製造業向けERPに必要な機能とは?MESとの違いを解説

 2021.12.22  株式会社システムインテグレータ

「顧客満足度を維持するためなら、在庫、人件費、材料費の多少の上振れや、出荷の前倒しは仕方がない」という考えの製造業は日本では少なくありません。
しかし、諸外国の技術力向上や消費者の購買行動の変化などから、世界的な競争に巻き込まれることが多くなり、日本の製造業はこれら一連の変化への対応が求められています。

実際に日本の製造業は海外の製造業と比べて「収益性」で劣っているという情報も政府から発表されています。そこには、どん欲なまでの効率性を追求する海外の製造業と、前述した考え方が定着した日本の製造業の差があり、生産性が売上原価率に大きく影響しているものと考えられています。

とは言え、日本の製造業もただ黙ってその光景を眺めているだけではありません。近年では、大企業に限らず中小の製造業においても「ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)」や「MES(マニュファクチュアリング・エクスキューション・システム)」等を導入し、生産性向上を目指す企業が増えています。

本記事では、原価低減や収益性向上を目指している企業に向けて、製造業向けERPに必要な機能と、MESの違いについてご紹介します。

製造業のDXについては以下の記事で解説しています。
製造業に必要なDX(デジタルトランスフォーメンション)とは?

ERPのキホン~ERPの基礎からDXへの活用まで徹底解説~

製造業向けのERPとは

differences-functions-required-for-erp-mes

ERPは日本語で「経営資源計画」といいます。もともとは、1970年代に製造業で普及した「MRP(マテリアル・リソース・プランニング:資材所要量計画)」から派生したものです。MRPは生産計画と部品表(BOM)を重視し、それを基にして材料や部品の必要なものを必要なときに、必要なだけ調達して、製造にあてるためのシステムです。

その後、対象を資材だけでなく人材や設備、資金など生産に欠かせない主要要素にまでこの考え方を拡大した「MRPⅡ(マニュファクチャリング・リソース・プランニング:製造資源計画)」に派生し、最終的にはこの考え方を経営全体に反映したERPに至っています。

つまりERPとは、経営情報をリアルタイムに可視化しながら、基幹システム同士の連携を通じて現場の業務プロセスを効率化し、組織全体の生産性を向上するために統合されたシステム環境を提供するための製品です。

ERPについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ERPとは何か?MRPとの違いや、管理手法の変遷を解説   

製造業がERPに求める機能

business man hand working on laptop computer with digital layer business strategy and social media diagram on wooden desk

製造業と非製造業とでは、「生産」というビジネスプロセスに大きな違いがあります。そのため、非製造業に好まれるようなERPをそのまま導入してもフィットしないのは当然です。市場に流通しているERPのすべてが製造業に向いているわけではありません。着目すべき機能は、やはり「生産管理システム」です。

製造業では常に「QCD(品質・コスト・納期)」の基準を満たす必要があり、それが最終的な顧客満足度に繋がります。これらはどれか1つでも欠かせない要件と言っても過言ではありません。例えば、品質と納期は満たせてもコストが超過する案件であれば収益性の低いビジネスを継続することになります。

そこで、製造業においてはERPの生産管理システムに着目することがとても大切です。ERPには既存の生産管理システムと連携することを強みとしている製品も少なくありませんが、やはり生産管理システム自体がERPに標準搭載されている製品の方が、データの連携性や業務の効率性を大幅に高めてくれることは確かです。

また、ERPの必要性を感じていたり、生産管理システムの刷新を検討していたりするような製造業では、単に生産業務の在り方を変えたいだけではありません。多くの場合、経営課題を抱えており「経営及びシステム全体を見直したい」というニーズが少なからず存在します。

新規CTA
国内ERPパッケージ比較表

以下に、現代の製造業が抱えがちな経営課題を挙げてみます。

  • MRP型のシステムを無理に応用しているがシステム間連携が上手く取れない
  • データ管理をExcelで対応しているが人的ミスや無駄な作業が排除しきれない
  • 多様な生産形態に合わせて部品表情報を保持し、設計情報の属人化を避けたい
  • 海外拠点、海外工場を含めて統合的に情報を管理したい
  • 既存の生産管理システムと、その他の基幹システムの間で発生している二重管理を排除したい
  • 多品種少量生産に柔軟に対応し、顧客の受け口を広げたい
  • どんぶり勘定的な原価管理から脱却して、正確なコストの可視化を実現したい
  • 生産に限らずあらゆる部門の情報を可視化して、経営計画や意思決定に役立てたい

この他にも細かい経営課題がいくつもあるかと思いますが、総じて言えることは「ERPで解決できる経営課題が非常に多い」ことです。特に、生産管理システムに重点を置いたERP導入を目指すことで、こうした経営課題を解決しつつ、生産性を大幅に向上することも可能になります。

生産管理システムについては以下の記事でも詳しく解説しています。
ERPと生産管理システムの違いについて

製造業がERPを導入するメリットとは?

