近年では、さまざまな業界でIT化が進んでいます。ほとんどの企業で、サービスや商品を提供するまでにおいて、何らかのITツールを活用しているでしょう。このような背景から、最近ではIT職の求人が増えており、裏返すとエンジニア採用の難易度が高まっています。本記事では、エンジニア採用を成功させる求人のポイントを解説します。
IT業界の求人市場の動き
専門性が高く、かつ現代のサービスにおいて不可欠といってもよいIT業務。近年のIT職の求人市場は、どのようになっているのでしょうか?
エンジニアをはじめとしたITに携わる職種は、非常にタスクが多いのが特徴です。激務でなかなか職場から帰れないこともあります。そのため、IT業界やエンジニア職への需要に対して、求職者が少ないのが現状です。
よって、エンジニアの採用は全体として倍率が高く、いわゆる「売り手」市場です。eラーニングの発展やキャッシュレス決済の普及など、あらゆる業界でIT化が進んでいるため、今後もIT職の需要は増え続けると予想されます。今後エンジニアを採用する難易度はますます高くなるでしょう。
エンジニア採用が失敗する理由
売り手市場のエンジニア採用では、採用チームの力量が最終的には企業の成長に大きく影響します。しかし、現実にはエンジニア採用で失敗するケースも多く、以下に、エンジニアの採用が失敗する理由を具体的に解説します。
採用担当のIT知識不足
まずは、採用担当のITに関する知識が不足しているケースです。採用担当は基本的に「人事」が専門であり、ITやエンジニアリングの仕事について想像しにくい側面があります。そのため、採用の目的にマッチした人材の把握ができず、結果としてミスマッチな採用になることが多いのです。これを防ぐには、採用担当であっても、プログラミング言語や現場の業務、求められる要件について一定の理解をしておくことが重要です。
給与が低い
給与に関する条件面で、採用がうまくいかないこともあります。とくに多いのが、冒頭で触れたように、「激務」であるIT職に対して給与が見合っていないと求職者が感じるケースです。
また、残業が多い企業の場合、基本給に残業代が予め含まれるケースがあります。しかし求職者からすると、この形態を取っていることが残業の多い証拠なのではと感じとり、敬遠することもあるようです。
エンジニア求人の年齢制限が厳しい
応募のハードルを上げているひとつの要因が「年齢制限」です。さまざまな企業の求人募集の要件を見てみると、若い年齢を設定している企業が多いことに気づくでしょう。これは、若い年齢の求職者を雇うことで、その企業で長く働いてもらえるからです。もちろん、ある程度若い戦力を増やすのも戦略の1つですが、求職者側は20代、30代よりも40代が多い傾向にあります。若いエンジニアは採用側からすると競争率が高く、年齢制限による需要側と供給側のミスマッチが、エンジニア採用の難易度を上げることにつながります。
エンジニア採用を成功に導く求人とは?
エンジニア採用が失敗する原因を踏まえ、ここでは採用を成功させる求人について解説します。失敗する要因の改善に加え、以下のポイントも踏まえて求人を作成することをおすすめします。
明確なキャリアパスを提示する
エンジニアに限ったことではありませんが、その会社の仕事を通じてどのようなキャリアパスがあるかを明示することが大切です。特にエンジニアの職種は多岐に亘るので、具体的に伝えることで求職者もその会社での成長をイメージしやすくなります。内容としては、そもそもエンジニアを採用している背景や、募集しているポジションの詳細、仕事内容などを明確にしましょう。そのうえで、求職者とすり合わせを行います。
募集しているエンジニアの職種を明確にする
エンジニアにも職種が幅広くあるので、「SE」や「ITエンジニア」といった大枠ではなく、使用する開発環境や求める人材要件を明確にすることがポイントです。これまでの経験やスキルが活かせるかどうかが求職者にとっては重要なため、大まかな記載では敬遠される可能性があります。可能な限り、どのような業務に携わるのか、プロジェクト内容も含めしっかりと伝わる求人内容にしましょう。
現場のエンジニアにも採用活動に参加してもらう
採用担当者もITやエンジニア業務の基本についてキャッチアップする必要がありますが、実務に携わるわけではないため限界はあります。よって、現場が求める人材を確保するには、現場のエンジニアを採用活動に巻き込むことがポイントになります。現場のエンジニアに詳しくヒアリングすることで、よりよい募集要件を掲載でき、面接でも専門的かつ具体的な話をすることができます。
デキるエンジニア志望者を集める求人のポイント
最後に、優秀なエンジニア志望者を集める求人のポイントを解説します。ターゲットが魅力に感じるポイントを打ち出すには、以下の内容を意識しましょう。
まずは、開発の内容について具体的に開示することです。エンジニアの業務は幅広く、人によって対応できる範囲が異なります。そのため求人を出す際は、プロジェクトの内容について具体的に説明することで、条件にマッチしたエンジニア志望者が応募してくれるでしょう。付随して、経験やスキルなどの必須要件、開発言語も伝えます。
もう少し俯瞰的な視点からみると、その企業全体のビジネスについてもしっかりと伝えた方がエンジニアの興味を引くでしょう。開発などの業務を通じて、企業のミッションやビジョン、目標などにどう関連するのかが可視化できていると、採用後も高いパフォーマンスを発揮してくれる可能性が高まります。開発に携わるプロダクトがどのようなビジネスの仕組みになっているか、顧客のどのような課題を解決するのか、といったポイントもセットで伝えましょう。
その他にも、自社の環境面も大事な要素です。近年は働き方の柔軟性が増しています。リモートワークが可能ならば、大きなアピール要素になるでしょう。切磋琢磨できる魅力的なエンジニアが社内にいれば、それもアピールすると効果的です。
まとめ
本記事で解説した内容は、エンジニアの採用で悩んでいる企業の担当者にとって、心当たりのある部分が多かったのではないでしょうか。たとえば、給与面のようにすぐには対策しづらい部分もあれば、明日からでも改善できるポイントもあります。自社のビジネスを支える優秀なエンジニアを採用し、自社の成長につなげていきましょう。
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