適用分野2:エンジニアリング業の作業・図書管理
工事の進捗管理と図書の作成管理を
「工程表」で一括管理
1.作業スコープと成果物スコープ
(スコープ管理を徹底)
最初にスコープを明確にして「見える化」し、メンバーで共有しよう
エンジニアリング業では、「設備仕様書」や「試運転要領書」など非常に多くの図書を作成します。プロジェクトで作成すべき図書を一覧化し、作成やレビューのスケジュール、担当者をきちんと計画して「見える化」することは工程管理の第一歩です。このとき重要なのがスコープの考え方です。
プロジェクト管理の世界標準PMBOKでは、プロジェクトに含まれるものが何かを明確に定義するスコープ管理を重要視しています。スコープがあいまいだと、お客様との間で思わぬトラブルとなるだけでなく、作業スケジュールや作業分担にも支障をきたしてしまいます。
一般にスコープには、「作業スコープ」と「成果物スコープ」があります。例えば、PMBOKが浸透しているIT業界のシステム開発では、要件定義作業や結合テストなどの工程・タスクが「作業スコープ」で、設計書などのドキュメントや完成したプログラムコードなどが「成果物スコープ」となります。そして、これらを同じガントチャート上で一括して進捗管理しています。
この構図はエンジニアリング業でも同じです。設備設計や試運転・調整などの作業が作業スコープで、設備仕様書、予備品リスト、試運転要領書などのドキュメントが成果物スコープです。そしえ、これらの作業・図書作成予定を工程表で一括管理することにより、スケジュールに遅れが発生した際にすぐに対応できるようになります。
全ての工程情報をガントチャートで共有
2.工程表(計画)をきちんと立て、こまめに変更(リスケ)する
最初に引いた工程表をタイムリーに見直して、最新の計画を共有しよう
スケジュール管理においてもスコープ管理においても工程表はとても重要な指針です。3つの正しい運用でプロジェクトを成功させましょう。
①きちんとした工程表を作成する
工程表にスコープをすべて載せましょう。作業スコープと成果物スコープを一括して工程表に記載し、担当者とスケジュールを明確にしましょう。
②実績をトラッキングする
工程表は「計画」ですが、そこに「実績」をトラッキングしなければスケジュールをコントロールできません。工程やタスクの進捗状況を報告する運用ルールを作り、プロジェクトメンバーが毎日進捗を反映するようにしましょう。
③工程表をこまめに見直す
最初に工程表を作ったっきり、遅れや追加タスクが発生してもそのままにしているケースがあります。その場合、もはやゴールに向かう道しるべがない状態となってしまい、遅れが増大してしまいます。②で実績をトラッキングしたなら、必要に応じて計画の修正を行うようにしましょう。
4.EVMグラフで進捗をぱっと把握する
進捗報告を行うと、自動でEVMグラフが表示される
EVMはプロジェクトの進捗を3つの値でぱっと把握できる便利なグラフです。3つの値とは、進捗の計画値(PV)、進捗の実績値(EV)、コストの実績値(AC)です。PVは工程表を作成して、各タスクの計画工数を入力すると自動的にプロットされます。EVは各タスクの進捗率を報告すると自動的に計算されます。さらに工数入力を行って日々どのタスクにどのくらい作業したか報告していればACの値も表示されます。
工数入力を行っていない場合でも、計画値(PV)と実績値(EC)が対比されるので、パッと進捗状況を把握することができます。OBPMは、上記の進捗報告を行うと自動的にその時点のPV、EV、ACが計算され保存されますので、例えば毎週定期的に進捗報告すると週単位のEVMグラフが自動作成されます。
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