製造現場を支える生産管理とは?業務内容や効率化手法を解説

 2021.04.30  株式会社システムインテグレータ

製造業においてQCDを維持して利益を高めるためには、生産管理の強化がとても重要です。
生産管理とは、どの製品を・いつまでに・どのくらい生産するか計画し、作業工程や人員・原材料・コスト・各種情報を統制・管理することです。製造業の業務の中でも利益に直結する内容であるため、正しく理解しスムーズかつ効率的に進めていかなくてはなりません。

とはいえ、生産管理業務は多岐にわたるもので、担当者の力量のみに頼るのは効率的ではありません。需要の変化やコスト増、作業工程の見直しなど、さまざまな問題点をスムーズに解決できなければ、企業が目標とする利益を達成するのは難しいことでしょう。

近年は生産管理における課題・難しさを解決し、スムーズに進めるために生産管理システムを導入する企業が増えてきています。

今回は、生産管理の目的やその業務内容、抱えている課題点と効率化手段について解説します。

生産管理とは何か

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生産管理では「材料調達」「加工・製造」といった製造業の柱となる部分の業務管理を行います。生産管理はどのような目的で行われているのか、まずは確認していきましょう。

生産管理の目的

生産管理の目的は、生産業務の効率化や品質維持に努め、顧客満足度を高めて利益の確保や事業の拡大を目指すことです。

商品を製造・販売する場合、まずは市場需要の予測や必要コストの計算をしなくてはいけません。生産情報と販売情報を分析したうえで、生産すべき数量とそのコスト、そしていつまでに生産すればよいのかという生産計画を立てます。そして計画に沿った生産を行うために、必要な資材の調達とその管理を行います。

実際に生産を進めるうえで大切なのは、品質を維持・向上させていくことです。生産された製品をテストし、二重チェックなどを行なったうえで、品質維持・向上のために管理・検査していきます。もちろん問題があれば改善し、品質を高めなくてはいけません。目標となる品質に到達したならば、出荷・販売をして利益をあげていきます。こうした一連の流れを管理するのが生産管理です。

このように、製造業においては品質・コスト・納期=QCDは常に意識されなくてはいけません。市場ニーズに応えるために高品質なものを作り上げ、経費を抑えるためにコストを削減し、機会損失を避けるため納期を守って市場へ送り出すことが、利益アップにつながるためです。

そうした意味で、生産管理は製造業で大切なQCDを維持するためのものであり、利益の追求と事業拡大という目的を持っています。

生産管理の具体的な業務内容

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生産管理の業務内容は、利益目標設定や需要の分析、現場リソースの確認から仕入先の確保・コスト削減など多岐にわたります。ここでは各業務にわけて生産管理の具体的な業務内容について詳しくご説明していきます。

生産計画の作成

生産計画は生産管理を正しく進め、行うための設計図です。いつまでに、何を、どれくらい生産すればいいのかを計画し、その計画に沿って実際に製品を生産していきます。

生産計画は利益をあげる生産管理を進めるための設計図ですから、まずは自社が目指す売上目標を決定しなければいけません。売上目標を達成するためにはどのターゲットを選定すべきか、商品の製造数・販売価格はどのくらいにすべきか、などの販売計画を立てていきます。

続いて進めるのが、需要予測です。過去の市場データや例年の在庫推移を確認し、需要が高まった時期に製品を販売できるように納期や製造数を調整します。

生産計画では製造現場のリソース確認も大切です。自社のスタッフの人数やスキル、シフト状況、資材の在庫、設備や仕様などを確認していきます。そのうえで現実的な稼働状況や納期、製造可能数を加味し、最終的な生産計画を立てていきます。

生産計画については以下の記事でも解説しています。
生産計画とは?作成すべき理由と精度の高い立て方とは
生産計画はエクセルで良い?メリット・デメリットについて解説

調達計画の作成

調達計画では「いつまでに、何を、どれくらい製造するのか」という生産計画に基づき、製造に必要な部品や原材料の調達をどの程度行うかを計画します。

調達コストの増減は利益に直結することから、生産計画と連動して行われることがほとんどです。目標とする利益と需要、生産現場のリソースを加味したうえで原材料の在庫を確認して、「何を、いつまでに、どのくらい用意すべきか」を算出していきます。

調達計画において最も重要視されるべきは、コストを抑えることです。目標とする利益を再確認したうえで、過去の仕入れデータや現在の価格状況を参考にして、適正価格にて原材料を調達できるように計画していきましょう。

仕入先の選定も大切です。自社が必要とする量を確保できるのか、品質の問題はないか、発注から納品までの時間はどれくらいか、安定的な仕入れが可能か、などを見極めて仕入先を決定しましょう。また、価格変動や在庫切れなどのリスクをなるべく避けるために、調達計画では仕入先を複数選定しておくことが望ましいです。

原材料の調達は目標達成まで継続して行われるため、見積書・発注書の作成・送付・納期チェックといった調達業務は、日々のルーティンとなります。そのため、なるべく手間を省いて効率よく進めるように、事前に計画していくことがコストダウンにとって大切です。

調達業務を属人化せずに自社内で業務情報を共有化し、なるべくシステマティックに集中管理できるように事前に調達計画内で練っておきましょう。

製造工程の計画・管理

製造工程の計画・管理とは、立案した生産計画の中で取り決めた納期に沿って、製造工程が進むように計画し、現場にて逐次管理することです。

製造工程がスムーズに進むように生産プロセスを検討し、工数計画を作成していきます。作業員のスキルや設備の性能・仕様などの現場リソースも加味したうえで、計画を立てていきましょう。

実際に立てた計画の通りに製造工程が進んでいるか進捗を確認して管理することが、納期を守るためには大切です。逐次、実績報告等を受け、計画にて想定した通りの作業内容および作業スピードであるかを確認します。

予定より作業が遅れている場合はその原因を探り、作業員の増員や工程の見直しなどを行います。逆に早く進んでいる場合は、よりスムーズに作業が進むように、効率化のポイントを情報共有していきましょう。

製造工程を管理するMES(製造実行システム)についてはこちらの記事で解説しています。
MES(製造実行システム)とは?生産管理に取り入れるメリット

品質管理

品質管理では、製造された製品の工程手順や品質について検査・検証していきます。生産計画にて想定していた品質に達していればそれを保証し、達していなければ不良品対応をしなければいけません。

品質の確認作業では、1.仕入れた原材料に不備はないか受入検査をし、2.適切な手順にて製品が製造されているか確認し、3.出荷前の完成品が想定の品質に達しているかの検品を行います。

品質管理では不良品の問い合わせやクレームがあった場合の原因究明と対応も行います。不良品が発生した原因を明確にするためには、製造品のロットや作成日ごとに管理しなくてはいけません。製造工程における材料・工程・作業員・設備などを特定して原因を明らかにするためです。

在庫管理

在庫管理は、調達計画によって仕入れた原材料の在庫を適正量に保つために行われる管理です。

製造業にとって在庫は将来的に商品となり販売されるものです。つまり、自社の利益を生み出す原石ですから、適正な量を保ちつつ効率よく消費していくことが望まれます。調達計画と連携して在庫管理を進めていくことになるため、重要かつ作業量も多いパートとなります。

 

生産管理において重要な考え方となるMRP(資材所要量計画)についてはこちらの記事で解説しています。
MRPとは?生産管理の肝となる資材調達を効率化する

生産管理における課題点

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生産管理は情報量・業務量ともに多く複雑化しやすいため、管理が行き届きにくいものです。とはいえ、生産管理は製造業の利益に直接関わる管理業務ですからできる限り管理を徹底し、計画通りに進めなくてはいけません。

なぜ生産管理は難しいのか、それぞれの業務内容別に箇条書きにしてまとめていきます。

生産計画

  • 販売計画や需要予測、現場リソースなどを加味したうえで計画を立てる必要がある
  • 市場ニーズや製造現場の変化は珍しくなく、フレキシブルな計画の変更を求められる
  • 計画が変更された場合、各作業・管理をすべて見直さなくてはいけない
  • 担当者には柔軟な対応力や現状把握能力、データ分析力といったスキルが必要である

調達計画および在庫管理

  • ニーズの変化により発注数が予想と大きく外れる可能性がある
  • 計画のズレにより、在庫不足での納期遅延や在庫過多でのコスト増大の可能性がある
  • 市場動向をリアルタイムに把握し、正確な調達が求められる
  • 受注数の変更や飛び込みのオーダーに対応できる柔軟性も必要である
  • リスク分散のため原材料を安定供給してくれる仕入先を複数確保しなければいけない
  • 製品原価を考慮したうえで仕入先の選定をし、原価変動にも対応する必要がある

工程管理

  • 調達と製造が同時進行する中で工程手順を確認しつつ、最適な手順を考案し調整する必要がある
  • 生産負荷を特定の場所・人材・機材にかかり過ぎないように調整する必要がある
  • 全体を見渡して計画通りに作業工程が進んでいるか確認し、問題があれば改善のため情報共有する必要がある

品質管理

  • 検査における人的ミスをなるべく減らすような手順などを考案し調整しなくてはいけない
  • 品質トラブルがあった際にデータを分析し原因を究明する能力が必要である
  • 不良品の問い合わせやクレームへの対処法を事前に決めなくてはいけない

生産管理の効率を上げるには?

