オウンドメディアリクルーティング(OMR)とは?

 2021.05.14  株式会社システムインテグレータ

オウンドメディアリクルーティングについてご存知でしょうか。自社で運営するメディアを利用して、自社主体でメッセージを発信し人材獲得をする能動的なリクルーティングのことです。

企業として、欲しい人材とのマッチングを図るため、自社の価値観などの直接的なメッセージを届けるための新しい試みです。

今回はオウンドメディアリクルーティングとはなにか、メリットやポイント、注意点について記述し、全体像を解説します。

オウンドメディアリクルーティング(OMR)とは

オウンドメディアリクルーティングとは、自社の運営する「採用サイト」や「SNS」などのメディアを軸に自社が主体的にメッセージを発信することで、人材獲得につなげることができる能動的なリクルーティングの形態です。

採用にはリクルートやマイナビといった外部の媒体を利用したり、エージェントに依頼したりする方法もありますが、OMRは自社の情報発信することで直接の応募を増やすことも期待できますし、きっかけが外部媒体であっても理解を深めてもらい志望度を上げることにもつながります。
特に今は売り手市場ですので、自社を魅力的に思ってもらえないと、金額面だけで比較されてしまい、なかなか採用が進まないという背景があります。

これを解決する手法として、オウンドメディアを通したリクルーティングが注目されています。企業にとって本当に必要な求める人材、価値観、スキルについて細かく発信できることや、人材からすると見えてこなかった企業の本来の姿や、自分が希望する価値観との相違がないかどうかを確認するポイントとして活躍しているのです。

オウンドメディアリクルーティングを利用するメリットとは

オウンドメディアリクルーティングを利用するメリットは、活躍する可能性の高い人材の獲得や、認知度の向上、正しい情報の提供が可能になることです。メリットの詳細について解説していきます。

活躍する可能性の高い人材を獲得できる

「活躍する可能性の高い人材」は具体的には以下のような人材です。

  • 自社の職務に必要なスキルの適合度が高い
  • 自社の価値観との適合度が高い
  • 企業と人材のマッチ度が高い

これらの人材は高付加価値人材と呼ばれています。企業はいままでの採用方法ではこの高風化価値人材を獲得することが難しくなっているのが現状です。

しかし、オウンドメディアリクルーティングを利用することによって、本来目的としている高付加価値人材と直接的なマッチングを図る機会を増やすことが可能となっているため、いま注目されている新たな手法といえるでしょう。

認知度を向上させることができる

企業がどれだけ良い企業であっても認知度が低ければ高付加価値人材の目にはとまってくれません。特に従来の委託先に掲載する場合の採用では、絞り込みなどを利用することで本来マッチしているのに、その選択肢から外れることが多いという問題がありました。

しかし、オウンドメディアであることで、求職者と直接的な情報共有が可能になること、採用サイトのコンテンツをTwitterなどのSNSによって拡散することによって自社の認知度をこれまで以上に向上させることが可能となりました。認知度が向上することで効果的に人材とのマッチングを図ることができるようになります。

欲しい人材にダイレクトに情報を届けられる

思想や理念、企業がこれから描くビジョンを人材と共有することは最も重要なことです。オウンドメディアによるリクルーティングは企業のリアルな情報を自社メディアで配信できることで、企業の文化を理解してくれる人材に対して、情報をダイレクトに届けることを可能にしてくれます。

また、業種や職種など興味のある人が訪れ閲覧することから、人材とのマッチングが遥かに良くなるという利点があるといえるでしょう。

人材が求める情報と企業が提供する情報がマッチしていることから、欲しい人材にダイレクトに情報を届けることが可能となっているのです。

オウンドメディアリクルーティングを成功させるポイントとは

オウンドメディアリクルーティングを成功させるには、ジョブディスクリプションを明確にすること、魅力のあるシェアードバリューコンテンツを配信することにあります。これら2つのポイントに関して詳細を解説していきます。

ジョブディスクリプションを詳細かつ明確にする

ジョブディスクリプションと横文字になるとわかりづらいため、日本語にすると「職務記述書」のことです。仕事には役割があり、必要な能力が定められています。それらを見える化したものがジョブディスクリプションです。

