製造業に必要なDX(デジタルトランスフォーメンション)とは?

 2019.12.02  株式会社システムインテグレータ

世界景気減速により製造業を中心に業績落ち込みが顕著になっております。IoTやAI活用による競争激化や日本の労働力減少を解消するために生産性向上がますます不可欠になっております。そのために製造ノウハウ(匠の技)をデジタル化し、業務の高度化や事業の再構築はもとより、新規価値の創出する方法としてDX(デジタルトランスフォーメーション)に取組む企業が増えております。

現在の製造業を取り巻く環境

本題に入る前に現在の製造業の置かれてる状況を見てみましょう。2018年8月にIMD(国際経営開発研究所)から発表された「2019年世界競争力ランキング」で主要63か国のうち日本は30位でした。IMFから発表された「2019年度1人当たりGDP」でも25位と低迷しており、かつて世界の15%を占めていた日本のGDPも30年で6%に縮小してしまいました。まさに生産性の低さが露見してしまった状況です

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<日本の競争力>


また少子高齢化が進行しており、総人口は2008年をピークに減少、労働力人口も1995年をピークに減少しており、30年後の2050年における労働力人口は、現在の3分の2に減少します。このような国内状況の中でグローバル競争がさらに激化しており、日本の製造業を取り巻く環境はますます厳しい環境となっております。

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<日本の労働力人口>

生産性向上と高付加価値

上記のような環境下から抜け出すためには「生産性向上」と「高付加価値の製品・サービス提供」を軸に取り組む必要があります。

言い換えますと保有する資源(設備・人)を有効活用し、最大限の成果を産み出すようにしてゆく事。また市場ニーズに沿った付加価値の高い製品・サービスを提供し続ける手段としてDX(デジタルトランスフォーメーション)があります。

DX(デジタルトランスフォーメーション)

DXは、スウェーデンのストルターマン教授が2004年に提唱した「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念です。これに関しては、様々な解釈がありますが、ICT技術を導入してデジタル資産を蓄積し、その資産をもとに効率的な意思決定や業務改善を行い、ビジネスモデル全体を改革する考え方です。

ここでDXの基盤となる3つの柱をご紹介いたします。

DXの3つの柱

1.価値創造・ビジネスモデルの変革

テクノロジーの進化に伴い、実現が難しかったビジネスモデルが今では実現できるようになりました。最近ではサブスクリプションやシェアビジネスなどまったく新しいビジネスがデジタルテクノロジーを前提として、生み出されております。

2.業務の高度化

AIやAI-OCR、RPAなどのツールを業務プロセスに組み込み、業務改善や業務自動化を図ります。

3.意思決定・マネジメント

日々発生する情報を集約し、経営層から現場に至るまでデジタルによる意思決定を行う仕組みを作ります。

製造現場では、特に業務の高度化を行い、資産(資源)のパフォーマンスを高め、生産性向上を行うことができると考えます。

製造現場における問題点

それでは業務の高度化を行う上で、どのような課題があるのでしょうか?
まずは製造現場でよく耳にする問題点についてみてみましょう。

1.生産計画・手配業務での問題点

日々変動する需要情報に対して、特定の人が経験に基づき、計画変更を行っているのが実情です。長年の経験による計画立案を行うものの、直前での数量変更対応や納期遵守のために在庫が過剰になる場合があります。また誰でも計画立案できないために特定の人へ依存・作業負荷の問題が付きまといます。

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<計画・手配での問題点(化学品製造業事例)>


その他としては、特注品のバリエーションが多く、適切なBOM管理が行えておらず、BOMマスタメンテナンスや生産計画の立案に時間を要するなどの問題が発生します。

2.検査工程の問題点

市場ニーズの多様化により、品種や数量が刻々と変わるような変種変量生産が求められる様になっておりますが、検査機の導入コストや検査の難易度により、目視による検査が行われている状況です。これにより検査員の検査精度にバラツキがあり、検査業務の平準化が行えていない様です。

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<検査工程での問題点(医療器具製造業事例)>

3.その他、作業での問題点

ERPなどの統合システムを導入したが、入力の前作業自体が効率化されておらず、業務全体の効率化が実現できないといった話をよく耳にします。
たとえば、仕入先からの請求データを使って、買掛照合を行える仕組みを構築したが、主要仕入先から請求書が紙で郵送されるために買掛照合に時間と工数を要するなどです。

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<その他業務での問題点(建材製造業事例)>

問題点から製造現場の今後を考えるにあたり

これらの問題点を分類すると「在庫」・「資源」・「市場」の3つの課題にまとまります。

「在庫」:日々変動する需要情報を把握して計画立案を行い、適切な在庫計画を立案する。「資源」:人のシフトやスキルを考慮した作業計画・要員計画を立案する。
「市場」:市場ニーズに対応したBOM管理や納品後のメンテBOM管理を行い、付加価値の高い製品・サービスを展開する。外部環境に柔軟に対応できる情報基盤を構築する。

できる人のノウハウ(匠の技)をデジタル化することで業務の高度化を図り、業務の再構築による生産向上を行うことで3つの課題を解決できます。


いかがでしょうか。日本の国際競争力・GDPが他国の後塵を拝する数値の背景には、業界全体が慢性的な問題を抱えていると言わざるを得ません。「生産性向上」と「高付加価値の製品・サービス提供」を実現するため、DXによる業務の高度化に取り組まれる事をお勧めいたします。

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