目視検査に潜むリスクとは?解決方法まで解説!

 2021.04.26  株式会社システムインテグレータ

日本が誇る「ものづくり」は、その高い製品クオリティが海外からも評価され、一時は「メイドインジャパン」がブランドとして確立していた時期もありました。そんな日本の「ものづくり」を支えるのは、製造現場におけるきめ細かい製品や部品のクオリティ管理にあります。具体的には、製品の品質チェックの厳しさにあるのは間違いありません。

そんな製造現場などで、日々生産される製品や部品などの品質チェックの基本となっているのは目視検査(外観検査)です。この目視検査には、現在でも多くの企業が熟練した人間の目によって、製造される部品や製品などの精度を確認するといった目視検査を採用しています。

ただし、人間の目による目視検査には多くの課題があります。本記事では、目視検査に潜むリスクと、その解決方法について解説していきます。

目視検査とは?

Science student working with microscope in the lab at the university

製造現場において、従来行われてきた製品や部品などを品質チェックする方法として「目視検査」が取り入れられてきました。近年では、この目視検査の自動化が進められてきました。しかし、それでも多くの製造現場では、未だに目視検査が継続して行われています。

目視検査とは、比較的安価で購入可能な光学スコープなどを使用し、文字通り人間の目で実際に見て行う検査のことを指します。人間の五感を利用して行われる検査を「官能検査」と呼びますが、目視検査は官能検査のひとつであり、もっとも一般的に利用されてきた検査方法です。

熟練した目視検査員なら、きめ細かい検査技術を駆使し、どんな小さな欠陥や異物の混入も見逃さないといった経験、知識を備えています。しかし、人間である以上、どんなに熟練した目視検査員でも、長時間の作業による疲労や体調不良、腹痛などのコンディション不良からは逃れることはできません。また、プライベートでの出来事によって感情が常に一定に保つことができないといったケースもあります。

こうした人間である以上、避けられない目視検査の品質のばらつきといった問題を解消する方法として、今目視検査の自動化の検討が多くの生産現場で進んでいます。目視検査を自動化することによって検査品質の安定化、さらに省人化といったメリットがあります。

なお、官能検査は五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)を用いて製品や部品などの品質をチェック・判定する検査方法です。また、人間の計器としての感覚を研究するために行われることもあります。

目視検査のメリット

Workers at workplace, drug storage

製品や部品の品質チェックは、その製品や部品に不具合や欠陥、異物などがないかを出荷前に確認する重要なもので、正確さと迅速さが求められます。そんな品質チェックの方法として、今でも多くの製造現場で人間の目による目視検査が行われていますが、どのようなメリットがあるのか考えていきましょう。

設備を用意する必要がない

人間の目によって行われる目視検査には、上記のように比較的安価な光学スコープ(ルーペ、顕微鏡など)を用意する程度で、特別な設備・機械などを導入する必要がありません。このため、目視検査を導入する際にかかるイニシャルコストを低く抑えることが可能となります。

柔軟に対応できる

人間の目による目視検査は、担当する検査員の熟練度によっては非常に高度かつ複雑な判断も瞬時に、柔軟に対応することが可能です。しかも、その検査精度は非常に高く、一般的な画像検査では検出しきれない程度の欠陥や異物にも柔軟に対応できるといったメリットがあります。

目視検査のデメリット

Stressed businesswoman sitting in front of computer in the office

設備投資が不要で、高度な判断にも柔軟に対応できる目視検査ですが、人間が行う検査だけにヒューマンエラーが出るといったデメリットもあります。それでは、目視検査には具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。

人手不足

日本社会が抱える少子高齢化などにともない、目視検査を行える技術を持つ検査員の人手が不足しているという現状があります。さらに、熟練度の高い目視検査員の人材を確保するためには、相応の人件費が必要となります。なお、これは次のデメリット項目ともリンクしています。

教育の難しさ

目視検査の熟練度を向上させるためには、一定期間の実務経験が必要となります。熟練度の高い目視検査員が育っても、教育係として指名すると製造現場から離れなければならないため、短期的には人手不足の解消はつながりません。

さらに、新人検査員に目視検査の教育を一定期間実施しても、目視検査には適正が必要なため、教育終了後に不向きという判定が出ることもあります。このように、高度で精度の高い検査が柔軟に行える目視検査員を育成することは非常に困難で、結果として熟練度が高くない検査員に任せることで、検査品質にばらつきが出るといった恐れもあります。

検査員のコンディション

いくら熟練度の高い目視検査員といっても、その時のコンディションによって検査精度が常に一定というわけにはいかないケースもあります。

例えば、体調(疲労感や疾病など)や感情、そして経験によって検査品質が安定しないといったデメリットが人間の目による目視検査にはあります。
また、こうした疲労感や健康不安を一時的に解消する検査方法として、「周辺視目視検査法」というものが提唱されています。
周辺視目視検査法は、検査員の体格に最適な作業机や検品トレイなどの高さ、配置を見直したり、検査する製品や部品の欠陥箇所を鮮明に認識できるライティングや照度を最適化したりするといった考え方です。

ただ、こうした対処は目視を行う検査員の消耗度によって効果が小さくなる可能性があり、さらに、どれだけ熟練した目視検査員であっても、ヒューマンエラーによるミスが生じるといったケースもあります。

目視検査の“自動化”が進む?