これまでの募集要項はあくまでも表層を説明しているにすぎず、簡素な仕事の内容や勤務、時間、給与、社会保険などのテンプレートな情報ばかりが先行してきました。

しかし、職務についてより粒度の高いレベルの説明をすること、必要な能力について、より明確に提示すること。このジョブディスクリプションをオウンドメディアによって明確に提示することによって、求職者の意欲やマッチングの精度を向上させることができます。

魅力的なシェアードバリューコンテンツを配信する

シェアードバリューコンテンツと呼ばれる、自社の価値観、魅力についての情報は求職者と共有し、共感を得られるコンテンツと考えられます。自社が大切にしていること、自社で働く人材はどんなことに熱意を注ぐことができるのか、働きがいがある会社なのか、その他伝えたいことを、コンテンツとして提供することによって、求職者が「自分の価値観」と合致しているか否かを判断することができるのです。

特に、自社の存在や価値観を伝えることはパーパスコンテンツ、自社の考え方や文化を伝えることはカルチャーコンテンツと呼ばれ、これらが合わさることで、魅力的なシェアードバリューコンテンツという情報を配信することができるといえるでしょう。

オウンドメディアリクルーティングに取り組む際の注意点とは

オウンドメディアリクルーティングの注意点は、採用したい人材の明確化をすること、ライバルである他者との差別化を図ること、「TOPSIC」などのツールを利用することです。これら3つのポイントに関して詳細を解説していきます。

採用したい人材の明確化を行う

オウンドメディアリクルーティングでは、必ず最初に採用したい人材の明確化を行わなければなりません。これは自社で働いて欲しい人物像や、スキルを精細化しない限り、求職者との正しいマッチングを図ることができないからです。採用したい人材の明確化が行われていない企業のオウンドメディアでは、求めていない人材や必要スキルと相違のある人材がアプローチしてくることが考えられます。

つまり、明確化することは求職者のために行うことでもありますが、企業が本当に欲しい人材を手にするための近道でもあるのです。論理的に考える人材を求めたいのに、感覚で進める人材がくることや、必要な資格を明記しているのに無関係な人材が応募することを避けることができるのです。企業にとっての利点を考えて、人材の明確化を最初に行いましょう。

ライバルである他社との差別化を図る

シェアードバリューコンテンツによって、自社の魅力を伝えるには他社と同じでは意味がありません。面接で「なぜ自社を選んでくださったのですか?」となった際に、他社と同じでは求職者も差別化することに困ります。まずは「4つのP」という企業の因子を分析することから始めなければなりません。4つのPとは以下の内容を指しています。

  • Philosophy:理念や目的
  • People:人や風土
  • Profession:仕事や事業
  • Privilege:特権や待遇

この4つのPに関連する自社の特徴を分析しなければ差別化を図ることはできません。製品に対してどのような熱意や理念があるのか、企業で働く人々、実際の仕事のやりがいについての声、新しい社内制度がどのように導入されたのかなど、記載できる魅力が社内にあります。ライバル企業と比較された時に、この企業の魅力に惹かれたと思ってもらえるようなコンテンツを提供しましょう。

「TOPSIC」などのツールを利用する

「働くことのイメージを膨らませてもらう」ことを達成するためには、企業の文化や社風、行動様式、規範など、様々なことを紹介することが必要です。そのなかにはもちろん社内の定期的なイベントの解説や、仕事に対しての不安を取り除くことを視野に入れることも大切です。

例えば「TOPSIC」と呼ばれるツールを利用してプログラミングスキルを定期的に測定しており、勉強会やフォローを行っているなどのイベントの説明をすることは求職者にとっての安心材料となります。

また、プログラミングスキルに不安を持っていても、定期的に図ることで実際にスキルアップが見込めることを説明することなど、TOPSICを使うことで企業のカルチャーコンテンツを明確に作成することができるのです。実際にスキルアップした社員のインタビュー記事を載せることで安心感を効果的に与えることができるでしょう。

まとめ

オウンドメディアリクルーティングの基本的な内容から、そのメリット、利用するための注意点について解説しました。オウンドメディアリクルーティングを行うことで企業側だけではなく、求職者もその恩恵を得ることができ、良い関係を築くことができます。

また「TOPSIC」などのツールを活用することで、企業のカルチャーコンテンツに厚みを持たせることができ、求職者の安心感、企業とのマッチングを図ることが可能となります。

ニューノーマルの時代に合わせてオウンドメディアで企業と求職者がマッチするような情報を展開し「高付加価値人材」を獲得していきましょう。


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