生産管理プランニングとはどんな資格?取得メリットや方法まとめ

 2021.05.04  株式会社システムインテグレータ

製造業で利益を得るためには製品を製造・出荷し、販売しなくてはいけません。利益を最大限まで高めるには、製品の品質・資材や人材のコスト・納期が事前に計画した通りに進んでいるかを確認・管理する必要があり、生産管理は製造業において重要な業務となります。

生産管理プランニングは、そんな重要な生産管理を担う人材として知識・スキルを有していることを認める公的な資格です。

今回は、生産管理プランニングとはどのような資格なのか、資格取得で得られるメリットはなにか、資格取得の方法や試験内容、合格率などについて解説していきます。

生産管理業務についてはこちらの記事で解説しています。
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生産管理プランニングとは?

生産管理プランニングとはどんな資格?取得メリットや方法まとめ

企業の利益を実現するためには生産管理が重要です。生産管理を適切に行うためには正しい知識と業務を遂行できる能力が必要となります。

ここでは、生産管理の資格である生産管理プランニングについて簡単にご説明していきます。

生産管理とは

製造業において製品を製造・販売して利益をあげるためには、過去の実績から需要を予測し、原材料となる資材を調達し、現場リソースの確保を行い、工程の管理や在庫管理、品質チェックなどさまざまな業務を進めなくてはいけません。こうした生産活動に関わるすべての業務を管理することを「生産管理」といいます。

生産業務のQCD(品質・コスト・納期)を維持・向上し、企業の目標とする利益達成を実現するためにも、生産管理は徹底して行う必要があります。

このように製造業の現場において生産管理は重要なものです。そのため、業務を適切に進めるためには確かな能力と知識が求められます。未経験で知識の浅い人物が担当となるよりも、知識・能力ともに客観的に認められた人材が生産管理では求められているのです。

生産管理プランニングは「資格」のひとつ

生産管理プランニングは製造業に関する資格のひとつです。

生産管理は資材の調達や設備、人員の確保、在庫管理から出荷まで、製造業におけるさまざまな業務の管理を行います。生産管理プランニングという資格は、そうした生産管理の中でも「生産システムの設計・計画」について、高い能力と深い知識を持っていることを示すものとなります。

生産管理プランニングは「ビジネス・キャリア検定資格」の一種で、公的な資格です。有資格者は実際に職務を遂行するにあたって、一定水準以上の専門知識や実務能力があることが認められます。

生産管理プランニングの資格試験は「中央職業能力開発協会(JAVADA)」が主催しています。試験は毎年2回、10月と2月に47都道府県で行われ、受験資格に現在の職業や実務経験といった制限は設けられていません。

つまり、生産管理プランニングの資格試験は誰でもどの等級からでも自由に受けることが可能です。製造業に関わる人やすでに生産管理に携わっている人だけでなく、将来のキャリアアップを目指して資格取得したい方も受験できます。実際に高い級の生産管理プランニング資格を有する方は、企業内で重要視されますし、転職でも有利となる傾向にあります。ぜひ積極的に資格取得を目指していきましょう。

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生産管理プランニングの資格を持つメリット

生産管理プランニングとはどんな資格?取得メリットや方法まとめ-1

生産管理プランニングの資格を取得すれば、自身のスキルアップや企業への多大な貢献、キャリアアップなどさまざまな恩恵を受けられる可能性があります。実際にどのようなメリットがあるのか、いくつかご紹介します。

自身のスキルアップになる

生産管理を行うためにはデータの分析力や問題への対応力が必要で、生産性を向上させるためにさまざまな工夫をしていかなくてはなりません。じっくり学び、生産管理プランニングの資格を取得できるレベルまで自分を磨くことができれば、そうしたさまざまな力を自然に身につけることができます。

結果として、資格取得は自身のスキルアップにつながることでしょう。

企業の利益実現に貢献できる

生産管理プランニングの資格を取得している人材であれば、計画段階から業務に関わり、生産ラインの管理なども任されやすくなります。生産管理業務を通して最終的に利益をあげることができれば、企業に対して貢献することができ、達成感を味わうことができるでしょう。