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生産管理の業務内容は多岐にわたるとともに、さまざまな課題を抱えています。マンパワーだけではなかなか解決が難しい生産管理の効率を上げるには何が必要なのか、そのポイントをご紹介します。

生産管理システムの活用

生産管理はQCDを維持し製造業の利益追求と事業拡大を目的としています。言葉で言うのは簡単ですがその業務内容は多岐にわたり、各部門において連携がとれない可能性があります。また、必ずしも計画通りにいくわけではなく、トラブル発生への対処、ニーズ変動や原因究明へのデータ分析力、急な受注への対応力なども求められます。このようなことから、結果として管理が行き届かず、思ったような成果が挙がらないことも珍しくありません。

大切であるものの実際に行うのは難しい生産管理を最適かつスムーズに行うためには、生産管理システムの導入がおすすめです。生産管理システムならば生産管理におけるさまざまな業務をひとまとめで管理できるため、業務を効率化できます。適切な生産管理を行えれば、QCDを維持・向上させ目的とする利益を達成できるようになるでしょう。

生産管理システムについてはこちらの記事で解説しています。
生産管理システムとは?メリット・機能・選び方を詳しく解説

ERPに内包された生産管理システムを使う

生産管理システムにはさまざまなものがあり、各業務を単体で管理するタイプも存在しています。もちろんそれらを導入しても生産管理業務を効率化することは可能です。

しかし単体で管理するタイプは各業務の連携が疎かになることもあり、必ずしも生産管理全体の効率化に結びつかない可能性があります。

そこでおすすめなのがERPに内包された生産管理システムの導入です。ERPとは統合業務システムのことで、生産管理における各業務が統合され連携されているものです。同一データ基盤を用いることで、各業務担当者がリアルタイムにて全体の情報を把握することができます。たとえば、各業務でのデータの二重入力や入力漏れを防ぐことができ、関連業務の進捗を確認することで、フレキシブルな対応をしやすくなります。

生産管理全体の効率化や連携を図るならばERPに内包された生産管理システムがおすすめです。

ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略で、日本語では、統合基幹業務システム、基幹システムといいます。また、ERPパッケージ、ERPシステム、業務統合パッケージなどさまざまな呼び方もされています。

参考:ERPとは?基幹システムとの違いやERPパッケージを解説

生産スケジューラで計画の精度を上げる

正確かつフレキシブルな作業により計画の精度を高めたいならば、生産スケジューラの導入がおすすめです。

生産スケジューラは生産計画に特化したシステムで、生産活動で必要となるリアルタイムの情報をもとにして、スケジュールを秒単位で作成し現実的に実行可能な指示を出力・伝達することができます。

弊社提供ソリューションのAsprovaでは、確定している受注情報や部品表などはもちろん、オーダーの追加・削除や設備故障といった突発的要素、設備や作業員の能力や作業時間といった必要要素などすべてを考慮したうえで、現実的かつ精度の高い計画を高速で立案することが可能です。

このように他の生産管理システムと違って、生産スケジューラは計画部分に特化したシステムです。計画精度をさらに高めたいのであれば有用なシステムであるといえます。実績管理システムと連携させれば予実管理の強化を実現可能です。

生産計画システム(生産スケジューラ)についてはこちらの記事で解説しています。
生産計画システムとは?その必要性と効果を詳細解説

生産スケジューラの活用についてはこちらの記事でご紹介しています。
製造現場における生産スケジューラの導入と活用の現状

まとめ

生産管理を行う目的はQCDを最適化し、企業の利益を高めることです。

生産管理を正しくスムーズに行い、フレキシブルな対応をするためには生産現場の実態を理解したうえで管理することが大切です。

実態にあった生産計画を立て、SCMを効率化するためには、生産現場の実態を反映させて効率化することのできる生産スケジューラが欠かせません。当社が提供するAsprovaならば、多品種・他工程製造業の必要要素と変更要素を加味したうえで精度の高い計画を高速に立案可能です。ご興味があればぜひダウンロードしてみてください。


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