属人化からの脱却 脱EXCEL生産管理の方法とは?

 2018.08.01  株式会社システムインテグレータ

以前のコラムPSI管理による生産計画・在庫最適化』でも触れましたが、ERP生産管理システムを導入しているにもかかわらず、生産計画や所要量計算(MRP)が使えずに伝票発行や実績管理だけのシステムになってしまっているケースが多くあります。

またERP・生産管理システムを導入して、最適な在庫で納期遵守、コスト低減を目指したのですが、ERP・生産管理システムだけでは情報が足りずにEXCELでデータ加工をしている場面をよく見かけます。

システムを活用できない原因はいろいろありますが、製造業を苦しめる様々な問題に起因していると考えられます。

生産管理業務についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
生産管理とは?目的や工程管理との違い、業務内容を解説

生産管理・生産計画デジタル化基本ガイド

製造業を取り巻く環境

  • 多品種少量生産への対応
  • オプションや顧客の固有仕様に対応した生産
  • 変わりやすい需要への対応
  • 特急や飛込みのオーダーへの対応
  • 過剰在庫の抑制

製造業では在庫を最適最小化しつつ、つねに変動する顧客要求へタイムリーに対応した生産計画が求められます。

プロセス製造業が直面する課題とは?~生産計画立案時の問題とその解決方法~
製造業DX推進の3つのステップとDX成功の4つのポイント

実態に合わないERP・生産管理システムにも原因がある

導入されているERP・生産管理システムが十分に活用できていない原因の1つに何らかの要因でシステムが業務に適合しなくなっていることも挙げられます。

生産計画を行う上で確定受注以外に販売計画や見込計画、内示情報(フォーキャスト)等の需要情報も踏まえて計画を立案する必要がありますが、一般的に確定受注ありきのシステムが多く、現場のノウハウを踏まえたEXCELによる管理表で計画管理を行うことになります。

また、EXCELで情報管理する別の理由としてBOMによる機械的な所要量計算により、実効性のない生産指示がされてしまうことも挙げられます。

実効性のない生産指示書とは

・設備や工員の能力以上の生産指示書が出る

・設備の稼働状況を無視した生産指示書が出る
 ※設備の不具合やメンテなどの休止情報は加味されない

・仕入先からの入荷遅延や外注先の入庫遅延を加味しない指示書が出る

BOMといっても、何年も前に原価計算用に登録したものであったり、いくつかある製造パターンのうちの1つしか登録できていないケースが多いようです。また、一般的に原材料の所要量計算をするために品目構成やレシピは保持されているものの、設備や人の標準時間までメンテナンスできている例は非常に少ないです。特にERPシステムではこれらの設定方法が複雑で適切にメンテナンスされずに放置されたままのことが多いです。

もちろん工程負荷調整の機能を使って無限山積みされた作業指示データを手動で山崩ししながら調整することもできますが、全体日程を確認しながら調整するには高度な実務ノウハウが必要となり、使用するのをやめてしまうユーザーも多いです。

このような状況では、システムから伝票(作業指示書)は出力するが、メンテしやすいEXCELで変更して実際の作業指示を行うことになります。
 

解決策はあるのか?

それではEXCELを使わずに需要変化を取込み、かつ在庫を最適化しながら納期遅延を起こさない生産計画を立案、作業指示を行う方法はあるのでしょうか。

EXCELでの属人的な運用を排除し、工場内・工場間・製販間の情報を可視化して生産計画を精緻化、平準化する手段として生産スケジューラーを活用する方法があります。以前はパラメータの設定が複雑であり、使えないといった声を耳にしましたが、操作性が改善され、生産現場の実態に合ったキメ細かい設定が行えるようになっています。
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生産スケジューラーの導入メリット

それでは生産スケジューラーを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

・販売計画や内示情報(フォーキャスト)など様々な需要情報に基づき、未来の在庫を確認しながら計画立案が行える。
※計画日程を月次→週次→日次ベースに管理し、中期的な計画を確認しながら直近の生産計画の確定が行える。

・設備の能力や段取り時間を考慮した生産計画を立案できる。また工員のスキルやシフトを加味した計画立案が行える。

・外注先の加工リードタイム、支給品や加工品の入出庫リードタイムを考慮した生産計画立案が行える。

・物流拠点の在庫を一元的に見て、他の拠点からの移送指示や、在庫不足や移送では間に合わない場合の生産依頼を行うなど、統合的な需給計画に基づく生産計画立案が行える。

生産スケジューラーを導入するとSCMやPSIの仕組みにも似た設備や工員の能力を加味した所要量計算により、現場の実態に沿った生産計画が立案できるようになります。

これとERPや生産管理システムを連携させることで、計画・指示・実績の統合的管理を実現します。 

計画・指示・実績の統合的管理


実態に合った生産計画、実行性のある生産指示を作成するためには、BOMをはじめとしたマスタメンテナンスがつねに行う必要があります。生産スケジューラーではマスタ登録にかかる手間を最小限にできるよう、データのインポート機能や1つのBOMを条件に応じて汎用的に使えるような工夫もなされてます。

また、様々な業界の計画業務ノウハウが詰め込まれており、計画業務での要件網羅性は驚くほど広くなります。生産スケジューラーを活用することで、計画業務のルールを再確認できることから属人化を防ぐことになりますので、業務の効率化につながります。

生産計画スケジューラーやERPを含めたPSIのシステム化をご検討の際には、ERP・生産スケジューラーの導入実績豊富なシステムインテグレータにお問合せいただければ幸いです。

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