企業にとって欠かせない人材になれる

生産管理プランニングは公的な資格ですから、有資格者は生産管理における生産システムの設計や計画業務について確かな能力と深い知識を有していることが客観的に認められます。それは企業の利益に直結する能力・知識であるため、有資格者は企業にとって欠かせない人材として重宝されることでしょう。

キャリアアップに役立つ

生産管理プランニングは「ビジネス・キャリア検定試験」の一種で「中央職業能力開発協会(JAVADA)」が試験を主催する公的な資格です。生産管理における一定水準以上のスキルや知識を持っていることは資格によって客観的に認められているため、転職の際も有利になりやすいでしょう。

より上位の生産管理プランニング資格を有していれば、転職により待遇の改善やキャリアアップを実現できる可能性も大いにあります。

生産管理プランニングの資格取得のための必須知識

生産管理プランニングとはどんな資格?取得メリットや方法まとめ-2

生産管理プランニングは公的な資格であり、取得できれば一定水準以上のスキル・知識を有していることが認められます。将来のキャリアアップや企業の利益実現に貢献できるような人材になりたいと考えるのであれば、資格はぜひ取得しておきたいところです。

ここでは生産管理プランニングの資格取得のために必要な知識をご紹介していきます。

「生産管理プランニング」は生産管理分野の資格の一種

生産管理業務の内容は、需要の予測、資材の購入、製品開発、製造、出荷、設備・人材管理、在庫管理など多岐にわたります。生産管理プランニングはこの中でも「生産システムの設計・計画業務」が主となる資格です。つまり、生産管理分野における資格のひとつということになります。

生産管理プランニングにはいくつかの級があり、それ以外の資格も存在しています。

BASIC級 生産管理

学生や新入社員を対象とした資格です。

有資格者は生産管理の全体像を理解し、業務を行ううえで必要となる基本的な用語や、生産管理のコンセプトなど基本的知識を身につけています。広く浅くではありますが、基礎的なものを理解しているため、従業員と仕事に関するコミュニケーションを円滑に行える人物であると想定できます。

3級 生産管理プランニング

製造業にて実務経験が3年程度ある方が主な対象となる資格です。若手やリーダーとなる社員が想定されます。

有資格者は「製品規格・設計管理」「生産システム・生産計画」「品質管理」「原価管理」「納期管理」「安全衛生管理」「環境管理」といった幅広い分野で基本的な知識を身につけています。

2級 生産管理プランニング 

製造業にて実務経験が5年程度、中堅からマネージャークラスの方が主な対象となる資格です。

2級では、「製品規格・設計管理」「生産システム・生産管理」で分かれ、さらに「生産システム・生産管理」はプロセス型と加工型・組立型の2つに分かれます。3級までの基本的知識に加えてより専門的な知識を有することが認められます。

1級 生産管理

1級は製造業にて実務経験10年以上のベテランや部長クラスの方が主な対象となる資格です。

有資格者は生産管理全般の深い知識を持つことはもちろん、実務におけるさまざまな問題や状況変化に対応できるマネジメント力を持っていることが認められます。

試験の内容は?

生産管理プランニングの試験は等級ごとに出題内容が全く違います。具体的にどのような試験範囲でどのようなことが行われるのか確認していきましょう。

BASIC級 生産管理

生産システムと生産設計の基礎、製品企画・品質管理・安全衛生管理や基本的用語といった生産管理全般の広く浅い知識が必要です。回答形式は真偽法で行われます。生産管理初心者用の問題であるため決して難しくはありません。

3級 生産管理プランニング

生産管理における製品企画・設計管理・生産システム・生産計画・品質管理・原価管理について出題されます。当然、BASIC級よりも専門性が高くなりますが、それでも出題内容は初心者向けです。4つの選択肢から正解を選ぶ回答形式であり、実務経験があれば問題なく答えられるものです。

