導入事例:富士フイルムソフトウエア株式会社様

「品質向上、CMMIレベル5認定」


富士フイルムソフトウエア株式会社

富士フイルムソフトウエア株式会社ソフトウエア技術本部の加藤本部長と導入に関わったみなさんにインタビューしました。CMMIレベル5を取得しているプロジェクト管理の最先端企業が、どのような背景でOBPMを導入し、どのように活用しているのかなどについて興味深いお話しをいただきました。

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富士フイルムソフトウエアについて

富士フイルムソフトウエア株式会社

富士フイルムソフトウエア株式会社は、どのような会社でしょうか。

当社は富士フイルムグループが推進する医療、フォトイメージング、グラフィック、デジカメなどの主要事業において製品・サービスの中核となるソフトウエアの開発及びその運用・管理を担っています。 富士フイルムの基盤技術である画像処理技術をデジタル画像においてもさらに進化させ主要製品に搭載するとともに、モバイル端末やクラウドなどの最新のIT技術をいち早く取り入れたソフトウエア製品を開発するなど、グループ内の関係部署と連携し、ソフトウエア開発・運用面から富士フイルムの事業の成長に貢献しています。

ほとんどがグループ会社の仕事で、かつ親会社がソフトウエア関係会社ではないにも関わらず、これほどきちんとプロジェクト管理を行っているのは非常に珍しいと思いますが、どうしてここまでできているのでしょうか。

当社も7、8年くらい前まではほとんど管理できていない状況でした。しかし、富士フイルムの事業は納期もコストも品質もシビアな世界で戦っており、そこで勝ち抜くためにはもっと体質改善して一体感を持って富士フイルムをサポートする必要があります。そのために、抜本的な業務改善に着手したのです。

業務改善・体質強化にCMMIを活用

富士フイルムソフトウエア株式会社

具体的にはどのようなことをやってきたのでしょうか。

当社は、業務改善の具体策としてCMMI(注1)のレベルを上げてゆくアプローチをとりました。2005年9月にまず全社でレベル2を取得し、翌2006年3月にレベル3を達成。その後も医療システム開発チームで2010年3月にレベル4、そして2011年12月には最高峰のレベル5を取得しています。医療システム開発チームは富士フイルムとの合同のチームで、グループ一丸となって業務改善を行っていくという姿勢が今回のレベル5取得にも表れていると思います。

(注1)CMMI・・・組織のプロセス改善の成熟度をレベル1からレベル5までの5段階で指標化したモデル。CMMIの最新バージョンのレベル5は、まだ国内で3社しか取得できていない。

―多くの企業がCMMI取得を目指しながら頓挫していますが、御社は一貫して取り組んできています。その違いはどこにあるのでしょうか。 CMMIへの取り組み姿勢の違いだと思います。当社の場合、CMMIのレベル5を取得することが目的ではなく、業務改善の一環としてソフトウェア開発プロセスの改善を行うモデルとしてCMMIを活用しようという姿勢で、全社で取り組んできました。その過程で会社全体の開発プロセスがきちんと定義され、プロジェクトの実態が見えて失敗プロジェクトが減っています。

パッケージを使うことで予定を半年前倒し

富士フイルムソフトウエア株式会社

このように業務改善の一環としてCMMIを活用してきた御社が、満を持してプロジェクト管理システムを導入したわけですが、その際の経緯などをお聞かせください。

業務プロセスの改善に手応えを感じ、さらなる強化のために業務改革推進部を発足しました。そして、会社の業務プロセスとソフトウエア開発プロセスの両方を改善してゆくために、このタイミングでシステム化を進めようと考えたのです。パッケージとしては海外製品3つとOBPMを比較し、そしてスクラッチ開発も有力な候補でした。

機能やコスト、シェアなどをかなり詳細に検討した結果、低価格なのにやりたいことが全部入っていたということでOBPMを採用しました。一時はスクラッチに傾きかけていたのですがOBPMにして良かったと後になってからよく話しています。パッケージを使うことで予定を半年も前倒しできましたし、自分たちで仕様を考えていたらいろいろ漏れもあったと思います。

見えてきた効果

OBPMを業務の背景として経営情報を見える化

富士フイルムソフトウエア株式会社

OBPMを導入して、どのような成果が出ているでしょうか。

当社におけるOBPMの位置づけは、会社の太い幹、業務の背骨のようなものです。OBPMを会社の業務のワークフローに連携し、OBPMから経営情報がうまく流れる仕組みを実現しています。OBPMという統一の道具にデータを入れることにより、経営の見える化が進み、意思決定のためのデータがあっという間に出せるようになりました。これらの集計作業の軽減もさることながら、データの正確性、リアルタイム性も質が高まっています。

会社でOBPMは受け入れられているようですね。

OBPM導入前からプロジェクト管理の考え方を浸透させてきたので、ツールへの抵抗は少なかったです。従来はプロジェクトの状況を共有するのに苦労しており、上に行けば行くほど見えなくなっていましたが、OBPMを導入して経営情報が見えるようになりました。震災の混乱もある中、短期間でこうした仕組を構築した成果が評価され、2012年1月には会社から「業務成果優秀賞」をいただきました。

今後の展望

今後OBPMをより活用するにはどのようなことをお考えですか。

当社の場合は、業務改革という大きなテーマの中で、経営情報を見える化するという成果を出すことができました。一方で、OBPMにリソースの投入計画を入力して進捗をトラッキングして行くなどの運用面は、まだまだ徹底していない点があります。これからは運用ルールを明確にして、現場の活用度をもっとアップしていきたいと考えています。

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プロジェクト管理ツール:OBPM導入事例集