Webエンジニアの新卒採用で失敗しないための方法をご存知でしょうか。エンジニアは技術職のため、その能力を判断することは一朝一夕では難しい面が存在します。
Webエンジニアに限らず、新卒採用においては候補者と企業の双方がお互いについてよく理解することが求められますが、中途採用と異なりこれまでの経験から能力を図ることができないため、専門性を求められるエンジニア職の新卒採用はひときわ難易度が高いと言えます。
今回はWebエンジニアの新卒採用で失敗してしまうポイントと、新卒に望むべきスキルセットについて記述し、Webエンジニアの新卒採用について解説します。
Webエンジニアの新卒採用で失敗してしまう理由とは
企業はなぜWebエンジニアの新卒採用で失敗してしまうのでしょうか。それは学生の理解の問題や、企業の行動量の少なさ、対応のまずさが原因と考えられているのです。
その理由を順に解説します。
Webエンジニアの現場を理解できていない
新卒の学生はもちろん社会経験者ではありません。アルバイトでWebエンジニアの経験をしている稀有な例もありますが、基本的には彼らは初心者であり、Webエンジニアとして働くことの本質やそのイメージがついていません。そのために、企業はWebエンジニアとして働くにあたっての意味合いや、詳細な内容をしっかりと説明する必要があります。
できるだけ現場の話をするのが良いため、ひと月や半年単位でのWebエンジニアの業務内容を説明することが最も効率が良い説明でしょう。通常の業務量、残業、繁忙期の業務や残業などをしっかりと説明して、理解を得ることはとても重要です。
短い期間であってもインターン等を実施することも有効です。
自社の業務を理解してもらってから応募してもらうことで、双方のミスマッチを減らすことができます。
オウンドメディア利用などの施策がなく社風が理解されない
オウンドメディアを運営して業務や社風を十分に発信できている企業はごく一部です。そうした情報発信ができていない場合、新卒の候補者にその企業がどんな仕事をしているのかを理解してもらうことは困難です。そうした場合、なんとなく表層を見る、福利厚生で選択してくる、なんとなくITに興味がある、などの軽い理由で採用試験を受ける候補者ばかりになりがちです。
社風など温度感のある情報は例えばSNSなどで発信できると良いですが、たくさんの企業を応募する学生にはそれぞれのSNSをフォローして深く読むような時間的な余裕はありません。であれば、コントロールされた情報になってしまいますが、必ず見る企業サイトで情報が整理されている方が学生にとってはありがたいといえるでしょう。社風やカルチャーへの理解が不十分だと、学生にとって不安が残ることもあり、売り手市場の今ではなかなか内定承諾に至らないのが現実です。カルチャーフィットができないと定着率の悪化にもつながるので、自社の空気感を発信することは重要です。
採用担当者の態度の悪さなどから印象が悪い企業になっている
当たり前ですが、企業と学生は友達ではありません。学生の態度が悪い例が目立っていた時期もありましたが、近年は面接中のモラルハラスメントなどや、合否の連絡が遅いこと、採用担当者の態度が悪いことなどから、学生からの印象が悪い企業になってしまうこともあります。
また、メールに対しての連絡が遅いということも往々にして存在しています。こうした対応の悪さは学生の間でまたたく間に広まります。企業だからといって偉いということはなく真面目な視点で新卒の学生に対して良い印象を持ってもらえるよう努力しなければなりません。
会社あっての従業員、従業員あっての会社ということを理解するようにしましょう。
Webエンジニアの新卒採用で成功するための3つのポイント
Webエンジニアの新卒採用で成功するためには3つポイントがあり、企業の特徴や強みを4種類に分割すること、採用担当者の態度やレスポンスを良くする、採用にもPDCAなどのマネジメントを活用するなどのポイントがあります。
企業の特徴や強みを4種類に分割する
企業の特徴や強みを4つの種類ごとに分けて理解することで、説明会や面接、求人票などにおける企業のアピールポイントを詳しく説明できることが大切です。
- 事業の特徴
- 開発風土
- 職場環境
- スキルアップ
これらの4つの種類の事柄に関して特徴や強みを企業が理解することが最初のポイントです。事業の特徴はどんなところなのか、会社の事業の細かな特徴、開発風土においては、技術力や最新技術が使われるのか、職場環境ではワークライフバランスが整っているか、スキルアップでは教育が積極的に行われるのか。しっかりと分類を行い、伝わりやすくメッセージを整理する必要があります。企業自体が自身の魅力を説明ができなければ、誰も魅力を伝えることはできません。
優秀な学生を採用するには「選ばれる側である」という気持ちを持ちましょう。
採用担当者の態度やレスポンスを良くする