2級 生産管理プランニング

全体の出題範囲は3級と同じですが、専門性が高くなっているためより深い知識が必要となります。

受ける試験は「製品規格・設計管理」「生産システム・生産管理」の分野に分かれ、生産システム・生産管理についてはさらに「プロセス型」「加工型・組立型」の試験に分かれます。

難易度は専門性が高くなっている分だけ上がっていますし、どの試験を受けるかによっても変わります。5つの選択肢から正解を選ぶ回答形式です。

1級 生産管理

これまでの試験出題範囲が含まれており、深い知識が必要です。そして新たに実務的なマネジメント力が試され、知識だけでなく応用力なども必要となります。問題は3問のみですが、回答が論述形式であり、難易度は1級にふさわしく、最も高いです。

合格率は?

生産管理の試験合格率は以下の通りです。

  • 3級は4つの選択肢から正解を選ぶ形式、正答率60%以上合格で72%
  • 2級は5つの選択肢から正解を選ぶ形式、正答率60%以上合格で、生産システム・生産計画のプロセス型が47%、加工型・組立型が35%、製品企画・設計管理は61%
  • 1級は設問数は3問のみ、すべて論述式、試験全体の正答率が60%以上かつ、各設問で30%以上の得点が必要で合格率38%

1級の合格率が40%以下で難易度が高いことはもちろんですが、2級でも加工型・組立型の合格率が低く狭き門である可能性があります。

ちなみに、中央職業能力開発協会(JAVADA)では学習支援として標準テキストおよび解説集の販売と認定講座を用意しています。

標準テキストは出題範囲にもとづく内容で、定説・通説に従い理論を踏まえた実務書となっています。基本的な知識を身につけられることはもちろん、実務にも応用できる内容です。

解説集は過去に出された問題を解説するもので、試験対策として利用可能です。
認定講座は試験区分に対応した教育訓練講座となっています。受験対策はもちろん、生産管理を体系的に学びたい方にもおすすめです。通学だけでなく通信による受講もできます。

級が高くなればなるほど試験内容は難しくなり、合格率もそれに応じて下がっていきます。狭き門ではありますが、相応のメリットも確実にありますからぜひ頑張って勉強していきましょう。

受験方法は?

試験は全国47都道府県で年2回、2月と10月に行われています。中央職業能力開発協会(JAVADA)に受験申請と受験料を納付することで受験票が送付されます。

受験料はBASIC級で3,300円、3級は6,200円、2級は7,700円、1級は11,000円です。

詳しい試験日程や試験会場の情報、受験料の支払い方法、試験地一覧は中央職業能力開発協会のHPに記載されています。申し込み前や受験前に必ず確認するようにしましょう。

まとめ

生産管理プランニングを始めとした資格を取るために生産管理について体系的に学ぶことは、生産管理における知識や能力を養うために有意義なことです。実際に高いランクに合格すれば、公的な資格としてその知識や能力が客観的に認められます。企業の利益実現に貢献できるようになりますし、転職によるキャリアアップの可能性もでてきます。

また、対外的なメリットだけでなく、身につけた知識は自信につながりますし日々の生産管理業務に良い影響を与えることは間違いありません。ぜひ頑張って生産管理プランニングの資格を取得していきましょう。

とはいえ、実際の生産管理業務は知識だけでは解決できない問題もたくさんあります。生産現場はさまざまな社会的状況や急な受注、コスト変動などによりリアルタイムで刻一刻と変化するためです。

そのような変化にフレキシブルに対応するためには知識や経験だけでなく、業務に適した生産管理ツールをうまく活用することも重要になります。

生産管理を行う目的はQCDの最適化です。実態にあった生産計画を立て、SCMを効率化するためには、生産現場の実態を反映させることのできる生産スケジューラが欠かせません。Asprovaならそれができるので、興味があればダウンロードしてみてくださいね。

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