ビジネス環境の変化が激しい現代、企業は競争力を維持・高めるためにあらゆる施策を行っています。その文脈でBXやDXに取り組んでいる企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、BXとはなにか、DXとの関連と併せて詳しく解説します。
ビジネストランスフォーメーション(BX)とは?
ビジネストランスフォーメーション(BX)は、企業が現在のビジネス環境において競争力を維持・強化し、持続的な成長を達成するためにおこなう取り組みのことです。
ビジネス戦略や事業モデル、組織構造、業務プロセス、ITシステムなどの全体的な見直しや改革などを行います。
BXを実現するためには、経営陣や従業員のビジョンや意識の統一が重要であり、また、適切なシステムやプラットフォームの導入、データ活用やテクノロジーの最新動向に対応した戦略策定が求められます。
また、BXは2つの種類に分けられます。詳しくご紹介します。
ビジネスモデルトランスフォーメーション(BMX)とは
ビジネスモデルトランスフォーメーション(BMX)は、既存のビジネスモデルを見直して変更したり、新しいビジネスモデルを作ったりすることです。BMXの主な目的は、顧客価値の向上や収益創出の拡大、市場環境や競合企業に対応する競争力の強化です。BMXでは、デジタル技術の活用やマーケティング戦略の見直し、グローバル展開の推進、業務プロセスの効率化など、さまざまな要素が組み合わさって企業の成長を支援します。
ビジネスプラットフォームトランスフォーメーション(BPX)とは
ビジネスプラットフォームトランスフォーメーション(BPX)は、企業がビジネスモデルや業務プロセスの変革を実現するために、IT基盤やシステムの整備・最適化を行い、効率的かつ効果的なオペレーションを支えるプラットフォームを構築する取り組みです。BPXでは、適切なシステムやアプリケーションの導入、クラウド化やAPIの活用など、さまざまな技術を駆使することで既存業務をより柔軟に、かつ円滑に進めることができるようにします。
BXとDXの関係とは
BXとDX(デジタルトランスフォーメーション)は密接な関係にあります。年代によって若干意味がことなってきますので、ここでは変遷と合わせてご紹介します。
2004年に提唱されたDX
DXという言葉は2004年にスウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマン氏が提唱しました。ここでDXは「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」として定義されています。
2010年に提唱されたDBX(デジタルビジネストランスフォーメーション)
スイスのビジネススクールIMDの教授であるマイケル・ウェイドらによって提唱された概念です。ここでは社会全体ではなく、企業や経営、事業にフォーカスしたデジタルへの取り組みについての必要性を訴えています。企業が今後競争力を保つためには、積極的にデジタル活用に取り組む必要があるとしています。
本記事で解説しているBXはこのDBXとほぼ同義になります。
2018年以降のDX
経済産業省が2018年に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(通称:DX推進ガイドライン)」を公開しました。その中でDXについては「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。
本定義もDBXの流れを踏まえ、企業にフォーカスした定義となっており、昨今では「DX」とはデジタル活用によって企業が競争優位性を確立するために、業務プロセスの改善のみならず、ビジネスにおいてあらゆる変革を起こすことを指します。
ビジネストランスフォーメーション推進のポイント
ビジネストランスフォーメーションを推進する上でのポイントは、「現状分析」と「理想の状態」の確認です。
既存業務の見直し
まずは既存業務の見直しが重要です。既存業務を洗い出し、業務プロセスの効率化や無駄な業務や作業を省くことで、業務品質の向上が期待できます。
業務の棚卸を実施することで、実は不要な作業や、形骸化したまま進めている業務、非効率なまま実施している業務などが見つかるでしょう。デジタル技術の活用によって業務の自動化や効率化を図ることがBX推進のポイントです。
例えば、バックオフィス業務の改善には、ERPを導入して業務を統合システム化することで、アナログ業務の削減や属人化の防止が可能になります。また、顧客情報を有効に活用したいという課題があれば、CRMの導入も効果的です。
環境の変化に対応できる業務改革
現代の企業を取り巻くビジネス環境は急激に変化しており、企業が成功を収めるためには、この変化に適応する能力が求められます。そのためには、現状の業務を見直すだけでなく、先を見据えた中長期的な視点での業務改革が必要です。
変化に応じて柔軟に対応できる力も不可欠ですが、そのためにはデータドリブンな意思決定が重要です。データを活用し、客観的かつ迅速に意思決定を行うことで、企業は変化する市場ニーズに柔軟に適応し、競争力を維持することができます。
業務の見直しや改善ならシステムインテグレータ
属人化した業務やアナログ業務が残っていると、企業の成長を阻む可能性があります。業務を棚卸し、業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止、そして企業全体の生産性向上につながります。業務改善にお悩みの方は、ぜひ株式会社システムインテグレータにご連絡ください。業務の洗い出しや問題点の整理からお手伝いさせていただきます。
まとめ
企業が今後競争優位性を確保するためには、デジタル技術の活用が不可欠です。しかし、やみくもにシステムを導入するのではなく、現状の課題を洗い出し、望ましい状態を整理してから必要に応じてシステム活用を検討しましょう。
DXについてより詳細をまとめた資料もありますので、ぜひ併せてご覧ください。
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