印象が良い企業と、印象が悪い企業で内定をもらった場合、最終判断が印象になる可能性は十分にあります。学生は「社会人はしっかりしているのだろう」「良い会社は社員も良いだろう」と思っています。
いくら他の業務が忙しいからといって、学生には関係ありません。面接官が約束の時間に遅刻してしまったり、振る舞いがルーズであったり、言葉遣いや態度が悪いなど、悪い印象を与えるようなことをしていては、せっかく内定を出しても別の企業に持っていかれてしまいます。
またそうした振る舞いだけでなく、結果や案内を素早く伝えるということも重要です。散々待たされて忘れたころに次の面接の案内をもらっても、不誠実な企業だなという印象を受けてしまいます。
どの求職者も未来の企業の社員と考えて接することが、印象を良くし、更なる優秀な求職者を呼ぶ呼び水となるでしょう。
採用にもPDCAサイクルなどのマネジメントを活用する
PDCAサイクルは採用活動の改善にも役に立ちます。基本に立ち返り、何が悪かったのか、何が良かったのかを分析し、PDCAサイクルを採用にも行うことで、人材獲得競争において優位性を確保することができます。
採用の課題は大きく、母集団の形成(質と量)と内定承諾率に分けられます。
自社にマッチした優秀な人材にたくさん応募してもらうための施策と、応募してもらった後に競合に負けず自社を選んでもらうための施策の両面に対してPDCAを回し、採用活動を強化していきましょう。
企業が新卒のWebエンジニアに求めるべきスキルセットとは
新卒のWebエンジニアに対して求めるべきスキルセットは、学習意欲が高くコミュニケーションが取れることや、最低限の資格を持っていること、基礎的なWebエンジニアの言語知識などです。順番に解説していきます。
学習意欲が高くコミュニケーションがしっかり取れること
新卒のWebエンジニアに対して、求めるものは即戦力ではないということです。つまり学習意欲があることや、コミュニケーションを取ることができ、理解力があることが大切になってきます。エンジニアにとっては生涯学習は前提です。
そのためには学習意欲がある存在であること、そして指示を的確に理解して、周りと同調できるコミュニケーション能力を持っていること。繁忙期などにもコミュニケーションが取れる存在であることは大切です。繁忙期は上司からの指示がもらいづらいこともありますが、日々のコミュニケーションが取れていることで、最低限のやり取りで良いなどや、伝えるべきやり取りができるなど、基本的なことができることが一つ目のポイントです。
「ITパスポート」など最低限の資格
最低限の資格としてITパスポートを持っていることが重要です。情報処理技術者試験において、基本情報技術者試験は、実際の業務や言語に関する理解が必要なレベルの資格試験となりますが、ITパスポートは情報処理技術者試験におけるエントリーレベルの資格として持っておいて欲しい資格となります。
それがある学生であれば、書類選考で足切りすることなく、面接まで進んでもらうなど、企業とマッチする内容であることが重視されるべきなのは間違いありません。そのため、学歴ではなく資格などを持っている新卒の学生、意欲のある学生とのマッチングを重視することなどを応募要項に書くなどの対応を企業側も行っていくべきでしょう。
HTMLとCSSについての基礎知識
Webエンジニアにとって、HTML/CSSは基礎中の基礎であり、これは仕事をするうえで必須になってくるマークアップ言語/装飾言語です。企業は学歴よりも努力や熱意を見るべきであり、より企業のあり方とマッチングする新卒のWebエンジニアを取ることが大切です。
結果的に優秀な人材を逃したとしても、マッチしている人材を採ることの方が離職率は低く、結果で答えてくれる可能性があるのは後者であるといえます。もちろん優秀な人材でマッチしていることが理想ではありますが、新卒の応募要項に書くべき内容はしっかりと精査するという条件から考えると、HTML/CSSの基礎知識程度に留めておくことが良いとも考えることができるでしょう。
まとめ
Webエンジニアの新卒採用の失敗例や、成功するためのいくつかのポイント、新卒に求めるスキルセットについて解説しました。エンジニアとしての素養を見ることが大切であり、書類だけで切ってしまうことは優秀な人材を失うことにつながりかねません。
また、Webエンジニアのスキルを客観的に見るために、「TOPSIC」などのWebテストツールを活用することで、新卒の学生のレベルに合わせたWebテストを実施することが可能となります。客観的に新卒の能力を判断できるため、導入をお勧めします。
企業と新卒がよりマッチするような募集要項、理解を深めるオウンドメディアやツールを利用して優秀な人材を確保しましょう。
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