いよいよ2020年、小学校でもプログラミング教育が始まります。高校、大学のプログラミングの講義への注目度もより高まるなかで、学生のやる気をどう引き出すか、どのように自立学習へ結びつけるかというモチベーティングのポイントを、筆者のこれまでの経験と結び付けて発信します。
理系の研究で役立つプログラミング
筆者の専攻は、工学部の応用物理学科。光や磁石、宇宙等の特性について明らかにしようという学問でした。量子力学やシュレーディンガー方程式など聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?応用物理学科は実験系と理論系の大きく2通りの研究室があります。実験系は手を動かして新しい物質を見つけたり、つくったりします。一方、理論系は、こんな特性の物質があったなら、こんな性質を示すだろうというようなモデルをつくり、コンピュータの中でシミュレーションする学問です。
この研究では、目に見えないくらい小さい現象、宇宙で起きているような遠くの現象、数億年先に起きるようなことまで予測できます。そこが魅力であり、数学や物理、プログラミングを駆使して実現できることです。
宇宙や自然科学に関心のある学生へは、「目に見えないことも分かるようになるんだよ」というトーンでプログラミングの重要性を話すと、伝わりやすいのではないでしょうか。
文系のキャリアにもプログラミングは役に立つ
その後、筆者は文系大学院⇒文系職と文系の道を歩んでいるのですが、プログラミング経験は、本当に役に立っています。
事業を分析する際に、数千件の情報をあっという間にウェブからとってきたり、それらのデータを加工して、見たい数値を出力するのにもプログラミングが使えます。事業のプロモーションのためのウェブサイトをつくろうと思い立ったときも、結構スムーズにコードを書き、修正できました。
昨今、データサイエンティストが、子どものなりたい職業ランキングで上位に入っています。「データでいろいろな身の回りのことが分析できる。データサイエンティストに一歩近づけるよ」という話の切り口は、なかなか響きそうですね。
ゲーム感覚で、純粋に面白いと感じてもらうのもありかも
純粋に問題を解くことを楽しむ、競うことを主眼にしたアプローチもありそうです。ゲーム感覚で何かに打ち込んだ結果、気付くとその分野の技術が身に付いていたというようなことは学生の場合、往々にしてあります。
近年、国内外のエンジニアや学生の間で、「競技プログラミング」が存在感を高めています。制限時間内に参加者が一斉に、出題された問題を解くためのプログラミングをするというものです。高校、大学のすでに学習レベルの高い学生には積極的に紹介して、自律的な学習を促してみるのは良さそうです。
「組織でプログラミング問題に取り組んでみたい」という学校では、プログラミング問題を解いて学べるサービス(弊社サービスでいうところのTOPSIC)がオススメです。皆で同じ問題にチャレンジして、解けたら喜んで、解けなかったら悔しがって、学習して再チャレンジ。過去の記録が残るので、時系列で成長も確かめられます。
最後にまとめ
本日は、学校でのプログラミング教育における学生へのモチベーティングのヒントとして、以下の3点をお伝えしました。
- 理系の研究で役立つプログラミング
- 文系のキャリアにもプログラミングは役に立つ
- 純粋に面白いと感じてもらう。ゲーム感覚で始めるのもありかも
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