データマネジメントとは?基礎知識、導入のメリット・デメリットを解説

 2024.06.10  株式会社システムインテグレータ

データマネジメントとは、組織内のデータを利活用しビジネスに活かすために、適切に管理することです。本記事では、データマネジメントの基礎知識およびメリット・デメリットを解説します。

データマネジメントとは

データマネジメントの概念

データマネジメントとは、組織内のデータ資産を効果的にビジネスに活用するための以下のようなプロセスです。
・データの収集
・データの保管
・データへのアクセス
・データの品質維持

データの価値を最大化するために、明確なポリシーと手順が設けられることが重要です。データを適切に管理することで、組織は意思決定を迅速かつ正確に行うことが可能になります。

データマネジメントの具体例

具体例として、新製品の市場投入におけるデータマネジメントの重要性を考えてみましょう。
新製品を開発・市場投入する前に、マーケティング部門は、顧客データベースから年齢、性別、地域、購買履歴などの属性データや、購買傾向、興味関心などの行動データを分析し、新製品を購入する可能性の高いターゲット層を絞り込みます。
このとき、顧客データベースが古かったり、品質が低かったりすると、新製品を誤ったターゲット層へ向けて開発・発信してしまう可能性があります。これは、マーケティング活動の失敗や販売機会の損失につながるだけでなく、企業イメージの悪化にもつながりかねません。
そこで、データマネジメントを担当するチームは、データの収集、保管、品質管理、分析などを行い、常に最新かつ高品質なデータをマーケティング部門に提供することで、的確なターゲティングを実現します。

データマネジメントの知識体系「DMBOK」

データマネジメントの知識体系である「DMBOK」(Data Management Body of Knowledge)というものがあります。第2版には日本語版もあり、データマネジメントについて体系的に学ぶことができます。
DMBOKについて詳しくは、以下の記事で解説しています。
https://products.sint.co.jp/ober/blog/dmbok

データマネジメントの構成要素

データマネジメントで必要とされる要素は、一般的に以下の11の領域で体系化されています。これらの要素を効果的に管理することが、データの信頼性と利用価値の向上に繋がります。

・データガバナンス:管理の計画立案、全体統制
・データモデリングとデザイン:データモデルの定義
・データセキュリティ:セキュリティポリシーの定義、アクセス制御、監査、データ保護
・データ統合と相互運用:データの収集、組織間の連携
・ドキュメントとコンテンツ管理:非構造データの管理
・参照データとマスターデータ:マスターデータの作成
・データストレージとオペレーション:データベースの設計・運用
・データアーキテクチャ:データ構造の設計
・データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス:データの収集・分析・レポート化
・メタデータ:メタデータの収集、保管、利用
・データ品質:データの最適化、品質の維持管理

データマネジメントのメリット・デメリット

データマネジメントには多くのメリットがありますが、同時にデメリットもありますので、デメリットも合わせて確認しておきましょう。

データマネジメントをするメリット

データマネジメントを取り入れることにより、以下のようなメリットが得られます。
・適切に整理されたデータに基づく経営戦略の立案・意思決定
・データの一貫性とアクセス性の向上による作業効率の向上
・データ品質の維持、誤ったデータを利用するリスクの低減
・データに関わる規制要件の遵守による法的リスクの回避

データマネジメントのデメリット

データマネジメントによるデメリットは、以下が挙げられます。
・データマネジメントの導入、維持のためのコスト
・データマネジメントのプロセスを組織全体に浸透させるためのコスト

データマネジメントによるメリットは多いものの、データマネジメントを継続するためにコストをかけたり、組織全体への説明を十分考慮したりする必要があります。

まとめ

本記事では、データマネジメントについて解説しました。データマネジメントを導入し適切にデータを管理すれば、組織内にあるデータを有効活用できるだけでなく、セキュリティリスクの低減などのメリットもあります。これからデータマネジメントの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

データマネジメントについて学習するには、データマネジメントの知識体系「DMBOK」から学び始めることがおすすめです。実際に、データマネジメントの導入を検討する際は、導入の目的を明確にし、重要度が高い領域からスモールスタートで成功実績を積んでいくことで、組織への大きな負担なく着実にデータマネジメントを進められるでしょう。


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