Image of young man sitting on floor looking on media icons

人間の目による目視検査には、人件費がかかり、目視検査員の熟練度により検査品質がバラつき、時にヒューマンエラーによる検査の見落としが起こる可能性があるデメリットがあります。このようなデメリットを補うために、多くの企業では現在、目視検査の“自動化”を進めています。

「目視検査は人間の目で行う品質検査なのに、自動化というのは矛盾しているのでは?」と思われるかもしれません。目視検査は別名「外観検査」ともいい、この外観を検査する方法は機械による自動化が可能となっています。

目視検査員が行なっている作業を自動化することで、熟練した技術者の不足を補い、検査品質のばらつきを減らすことが可能となります。自動化が可能な検査の分野として、画像認識技術を利用した外観検査装置(システム)の導入などが考えられます。

目視検査を自動化する方法とは?

businessman hand working with new modern computer and business strategy as concept-1

目視検査を自動化するためには、どのような方法を用いればよいのでしょうか。自動化に有効な機械として考えられるのが「外観検査装置(システム)」です。一般的には、画像処理検査機能によって製品の正常・異常を判断するために使われます。

企業が製造現場で高品質の製品、部品を生産するためには、精度の高い目視検査が欠かせません。ここでは、目視検査を自動化する方法と、外観検査装置について解説していきます。

外観検査装置とは?

外観検査装置(システム)とは、製造現場で大量に生産される製品や部品などの外観を検査できる機械のことを指します。生産量が多ければ多いほど、人間の目による目視検査よりも、外観検査装置による自動化された目視検査を行うメリットが大きくなります。

外観検査装置では、主に製品や部品の表面に付着した汚れや異物を検知したり、製品や部品自体に発生したバリやひび、割れ、欠けといった欠陥を判定したりすることができます。なお、目視検査を行う工程も製造段階から表面などの処理を行なった後、さらに製品を組み立てた後の検査といったタイミングで行うことが可能です。

外観検査装置で目視検査を行う際は、事前に製造品質の基準を決めておく必要があります。これは「検査前準備」といい、人間の目による目視検査でも必要な工程です。主に検査データ(正常品か欠陥品かを判断する基準など)を作成し、これに基づいて目視検査の工程を運用していくのですが、後ほどご説明するAI(ディープラーニング)を搭載した外観検査装置の場合、ティーチングによってデータを熟成させるための指針などを事前に組み込んでおくことで、検査の精度を高めていくことが可能となります。

外観検査装置の仕組み

外観検査装置は、どんな仕組みで目視検査を行う機械なのかご紹介します。
製造現場で生産された製品や部品における欠陥、異物などを検知する外観検査装置は、おもにCCDカメラを利用して不具合や欠陥を検知します。もし、製品や部品に欠陥や異物があれば、そこで光が反射してレンズを通してカメラに入力し、検知するといったシステムとなっています。

これを人間による目視検査に置き換えると、ここまでの工程は欠陥や異物を目で見た状態です。これを欠陥や異物だと判断するのは、脳の働きによるものになります。

外観検査装置では欠陥や異物を判断するための「脳」にあたる部分が、画像処理装置ということになります。この画像処理装置は、カメラで撮影した製品や部品を正常品か欠陥、異物かを判断する場所です。ただし、こうした外観検査装置は産業、職種によって種類が分かれており、X線を照射して欠陥や異物を検知したり、複数台のカメラによって多角的に検査を行なったりする装置もあります。また、画像処理部に関しても最近ではAI技術を活用した機械が登場しています。

AI技術によって、外観検査を行えば行うほど学習し、より高精度で高度な判断を行えるようになります。

まとめ

製造メーカーなどにとって、自社で生産した製品や部品の品質をチェックすることは重要な工程です。そのために採用されているものの多くは、いまだに従来同様の人間の目による目視検査です。

もちろん、生産された製品や部品の品質を高く維持するためには、高精度で高度な判断を必要とする目視検査が欠かせません。しかし、これまでの検査機器メーカーでは、すべての工程で目視検査を自動化できる機械に対応が難しかったのも事実です。

目視検査を自動化できる機械として、弊社が提供するAI(ディープラーニング)による画像認識を使った最先端の外観検査システム「AISIA-AD(アイシアエーディ)」があります。従来、製造工場や建築現場、物流倉庫で長年、目視検査を行ってきた熟練の検査員でしか検知できなかった製品、部品の欠陥や異物を認識します。

さらに、一度設定した判断基準や学習によって、使っていくほどに熟練度が向上。人間の目による目視検査と異なり、疲労やコンディションによる判断ミスといったヒューマンエラーがなく、不良品の出荷を大きく減らすことが可能となります。
外観検査の作業効率化や生産性の向上を考えている企業の方にとって、AISIA-ADを導入することで外観検査の作業を省人化でき、品質チェックの精度を向上させることができます。

 

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