に発生しやすいトラブルとその解決策について解説しました。

接続エラーやパフォーマンス低下、データ整合性の問題、ハードウェア障害、バックアップの失敗といった課題は、事前の準備と対策で多くを防ぐことが可能です。この記事を参考に、トラブルへの迅速な対応と予防策の強化に役立ててください。

 


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