導入事例:株式会社メイテツコム
プロジェクト全体の見える化に成功
管理工数が導入以前のおおよそ半分に
事例のポイント |
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名古屋鉄道グループのIT事業会社として、IT全領域をワンストップソリューションで提供する株式会社メイテツコム(以下、メイテツコム)。メイテツコムのプロジェクトマネジメントについて、ツール導入の背景やその効果についてお話を伺いました。
メイテツコムについて
- まず、御社の事業内容について簡単に紹介をお願いいたします。
沢木様:メイテツコムは1976年に創業された名古屋鉄道グループの情報システム会社で、今年で45周年を迎えます。交通事業・物流・流通・ホテル・レジャー、空港免税売店システム、電子決済、ETCカードのサービスなど、IT全領域をワンストップソリューションで提供しています。
また、近年では同グループのDX推進、DX人材の育成にも力を入れている他、名古屋鉄道を中心としたエリア版MaaS事業にも取り組んでいる最中です。
抱える課題
社内にプロジェクトマネジメント標準を定めていたものの、各プロジェクトで管理方法がバラバラ。QCDの状況が客観的に把握できていなかった。
-「OBPM Neo」を導入した背景やきっかけ、抱えていた課題があれば教えてください。
沢木様:20年ほど前に社内で開発標準を策定し、ドキュメント標準化やPMBOKに準拠したプロジェクトマネジメントの手引きを整備しました。
ただ、運用自体は各プロジェクトに任せていたため、報告に使われる資料が整っておらず、正確なプロジェクトの状況を把握しづらい状態でした。
- 具体的にここが「見える化」できていなかったという点があれば教えてください。
深谷様:プロジェクトの報告内容がチームによってバラバラで、一部の人にしか内容が理解できないといったこともありました。特にコストに関しては経理から出てくる情報で確認していましたが、月次を締めてからの報告となるため遅れた情報であり、リアルタイムでの状況が確認しづらい状態でした。
課題解決のために
沢木様:そのような中、数年前に大規模プロジェクトの遅延、赤字化の事案が発生し、管理者の関心とモニタリング(進行状況のチェック)、プロジェクト全体の見える化を今まで以上に強化する必要がでてきました。そこで、全社的にプロジェクトに関係する情報を数値化して把握できるツールの導入を検討しはじめました。
導入のきっかけ
2年前にOBPMを導入
沢木様:ツールを検討している最中、OBPMのご提案がありました。当社の社内標準と同様にPMBOKに準拠しているツールであり、すぐに社内へ浸透することが期待できました。
また、プロジェクトマネジメントでやるべきことが網羅されていることから、今回の社内プロセス強化にぴったりではというのが第一印象でした。品質管理のチェックにも期待でき、生産性も向上する印象を受けました。
収益認識基準に向けた進行基準にも標準で対応しているところもポイントでした。最終的に部長職以上のメンバーを集めて、全員でデモを見て導入を決定しました。
選定したポイント
- 既存のシステム開発標準と同様のPMBOKに準拠したツールであり、社員に受け入れられやすい
- 経理や勤怠システムと連携して二重入力を避けることができ、業務効率が上げられる
- プロジェクト途中の原価、最終見通しなどコストの評価が数値として見える
- 進行基準にも標準で対応している
導入にあたって
- 導入決定から稼働までのお話をお聞かせください。
深谷様:検討メンバー(10名程度)で、およそ半年で本導入を行いました。
比較的にスムーズに導入できましたが、原価の考え方、人件費単価、社内振替(同一プロジェクトを複数部署で実施する)ケース、など弊社の経理業務(実績原価の算出等、以前使用していたルール)との整合に苦労しました。
- 弊社のフォローはいかがでしたでしょうか。
深谷様:システムインテグレータ社の導入コンサルに迅速にルール作りの支援・フォローに入っていただき満足しております。当時の担当は現在別の方になっていますが、その対応は変わらず感謝しております。
- 社内向けのトレーニングについて、苦労点などあればお聞かせください。
深谷様:「OBPM Neo」のトレーニングとして、PL/PMを集めて教育・説明会を実施しましたが、プロジェクト計画や、ツール独自の設定を覚えることに苦労しました。(ここの入力値がどこに影響するかなどの仕様)。プロジェクトの更新頻度や登録状況、ガントチャートの粒度の違いについては品質保証室でチェックする運用とし、数値が見える化したことでその作業も効率化できています。
見えてきた効果
- 実際の導入効果についてお聞かせください。
沢木様:管理対象である一定規模以上のプロジェクト登録(運用)が定着してきており、問題の兆候の早期検知に役立てることができるようになりました。「OBPM Neo」のアラート機能の対象には小規模プロジェクトも含まれており、こちらも漏れなく報告されるようになったため、見逃さずにチェックできるようになってきました。
- 具体的にこれまでかかっていた工数等、どの程度改善できましたでしょうか。
深谷様:品質保証室での管理工数は、おおよそこれまでの半分ほどになりました。アラートがあったプロジェクトに対しては都度ヒアリングし、フォローしています。
沢木様:ツール導入以前は気づかなかったことが気づけるようになり、プロジェクトの見える化が実現できたと言えます。プロジェクトの状況判断が早期にでき、問題プロジェクトの撲滅にも繋がり、今後さらに運用が定着することで、その効果にますます期待がかかります。
OBPMの活用方法
- 活用方法や、運用ルールについてお聞かせください。
深谷様:一定規模以上の開発プロジェクトを登録対象とし、月末(月次)の進捗報告を必ず登録し、担当マネージャーがチェックする運用としています。また、プロジェクト情報を進行基準に活用しています。
課題として、現時点ではすべての小規模プロジェクトを対象としておらず、工数の消化率やリソースの状況について全社的な把握までいたっていないのが現状であり、徐々に管理対象に加えていく方針です。
今後「OBPM Neo」に期待すること
- 弊社に対するご要望などあればお聞かせください。
深谷様:バージョンアップに合わせ、より使いやすいGUIになることを期待しています。また、運用の徹底でカバーできない部分もあり、細かい各機能の強化や、他ツールとの連携も合わせて行っていただきたいです。
今後もより使いやすいツールをご提供できるように努力してまいります。
貴重なご意見ありがとうございました。
株式会社メイテツコム
プロジェクト管理ツール:OBPM導入事例集