現在、SAPコンサルタントの市場価値は非常に高いとされています。SAPは世界トップシェアを誇るERPであり、今でも多くの企業で採用が進んでいます。そのため、SAPコンサルタントの需要も同様に高まり続けると予想されています。
本記事では、SAPコンサルタントとは何か、仕事の内容やその魅力について詳しく解説します。SAPの専門知識を持つコンサルタントがどのように企業の成功を支えているのか、その重要性をぜひご確認ください。
SAPコンサルタントとは
SAPコンサルタントは、企業の経営課題や業務改善に対して、SAPというERPシステムを活用し、最適なソリューションを提案・実現する専門家です。主な業務は、SAP導入プロジェクトの企画や設計、導入支援や導入後のフォローなどです。
特に、企業の経営課題を解決することを大きなミッションとして持っているため、企業の経営戦略やビジネスプロセスを理解し、SAPを活用していかに業務改善や業務効率化、課題解決ができるのかといった点が求められます。
SAPとは?
SAP (エス・エー・ピー)とは、独SAP社が提供するERPの総称です。
SAPは、会計や財務管理、販売、購買、在庫管理、生産管理、人事管理など、多岐にわたる業務を統合し、効率的に遂行できるように設計されたERPです。海外だけでなく日本でも多くの企業が導入しているトップシェアを誇るERPです。
SAPについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
SAPとは?ドイツ発ERPの特徴や導入のポイントを解説
SAPコンサルタントの平均年収は?
SAPコンサルタントの年収レンジは、経験やスキル、雇用形態によって異なりますが、500~1,500万円と言われています。
SAPコンサルタントは、ベンダーやIT系のコンサルティングファームなどの企業に属しているか、フリーランスで活動しているかの大きく2種類に分けられます。
求人サイトで公開されている採用時の年収では、ベンダーやIT系コンサルティングファームの場合は790万円程度が中間の金額となっています。
フリーランスの場合は、SAPの導入、コンサルティング経験があるか、他のERPパッケージ導入の経験やPMOなどのスキルがあるかなどによって大きく変わってきます。
いずれの場合でも、スキルや経験に応じて年収1,000万円を超える場合も多く、専門知識とスキルを持っていれば高い年収が見込まれます。
SAPコンサルタントの役割と重要性
SAPコンサルタントの役割は、SAPを活用して企業の業務改善や経営課題を解決することです。
業務コンサルティング
企業の現行の業務や業務における課題、経営上の課題をヒアリングし、SAPでどのような解決・改善が可能かを検討します。
SAPは販売管理や生産管理といった基幹業務から、人事・労務管理、経費精算など様々な業務をサポートしています。業務への影響範囲が大きいため、現在の業務フローや業務プロセスの把握や、それを踏まえてどのようなシステム構成が最適かの検討が重要な業務になります。
導入・実装関連の業務
SAPは非常に豊富な機能やテンプレートが用意されており、必要なものを組み合わせて活用することができます。必要な機能を選択したり、必要に応じてカスタマイズしたりといった設計から開発までを全面的にサポートします。
導入後のフォロー
システム導入後のサポートもSAPコンサルタントの重要な業務です。運用のサポートや不具合対応はもちろん、必要に応じてシステムのアップデートなども対応します。
もしカスタマイズを行っていると、システムのアップデートが難しい場合もあります。その点も含めて全体の設計を行う必要があります。
SAPコンサルタントの魅力ややりがい
SAPコンサルタントの魅力は、多くの企業が採用しているERPシステムであるSAPを活用し、経営課題や業務課題の解決に携わることができることです。SAP専門の知識と経験が必要であり、専門性が高い仕事であるため、将来性が高く、安定したキャリアを築くことができます。
SAPは比較的大企業の採用が多く、また、グローバルな規模で活躍できるフィールドが広がっています。大企業の経営戦略策定に寄与し、顧客のビジネスパフォーマンス向上に直接貢献できるといったやりがいを得られます。
また、SAP導入プロジェクトでは、システム開発・運用だけでなく、人材育成や組織変革にも関与することが多く、様々な経験を積むことができます。
SAP自体シェア率が高いため、専門コンサルタントとして成り立ち、フリーランスとしても独立可能です。
SAPコンサルタントに求められるスキル
SAPコンサルタントに求められるスキルは、第一に、SAPシステムに関する専門知識です。各モジュールの機能・仕様を理解し、適切な設計・開発・運用ができる技術力が求められます。また、ビジネスマネジメントやファイナンス、人事等の特定領域に関する知識も必要とされます。導入する企業の業種や業界などの理解も必要でしょう。
その他にも、コミュニケーション能力やプロジェクトマネジメントスキルが重要です。クライアントやチームメンバーと円滑なコミュニケーションをとり、要件定義やプロジェクト進行を円滑に進められることが求められます。
SAPコンサルタント認定資格
SAP認定コンサルタント資格とは、ITエンジニアやITコンサルタントを対象にしたもので、SAP社が公式に認定している資格です。この資格を取得することで、SAP製品の導入における開発・保守・運用に必要な知識やスキルを有していることが証明されます。
資格は大きく以下のカテゴリで分かれています。
アプリケーションコンサルタント:業務系システムの知識があることを証明する資格
デベロップメントコンサルタント:SAPアプリケーションの開発スキルを証明する資格
テクノロジーコンサルタント:SAPシステムの管理について技術的な知見があることを証明する資格
学習方法としては、独学や実務を通じて学ぶことも可能ですが、SAP社が提供するトレーニングサービスを活用することもおすすめです。
ユーザーがコンサルタントを選定する際の大きなポイントにもなりますので、SAPコンサルタントを目指す場合は取得するのが良いでしょう。
まとめ
SAPコンサルタントは高度な専門知識を身につけることができ、市場価値も高い職種です。当社もSAP専門部隊によるSAP S/4HANA Cloud Public Editionの導入を実施しています。SAPコンサルタントを含め、エンジニアも随時募集していますので、SAPコンサルタントに興味がある方は、ぜひ当社の採用情報をご覧ください。創業以来、ERPパッケージを導入してきたノウハウをもとに、SAP導入における経験を得ることができます。