「DMBOKとはなにか?」「DMBOKを取り入れるメリットは?」「DMBOKに関わる資格は?」などの疑問にお答えするべく、データマネジメントやDMBOKについて基礎から解説していきます。
昨今、ますまず重要になりつつあるデータマネジメントについての情報のインプットとしてぜひ本記事をご活用ください。
そもそもデータマネジメントとは
データマネジメントとは、直訳するとデータ管理となるわけですが、DMBOKでは「データマネジメントとは、データとインフォメーションという資産の価値を提供し、管理し、まもり、高めるために、それらのライフサイクルを通して計画、方針、スケジュール、手順などを開発、実施、監督すること」と定義されています。
もう少し簡単に説明するなら、「データマネジメントとは、データを収集、保存、管理、分析、活用することで、事業成長・事業リスク低減に役立てるための活動全般」ともいえそうです。
たくさんのデータが日々蓄積される現代社会においてデータマネジメントが重要であることは言うまでもありません。そんなデータマネジメントの知識体系をまとめたものが、これから解説するDMBOKです。
DMBOKとは
DMBOK:Data Management Body of Knowledge(データマネジメント知識体系ガイド)とは、データマネジメントに関する知識を体系立ててまとめた書籍・フレームワークのことを指します。DMBOKは、データマネジメントを効率的かつ効果的に行うための指針といえるでしょう。
DMBOKをビジネスに取り入れるメリット
昨今、ビッグデータの利活用やIoT活用による収集データの増加など、企業は多種多様で大量のデータを扱えるようになりました。これらのデータを経営の意思決定、業務効率化、顧客満足度向上などの各方面で効果的に活用するためには、データマネジメントが欠かせません。DMBOKを取り入れるメリットは、企業のデータの利活用を支えるデータマネジメントをスムーズに始めるとともに、より効果的なデータマネジメントをするための改善のヒントが得られることにあります。
DMBOKにおける11の知識領域
DMBOKはデータマネジメントの概念を11の知識領域に分類しています。ここでは、それぞれの知識領域について簡単に解説します。
データガバナンス
データマネジメントの責任・権限・ルールなどを定め、正しく運用すること。
データアーキテクチャ
データ要件の定義、データ統合の方向性などのデータマネジメントの方針策定をすること。
データモデリングとデザイン
データ要件を分析し、データをモデル化、データどうしの関係性を明確にすること。
データストレージとオペレーション
データを処理・保管する方法を構築し、運用すること。
データ統合と相互運用性
他のシステムやツールなどと連携し、データを移動・統合すること。
データセキュリテイ
セキュリティポリシーの策定や、具体的なセキュリティ対策をすること。
ドキュメントとコンテンツ管理
文書やデジタルコンテンツなどの非構造化データを管理し、活用すること。
マスターデータ管理
組織全体で共通のマスターデータを整備し、運用すること。
データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス
データを活用可能な形式で保持し、分析、レポート化などにより事業の意思決定に活用すること。
メタデータ管理
各データに関するメタデータを適切に収集・管理すること。
データ品質管理
データ品質の基準を設け、定期的に確認すること。
データマネジメントの資格「CDMP」とは
CDMP(Certified Data Management Professional)は、データマネジメント分野の資格です。DMBOKに基づいて実施されており、データマネジメントの概念、原則、ベストプラクティスに関する知識とスキルを証明します。CDMP認定プログラムは、次の試験科目で構成されています。
CDMPの試験科目
【基礎試験】
・データマネジメント基礎(Data Management Fundamentals)
【専門試験】
・データガバナンス(Data Governance)
・データクオリティ(Data Quality)
・データモデリングとデザイン(Data Modeling and Design)
・メタデータ(Metadata)
・データウェアハウジング&ビジネスインテリジェンス(Data Warehousing & Business Intelligence)
・マスターデータ管理(Reference And Master Data Management)
・データ統合と相互運用性(Data Integration And Interoperability)
CDMPの認定レベル
基礎試験および専門試験の合格点(60~80%)の水準、履歴書・業績等の審査等により、以下の4つの認定レベルが設定されています。
【認定レベル】
・アソシエイト (基礎試験の合格点:60%以上)
・プラクティショナー(基礎試験の合格点:70%以上、専門試験2科目70%以上)
・マスター (基礎試験の合格点:80%以上、専門試験2科目80%以上、その他の審査)
・フェロー (その他の審査、業界経験25年以上)
CDMPの試験はDMBOKに基づいた問題が出されるため、試験勉強を進めることでDMBOKについても効率的に学ぶことができます。
参考:The Global Data Management Community
まとめ
DMBOKはデータマネジメントに関する知識を体系立ててまとめた書籍・フレームワークです。企業におけるデータ活用が求められる昨今、効率的かつ効果的なデータマネジメントを実現するためにDMBOKは欠かせないものとなっています。
データマネジメントの国際資格であるCDMPは、DMBOKをもとに問題が作成されているため、DMBOKの知識を深めるためにも資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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