Businessman holding in hand tablet with global connection concept-2

上記でご説明した通り、製造業はその業務の特性から発生する課題も多く存在します。ERPを導入することで以下のようなメリットを得られます。

データの一元管理と活用

生産管理システムとその他の基幹システムが独立して存在していたり、在庫管理をExcelで管理したりしていると、企業が保有する情報を集約して管理、活用することができません。

ERPを活用しデータを一元管理することで、集約したデータを経営活動に生かすことができます。

業務効率化

様々なシステムを利用しているため、データを連携させるために各システムに同じデータを登録するといった行為は、業務の負荷を高めるだけではなくヒューマンエラーの発生にもつながります。システムを統一することで、データの二重入力や二重入力による作業ミスを減らすことが可能です。

人材不足の解消

業務をERPで統合し、システム化することでExcel管理や紙管理を減らすことができます。

Excelを利用している場合、関数やマクロなど、管理している人材の能力に依存してしまうことが少なくありません。ERPで業務を標準化することで、結果として業務の属人化を排除することができます。

製造業におけるEPRの導入事例

Close up of businessman holding digital image of brain in palm-1

実際に製造業ではどのようにERPパッケージを利用しているでしょうか。今回は、ERP導入の目的や方針ごとに3つの導入事例を紹介します。 

自社の製造要件を満たすため、大規模カスタマイズを実施した事例

自社工場を持たないファブレス経営の強固な事業基盤を構築した事例

内部統制の強化と属人的システムからの脱却に成功した事例

 上記は全てERPパッケージ「GRANDIT」の導入事例になります。ERPパッケージ導入決定に至るまでの背景や導入効果なども掲載しておりますので、是非ご覧ください。

ERPとMESの違い

row of light bulbs with one different from the others-1

MESは日本語で「製造実行システム」と呼ばれています。主に、製造工程の可視化及び管理、作業者への支持・支援を行うための情報システムです。生産管理システムの一機能として組み込まれていることも多く、「工程管理」の概念に近いシステムだと言えます。

ERPとMESの違いとしては、経営全体を見渡したシステム環境を構築するものか、生産管理内にある工程管理という細かい領域に対応しているか否かです。ただし、最近では生産管理システムの1つとしてMESを組み込んでいるERPも存在します。

製造業では人材・資源・時間・設備といった生産資源をムダなく活用し、生産の効率性を向上させることが重要になります。MESでは「良い製品を、限られた資源の中から、効率よく製造する」ことを目的として現場情報を管理します。このため、ERPとの相性が非常に良く、互いに連携することで生産と経営における効率化が見込めるのです。

MESについては以下の記事で詳しく解説しています。
MES(製造実行システム)とは?生産管理に取り入れるメリット

PSIでさらに高度な製造業へ

Close up image of hands connecting puzzle elements

生産管理にかかわるシステムとして、もう1つ外せないものが「PSI(プロダクション・セールス・インベントリー)」です。これは「製造」「販売」「在庫」の頭文字を取ったものであり、それぞれを同時に計画するシステムを意味しています。

販売部門からの販売計画や販売見込みに対し、生産部門の生産計画や基準在庫、生産ロット数から必要量を求めて、同時に供給量を算出します。そうすることで、販売⇒生産⇒在庫と言った一連の流れで計画を立て、必要なときに必要なものを必要な分だけ供給するような製造が実現できます。

PSIでは、長期PSIを立案して販売部門と合意形成を図り、生産能力を考慮した手配をかけます。販売部門から数か月先まで月別に作成された販売計画を提示してもらい、生産能力と在庫を加味しながら大枠となる生産量を決定します。さらに、月別⇒週別⇒日別とブレイクダウンさせ、より精度の高い情報として確定していく仕組みが出来上がります。

PSIもERP及びMESとの相性が良く、連携することでより高い生産性アップ効果が期待できるソリューションになるでしょう。

いかがでしょうか?現在、生産管理や経営全体に対して不満・課題を感じているのであれば、まずはERPを検討していただきたいと思います。必要に応じてMESやPSIとの連携を考慮しながら、自社にとって最適な統合管理システムの構築を目指していきましょう。製造業に数多くのシステム導入を経験し、課題解決に貢献してまいりました当社スタッフが、皆様の課題を細かくヒアリングさせていただき、最適なソリューションをご提供いたします。

新規CTA

RELATED POST関連記事


RECENT POST「ERP導入」の最新記事


ERP導入

BPRとERPの関係性について解説

ERP導入

建設・工事業向けERPとは?役割と機能を徹底解説

ERP導入

エンジニアリング・工事業におけるシステムのあるべき姿とは?

ERP導入

ERPシステムとは?基幹システムとの違いは?概要や導入メリットをご紹介!

製造業向けERPに必要な機能とは?MESとの違いを解説

GRANDIT TOPへ

失敗から学ぶERP導入プロジェクトの進め方

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング